刑事事件における裁判所の役割|裁判所の種類ごとの違いとは?取扱事件の管轄を解説

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刑事事件における裁判所の役割|裁判所の種類ごとの違いとは?取扱事件の管轄を解説

刑事事件で起訴されそう…。自分の事件がどの裁判所の管轄なのか知りたい!」

「裁判所の種類ごとの違いって何?」

このような疑問、お悩みをお持ちの方はいませんか?

起訴された刑事事件は裁判所で審理されることになりますが、その流れや仕組みについてくわしく知っている方は少ないかと思います。

今回は、

  • 刑事事件における裁判所の役割や裁判の流れ
  • 刑事事件における裁判所の種類
  • 刑事事件を裁判所で傍聴する方法

などについて徹底解説していきます。

なお専門的な解説は刑事事件を数多くとり扱い、裁判所での裁判手続きなどにもくわしい岡野弁護士にお願いしています。

弁護士の岡野です。

よろしくお願いします。

裁判所にはいくつかの種類があり、種類ごとに取り扱う事件の内容も違います。

この記事で裁判所について知識を身につけていってください。

刑事事件の裁判所の役割|裁判の仕組み

刑事事件の裁判所の役割|裁判の仕組み

刑事事件について起訴されると、裁判所において裁判が開かれることになります。

起訴にいたるまでの流れについて知りたい方はコチラの記事をご覧ください。

まずは、刑事事件における裁判流れなどについて解説していきましょう。

刑事訴訟の種類

裁判、というとドラマやゲームなどのイメージから、

裁判官を挟んで検察と弁護士が意見を戦わせる

といった場面を思い浮かべる方も多いかと思います。

ヤフー知恵袋にはこのような投稿もありました。

jjl********さん2008/10/818:03:35

本物の裁判でも「異議あり!」と言うのですか?

逆転裁判という裁判のゲームで

「異議あり!」と叫んでますが、

実際の裁判でも「異議あり!」と言うのでしょうか?

(略)

実際の刑事裁判は粛々と、より事務的に進んでいきます。

さらには、

検察官と弁護士双方が意見を述べることなく、簡単な審理で裁判を終わらせる手続き

まであるのです。

略式手続

「検察官と弁護士双方が意見を述べることなく、簡単な審理で裁判を終わらせる手続き

この手続きのことを「略式手続」と言います。

略式手続

裁判所が過去の判例などを参考に適切な金額を算定し、罰金もしくは科料を科すという簡易的な裁判

公開の場で裁判が開かれることはなく、検察官と弁護士が意見を戦わせることもない。

略式手続となれば、1日のうちにすべての手続きが終わり、罰金などの支払い命令が下ってすぐ釈放となります。

略式手続がとられるのは、事件について以下の条件に当てはまったときです。

略式命令が行われる条件
①検察官の判断
事件を担当する検察官が、略式手続を行うのが相当であると判断していること
②裁判官の判断
事件を担当する裁判官が、検察官からの略式手続の要請について相当であると判断していること
③被疑者の判断
被疑者が略式手続を行うことに同意すること
④裁判所
簡易裁判所の管轄となる事件であること
⑤罪
100万円以下の罰金または科料が見込まれる事件であること

つまり、ごく簡単で、軽い罰が見込まれる事件については、正式裁判を開くまでもないこととして、この略式手続がとられるというわけです。

公判請求

略式手続では済まないような事件については、正式に裁判を開いて事件を審理することになります。

検察官が正式裁判を開くよう要請することを「公判請求」と呼んだりもします。

略式手続と公判請求の統計

統計上、公判請求されるよりも略式手続をとられるケースの方が、数としては圧倒的に多いです。

平成28年の統計を見てみましょう。

略式起訴と公判請求の人数(H28)
人数
公判請求の人数 87,735
略式手続の人数 264,934
略式手続の割合 75

平成29年版 犯罪白書 第2編 第2章 第3節より

起訴された総数と比較したときの、略式手続がとられた人数の割合約75%でした。

ここ数年の推移を見てみても、おおむねこの割合を維持しているようです。

正式裁判が開かれる機会というのは、意外なほど少ないということがわかります。

刑事事件における正式裁判の流れと手続き|裁判所開廷から判決まで

正式裁判流れについても簡単に確認しておきましょう。

多くの事件では、2回にわたり公判(裁判を開廷し審理を行うこと)が開かれます。

刑事裁判の流れ

裁判は以下のような流れをたどることになります。

冒頭手続

被告人の氏名や生年月日、住所、本籍、職業などについて裁判官から質問され、本人確認が行われます。

さらに検察官が起訴状を読み上げます。

起訴状には氏名、生年月日、住所など被告人を特定するための事項と、

  • 被告人が犯したと疑われる犯罪事実
  • この犯罪に適用すべき法律の条文罰則

が記載されています。

起訴状の朗読の後、裁判官が黙秘権の説明を行います。

被告人は起訴状の内容に対し、身に覚えがあるのか、ないのかを回答、もしくは黙秘権を行使し、冒頭手続は終了します。

証拠調べ手続

検察官は、今回の事件が真実であることを示す証拠を提示します。

被告人および弁護人は、この証拠に反論がある場合には、事件の目撃者などを呼び出し証人尋問などを行い、検察側の証拠を打ち消す立証活動を行います。

検察側の証拠に反論がない場合には、被告人に有利な情状を示す証拠などを提示します。

論告、求刑

検察官が事件を総括し、被告人に対してどんな刑罰を与えるべきか裁判官に意見を述べます。

最終弁論

検察の求刑をうけて、弁護人は裁判官に対し事件について事実無根であれば無罪を求め、事件について事実であれば、より軽い量刑を求めます。

最後に被告人自身が意見を述べることのできる機会も設けられます。

判決言渡し

最終弁論が終わり次第、裁判官は数日かけて事件を審理し、次の公判日に判決を言い渡します。

公判回数が2回となる事件では、最初の公判で最終弁論まで行い、次の公判で判決が言渡される流れとなります。

無罪を争う裁判では、証人尋問の回数が増えるなどして公判回数が多くなり、結果的に裁判が長期間に及ぶケースも多いです。

裁判の流れについてよりくわしく知りたい方はコチラの記事をご覧ください。

刑事事件における裁判所の種類|取扱事件の違いとは?

刑事事件における裁判所の種類|取扱事件の違いとは?

日本においては、現在5種類の裁判所が存在しています。

  • 最高裁判所
  • 高等裁判所
  • 地方裁判所
  • 簡易裁判所
  • 家庭裁判所

です。

いままで解説してきたことを踏まえ、それぞれの裁判所の役割について解説していきましょう。

地方裁判所と簡易裁判所|主に刑事事件の第一審を管轄

原則、刑事事件の第一審を審理するのは、

  • 「地方裁判所」
  • 「簡易裁判所」

です。

簡易裁判所

簡易裁判所は、罰金以下の刑に当たる罪や、窃盗や横領など比較的軽微な罪の刑事事件の第一審について担当します。

簡易裁判所では、

  • 窃盗や常習賭博など一部の犯罪については3年以下の懲役刑
  • それ以外の犯罪については、原則、罰金以下の刑罰

しか科すことができないとされています。

より重い刑罰を科すべきであると判断されたときは、地方裁判所に事件を移送することになっています。

略式手続

また、略式手続がとられた刑事事件はすべて簡易裁判所の管轄となります。

簡易裁判所の担う事件は非常に多いわけです。

そのため、簡易裁判所は5種類の裁判所の中で最多の全国438か所に存在しています。

地方裁判所

地方裁判所簡易裁判所の管轄外の事件や、簡易裁判所から移送されてきた事件について、その第一審の審理を担当します。

支部も含めて全国に253か所存在しています。

簡易裁判所と地方裁判所
簡易裁判所 地方裁判所
刑事訴訟における役割 第一審を審理
管轄の事件 罰金以下の刑にあたる罪
一部の軽微な犯罪
簡易裁判所の管轄外の事件
科せられる刑罰 原則、罰金以下の刑
一部の犯罪は3年以下の懲役刑
制限なし
全国438か所 支部を含め全国253か所

高等裁判所と最高裁判所|控訴、上告を審理

第一審の判決に不服がある場合には、さらに上級の裁判所に不服申し立てを行うことができます。

  • 第一審に対する不服申し立てを「控訴
  • 控訴審に対する不服申し立てを「上告

とそれぞれ呼称します。

控訴審についてよりくわしく知りたい方はコチラの記事をご覧ください。

高等裁判所

刑事事件において控訴(第一審に対する不服申し立て)が行われた際には、原則として高等裁判所が審理をすることになっています。

高等裁判所は全国に本庁8か所、支部6か所、合計14か所置かれています。(知的財産高等裁判所を除く)

注意

刑事訴訟において高等裁判所は控訴審を行う裁判所です。

しかし、刑法の第2章に規定される「内乱に関する罪」については、例外的に高等裁判所において第一審の審理が行われることになっています。

最高裁判所

最高裁判所は、憲法によって設置された日本における唯一かつ最高の裁判所です。

刑事訴訟においては、上告(控訴審に対しての不服申し立て)の審理を行います。

なお、言うまでもないことかもしれませんが、最高裁判所は日本全国に1か所しか設置されていません。

高等裁判所と最高裁判所
高等裁判所 最高裁判所
刑事訴訟における役割 控訴を審理 上告を審理
支部含め全国14か所* 1か所

*知的財産高等裁判所を除く

家庭裁判所|少年事件を審理

少年法上、20歳未満の人間を「少年」と呼称します。

少年が犯罪を犯した場合には、通常の刑事事件とは異なる手続きによって、審判を下すことになります。

未成年の逮捕の流れ

少年事件についてよりくわしく知りたい方はコチラの記事をご覧ください。

家庭裁判所

家庭裁判所は、少年が犯した犯罪について審判を下す裁判所です。

家庭裁判所は人間科学や社会学、犯罪学に精通した専門スタッフを擁しており、少年の更生に関して専門的知見から判断をくだすことができます。

本庁の他、支部や出張所をふくめて、全国に330か所存在しています。

刑事事件を傍聴しに裁判所へ行く

刑事事件を傍聴しに裁判所へ行く

家庭裁判所で開かれている裁判や、略式手続がとられた裁判を除き、基本的に裁判は公開で行われることになっています。

この記事をご覧の方の中には

「裁判の傍聴をしてみたい!」

と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ここからは裁判傍聴の仕方について、解説していくことにしましょう。

刑事事件の裁判傍聴の方法|いきなり裁判所に行っても平気?服装は?

裁判の傍聴にあたっては、とくに予約の必要などはありません。

入場の際に身分証明書の提示を求められたり、あるいは入場料を取られたりといったこともありません。

ただ、事前にテレビで大々的に取り上げられた事件など、傍聴希望者が多い裁判では抽選が行われることがあります。

指定された時間内に当該の裁判所に赴き、抽選によって弾かれなければ裁判を傍聴することができます。

服装

基本的に裁判の傍聴にあたって服装の指定があるわけではありません。

常識の範囲内であれば、どんな服装でも大丈夫です。

ただ、

  • 事件に関わるメッセージ性のある服装
  • 政治的なメッセージが入った服装

などはNGが出される可能性があります。

持ち物

携帯電話など音の出る機器は、法廷内では電源を切ることになっています。

また、原則として、危険物撮影、録音ができる機器は法廷内への持ち込みを禁止されています。

裁判所は裁判傍聴にあたっての手引きを公開しています。

さらに、裁判傍聴のガイドも作成、公開しています。

気になる方はこれらの資料をよく読み、気軽に裁判傍聴に赴いてみてください。

刑事事件の裁判についてのお悩みは弁護士に相談!

刑事事件の裁判についてのお悩みは弁護士に相談!

ここまで岡野弁護士とともにお送りしました。

この記事をご覧になっている方の中には、自分の事件に即して具体的なアドバイスが欲しい! という方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、ここからは弁護士に相談できる様々なサービスについてご紹介します。

スマホ一台でお手軽に相談するなら

こちらの弁護士事務所は、刑事事件の無料相談予約を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。

いつでも専属のスタッフが無料相談の予約案内を受け付けてくれるので、緊急の時も安心です。

LINE相談には、夜間や土日も、弁護士が順次対応しているとのことです。

急を要する刑事事件の相談予約受付ができるので、頼りになりますね。

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※無料相談の対象は警察が介入した刑事事件加害者側のみです。
警察未介入のご相談は有料となります。

ちなみにLINE相談は、匿名でも受け付けているとのこと。

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相談してみたい弁護士をぜひ見つけてみてください。

最後に弁護士からメッセージ

では岡野弁護士、最後に一言お願いします。

刑事事件の裁判についてお悩みのみなさん。

たとえ起訴後であっても、弁護士に依頼することで、

  • 保釈で釈放される
  • 量刑が軽くなる

などが期待できます。

被告人に有利な証拠の提示、検察官や裁判官へのはたらきかけなどの弁護活動によって、その後の社会復帰がより容易なものとなるのです。

少しでもお悩みのことがあれば、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

まとめ

今回は刑事事件における裁判所の役割などについて解説してきました。

刑事事件の裁判所のまとめ
  • 刑事事件の裁判は、事件の態様により「略式手続」がとられるケースと「公判請求」が行われるケースがある
  • 裁判所は簡易裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、高等裁判所、最高裁判所の5種類があり、それぞれ役割が違う
  • 裁判の傍聴はだれでも無料であり、事前に予約をする必要もない

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