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痴漢のすべて|初犯で逮捕は罰金?懲役?キニナル情報を押さえよ

  • 痴漢

痴漢のすべて|初犯で逮捕は罰金?懲役?キニナル情報を押さえよ

よくある犯罪に焦点をあて、弁護士の監修のもと徹底調査したレポートを公開中の罪名ナビ。

今回は、痴漢についての調査結果をお届けします。

痴漢の意味刑期時効逮捕懲役慰謝料、そして示談まで、徹底的に見ていきましょう。

痴漢とは、痴漢の構成要件

痴漢の定義とは

痴漢には、各都道府県が定めた条例に抵触する場合と、刑法犯である強制わいせつがあります。

例えば、大阪府の条例によれば、痴漢行為は16条2号で「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と定められています。

一方で、強制わいせつ罪は刑法第176条で6月以上10年以下の懲役に処すると定めています。

痴漢の構成要件とは

痴漢の構成要件とは、痴漢が成立するための要件のことです。

大阪府の条例を見ると、痴漢の構成要件は、人に恥ずかしい思いをさせたり、人を不安にさせる方法で、公共の場所や乗物で衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること(6条1号)とされています。

一方、強制わいせつ罪は、13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をすること、また、13歳未満の者に対し、わいせつな行為をすることであると刑法に定められています(176条前段・後段)。

痴漢の構成要件のポイント

痴漢の保護法益は?

痴漢(条例違反)の場合、公共の場所や乗り物での痴漢に限って処罰をすることとなっていますので、個人の性的自由のみならず社会的な性風俗や平穏も保護していると考えるのが有力的な考え方のようです。

強制わいせつ罪が成立する場合の痴漢では、保護法益は人の性的自由です。

痴漢の実行行為についてのポイント

条例違反の場合の痴漢の実行行為は、衣服等の上から、又は直接人の身体に触れることです。

また、強制わいせつ罪の実行行為は、①被害者が13歳未満の者の場合、暴行・脅迫を用いてわいせつな行為をすることです。

そして、②被害者が13歳未満の者の場合には、暴行・脅迫が用いられる必要はなく、わいせつな行為をすることが実行行為とされています。

痴漢の構成要件の判断方法は?

痴漢の構成要件の該当性は、

  1. ①痴漢の実行行為があるか、
  2. ②痴漢の結果があるか
  3. ③因果関係が認められるか
  4. ④痴漢の故意が認められるか、

によって判断されます。

なお、実際に因果関係が問題になることはそう多くはありません。

痴漢の故意は?

痴漢には、痴漢行為をする故意が必要です。

路上で見かけた女性に対し、追い抜きざまにその女性の臀部を触る行為や、満員電車で密着した状態を利用して、前に立つ女性の腰に自分の手の甲を押し付ける行為では、それぞれに痴漢の故意が認められるでしょう。

痴漢が未遂の場合はどうなる?

条例違反の場合には、未遂はありません。

強制わいせつ罪の場合には、被害者が13歳以上の者に対して暴行・脅迫を開始した時点で、実行の着手があったということで強制わいせつ未遂罪が成立し処罰の対象となります。

痴漢と刑期

痴漢と刑期の関係

痴漢を犯した者は、各都道府県の条例で「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と定められている例が多くあります。

懲役とは、懲役刑のことで、痴漢で有罪判決を受けた人物を刑務所に収監し、刑務作業を行わせる刑罰をいいます。

もっとも、刑事裁判で懲役刑が言い渡されても、加害者側に有利な事情も考慮され執行猶予になれば、直ちには刑務所に収監されないです。

執行猶予後は、社会で日常生活を送り、再び犯罪をした場合に限り、執行猶予が取り消されて刑務所に収監されることになります。

これに対して、罰金とは、罰金刑のことで、痴漢で有罪判決を受けた人物から一定の金銭を強制的に取り立てる刑罰をいいます。

痴漢の場合は、50万円を超える罰金を科すことができないため、悪質な痴漢事件に対しては、罰金刑ではなく懲役刑が言い渡されることになります。

痴漢の刑期に関するQA

痴漢の初犯の刑期は何年?

痴漢を犯した者は、各都道府県の条例で「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と定められていることが多いです。

初犯の場合の刑期も、この法律の範囲内で言い渡されることになります。

実際に言い渡される刑期は、痴漢によって生じた結果の重大性や、痴漢の行為の悪質性の程度によって異なってきます。

もっとも、初犯であれば、略式裁判による罰金刑で終わることも多く、懲役刑の判決が下されることはそう多くありません。

痴漢でも執行猶予になる?執行猶予になるためには?

痴漢で起訴されて刑事裁判になっても、執行猶予になる場合があります。

刑事裁判で懲役刑が言い渡されても、執行猶予になれば、直ちには刑務所に収監されないです。

執行猶予後は、社会で日常生活を送り、再び犯罪をした場合に限り、執行猶予が取り消されて刑務所に収監されることになります。

執行猶予になるためには、痴漢事件の被害者に謝罪賠償が尽くされ、示談が成立していることが大切です。

痴漢と時効

痴漢と時効の関係

痴漢の時効は、刑事の時効と民事の時効に分けることができます。

痴漢の刑事の時効とは、いわゆる公訴時効のことです。

公訴時効とは、検察官の公訴する権限を消滅させる時効のことです。公訴時効が成立すれば、検察官は事件を起訴することができなくなります。

痴漢の民事の時効とは、いわゆる損害賠償請求権の消滅時効のことです。

民法724条の規定により、「損害および加害者を知った時」から3年間権利を行使しないときには、その権利は消滅するとされています。

痴漢の時効に関するQA

痴漢の公訴時効の時効期間は何年?いつから進行する?

条例違反の痴漢の公訴時効は3年です。公訴時効は犯罪行為が終わった時から進行します。

痴漢が終わった時から3年が経過した後は、検察官は痴漢事件を起訴することができないということになります。

痴漢の民事の時効期間は何年?いつから進行する?

痴漢(条例違反)の民事の賠償請求権の時効期間は3年です。

損害賠償請求権の消滅時効は損害および加害者を知った時から進行します。

痴漢の被害者は、損害および加害者を知った時から3年以内であれば、痴漢の加害者に対して損害賠償を請求できるということになります。

これに対して、痴漢の加害者は、痴漢の被害者が損害および加害者を知ったのち3年が経過すれば、損害賠償の請求を受けないということになります。

痴漢の慰謝料の時効期間は何年?いつから進行する?

痴漢の慰謝料請求権の時効期間は3年です。

慰謝料請求権の消滅時効は、被害者が損害および加害者を知った時から進行します。

痴漢と逮捕

痴漢と逮捕の関係

現行犯逮捕と後日逮捕(通常逮捕)の違いは?

痴漢の逮捕には、大きく、①痴漢の事件当日に逮捕される現行犯逮捕と、②痴漢からしばらくした後に逮捕される後日逮捕(法律的には「通常逮捕」といいます)の二つのパターンがあります。

痴漢の現行犯逮捕とは、痴漢の当日に痴漢事件の現場で逮捕されることをいいます。痴漢事件が起こったその時その場所で被害者や目撃者によって逮捕されるのが一般的です。

現行犯逮捕された後は、痴漢の加害者はそのまま警察署に連行されることになります。

これに対して、痴漢の後日逮捕とは、痴漢の逮捕状にもとづいて逮捕されることをいいます。痴漢事件が起こった翌日以降に逮捕状をもった警察官によって逮捕されるのが一般的です。

痴漢の逮捕状がいつ発行されるかは、痴漢事件に対する捜査の進み具合によって異なります。

現行犯逮捕と後日逮捕の違い

痴漢で現行犯逮捕されるケースは?

痴漢で現行犯逮捕されるケースは、痴漢事件の被害者または周囲の目撃者が痴漢行為を現場で確認している点に特徴があります。

頻繁に痴漢事件が起こっている現場周辺では、特に捜査機関が警戒していることもあり巡回中の警察官によって現行犯逮捕されることも少なくありません。

痴漢の中でも電車の二人掛けのシートを利用し被害者が逃げられないようにした上での痴漢など、悪質性の高い場合には、現行犯逮捕されるケースがあります。

また、痴漢をした後、逃げようとしたため現行犯逮捕されるケースもあります。

具体例その1

加害者Aは被害者Bに対して、満員電車で身動きがとれない状況を利用して、密着した被害者の臀部を手で触り続けたことで現行犯逮捕された。

具体例その2

加害者Aは被害者Bに対して、電車内で痴漢行為をしたが、それを見咎められたため、走って逃げたことで現行犯逮捕された。

痴漢で後日逮捕(通常逮捕)されるケースは?

痴漢で後日に通常逮捕されるケースはそう多くありません。

その中で、痴漢で後日逮捕されるケースは、痴漢の加害者が痴漢事件に関する証拠を隠滅する可能性が高い場合や逃亡する可能性が高いと判断される点に特徴があります。

警察としても、軽微な痴漢事件で、証拠隠滅の可能性が低いケースでは、わざわざ裁判所に対して逮捕状を請求しないのが一般的です。

この点、痴漢の容疑を不合理に否認している場合には、「証拠を隠滅する可能性が高い」として後日逮捕されるリスクが高まります。

具体例その1

加害者Aは被害者Bに対し、デパートのエスカレータで被害者の足を触る痴漢をした。しかしその後、多数の目撃者明確な証拠があるにも関わらず、容疑を不合理に否認したため後日逮捕された。

具体例その2

加害者Aは被害者Bに対し、駅のホームで痴漢をした。しかしその後、防犯カメラに犯行現場が映っているにもかかわらず、容疑を不合理に否認したため後日逮捕された。

痴漢の逮捕に関するQA

逮捕されない痴漢はある?

あります。すべての痴漢の加害者が逮捕されるわけではありません。

痴漢事件を起こしてしまっても、痴漢の犯行態様が悪質でない場合は、逮捕されないケースも多いです。

もっとも、逮捕されない痴漢の場合でも、被害届が受理されれば、在宅(ざいたく)のまま捜査や取り調べが行われることになります。

在宅事件の場合は、警察署の留置場で生活する必要はありません。自宅で生活することができます。

しかし、警察から呼び出しがあった場合は、その呼び出しに応じて自宅から警察署に出向き、痴漢事件の捜査や取り調べに協力することが求められます。

痴漢の逮捕条件は?

痴漢の逮捕条件は、現行犯逮捕の場合と、後日逮捕(通常逮捕)の場合とで異なります。

現行犯逮捕の要件

痴漢の現行犯逮捕は、基本的に、痴漢事件を現に確認した者によってその現場で行われる必要があります。

現行犯逮捕できるのは、基本的にその時その場限りです。

痴漢事件の現行犯逮捕は、目撃者や被害者側の関係者、現場に駆けつけた警察官によって行われることが多いです。

後日逮捕の要件

痴漢の後日逮捕は、裁判官が発行する逮捕状にもとづいて行われる必要があります。

逮捕状の発行を請求するのは、一般的に警察官です。

逮捕状の発行は、逮捕の理由逮捕の必要性が認められる場合に限られます。

逮捕の理由とは、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」のことです。

逮捕の必要性とは、「被疑者が逃亡するおそれ」や「被疑者が罪証を隠滅するおそれ」があることです。

痴漢の逮捕の流れは?逮捕までの流れは?

痴漢の逮捕の流れは、大きく現行犯逮捕の場合と後日逮捕(通常逮捕)の場合に分けられます。

現行犯逮捕の流れ

痴漢の現行犯逮捕の流れは、痴漢事件の現場で痴漢事件の直後に逮捕される点に特徴があります。

痴漢事件の被害者目撃者が加害者を直接逮捕するのが、痴漢の現行犯逮捕です。

現行犯逮捕された後は、その場に通報を受けた警察官がやって来て、そのまま警察署に連行されることになります。

①痴漢事件の発生

②被害者や第三者による現行犯逮捕

③警察署への連行

後日逮捕の流れ

痴漢の後日逮捕の流れは、逮捕状をもった警察官に逮捕される点に特徴があります。

痴漢事件の加害者を後日逮捕するためには、裁判所が発行する逮捕状にもとづく必要があります。

実際の後日逮捕の現場では、警察官が痴漢事件の加害者に逮捕状を示して、逮捕が執行されることになります。

①痴漢事件の発生

②警察官による逮捕状の請求

③裁判官による逮捕状の発行

④警察官による後日逮捕

⑤警察署への連行

痴漢から後日逮捕されるまでの期間は?

後日逮捕されるまでの期間に、法律上の決まりはありません。

痴漢を犯してから後日逮捕されるまでの期間は、捜査の進み具合によるところが大きいです。

痴漢事件の場合、実際に後日逮捕されることはそう多くありません。

犯人が特定できている場合には、1か月以内に逮捕されることが多いです。

一方、犯人が特定できていないような場合には、逮捕まで時間がかかることもあります。

痴漢で逮捕された後の拘留期間は?

逮捕の期間

痴漢の逮捕の期間は、72時間です。

痴漢で逮捕されてから48時間以内に検察官に事件が送致され、24時間以内に勾留が請求されなければ、基本的に釈放されます。

痴漢での勾留が認められない限り、留置場で1~2泊して釈放されるというイメージになります。

拘留(勾留)の期間

痴漢での勾留の期間は、最初は10日間、さらに10日間延長される可能性があり、痴漢事件が条例違反として起訴されればさらに長引くことになります。

一度勾留が決定されれば、弁護士が介入し途中で示談が成立するなどの特段の事情がない限り、最低でも10日間は警察署の留置場で生活しなければなりません。

その後、さらに10日間ほど勾留が延長される可能性があります。

さらに、痴漢(条例違反)で起訴(公判請求)された場合は、その後に保釈が認められるか執行猶予判決が言い渡されるまで、ずっと留置場または拘置所で生活しなければなりません。

もし早期の釈放が必要な場合は、弁護士に積極的に動いてもらった方がよいでしょう。

弁護士が示談を成立させたり、保釈を請求することで、比較的早く留置場から釈放されるケースも多いからです。

なお、実際に痴漢事件で10日間の勾留を受けるケースはそう多くありません。

痴漢と逮捕の関係については、こちらの『痴漢は逮捕される?逮捕されない?逮捕の流れとその後の身柄拘束期間』でも解説しているので、良かったらご覧ください。

痴漢と懲役

痴漢と懲役の関係

条例違反の痴漢には、法定刑として罰金刑懲役刑が定められています。

痴漢が初犯の場合は、略式裁判で罰金刑になる可能性があります。

これに対して、繰り返し痴漢を行っているような常習的な痴漢行為では、正式裁判で懲役刑が下される可能性が高いです。

そもそも懲役刑とは?

懲役刑とは、刑務所で刑務作業を負う刑罰をいいます。

痴漢で懲役実刑となった場合は、刑務所に収監されて刑務作業を行わなければなりません。

これに対して、痴漢で懲役刑になっても、判決で執行猶予がついた場合は、直ちには刑務所に収監されないので、刑務作業を行う必要もありません。

痴漢の懲役に関するQA

痴漢の懲役の相場は?

痴漢(条例違反)の懲役刑の相場は、事件によってさまざまです。

痴漢(条例違反)の懲役の法定刑は、懲役6月以下と定められているため、痴漢の懲役刑が痴漢事件単体で懲役6月を超えることないと言えます。

一方で、強制わいせつ罪にあたる痴漢では、懲役の法定刑は6月以上10年以下と定められているため、強制わいせつにあたる痴漢事件単体であれば懲役10年を超えることはないと言えます。

痴漢の懲役の年数は?懲役は何年?

痴漢(条例違反)の懲役の年数は、各都道府県が制定する条例によって6月以下と定められていることが多いです。

痴漢で懲役実刑になるとしても、痴漢単独であれば、刑務所に収監されるのは6月以下です。

強制わいせつ罪の場合には、懲役刑は6月以上10年以下と法定されているので、強制わいせつ罪を構成する事件単体であれば、懲役10年を超えることはありません。

初犯の痴漢でも懲役実刑になる?

初犯で懲役実刑になる可能性はそう高くはありません。

もっとも、痴漢が複数回に及ぶ常習的な場合や、満員電車などの身動きの取れない環境を利用して行うような行為が悪質な事件の場合には、初犯でも懲役実刑になる可能性があります。

特に、同じ被害者に対する複数回の痴漢により、被害者が甚大な精神的被害を被っているなどの場合、痴漢の加害者と被害者の間で示談が成立していないときには、初犯でも懲役実刑になる可能性がより高まります。

懲役実刑を避ける方法は?

痴漢事件は被害者がいる刑事事件なので、被害者と示談を成立させることがもっとも大切です。

痴漢の被害者と示談が成立し、相手から許してもらうことができれば、初犯である点が考慮され、懲役実刑になる可能性が低くなります。

初犯の痴漢だと執行猶予になる?

初犯の痴漢だからといって、起訴されてしまった場合、必ずしも執行猶予になるとは限りません

痴漢の初犯であることは、刑事裁判において有利に考慮されますが、痴漢事件の被害が甚大または行為が悪質な場合は、初犯でも懲役実刑になる可能性があります、

痴漢で刑事裁判になった場合、執行猶予の可能性を高めたければ、被害者と示談を成立させることが大切です。

痴漢の懲役と罰金の量刑判断は?

痴漢の懲役と罰金の量刑判断では、痴漢事件前科の数が重要となってきます。

初犯であれば、ほとんどの場合、罰金刑となります。

再犯であれば、ほとんどの場合、懲役刑となります。

なお、①痴漢事件の結果の重大性、②痴漢事件の行為の悪質性、③痴漢事件の加害者と被害者との間で示談が成立しているか、などが考慮され、初犯でも懲役刑となることもあります。

結果の重大性

痴漢事件の結果が重大な場合は、罰金ではなく懲役になる可能性が高まります。

行為の悪質性

痴漢事件の行為が悪質な場合は、罰金ではなく懲役になる可能性が高まります。

例えば、電車の二人掛けシートを利用して被害者が動きにくい環境の中で行う痴漢では、行為が悪質と判断されることになります。

示談の有無

痴漢事件の示談が不成立な場合は、罰金ではなく懲役になる可能性が高まります。

示談が成立しているか否かは、被害者が存在する痴漢事件の刑事裁判としては、重要な量刑事情となるからです。

略式裁判と正式裁判の違い

痴漢で罰金刑が言い渡される場合は、略式裁判で法廷には出ずに終わるケースが多いです。

これに対して、痴漢で懲役刑が言い渡される場合は、必ず裁判所の法廷で正式裁判が行われることになります。

また、強制わいせつ罪にあたる痴漢の場合には、懲役刑のみが法定されていますので罰金刑となることはありません。

痴漢と慰謝料

痴漢の慰謝料とは

痴漢の慰謝料とは、痴漢によって生じた精神的損害に対する賠償金のことをいいます。

痴漢の慰謝料の金額は、痴漢によって引き起こされた損害の程度によって異なってきます。

基本的には、損害が重たいほど慰謝料の金額が高額になります。

痴漢の慰謝料に関するQA

痴漢の慰謝料の相場は?

痴漢(条例違反)の慰謝料の相場は、通常の事件の場合30万円程度が目安となってきます。

もっとも、悪質なケースや常習的に痴漢が行われていた場合には、それ以上の額となることもあります。

事例その1

エスカレーターで、前に立つ被害者の足を触り、被害者が大声をあげたのですぐに走って逃げた場合、被害者は慰謝料として20万円程度を受け取れる可能性があります。

事例その2

満員電車で身動きがとれないことを利用して、被害者の臀部を触る痴漢行為をした場合、被害者は慰謝料として30万円程度を受け取れる可能性があります。

一方、強制わいせつ罪に該当する事件の場合には、条例違反の痴漢と比べ高額な慰謝料となることが多いです。

事例その1

人通りの少ない路上で被害者に背後から近づき、被害者の口をふさいで「暴れたら知らないぞ」などと申し向け被害者の体を触るわいせつ行為を行った場合、被害者は慰謝料として100万円程度を受け取れる可能性があります。

事例その2

電車の二人掛けシートの窓側に座る被害者の横に座り、被害者が逃げられない状況下で被害者の下着の中に手を入れる強制わいせつ行為を行った場合には、被害者は慰謝料として150万円程度を受け取れる可能性があります。

痴漢の慰謝料請求権の時効は?

痴漢の慰謝料請求権の時効は、痴漢の損害および痴漢の加害者を知った時から3年です。

慰謝料請求権は、3年間行使しない時は、時効によって消滅するので注意が必要です。

痴漢の慰謝料請求権の時効の進行は、請求、差押え・仮差押え・仮処分、承認によって中断します。

痴漢の慰謝料と示談の関係は?

慰謝料とは、精神的損害に対する損害賠償金のことをいいます。

実際のケースでは、慰謝料を支払うことで示談が成立するケースが多いです。

しかし、慰謝料の支払いはただの義務の履行なので、慰謝料を支払ったからといって必ず示談が成立するわけではない点を理解する必要があります。

痴漢の被害者は、痴漢の加害者から慰謝料を受け取る権利を有します。

慰謝料の受け取りは権利の行使なので、慰謝料を受け取ったからといって必ず示談を締結しなければならないというわけではないのです。

痴漢の慰謝料と未成年者の関係は?

未成年者であっても、痴漢の慰謝料の支払い義務を負うというのが、法律の判断です。

慰謝料の支払い義務を負わない若年者は、民法上、自分の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていない者に限られます。

一般論としては、12歳から13歳程度と言われています。

したがって、未成年者であっても、原則としては、痴漢の慰謝料を支払う義務を負うことになります。

未成年者に弁済の資力がない場合でも、慰謝料の支払い義務自体は負うことになるのです。

痴漢と示談

痴漢の示談とは

痴漢の示談とは、痴漢によって生じた賠償金をめぐるトラブルを、痴漢の加害者と被害者の合意をもって解決することをいいます。

示談書の作成は、示談の成立の必要条件ではありません。

しかし、その後のトラブル(示談が成立した、しないの言い合い)を防ぐためにも、示談書を作成するが大切です。

示談成立の効果は?

痴漢の示談が成立したということは、痴漢によって生じた賠償金のトラブルが当事者間の合意によって解決したということを意味します。

示談が成立すれば、痴漢の加害者は、被害者に対して、示談金を支払い、その他の示談の条件を履行する義務を負います

痴漢の被害者は、加害者が示談の条件を履行しない場合は、成立した示談書を証拠として、その後の民事手続きを有利に進めることができます。

加害者側の示談のメリットは?

痴漢の示談が成立すれば、痴漢の加害者は、その後の刑事手続きにおいて、示談が成立しなかった場合と比べて有利に取り扱われます。

具体的には、刑事裁判にならない可能性や、不起訴で前科がつかない可能性が高まります。

示談が成立したことで、軽微な痴漢事件であれば不起訴になることも多く、痴漢の前科がつかないメリットは大きいです。

被害者側の示談のメリットは?

痴漢の示談が成立すれば、痴漢の被害者は、民事裁判などの面倒な手続きを経ることなく、賠償金を受け取ることができます。

もっとも、示談の成立と同時に賠償金を受け取らなければ、その後に加害者に逃げられてしまうリスクもあるため、注意が必要です。

加害者に逃げられてしまった場合は、賠償金を受け取るためには、示談書を証拠として民事裁判などの手続きを取る必要が出てきます。

痴漢の示談に関するQA

痴漢の示談金の相場は?初犯の場合の相場は?

痴漢の示談金は、イコール慰謝料だと考えることができます。そのため示談金の相場は、ケースによってさまざまです。

初犯の痴漢だからといって示談金が安くなるわけではありません。示談金として、およそ10万〜30万円の示談金でまとまるケースも多いです。

痴漢の被害者の側としても、一定の慰謝料を貰えれば、誠意が伝わったとして満足するケースが多いからです。

これに対して、もっと悪質なケースの場合には示談金が30万円を超えることも珍しくありません。

示談拒否で、痴漢の示談に応じない場合は?

痴漢の加害者が示談に応じない場合、被害者としては、自らが痴漢で被った損害を取り戻すためには、自らで法的な手段を取る必要があります。

まずは、痴漢の加害者に対して、内容証明郵便で痴漢にもとづく損害賠償を請求してみるなど、何らかのアクションを起こしてみましょう。

もし加害者がそれでも示談を拒否する場合は、痴漢で被害を被ったことを理由とした民事裁判民事調停を起こすことも可能です。

ただし、たとえ痴漢で被害を被った場合であっても、民事の手続きで弁護士を立てる場合は、自らで弁護士費用の大半を負担する必要が出てきます。

これに対して、痴漢の被害者が示談に応じない場合、加害者としては、刑事手続において刑罰が重たくなるリスクを負います。

具体的には、示談が成立すれば不起訴になったのに示談が不成立だったから罰金や刑事裁判になるリスクがあります。

また、示談が成立すれば執行猶予になったのに示談が不成立だったから実刑になるリスクを負うことになります。

また、痴漢の被害者が示談に応じない場合、加害者は、刑事手続が終わった後も、痴漢により損害を与えたことを理由とする民事の損害賠償責任を負い続けることになります。

痴漢で示談しない場合は?

痴漢の示談をしない場合、痴漢の加害者は、その後の刑事手続において、示談が成立した場合と比べて重たい処罰を受けるリスクを負います。

また、痴漢の示談をせずに刑事処罰を受けたとしても、痴漢の加害者は、痴漢によって相手に与えた損害につき、引き続き損害賠償責任を負い続けることになります。

これに対して、痴漢の被害者としては、痴漢の示談をしないで刑事手続きが終わった場合でも、引き続き、加害者に対して損害賠償を請求し続けることができます。

示談金の金額や示談の条件に納得がいかない場合は、痴漢によって被った損害につき、民事裁判や民事調停などの法的な手続きをとって、痴漢の加害者に賠償を求めるのも一つです。

ただし、痴漢の加害者が刑務所に入ってしまった場合は、賠償金の回収が困難なので注意が必要です。

痴漢の示談書の書き方は?

痴漢の示談書の書き方は、通常の示談書の書き方と同様です。

示談書の冒頭で、痴漢事件が起こった日時・場所、痴漢の加害者と被害者の氏名などを記載して、事件の内容を特定することになります。

また、痴漢の示談書には、示談金の金額やその支払い方法を記載します。

示談書の作成は、加害者と被害者の双方がサインをすることで完了します。

示談金の一括払いが難しい場合は、示談金の分割払いの合意を結ぶことも可能です。

痴漢の示談書に、「被害者は加害者のことを許す」旨の宥恕条項(ゆうじょじょうこう)を設けた場合は、その後の刑事手続きで、加害者に有利に考慮されます。

痴漢の示談の流れや示談の方法は?

痴漢の示談の流れは、通常の事件の示談の流れと同様です。

痴漢の加害者が被害者の連絡先を知っている場合は、当事者同士で示談の話し合いを進めることができます。

示談成立の流れとしては、

①話し合い

②示談条件の確定

③示談書の作成

④示談金の支払い

⑤示談書にサイン

という流れを経ることが多いです。

これに対して、痴漢の加害者が被害者の連絡先を知らない場合は、痴漢の示談を進めるためには、弁護士を選任する必要があります。

弁護士を選任すれば、警察官や検察官から被害者の連絡先を聞くことができるケースが多いからです。

弁護士を選任した後の示談の流れとしては、弁護士が被害者と話し合って、示談が成立することになります。

痴漢は示談すれば不起訴になる?示談しても起訴される?

痴漢は親告罪ではないので、痴漢の示談が成立したからといって、必ず不起訴になるわけではないという点をまず理解する必要があります。

もっとも、痴漢の被害がそれほど重たくない場合は、痴漢の被害者と示談が成立すれば、起訴猶予による不起訴の可能性が高まります

被害者と示談が成立すれば、加害者を起訴する必要性が低くなるからです。

これに対して、示談しても起訴されるケースというは、痴漢の被害が重たい場合や、常習的に痴漢を行う場合などです。

また、被害者の下着に手を入れるなどの強制わいせつ罪にあたる痴漢を行った場合には、告訴の取消しが得られれば、加害者は不起訴になる可能性が高くなります。

痴漢の示談が不成立だった場合はどうなる?

痴漢の示談が不成立の場合は、痴漢の加害者は、その後の刑事手続において、重たい処罰に課されるリスクを負います。

示談が不成立だった事実は、示談が成立している場合と比べて、痴漢の加害者側に不利な事情として取り扱われるからです。

なお、示談が不成立だったとしても、痴漢によって負わせた損害の賠償を完了している場合は、その限りにおいて、痴漢の加害者側に有利な事情として取り扱われます。

これに対して、痴漢の被害者は、痴漢の示談が不成立である以上、刑事手続きが終わった後も引き続き、加害者側に対して、痴漢によって負った損害の賠償を請求し続けることができます。

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