家族が交通事故の加害者になったらどんな責任を負うの?
もし、大切な家族が交通事故の加害者になってしまったら…
交通事故を起こした加害者本人も、その家族もたいへん動揺しますよね。
交通事故の加害者は、どのような責任を負うことになるのでしょうか。
今回は「家族が交通事故の加害者になったらどんな責任を負う?」というテーマでお送りします。
法律的な部分は弁護士の先生に解説をお願いします。
交通事故は日常の中でも起こりやすい事件です。
少しの不注意で加害者にも被害者にもなる可能性があります。
ご自身や大切な家族が加害者になってしまった場合、大変不安になると思います。
そこで、加害者の負う責任や、家族ができることについて解説していきます。
目次
家族が交通事故の加害者に…|加害者と加害者家族はどんな責任を負う?
交通事故は普段からよくニュースなどでも目にする事件ですよね。
最近でもこんなニュースがありました。
(略)前橋市北代田町の県道を登校中の女子高生2人が猛スピードで逆走してきた乗用車に次々とはねられ、重体となった。
自動車運転処罰法違反(過失致傷)容疑で逮捕された(略)容疑者=同市下細井町=は85歳の高齢で、「気がついたら事故を起こしていた」という供述から認知症などが疑われたが、明確な兆候はなかった。ただ、頻繁に物損事故を起こして家族に運転をやめるよう説得され、「(車の)鍵を隠す」とまで言われていたのにもかかわらず、目を盗んで家を出た。(略)
出典:産経ニュース
最近ではこのように高齢の方が起こす事故も多くなっています。
このような場合、家族が責任をとる場合もあるのでしょうか。
そして、加害者本人はどんな責任を負うのでしょうか。
まずは加害者本人が負う責任について見ていきましょう。
家族が交通事故の加害者に…その後どうなる?
もし、家族が交通事故の加害者になってしまったら…
その本人はいったいどんな責任を負うことになるのでしょうか。
加害者本人が負う責任は3種類考えられます。
具体的にみてみましょう。
交通事故の加害者は「民事責任」「刑事責任」「行政上の責任」の3つの責任に問われます。
交通事故はあくまで過失で引き起こされるものです。
しかし、現在の車社会を踏まえ、過失であっても重い責任が課せられることになっています。
責任を3つも負うことになるのですね。
これら3つの責任の内容と、対応方法をそれぞれみていきましょう。
①民事責任の内容と対応
まずは民事責任の内容と対応方法をみていきましょう。
加害者が負う「民事責任」とは、事故により被害者に発生した損害を賠償する義務です。
死亡事故・重傷事故だと加害者の民事責任は非常に重いものとなります。
あまりにも多額になると個人の資産から支払うのは難しいかもしれませんね。
民事責任についてはどのような対応ととればよいのでしょうか。
民事責任の一部は、運転者が加入を強制されている自賠責保険でまかなうことになります。
ですが、損害額があまりに高額であり、自賠責ではカバーできない場合もあります。
この場合、加害者自らがその賠償責任を負うことになります。
ただし、任意保険に加入していれば、自賠責保険以上の部分についてもまかなうことができます。
なるほど、任意保険が民事責任に対する有効な対応となるのですね。
自賠責保険だけではなく、任意保険にも必ず加入しておいた方がよさそうです。
②刑事責任の内容と対応
続いて、刑事責任の内容と対処法をみていきましょう。
人身事故を起こすと、「自動車運転過失致死傷罪」や「道路交通法違反」の罪に問われることがあります。
これは、民事上の責任とは別に刑事罰を科されるということです。
死亡事故などの事案においては刑事責任を免れることは困難です。
人身事故の加害者は、罰金刑や懲役刑などの刑事罰を科される可能性があります。
交通事故で刑事処分が決定すると前科がついてしまいます。
加害者が任意保険に加入しているだけでは、刑事責任への対応はできません。
別途、刑事弁護に強い弁護士に依頼するなどの対応が必要になります。
交通事故が刑事事件化した場合の流れについては『交通事故が刑事事件となる基準とは?|逮捕・起訴の流れや判例も紹介』で特集しています。
③行政上の責任への対応
3つめは行政上の責任です。
自動車の運転者には運転免許が与えられています。
死亡事故などの人身事故を起こした場合には運転免許に関する行政上の責任を負います。
人身事故の加害者は、被害者の治療期間などに応じて違反点数を課されます。
その点数によって、免許停止処分や免許取消処分を受けます。
運送業をしている人にとって、運転免許に対する行政処分が与える影響は多大です。
加害者の行政上の責任についても、保険によってリスク回避はできません。
そのため、弁護士に依頼するなど、自ら対策を講じなければなりません。
※行政処分の対応可否は事務所による
まとめ
交通事故加害者が負う責任
内容 | 対応 | |
---|---|---|
民事責任 | 事故により被害者に発生した損害を賠償する義務 | 任意保険に加入しておく |
刑事責任 | 刑事罰を科される | 事故後に弁護士に依頼 |
行政上の責任 | 免許停止処分や免許取消処分 | 対応可能な弁護士に依頼 |
交通事故の加害者の家族がその後とるべき対応とは?
家族が交通事故の加害者に…どんな対応をとればいい?
人身事故の加害者になってしまったら、保険会社に任せておけばよいのでしょうか。
とくに重傷事故を起こした場合は、保険会社にまかせておくだけでは不十分です。
刑事責任や行政責任を念頭においた被害者対応が必要です。
保険会社に加入していれば万能だと思っていました。
それだけでは、不十分なのですね。
被害者は、事故によって生活や仕事に支障が生じます。
全て保険会社任せで、加害者からの謝罪や誠意を感じられないと怒りを感じるかもしれません。
交通事故の民事上の責任については、保険ですべて対応できる場合もあります。
しかし、刑事・行政上の責任については加害者が独自に適切な被害者対応を行っていく必要があります。
弁護士に被害者対応を依頼すれば、謝罪や示談の成立により重い刑事処分を回避できる可能性もあります。
刑事処分では、被害者の処罰感情も考慮して検察官が起訴・不起訴や求刑などを決定するからです。
そのため、被害者対応をいかに適切に行えるかが大切になってきます。
保険会社任せにしていると、
- 不起訴ではなく、起訴されてしまう
- 略式命令・罰金ではなく、正式裁判になってしまう場合もあるでしょう。
また、弁護士に依頼すれば、被害者の怪我の重さや過失の程度などによっては、免許に対する行政処分が軽減されることもあります。
具体的な被害者対応の方法については、加害者側弁護の経験豊富な弁護士に相談してみるとよいでしょう。
家族が交通事故の加害者に…慰謝料・示談金はいくら払うの?
交通事故を起こしてしまって、示談することになった…
そうすると気になるのが慰謝料・示談金。
実際にどのくらい必要になるのか、検討もつかないのではないでしょうか。
示談金は「相場がいくら」と、ひとくくりにすることはできません。
しかし、家族が起こした交通事故の示談金がいくらなのか気になりますよね。
交通事故の内容は、さまざまです。
しかし、ある程度の目安として実例から示談金相場をみることは可能です。
以下から、事故の内容別におおよその示談金相場を確認することができます。
さっそく、ご家族が起こした事故の示談金がどの程度になるのかみてみましょう。
実際の事例を見れたので非常に参考になりましたね。
交通事故の示談については以下の記事をご覧ください。
【弁護士に相談】家族が交通事故の加害者に…
家族が交通事故の加害者になってしまった…
- どんな責任を負う?
- 慰謝料などの額が不安
- 被害者側にどのように謝罪すればいい?
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いかがでしたか?
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最後に一言アドバイス
今回は「家族が交通事故を起こしたら…」というテーマでお送りしました。
最後に一言お願いします
大切なご家族が交通事故の加害者になってしまうと、各責任をどのように負うのか、不安になると思います。
弁護士ならその先の見通しや、最適な被害者対応を助言・サポートしてくれるでしょう。
示談をはじめ、被害者対応は早い時期に開始することが重要です。
ご家族が交通事故加害者になってしまった場合には、すぐに弁護士にご連絡ください。