ひき逃げ事件の示談金を調査|重症・軽傷の場合は?実例で見る示談金相場
今回のテーマは、ひき逃げ事故での示談についてです。
事故を起こしてしまいパニックになってしまったり、大したことないと思ってその場を離れてしまったことでひき逃げ事件の加害者となってしまった…
そんなとき一体どうすれば良いのでしょうか。
示談とはよく耳にするけど、何から始めればいいのか、誰か教えてほしいですよね…
- ひき逃げを示談で解決したい
- ひき逃げの示談金相場とは
- ひき逃げの慰謝料について教えてほしい
このような内容を今回は取り上げます。
それでは、最後までお付き合いください!
目次
ひき逃げってどんな罪?
ひき逃げとは、一般的に、人身事故を起こした後、110番通報や119番通報せずに現場から去ることをいいます。
ひき逃げは、「道路交通法」や「自動車運転処罰法」の違反に当たります。
ひき逃げについてまとめましたので以下をご覧ください。
ひき逃げの罪
内容 | (自動車などで人をひいて)そのまま逃げる行為 | (自動車などで)人を轢き、死傷させる行為 |
---|---|---|
適用される法律 | 道路交通法 | 自動車運転処罰法 |
刑罰 | 救護義務違反:10年以下の懲役または100万円以下の罰金 報告義務違反:3か月以下の懲役または5万円以下の罰金 | 過失運転致死傷:7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金 |
以上の法律が適用されることになります。
車を運転する人にとって、交通事故はいつも隣り合わせです。
もしもひき逃げ行為を行ってしまうと、懲役実刑になる可能性もあります。
さて、ひき逃げの加害者になってしまうと被害者側と「示談」する場面があると思います。
そこで本日は「ひき逃げの示談」をテーマに、深く掘り下げていきたいと思います。
法律面の解説は、アトム法律事務所の弁護士にお願いしています。
【ひき逃げ事故の示談】示談金相場や慰謝料を実例をもとに紹介します
Q1.そもそも示談金って何?慰謝料との違いは?
事故によって生じた問題を、裁判などをせずに、すべてお互いの話し合いで解決することを示談といいます。
示談金は、合意解決のために支払われるお金のことで、その金額も当事者同士の合意で決まるものです。
刑事事件の加害者にとって、示談は、被害者に事件を許してもらうという意義が大きいです。
なぜなら、被害者が許しているのであれば、処罰する必要性も低くなり、刑事処分が軽くなることにつながるからです。
そのため、被害者に許してもらうため、示談金として損害賠償額+αを支払うことが多いです。
交通事故を起こした場合、加害者は損害賠償をする義務を負います。
損害賠償には、財産的な損害の賠償だけでなく、精神的な苦痛に対する賠償(慰謝料)も含まれます。
損害賠償
財産的な損害に対する損害賠償 | 治療費、入通院費 車などの修理費 休業損害、逸失利益 など |
---|---|
精神的な苦痛に対する損害賠償 | 慰謝料 |
そして、これらの損害賠償は示談金の一部、ということですね。
示談金と、損害賠償と、慰謝料の関係がこれで良く分かりました!
Q2.ひき逃げ事故の示談金はどうやって決まる?
交通事故の示談金は、通常、民事裁判でみとめられる金額を基準にして算定します。
そして、ひき逃げ、無免許運転、酒酔い運転等の事実があれば、示談金はさらに増額されることが一般的です。
被害者はひき逃げ犯に対して、強い処罰感情を持ちます。
示談でまとめようとすれば、被害者の意向は反映せざるを得ません。
同じような怪我でも、通常の交通事故と比べると示談金の金額は増額される傾向にあります。
「ひき逃げ」となると、同じような怪我であっても、交通事故での示談金より、増額されるのですね。
それだけ、厳しい処罰感情がもたれているということなのですね。
Q3.ひき逃げ事故の裁判例では、どの程度、慰謝料が増額されていますか?
ひき逃げは、慰謝料増額の事由となります。
交通事故の損害賠償額算定の方法として、実務では次の基準が用いられています。
「公益財団法人 日弁連交通事故相談センター東京支部の損害賠償額算定基準」(赤本基準)
ひき逃げと通常の交通事故で、どのくらい慰謝料が異なるかみてみましょう。
同程度の交通事故において、次の2つの内容の慰謝料を検証します。
- ①ひき逃げ事案の民事裁判例
- ②通常の交通事故の赤本基準
被害 | ひき逃げの民事裁判 | 赤本基準 |
---|---|---|
死亡① | 2822万円 | 約2100万円 |
死亡② | 2500万円 | 約2100万円 |
死亡③ | 2500万円 | 約2100万円 |
障害① | 1014万円 | 約680万円 |
障害② | 680万円 | 約620万円 |
ひき逃げの場合と、そうでない交通事故の場合、増額割合は約1.1倍~約1.3倍程度でしょうか。
多いものだと、約1.5倍にも増額されるケースがあるようですね。
事案の個別性ももちろんあるので、どのくらい増額されるのかは一概に言えません。
しかし、ひき逃げ事故の場合は慰謝料は増額される傾向にあります。
また、判決理由の中で、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料を認定する際に、ひき逃げの事情を考慮しています。
ひき逃げという事情がマイナスの評価を受けるため慰謝料に反映されると考えられます。
Q4.ひき逃げの示談は保険会社の示談と別にする必要がある?
任意保険に加入している場合、損害賠償については、保険会社が支払います。
しかし、保険会社がする示談は、あくまで慰謝料を含めた損害賠償金の支払いに限られます。
「被害者に許してもらう」という意義はありませんので、刑事処分の軽減を求める場合には、保険会社の示談とは別に被害者と示談を行うこともあります。
【示談金相場】ひき逃げの示談金相場を実例から見極める!?
ひき逃げの示談金額の相場は?
それではひき逃げの示談金額の相場を実例で見ていきましょう。
ひき逃げの示談金
内容 | 示談金 | 刑事処分 | |
---|---|---|---|
① | 普通乗用車を運転中、右折時に前から走ってきた自転車と接触し、被害者に全治4週間のケガを負わせにもかかわらず、救護したり事故を警察署に届け出るなどの必要な措置を講じなかったひき逃げ事件。 | 5万円 | 不起訴 |
② | 普通乗用自動車で走行中、自車の左側を同方向に進行中の歩行者に自車左前部を接触させ、傷害を負わせたにもかかわらず、救護したり事故を警察署に届け出るなどの必要な措置を講じなかったひき逃げ事件。 | 25万円 | 不起訴 |
③ | 大型貨物自動車を運転中、被害者の運転車両に衝突して全治約2週間を要する頸椎捻挫などのケガをさせたにもかかわらず、救護したり事故を警察署に届け出るなどの必要な措置を講じなかったひき逃げ事件。 | 44万円 | 罰金30万円 |
事案ごとに大きく示談金が異なるのですね。
怪我の重大さや悪質性など様々な要素で示談金は変動します。
ひき逃げ事故の示談についてもっと知りたい方はコチラ
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