交通事故・死亡事故の不起訴で前科・罰金を回避。検察庁の通知・呼び出しにどう対応?

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弁護士事務所の掲載順と弁護士の力量とは無関係です。相性を考慮して、ご自身に合った弁護士をお探しください。

交通事故・死亡事故の不起訴で前科・罰金を回避。検察庁の通知・呼び出しにどう対応?

交通事故死亡事故を起こして検察庁から呼び出しを受けた…。

不起訴にならないだろうか…。

そう思ってらっしゃる方のために、交通事故・死亡事故と不起訴について詳しくお伝えしていきます。

事故を起こした場合の「刑事処分」と「行政処分」の違い。

交通事故・死亡事故と罰金、点数、通知、略式起訴の関係。

交通事故・死亡事故の不起訴率と、不服申し立ての可能性。

など、加害者にも役立つ情報満載です。

被害者との示談に着目した、不起訴の具体的事例もご紹介していきますよ。

法的な解説は、刑事事件の経験豊富な弁護士、岡野武志先生にお願いしていきます。

よろしくお願いします。

交通事故・死亡事故で検察庁から呼び出しを受けても、不起訴になる可能性はあります。

その意味と、不起訴に向けてやるべき活動をしっかりと解説していきます。

目次

交通事故や死亡事故で受ける「行政処分」と「刑事処分」

交通事故や死亡事故で受ける「行政処分」と「刑事処分」

点数・免許関連は行政処分!行政処分通知書で内容を確認。

交通事故・死亡事故を起こした場合、状況によって減点点数が累積し、免許停止などになることがあります。

もし免許停止や免許取り消しという処分が下された場合は、通知書が送られてきます。

その通知書に従って出頭など、手続を進めていくことになるでしょう。

これは「自動車免許の効果をどうするか」という「行政処分」です。

一方、「罰金や起訴・不起訴というのは「事故を起こした加害者に刑罰を科す」という「刑事処分」の話になります。

そこで、次に刑事処分についてみてみましょう。

「不起訴・略式起訴・罰金・裁判」などは刑事処分に関するもの!

行政処分と異なり、事故を起こしたことに対し、刑罰という責任を科す処分が「刑事処分」です。

では刑事処分を科す前提として、交通事故や死亡事故ではどのような犯罪が成立する可能性があるのでしょう。

交通事故で人を死傷させた場合に限ってみてみますと、大きく二つの法律が適用される可能性があります。

それが…

交通事故に適用される法律

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律

道路交通法

の2つです。

それぞれの規定について、一つずつ見ていきましょう。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律は、「自動車運転処罰法」と略されます。

自動車運転処罰法では

過失で人を死傷させたり

危険な運転で人を死傷させた場合

を罰しているのが大きな特徴です。

まずは

「過失」で人を死傷させた場合の刑罰をみてみましょう。

過失で」とは、「自動車の運転上必要な注意を怠ったこと」を言います。

わき見をしていたことや、アクセルの踏み間違えなどがこれにあたります。

過失で人を傷つけた場合も、死亡させた場合も、7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科せられます。

では、次に「危険な運転」とは何なのでしょうか。

法律の2条にその規定があります。

次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は(略)

 一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

 二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為

 三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為

 四 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

 五 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

 六 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

アルコールや薬物で正常な運転ができない場合や、高速運転、あおり運転などがこれにあたる可能性があります。

これによって人を「傷つけた場合」は、15年以下の懲役が科せられます。

一方、危険運転によって人を「死亡させた場合」は、1年以上の有期懲役が科せられます。

どちらも確実に刑務所に入れられる点で、大変重い犯罪ということができるでしょう。

運転事故に関する主な罪
過失運転致死傷 危険運転致傷 危険運転致死
運転態様 運転上必要な注意を怠る。 危険な運転をする。
刑罰 7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金 15年以下の懲役 1年以上の有期懲役

以上が交通事故で人を死傷させた場合に、自動車運転処罰法が適用される代表例でした。

道路交通法

では続いて道路交通法について見てみましょう。

交通事故で人を死傷させた場合、ひき逃げなどをすると同法で罰せられます。

道路交通法では、交通事故を起こした場合に

運転を停止して、被害者を救護する義務

運転を停止して、他に危険が生じないよう措置を講じる義務

③ 警察官への報告義務

が加害者に課せられています。

ひき逃げをすると、これらの義務に反し、刑罰を科せられることになります。

道路交通法によれば、交通事故で「人の死傷」があったにもかかわらず「①②の義務を怠った」場合は、5年以下の懲役、または50万円以下の罰金となっています。

さらに、この「死傷が運転者の運転に起因するとき」は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金になってしまいます。

③ の「報告義務」に違反した場合は3月以下の懲役、または5万円以下の罰金とされています。

しかも

過失運転や危険運転で自動車運転処罰法に反しさらに逃げることで道路交通法にも違反すると「併合罪」となりさらに重い罪が科せられます。

交通事故・死亡事故の刑罰が大変重いことからも、起訴されるか否かが問題になるのです。

交通事故・死亡事故の「不起訴処分」とは何か。

交通事故・死亡事故の「不起訴処分」とは何か。

交通事故・死亡事故における「不起訴処分」の意味。

不起訴処分とは検察官に起訴されないことをいいます。

交通事故を起こした方が不起訴処分となることも、報道でよく目にしますね。

自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)容疑で送検された無職男性(88)を、横浜地検が不起訴処分とする方針を固めたことが関係者への取材でわかった。

因みに「起訴」とは「検察官が刑事事件について裁判所の裁判を求める申立てを行うこと」をいいます。

この起訴には、2つの種類があり、特に交通事故事件ではとても重要な役割を持ちます。

その2つが…

重要

公判請求

略式起訴

です。

公判請求

公判請求とは、その名の通り裁判所に公判を請求することです。

裁判官の前で、「検察官」と「被告人又は弁護人」が主張・立証活動を行う「公判」を請求する起訴です。

略式起訴

一方、略式起訴は

簡易裁判所管轄の事件で

100万円以下の罰金・科料の事件において、

被疑者に異議がない場合に

とられる起訴手段です。

これによれば

公判を開かずに100万円以下の罰金・科料に処すことができます。

刑事手続きを迅速に終了させることができるのです。

危険運転は②の要件を満たさないので、略式起訴になることはありません。

過失運転は100万以下の罰金になる可能性があるため、他の要件を満たせば略式起訴になる可能性もあります。

とはいえ

どちらの起訴も、「起訴」であることには変わりません。

不起訴とは、このどちらの起訴もされないことをいいます。

飲酒運転し、タクシー運転手らが負傷した事故で、大阪区検は1日、道交法違反(酒気帯び運転)と自動車運転処罰法違反(過失傷害)の罪で(略)容疑者を略式起訴した。

なお、似た言葉として処分保留という言葉もあります。

こちらは起訴の判断を保留にして釈放することです。

交通事故・死亡事故について起訴するかの判断を保留にしている点で、不起訴とは異なります。

二つの差については、以下の記事をご参照ください。

交通事故・死亡事故で不起訴になる理由の種類

事務事件規程によれば、交通事故・死亡事故で不起訴になる理由20種類も存在します。

時効の成立や、被疑者死亡などがありますが、特に重要な理由が下の3つです。

重要な理由

嫌疑なし

嫌疑不十分

起訴猶予

嫌疑なし

「嫌疑なし」とはその名の通り、交通事故・死亡事故の疑いが晴れた場合をいいます。

過失がないことなどが明らかになった場合などがこれにあたります。

嫌疑不十分

「嫌疑不十分」とは、疑いは晴れないけれど、犯罪を認定するための証拠が不十分なことを指します。

わき見していた証拠がないなど、過失を証明することが難しい場合などがあたります。

起訴猶予

一方、「起訴猶予」はこの二つとは異なる特徴を持ちます。

起訴猶予の規定を見てみると、こう書かれています。

被疑事実が明白な場合において,被疑者の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないとき。

「被疑事実が明白な場合」とあります。

つまり…

注目

過失や危険運転で交通事故・死亡事故を起こした場合でも、事情によって不起訴になる可能性がある!

ということですね。

罪にあたる行為をしても、刑罰が科せられない可能性があるというのはとても重要です。

上で見たように、交通事故・死亡事故では刑が重くなる可能性があります。

そのため、実際に事故を起こした方は起訴猶予を目指していくことになるでしょう。

交通事故・死亡事故で不起訴になった場合、どうなる?

交通事故・死亡事故で不起訴になった場合、どうなる?

交通事故・死亡事故で逮捕された加害者は釈放される。

交通事故・死亡事故で逮捕・勾留されていたとしましょう。

この場合、留置場から自由に帰ることができず、取り調べを受け続けることになります。

ですが

不起訴となれば即時に釈放されます。

逮捕被疑者勾留は被疑者が逃げたり、証拠を隠滅するのを防ぐために認められるものです。

そして、この「被疑者勾留」は検察官が起訴するか否かの判断をするあいだだけに限られています。

検察官が交通事故・死亡事故について不起訴と決めたのですから、それ以上の拘束は許されません。

留置場に入れられているあいだは仕事先に出勤もできず、解雇の可能性も出てきます。

しかし釈放により勤務も復活できるため、解雇の可能性も下がることが期待できます。

不起訴になると交通事故・死亡事故の罰金はどうなる?前科や前歴、無罪との関係は?

まず不起訴は裁判にならないのですから、刑罰が科せられることもありません

よって不起訴になれば、交通事故・死亡事故について懲役・罰金が科せられることも絶対にありません。

交通事故・死亡事故で不起訴になれば、前科はどうなる?

また、不起訴になれば交通事故・死亡事故の前科絶対につきません

「前科」とは、確定判決で刑の言渡しを受けたことです。

不起訴になれば裁判にならないのですから、前科がつくこともありません。

交通事故・死亡事故の前科がつくと、就職関係人間関係不利益を負うこともあります。

前科を回避できれば、人生に大きな影響を与えるでしょう。

交通事故・死亡事故事件の前歴ってなに?前科と同じ?

前科と似た言葉として、前歴というものがあります。

「前科前歴」のように使われますね。

一つの言葉のようですが、実はそれぞれ違う意味なんです。

そもそも「前歴」とは…

以前に犯罪捜査を受けた、その履歴

をいいます。

たとえば、不起訴になっても交通事故・死亡事故の捜査はされています。

事故で逮捕された場合などです。

この場合は、「前科はないけど、前歴はある」ということになります。

前科前歴の申告を求められた場合は、誤解しないようにご注意ください。

不起訴なら無罪で懲役・罰金を免れる、ということ?

また釈放され、前科がつかないとしても、交通事故・死亡事故について無罪になったのとは異なります。

そもそも「無罪」とは、裁判所が被告人が有罪でないと宣告すること

不起訴はそもそも裁判所の宣告がありませんから、無罪とも違う概念ということがお分かりになると思います。

不起訴と似た言葉まとめ
前科 前歴 無罪
意味 確定判決で有罪とされた履歴 犯罪の捜査を受けた履歴 裁判所に有罪でないと宣告されること
不起訴になった場合 絶対つかない 捜査を受けていればつく 判断されない

不起訴になっても、通知や連絡はこない。告知書の交付請求をしよう。

交通事故・死亡事故事件で不起訴になった場合、その旨の通知連絡必ずされるわけではありません。

逮捕・勾留されていても、理由も告げられずに釈放されるだけの場合もあります。

自分の処遇を知りたいときは、検察官に聞いてみる必要があります

実は法律上、不起訴の場合に被疑者からの請求があれば、検察官は必ずその旨を告げる必要があるとされています。

被疑者が不起訴処分か否かの告知を請求した場合については刑事訴訟法に定めがあります。

刑事訴訟法259条から、不起訴の場合、被疑者が検察官に請求すれば速やかにその旨を告げてもらえます。

また

交通事故・死亡事故事件で不起訴になった旨を記載した書面を発行してもらうこともできます。

この書面を不起訴処分告知書といいます。

もっとも

この書面には不起訴の理由が記載さないケースもあります。

この不起訴処分告知書、滅多に使う機会はありません。

ですがまれに勤め先から提出を求められる場合があります。

解雇を避けるためにも、求められたらしっかりと提出したいところですよね。

このような、いざというときのために交付請求をしておくのも良いのではないでしょうか。

不起訴になっても、検察審査会に不服申し立てをされる可能性がある。

なお、不起訴処分となっても完全に安心はできません。

検察審査会に不服申し立てをする制度があります。

「検察審査会」は、11人の検察審査員で構成され、不起訴処分の相当性について、告訴人等の申立て等があったときに審査する機関です。

被害者告訴人ですので、検察審査会に不服申し立てをする場合があります。

場合によっては、強制的に起訴されてしまう点が大きな特徴です。

検察審査会ではどのような事件が多く審査されているのでしょうか。

裁判所のホームページによれば、このように書かれていました。

過去の事件では,業務上過失致死傷(自動車運転過失致死傷)や詐欺などが多くなっています。

被害者が不服申し立てをすることも多いため、被害者との交渉が大変重要なことが分かります。

これらの被害者との交渉については、後で詳しくお伝えします。

交通事故・死亡事故に関するデータ

交通事故・死亡事故に関するデータ

交通事故・死亡事故の不起訴率

刑事事件全体の不起訴率

では、実際に交通事故・死亡事故の事件で不起訴になる確率はどの程度あるのでしょうか。

統計から不起訴率を見ていきましょう。

まず

比較のために刑事事件全体の不起訴率を見ていきましょう。

2016年のデータを検察統計から見てみましょう。

注意!

ここで不起訴率計算の母数となるのは、起訴件数と不起訴処分の件数の合計です。

送検された全件数ですと、他の検察庁へ移送する場合なども含むため、これらを抜いて計算しました。

刑事事件全体での不起訴率
2016 件数と率
起訴 352,669
不起訴処分 701,719
合計数 1,054,388
起訴・不起訴合計からの不起訴率 66.55%

※検察統計2016年版

見ていくと、「起訴」された件数は352,669件

「不起訴処分」となった件数は701,719件でした。

ここから計算すると、不起訴率は66.55%ということができます。

刑事事件全体では約6割以上が不起訴になる!

実際に送検された人のうち、6割以上が不起訴なのですから、多い割合といえるのではないでしょうか。

この水準は2015年も同様だったのでしょうか。

2015年のデータもチェックしてみましょう。

刑事事件全体での不起訴率
2015 件数と率
起訴 371,459
不起訴処分 739,937
合計数 1,111,396
起訴・不起訴合計からの不起訴率 66.57%

※検察統計2016年版

2015年も66.57%と同様の水準でした。

刑事事件全体で6割以上が不起訴になる点で変わりませんでしたね。

では、交通事故・死亡事故事件の不起訴率はどの程度なのでしょうか。

具体的なデータを見ていきましょう。

危険運転致死傷罪の不起訴率

「危険運転致死傷罪」「過失運転致死傷罪」についての統計データを発見することができました。

まずは「危険運転致死傷罪不起訴率」について見ていきましょう。

2016年の不起訴率

2016年、危険運転致死傷罪で「起訴」された事件数は416件でした。

一方、「不起訴」となった事件数は82件となりました。

この合計である498件から不起訴率を計算してみると…

危険運転致死傷罪での不起訴率
2016 件数と率
起訴 416
不起訴処分 82
合計数 498
起訴・不起訴合計からの不起訴率 16.47%

※検察統計2016年版

「危険運転致死罪」の不起訴率は何と16.47%!!

刑事事件全体に比べて非常に低い数値であるといえるでしょう。

① 交通事故・死亡事故は冤罪の可能性が低いこと、

危険運転はもともと悪質な行為のみを対象としているため、起訴の必要性が高いこと、

が影響しているのではないでしょうか。

続いて

2015年のデータについてもみてみましょう。

危険運転致死傷罪での不起訴率
2015 件数と率
起訴 433
不起訴処分 66
合計数 499
起訴・不起訴合計からの不起訴率 13.23%

※検察統計2016年版

2015年でも不起訴率は13.23%と極めて低い確率でした。

もっとも

この数値は交通事故で被害者に傷害を負わせた場合も含まれます。

死亡事故の場合はさらに不起訴率が下がることも推察できます。

まとめ

危険運転致傷罪の不起訴率はとても低い。

では次に過失運転致死傷罪についてみていきましょう。

過失運転致死傷罪の不起訴率

過失運転致死傷罪」についても、まずは2016年の統計からみていきます。

「起訴」された件数は50,210件となりました。

一方、「不起訴」となった件数は419,961件でした。

ここから計算すると…

過失運転致死傷罪での不起訴率
2016 件数と率
起訴 50,210
不起訴処分 419,961
合計数 470.171
起訴・不起訴合計からの不起訴率 89.32%

※検察統計2016年版

なんと89.32%

非常に高い数値になりました。

危険運転と違い、事故の規模や、悪質性などに幅があるためだと思われます。

怪我の軽い事件が多く発生している可能性もあります。

続いて

2015年も見てみましょう。

過失運転致死傷罪での不起訴率
2015 件数と率
起訴 51,389
不起訴処分 453,956
合計数 505,345
起訴・不起訴合計からの不起訴率 89.83%

※検察統計2016年版

こちらも89.83%と高い数値です。

ですが、致傷事件と致死事件の割合には注意が必要です。

犯罪白書2016年版によれば、2015年の交通事故死亡者数は4,117人、負傷者数は666,023人となっています。

負傷事故の件数が圧倒的に多いため、不起訴率にも影響があると思われます。

事故の結果が「死亡」のほうが「傷害」に比べ不起訴になる可能性が低くなると思われます。

交通事故・死亡事故で不起訴となった具体的事例

では交通事故・死亡事故で不起訴になった「具体的な事例」を見てみましょう。

なお

ここに示した「示談」とは、民事上の紛争を当事者間の合意により裁判外で解決することです。

「示談金で被害が一定程度回復すること」が不起訴の判断で考慮されるため、事例でも着目しています。

また「初犯前科ありか」という点も、「悪質性」「再犯可能性」という点から考慮されるため、着目してみました。

▼交通事故・死亡事故で不起訴になった事例3選
事例①
▼事案:駐車場から出る際に、左右確認を怠り、電動自転車に自車をぶつけ、全治2か月の打撲を負わせる。
▼罪名:過失運転致傷
▼前科:初犯
▼示談:成立
▼判断:不起訴
事例②
▼事案:青信号で交差点を発進したところ、横から来た自転車にぶつかり、死亡させる。
▼罪名:過失運転致死
▼前科:前科あり、執行猶予中
▼示談:示談金は受け取ってもらえないが、許す旨の意思表示あり
▼判断:不起訴
事例③
▼事案:交差点で右折時に自転車にぶつけ、全治4週間の骨折を負わせた。その後救護措置も、警察への報告もなく立ち去る。
▼罪名:過失運転致傷、道路交通法違反
▼前科:初犯
▼示談:成立
▼判断:不起訴(被害者の供述に信用性がなかったためと推察)

これらの事例をみると、示談の成立、そして被害者が加害者を許す旨の意思表示をすることがとても大切なことが分かります。

特に示談②では、示談金を受け取らずに、加害者を許す意思表示をしたところ、死亡事故にも関わらず不起訴となっています。

交通事故・死亡事故では、示談の成立が大きな影響を持つといえるでしょう。

とはいえ

示談が成立すれば、必ず不起訴になるわけではありません。

そこで次に、示談が成立しながらも起訴された事例をご紹介します。

▼交通事故・死亡事故で起訴された事例3選
事例①
▼事案:交通整理のない交差点を前方左右を注視せず進み、横断歩道上で自転車に衝突、全治12週間の右脛骨高原を骨折させる。
▼罪名:過失運転致傷
▼前科:初犯
▼示談:成立、加害者を許すという意思も表明。
▼判断:懲役10月、執行猶予3
事例②
▼事案:中型貨物自動車で運転中、めまいを起こしたのに運転を中止せず、停止状態の自動車に衝突して押し出し、付近で作業中の2名にぶつけて死亡させた。
▼罪名:過失運転致死
▼前科:初犯
▼示談:成立
▼判断:起訴
事例③
▼事案:赤信号を無視して、時速50キロで交差点に侵入し、自転車に衝突して全治6か月の左鎖骨骨折の傷害を負わせる。
▼罪名:危険運転致傷
▼前科:初犯
▼示談:成立
▼判断:懲役26月、執行猶予4

ここから分かるように、初犯で示談が成立していても、起訴になる事例もあります。

たとえば事例②はめまいを起こしたにも関わらず、運転を続けた行為の悪質性と、死亡という結果の重大性が考慮された可能性があります。

事例③はそもそも危険運転という行為の悪質性が強い事例です。

以上を考えると…

重要

示談初犯は大切な要素だが、具体的な事情によって起訴・不起訴の判断は変わってくる。

といえるでしょう。

具体的ケースによって見通しも変わるため、不安な場合は弁護士に相談してみましょう。

交通事故・死亡事故で不起訴処分になるための3つの方法

交通事故・死亡事故で不起訴処分になるための3つの方法

【その1】事故の加害者と被害者側の間で示談を成立させる。

具体的事例でも見たように、示談があれば絶対に不起訴になるわけではありません。

ですが

交通事故の示談不起訴に良い影響を及ぼすことは間違いがありません。

慰謝料や治療費などを含む示談金を支払えば、損害が一定程度回復したといえるので、不起訴の可能性は高まるでしょう。

また

宥恕条項を示談に入れて合意することもあります。

「宥恕条項」とは、「加害者を許す、処罰を望まない」という旨の意思を記載した条項です。

死亡事故の場合は、遺族の方の意思表示になります。

被害者側の処罰感情も検察官は考慮するので、宥恕条項も不起訴の可能性を高めます。

もっとも、逮捕されていると、自分で示談交渉をすることはできません。

また逮捕されていなくとも、被害者側の感情面から示談交渉が満足にできない可能性もあります。

よって

このような場合には、弁護士に示談交渉を依頼するのが良いでしょう。

豊富な経験を背景に、第三者の視点から被害者と加害者両方に配慮した示談交渉を進めることが期待できます。

参考記事

他にも刑事事件と示談について詳しく知りたい方は、下の記事をぜひご覧ください。

【その2】交通事故に関して検察庁から呼び出しを受けた場合、「取り調べ」に適切に対応する。

また、交通事故・死亡事故事件では検察庁から呼び出しを受けた場合の、「取り調べ」への対応も大切です。

交通事故・死亡事故の自白事件で気を付けること。

実際に過失・危険運転をした場合は、真摯な反省が大切です。

その上で、被害者に対して誠実に対応することが必要になります。

いくら示談をしても、反省がなければ、検察官が起訴の必要性」を感じます。

再び交通事故・死亡事故を起こしそうな場合には、起訴によって厳罰に処し、反省を促す必要があるためです。

もちろん

上辺だけの反省は逆効果です。

警察や検察官は取り調べのプロですから、心から反省していなければ見抜かれてしまいます。

自分が起こしてしまった交通事故・死亡事故に真正面から向き合い、真剣に考えることが大切です。

とはいえ、取り調べの中で「見に覚えのないこと」を認めさせられそうになった場合は、しっかりと否認しましょう。

ありもしない過失や危険運転を認めると、悪質な事件として起訴されることもあります。

重要

素直な態度や反省は必要だが、いいなりにならないよう注意!

交通事故・死亡事故の否認事件で気を付けること。

一方

絶対わき見はしなかった!

相手が飛び出してきて、予測もできなかった!

など、「罪を認めないとき」は、しっかりと否認を貫きましょう。

なぜなら

罪を認める供述をし、録取書に署名をしてしまうと、後で覆すことは極めて困難なためです。

過失運転や危険運転の刑罰の重さは先ほど見た通り。

黙秘権や、供述調書への署名拒否権などを弁護士からしっかり聞き、適切に対応しましょう。

もっとも

否認をすることで取り調べ期間が延びることもあります。

また、書類送検の場合でも否認を続けることで逮捕されるリスクがあります。

この点についても、具体的事例を見ながら弁護士にしっかりと相談する必要があるでしょう。

以下の「取り調べに関する記事」もぜひ参考にしてみてください。

また、交通事故・死亡事故に限りませんが、警察から呼び出しを受けた場合の注意点をまとめた記事もご紹介します。

不安に思われている方はぜひご覧ください。

【その3】再び交通事故・死亡事故を起こさない対策を立てる。

また、再び交通事故・死亡事故を起こさないような対策を立てることも重要です。

再び事故を起こす可能性が低ければ、刑罰で反省を促す必要性が減少するためです。

具体的には

① 自動車学校で特別講習を受ける。

② 運転中に心の余裕が持てるように精神科のカウンセリングを受ける。

③ 身元を引き受け、監督してもらえる「身元引受人」を家族などにお願いする。

といった策が考えられるでしょう。

事故講習でなくとも、自動車学校で見るビデオは身に迫るものがあります。

このような対策を積極的にとることで、再犯の可能性を下げていきましょう。

交通事故・死亡事故事件の不起訴について、弁護士に相談!

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以上、交通事故・死亡事故不起訴についてみてきました。

ですが具体的な事件で不起訴になるかの見通しはつきませんよね。

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最後に一言アドバイス

いかがでしたか。

最後に岡野先生からひと言アドバイスをお願いします。

交通事故・死亡事故でも不起訴になれば前科と刑罰を回避することができます。

そのためには示談の成立がとても重要です。

示談の経験豊富な弁護士が事件後迅速に動くことで、示談締結の可能性が高まるでしょう。

被害者との交渉をスムーズに進めるためにも、事故でお困りの際はすぐに弁護士にご相談ください。

まとめ

以上、交通事故・死亡事故における不起訴について、具体的ケースも踏まえて考えてきました。

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