傷害事件の裁判の流れ|弁護士に聞いてみた「裁判期間」や「裁判費用」の素朴なギモン

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弁護士事務所の掲載順と弁護士の力量とは無関係です。相性を考慮して、ご自身に合った弁護士をお探しください。

つい頭に血がのぼって人を殴り、傷害事件を起こしてしまった…

ある日、ご自身やご家族が傷害事件の加害者になる可能性もあります。

こんなニュースもありました。

自転車の男性を押し倒してけがをさせたとして、大阪府警西堺署は8日、傷害の疑いで、堺市西区上、無職、(略)容疑者(略)を現行犯逮捕した。

「私有地に勝手に入った自転車を止めようとしただけ」と容疑を否認している。(略)

このように些細なことで傷害事件が発生することもあります。

事件が起訴され、裁判で有罪になってしまうと刑法で

15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する

と定められています。

決して軽い刑罰ではないですよね。

傷害事件で裁判が行われ、刑罰が言い渡されるまでの流れをみていきましょう。

法律のくわしい部分などは弁護士の先生に解説をお願いします。

【傷害事件】裁判の流れを知る~起訴から判決まで~

【傷害事件】裁判の流れを知る~起訴から判決まで~

逮捕後、検察官は事件を捜査し、被疑者に刑罰を与える必要があるどうか判断します。

捜査の結果、刑罰を与える必要があると判断した場合は裁判所に裁判を行うよう申し出ます。

これを起訴といいます。

起訴の流れの図がありますのでご覧ください。

起訴の流れ

傷害事件の裁判の流れとは?

もしご自身やご家族が傷害事件で刑事裁判を受けることになってしまったら…

先に刑事裁判の流れを把握しておけば心の準備ができますよね。

では傷害事件が起訴された後の流れをみていきましょう。

裁判は、起訴状が送られてきてから約1か月後に開催されます。

争いのない事件であれば、1回の公判で終了することが多いです。

傷害事件を認めていないなどの事情があると、公判が長引くことが予想されます。

細かい部分を見ていく前にまずは刑事裁判の流れの大枠を掴みましょう。

刑事裁判の流れは通常以下の通りです。

刑事裁判の流れ

▼第一回公判

① 冒頭手続

人定質問、起訴状朗読、黙秘権告知、罪状認否

② 証拠調べ手続

検察官の冒頭陳述、証拠調べ請求、検察官の立証、被告人・弁護人の立証

③ 弁論手続

検察官の論告求刑、弁護人の最終弁論、被告人の意見陳述

▼第二回公判(約10日後 )

判決、判決言い渡し

基本的に、被告人は裁判に毎回出席することになります。

逮捕・勾留されている場合は留置場や拘置所から出席します。

逮捕されていない場合や保釈されている場合などは、自宅などから法廷に向かうことになります。

それではそれぞれの項目を細かくみていきましょう。

①冒頭手続

裁判は定刻通りに始まり、初めに冒頭手続きを行います。

冒頭手続きでは

人定質問

起訴状の朗読

黙秘権などの被告人が有する権利の告知

起訴された公訴事実に対する罪状認否

などが行われます。

「人定質問」では、裁判官から、被告人の住所・氏名・生年月日・本籍地などが聞かれます。

これは、出廷している被告人が人違いでないかを確認するためです。

人違いで無いことが確認できたら、検察官が被告人が犯罪を行ったと考える事実を記載した起訴状の朗読が行われます。

起訴状の朗読ではどのような事実を立証しようとしているのか、また、犯罪名などを明らかにします。

被告人は、裁判官から「黙秘権」があることの説明を受け、事実に認めるか否認するかを答えます。

この刑事裁判の手続きが始まってから証拠調べに入るまでの手続きを「冒頭手続」といいます。

人定質問での本籍地については忘れている人も多いですが、番地まで詳細に答えられなくても特に問題はありません。

手続が終わった後に、被告人と弁護人が、起訴状記載の罪を認めるかどうか、また、こちら側の言い分を主張する機会がありましたね。

ここでの発言は、あとで覆すことが困難です。

②証拠調べ手続

冒頭手続きが終わると、次は「証拠調べ手続」です。

証拠調べ手続とは、検察官と弁護人が裁判官に対して、各証拠を示す手続きのことです。

証拠として挙げられるのは

証拠物として扱われるもの一例

◎証拠となる書類(書証)

事件の関係者が事件に関して、または事件と関係なく作った書類(証拠物と扱われる場合もあります)

捜査機関が捜査結果を報告するため作った書類

供述調書

など

◎証拠となる物(証拠物)

犯行に使用された凶器

犯行現場に落ちていた遺留品

家宅捜索によって押収された物

など

◎証拠となる人(人証

証人

鑑定人

これらが証拠として裁判所が取り調べる対象となります。

裁判官は証拠調べ手続までは証拠を一切見ず、証拠調べ手続きにおいて初めて証拠を目にします。

これは裁判官の予断を排除するためです。

証拠調べ手続は以下の通りに進行します。

① 検察官の冒頭陳述

② 証拠調べ請求

③ 検察官の立証、被告人・弁護人の立証

各手続きをくわしくみてみましょう。

①検察官の冒頭陳述
検察官がどのような犯罪事実を立証しようとしているのかをくわしく説明します。
起訴状だけでは犯罪を構成する事実しか記載されていませんので、この冒頭陳述で具体的な事実を明らかにします。
また、冒頭陳述では弁護側が立証を予定射ている、被告人に有利な事情を説明することも可能です。
②証拠調べ請求
検察官と弁護人が裁判官に対し、立証活動の予定を説明します。

ある証拠を調べるために、一方がそれを証拠とすることを裁判所に求めます。

もう一方の意見を聞いた上で、裁判所が証拠とすることに問題がないと判断されたものについて、その内容を調べます。

刑事事件では、検察官が事件について証明する責任を負っています。

よって、まずは検察官側の証拠から調べ、検察官の立証が終わった後、弁護側の証拠を調べます。

検察官の証拠調べ請求において、嘘が書かれてるい被害者や関係者の調書や、内容が不正確な書面が請求された場合、その証拠に対して不同意の意見を述べることができます。
③検察官の立証、被告人・弁護人の立証
裁判官が証拠調べ請求により、取り調べる必要があると決定した証拠については、証拠の取調べが行われます。

証拠の提示の方法は証拠により様々です。

✔「書類」を調べるときは法廷で読み上げる方法

✔「証拠物」についてはその場にいる人たちに見てもらう方法

✔「証人」の場合には証人尋問を行う方法

と、証拠の種類に応じたそれぞれの方法で証拠を調べます。

立証活動で有罪・無罪(一部無罪)、量刑が決まることになります。

よって、弁護人の弁護活動において、証拠調べ手続は極めて重要な手続となります。

③被告人質問

証人尋問などが終ると、「被告人質問」が行われます。

どの裁判でも裁判の中で、必ず被告人本人に話をする機会が与えられます。

事実に争いのある事件においては、傷害事件について、被告人質問で被告人は裁判官に直接自分の言い分を説明します。

また、事実に争いが無い場合は事件についての謝罪や反省の気持ちを話す機会でもあります。

④弁論手続

被告人質問は裁判の中でも極めて大切な手続きといえます。

被告人質問が終ると「弁論手続き」に入ります。

弁論手続では「論告・求刑→弁論→最終陳述」と進んで行きます。

論告・求刑

検察官が今回の傷害事件についての意見を述べる手続です。

証拠で事実が認定できること

どのような刑罰を与えるべきか

などについての意見を述べます。

どのような刑罰をあたえるべきかについての意見を述べた部分を「求刑(きゅうけい)」といいます。

最終弁論

弁護人は事実に争いが厚場合は検察官の論告・求刑に対する反論を述べます。

無罪(一部無罪)であることの主張や、被告人に斟酌すべき情状があることなどの情状を主張していきます。

事実に争いのない場合は、被告人に出来る限り軽い刑が言い渡されるように被告人に有利な意見を述べます。

最終弁論は弁護人が被告人に有利な意見を述べることができる最後の機会になります。

最終陳述

論告と最終弁論が終ると、最後に被告人も意見を述べることができます。

最終弁論は弁護人が被告人に有利な意見を述べることができる最後の機会になります。

この最終陳述で全ての審理が終わります。

これを「結審」といいます。

最終弁論が終わると、裁判官が判決宣告期日を指定し、法廷は閉廷となります。

⑤判決言い渡し

結審すると、裁判官は証拠を検討し、後日「判決の言い渡し」を行います。

判決の言い渡しがされることで裁判が終わります。

判決の言い渡しでは、

有罪か無罪か

有罪であった場合はどのような刑にするのかという結論である「主文」と、そのように判断した「理由」

が述べられます。

判決の言い渡しも、誰でも傍聴できる公開の法廷にて行われます。

裁判長が結論となる主文を朗読し、その結論に至った理由を詳しく説明します。

主文においては、無罪の場合は無罪と、有罪の場合は刑罰の内容が言い渡されます。

傷害事件においては有罪の場合「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」の範囲で刑罰が科されます。

また、傷害罪で罰金刑が言い渡される場合は、略式裁判で法廷には出ずに終わるケースもあります。

一方で、懲役刑が言い渡される場合は、必ず裁判所の法廷で正式裁判が行われることになります。

傷害罪の懲役と罰金の量刑判断についてはこちらの記事をご覧ください。

現在の日本では三審制がとられています。

第一審の判決の内容に納得できない場合は、高等裁判所に審理してもらうために2週間以内に控訴する必要があります。

控訴すれば、控訴審でもう一度審理を受け直すことができます。

三審制の意味を確認しておきましょう。

訴訟事件について、審級を異にする裁判所の審理を三回受けることを認める裁判制度。判決手続において控訴、上告を認め、決定手続において抗告、再抗告を認めるのが、これに当たる。

以上が裁判の流れです。

実際はこんな風に裁判が流れているとは知らなかったかもしれませんね。

裁判の流れを知っていれば、もしご自身やご家族が刑事裁判を受けることになったときも心構えができますね。

【傷害事件の裁判Q&A】裁判に関する費用と期間についてのギモン

【傷害事件の裁判Q&A】裁判に関する費用と期間についてのギモン

刑事事件の用語|裁判費用と訴訟費用の違いは?

裁判にはお金がかかっています。

裁判の費用に関しては、「裁判費用」と「訴訟費用」という言葉が登場します。

裁判費用とは

訴訟を追行する際に当事者が裁判所に納める費用をいいます。

主に民事裁判で登場する言葉です。

訴訟費用

民事裁判における訴訟費用と、刑事裁判における訴訟費用があります。

→「民事裁判」での訴訟費用は、訴状などに貼付される収入印紙や、証人の旅費日当等がこれにあたります。

→「刑事裁判」での訴訟費用は、証人に支払う旅費日当や、公判期日に要した通訳人への通訳料がこれにあたります。

刑事裁判における訴訟費用については、「刑事訴訟費用等に関する法律」に定められています。

具体的には、次の3つが訴訟費用となります。

① 証人などに支給する旅費・日当・宿泊料

② 鑑定、通訳、翻訳をさせたときの鑑定人、通訳人、翻訳人に支給する鑑定料、通訳料、翻訳料など

③ 国選弁護人に支給する旅費・日当・宿泊料・報酬

刑事訴訟法では、訴訟費用は原則として被告人に負担させることとなっています。

ところが、実際は、傷害事件などの刑事事件で、訴訟費用を被告人に負担させるケースはほとんどありません。

また、これらの費用とは別に、「弁護士費用」という費用もあります。

これは、私選弁護士を選任するときに必要になります。

この費用は裁判所に納めるものではなく、弁護士に支払うものです。

国選弁護士を選んだ場合には、弁護士費用はかかりません。

刑事裁判が行われる期間は?裁判はいつから始まる?

傷害事件の裁判の流れがわかりました。

裁判が始まって、判決がでるまでの期間はどれくらいなのでしょうか。

なかなか裁判が始まらず、判決がでないと被告人自身も被告人の家族も不安で仕方ありませんよね。

傷害事件の裁判は事件が起訴されていからどれくらいで始まるのでしょうか。

事件が起訴されると、裁判所から被告人に起訴状の写しが送られてきます。

裁判は、起訴状が送られてきてから約1か月後に行われます。

争いのない事件であれば、1回の公判で終了することもあります。

判決の言い渡しは第1回公判のおよそ10日後に行われることが多いです。

事実に争いがあるなど複雑な事件の場合は、公判の時間や回数が増え、判決までに長い時間がかかることがあります。

比較的簡単な事件なら最短で1ヶ月半程で全行程が終了します。

刑事裁判の流れ

裁判の日程はどのように決まる?公判期日とは?

公判の手続きが行われる日を「公判期日」といいます。

つまり裁判が行われる日のことです。

公判期日に、公開の法廷で、裁判所が事実関係や法律関係を調べ、また、判決などを行います。

公判期日は被告人が決めることはできるのでしょうか。

公判期日は被告人の希望に沿う訳ではありません。

裁判長が、検察官と弁護人から予定等を聞いた上で、調整します。

保釈中のケースでは裁判日にしてされた日が他に大切な用事がある場合もあるかもしれません。

裁判の日程を調整してほしいときは事前に弁護人に相談するとある程度の調整が可能となります。

なお、保釈されており、社会生活を送っている状態でも、公判期日を決して欠席しないように注意してください。

裁判に欠席すれば、保釈が取り消され、高額な保釈保証金が没収されることがあります。

公判期日が一度決定されてしまうと、変更することは非常に難しいです。

被告人は自由に日程が選べるわけではありません。

なので、不安な場合はあらかじめ弁護人に伝えておきましょう。

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最後にひとこと

傷害事件の裁判の流れについてよくわかりましたね。

それでは最後にひとことお願いします。

傷害事件の当事者になり、逮捕されてしまった方、またそのご家族の方。

傷害事件は被害者対応など、早急な対処が重要です。

真摯に被害者対応をし、捜査機関に対しても誠実に応じていくことが大切です。

裁判沙汰になる前に、どのような解決方法があるか弁護士に相談してみてください。

弁護士は法律の専門家として、あらゆる面をサポートします。

まとめ

今回は傷害事件の裁判についてくわしくみていきました。

知らなかったこともたくさんありましたね。

もし、傷害事件の当事者になってしまったら…

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