詐欺罪で逮捕されたらどうなるの?|その後の流れ、逮捕の可能性を解説
詐欺事件を起こしてしまった…!
逮捕の流れはどんな感じ?
逮捕されたらその後の流れはどうなる?
釈放まで身柄拘束は何日続くの?
不安と疑問でいっぱいなことでしょう。
特に最近は持続化給付金に関する詐欺事件の報道が多くなっており、このようなことを気にされる方もいらっしゃると思います。
でもご安心ください!
ここでは数多くの詐欺事件を解決してこられたアトム法律事務所の弁護士をお呼びしました。
先生に聞きながら、詐欺罪の逮捕について詳しく見ていきましょう。
目次
詐欺罪と逮捕の関係
現行犯逮捕と通常逮捕(後日逮捕)の違いは?
詐欺罪でタイホされるのって、どんな感じなんでしょう?
皆さん、イメージつきますか?
やってしまった当日というより、後からバレて、警察がくる感じなんですかね?
詐欺罪の逮捕には、大きく、①詐欺事件の事件直後に逮捕される現行犯逮捕と、②詐欺事件からしばらくした後に逮捕される通常逮捕(「後日逮捕」と表現されることもあります。)の二つのパターンがあります。
詐欺罪の現行犯逮捕とは、詐欺事件の事件直後に逮捕されることをいいます。詐欺事件が起こったその時その場所で被害者や目撃者から通報を受けた警察官に逮捕されるのが一般的です。
現行犯逮捕された後は、詐欺罪の加害者はそのまま警察署に連行されることになります。
これに対して、詐欺罪の通常逮捕とは、詐欺罪の逮捕状にもとづいて逮捕されることをいいます。詐欺事件が起こった後、少し経ってから逮捕状をもった警察官によって逮捕されるのが一般的です。
詐欺罪の通常逮捕がいつされるかは、詐欺事件に対する捜査の進み具合によって異なります。
なるほど~
逮捕には何パターンかあるんですね。
詐欺罪で逮捕される場合、現行犯逮捕と後から逮捕、どちらもありうるということです。
まとめ
現行犯逮捕と後日逮捕(通常逮捕)の違いは?
種類 | 現行犯逮捕 | 後日逮捕 |
逮捕の時期 | 犯行直後、犯行中 | 後日 |
逮捕状の要否 | 必要なし | 絶対に必要 |
逮捕者 | 主に被害者、目撃者 | 主に警察官 |
逮捕後 | 警察署に連行される |
詐欺罪で現行犯逮捕されるケースは?
じゃあ、詐欺罪で現行犯逮捕されるのって、どんなケースなんでしょう?
ナイフを振り回してたり、って感じじゃないし・・・
詐欺罪で現行犯逮捕って、あまりイメージつかなくないですか、皆さん?!
詐欺罪で現行犯逮捕されるケースには、目撃者が通報したケースや被害者が途中で詐欺だと気付いて通報したケースなどがあります。
詐欺事件を目撃した人がいる場合、通報によって現場に駆け付けた警察官によって逮捕されるケースがあります。
詐欺事件の被害者が、お金や物などを渡してしまう前に詐欺だと気付いた場合、通報によって現場に駆け付けた警察官によって逮捕されるケースがあります。
また、被害者がだまされたことに気付いたけれども、お金や物などを渡すのは後日という約束だった場合、後日お金や物などを渡すときに、事前に張り込みをしていた警察官によって逮捕されるケースもあります。
なお、だまされたことに気付くことや通報が、詐欺事件が終わってしばらくしてからの場合、詐欺事件の事件直後とはいえないため、現行犯逮捕ではなく通常逮捕されることになります。
そっかそっか。
目撃者とかいれば、目の前で逮捕されることもあるわけですね。
お金のやりとりをしようと思ってたら警察官が待ち伏せ、なんてコワイです!
詐欺罪で後日逮捕(通常逮捕)されるケースは?
詐欺罪では、現行犯逮捕もありうるということでした。
となると、後から逮捕される場合についても、聞いてみたいですよね?
先生に聞いてみましょう!
詐欺罪で後日逮捕されるケースは、加害者が詐欺事件に関する証拠を隠滅する可能性が高いケースや逃亡する可能性が高いケースで多いです。
詐欺罪の容疑を不合理に否認している場合や、詐欺事件の共犯者が多数存在する場合は、「証拠を隠滅する可能性が高い」として逮捕される可能性が高くなるでしょう。
決まった住所を持たないで生活している場合や、詐欺罪の被害額が大きいため重い刑罰が予想されるような場合は、「逃亡する可能性が高い」として逮捕される可能性が高くなるでしょう。
被害額が小さい軽微な詐欺事件で逃亡する可能性が低かったり、証拠隠滅の可能性が低かったりするケースでは、わざわざ加害者を逮捕して拘束することなく捜査を進めるのが一般的です。
具体例その1
加害者ABCは被害者Dをだまして多額の金銭を受け取った。しかし、ABCとDとのやりとりを見ていた目撃者が詐欺だと気付き警察に通報したため現行犯逮捕された。
具体例その2
加害者Aは被害者Bをだまして金銭を受け取った。しかしその後、多数の目撃者や明確な証拠があるにも関わらず、容疑を不合理に否認したため通常逮捕された。
ふむふむ。
住所不定だと、やっぱり怪しまれるんですね。
それに共犯者がいると、証拠隠滅の可能性が高いと判断される、と。
なるほど~~
まとめ
詐欺罪で後日逮捕(通常逮捕)されるケースは?
後日逮捕されやすい | 後日逮捕されにくい | |
証拠隠滅 | 隠滅の可能性が高い | 隠滅の可能性が低い |
逃亡 | 逃亡の可能性が高い | 逃亡の可能性が低い |
認否 | 不合理に否認している | 自白している |
詐欺罪で逮捕された場合の流れ
逮捕までの流れ|現行犯と後日逮捕に分けて解説
詐欺罪で逮捕されると、その後の流れはどんな感じになるんでしょうか。
逮捕されるところまではイメージできるけど・・・
その後って、どうなるのかあまり公表されてなくないですか?
いざ逮捕される時ってどうなるのか、やっぱり不安ですよね?
詐欺罪の逮捕の流れは、大きく現行犯逮捕の場合と通常逮捕(後日逮捕)の場合とに分けられます。
現行犯逮捕の流れの一例
詐欺罪の現行犯逮捕の流れは、詐欺事件の現場で詐欺事件の直後に逮捕される点に特徴があります。
詐欺事件の現場に駆け付けた警察官、被害者、目撃者等が加害者を直接逮捕するのが、詐欺罪の現行犯逮捕です。
現行犯逮捕された後は、その場に通報を受けた警察官がやって来て、そのまま警察署に連行されることになります。
①詐欺事件の発生
↓
②現場に駆け付けた警察官、被害者、第三者による現行犯逮捕
↓
③警察署への連行
通常逮捕の流れの一例
詐欺罪の通常逮捕の流れは、逮捕状をもった警察官に逮捕される点に特徴があります。
詐欺事件の加害者を通常逮捕するためには、裁判所が発行する逮捕状を示す必要があります。
実際の通常逮捕の現場では、警察官が詐欺事件の加害者に逮捕状を示してから逮捕します。
①詐欺事件の発生
↓
②警察官による逮捕状の請求
↓
③裁判官による逮捕状の発行
↓
④警察官による通常逮捕
↓
⑤警察署への連行
わあ、そっかあ~
現行犯逮捕の場合、警察官以外の一般人にも、逮捕される可能性があるんですね。
逮捕されたあとは、警察署へ連れて行かれて・・・
そこから、厳しい取調べが始まるんですね。。
まとめ
詐欺罪の逮捕の流れは?逮捕までの流れは?
現行犯逮捕 | 後日逮捕 | |
逮捕する人 | 主に被害者、目撃者 | 主に警察官 |
警察署への連行 | あり |
詐欺罪で逮捕された後の流れ|身柄拘束は何日?
詐欺罪で逮捕されたら、どれくらいの期間拘束されるのでしょう。
皆さん、気になりませんか?
逮捕されると、家族やペットの面倒を見る人がいなくなるなど、色々と困りますよね。
最後にもう一つ、専門家の方に聞いちゃいましょう。
逮捕の期間
詐欺罪の逮捕の期間は、最長で72時間です。
通常、詐欺罪で警察に逮捕されてから48時間以内に検察官に送致され、24時間以内に勾留が請求されなければ釈放されます。
詐欺罪での勾留が認められない限り、留置場で1、2泊して釈放されるというイメージになります。
勾留(「拘留」は誤りです)の期間
詐欺罪での勾留の期間は、通常は10日間、延長される場合は追加で10日間とされています。詐欺事件が起訴されると更に約1ヶ月~それ以上拘束されることになります。
一度勾留が決定されれば、10日間は警察署の留置場で生活しなければなりません。延長される場合も珍しくないですから、その場合は合計20日間警察署の留置場で生活しなければなりません。
詐欺罪で起訴(公判請求)された場合は、その後に保釈が認められるか執行猶予付判決が言い渡されるまで、更に留置場での生活が続きます。
もし早期の釈放が必要な場合は、弁護士の積極的な早期釈放に向けた活動を求めるべきでしょう。
早期釈放に向けた活動としては、弁護士が勾留の却下を求める活動や、示談を成立させたり保釈を請求したりする活動などがあります。
はい、まずは留置場に1、2泊。
その後10日から、長ければ20日間、ということです。
かなりの長期間の拘束ですよね。
なお、詐欺と不起訴の関係については『詐欺事件で不起訴を目指す!不起訴の確率や過去の事例、示談の重要性を解説』で特集しています!
詐欺罪で逮捕された場合の有効な対処法は「示談」
家族が詐欺罪で逮捕された!
そんな時、ご家族は
・一刻も早く釈放して欲しい…
・起訴されて前科をつけたくない…
・マスコミやネットで実名報道されるのを避けたい…
こんな悩みを抱えているのではないでしょうか?
そのような悩みを解決するための最も有効な手段が示談です!
示談の意義
そもそも示談とは何か、という疑問をお持ちの方へ。
示談とは加害者側と被害者側が直接話し合い問題を解決することを言います。
警察や検察ではなく、当事者間で謝罪や賠償について話し合うことなんですね。
なお、詐欺罪の示談については『詐欺罪の示談金はいくら?示談の相場や重要性を解説』で詳しく解説しているので、是非ご覧ください!
釈放してほしい
示談を結ぶことでどんな効果・メリットがあるのか見ていきましょう。
示談を結ぶことで釈放の可能性が高まる理由は以下が挙げられます。
- 罪を認めていることが明らかになり、証拠隠滅や口封じの可能性が無くなる
- 被害者からゆるしを得ることで、処罰の必要性が下がる
- 被害届や告訴を取下げて貰える
実際に罪を犯して逮捕されてしまった場合は、一刻も早く被害者と示談を結ぶことがベストです。
被害者と示談できたら、直ちに釈放されるケースは多々あります。
不起訴にしてほしい
続いて不起訴についても見ていきましょう。
不起訴になれば、裁判は開かれず有罪判決も出ませんので、前科はつきません。
- 被害者からゆるしを得ることで、処罰の必要性が下がる
- 被害届や告訴を取下げて貰える
もしも起訴されてしまった場合でも、被害者と示談をすることによって実刑を回避できる可能性が高まるので重要です。
具体的には以下の通りです。
- 執行猶予がつく可能性が高まる
- 条例違反の場合、罰金刑で済む可能性が高まる
実名報道を避けたい
最後に実名報道についてです。
結論から言うと逮捕直後の実名報道を確実に回避する手段はありません。
しかし、「逮捕後速やかに釈放される」、「起訴や実刑を回避する」ことで、その後の実名報道のリスクは格段に下がります。
示談あり | 示談なし | |
刑事処分 | ・釈放される ・不起訴になる可能性が高くなる ・処分が軽くなる可能性上がる |
・逮捕が続く ・起訴される ・処分が重くなる可能性上がる |
民事賠償 | 全て解決する | 民事裁判で賠償請求される可能性あり |
詐欺罪の逮捕に関するQA
逮捕されない詐欺罪はある?
ところで皆さん、詐欺罪でも、捕まらない場合ってあるんですかね?
被害額が小さかったら、警察はわざわざ出動しない気がしませんか?
この世に詐欺をやってる人間なんてたくさんいると思うけど・・・
先生、中には、逮捕されないこともありますよね?!
あります。すべての詐欺罪の加害者が逮捕されるわけではありません。
詐欺罪を犯してしまっても、詐欺罪の証拠を隠滅する可能性が低い場合や逃亡する可能性が低い場合は、逮捕されないケースがみられます。
単純な詐欺事件の場合や共犯者がいない場合、不合理に否認していない場合には「証拠を隠滅する可能性が低い」といえそうです。
被害額が小さい場合、決まった住所がある場合、定職についている場合や同居している家族がいる場合には、「逃亡する可能性が低い」といえそうです。
もっとも、逮捕されない詐欺罪の場合でも、被害届が受理されれば、逮捕されない在宅事件(ざいたくじけん)として捜査や取り調べが行われることになります。
在宅事件の場合は、逮捕されないため自宅で生活することができます。
しかし、警察から呼び出しがあった場合は、その呼び出しに応じて自宅から警察署に出向き、詐欺事件の捜査や取り調べに協力することが求められます。
そっか。
逮捕されなかったら終わり、じゃないんですね。
逮捕されなくても、警察から呼び出しを受けることはあるんだ。。
まとめ
逮捕されない詐欺罪はある?
逮捕あり | 在宅捜査 | |
被害届 | 受理されている | |
取調べ中 | 留置場で生活 | 自宅で生活 |
詐欺罪の逮捕条件は?
では、詐欺罪で逮捕されるのって、どんな場合なんでしょうか。
皆さんご存知の通り、警察だって、なんでもやっていいわけではありません。
警察の動きは、一つ一つ細かく、法律で決められています。
先生、そうですよね?!
逮捕にも、ちゃんと条件が決まっているんですよね??
詐欺罪の逮捕条件は、現行犯逮捕の場合と、通常逮捕(後日逮捕)の場合とで異なります。
現行犯逮捕の要件
詐欺罪の現行犯逮捕は、基本的に、詐欺事件を現に確認した者によってその現場で行われる必要があります。
そのため、現行犯逮捕できるのは、基本的にその時その場限りです。
詐欺事件の現行犯逮捕は、現場に駆けつけた警察官によって行われることが多いです。目撃者や被害者側の関係者によって行われることもあります。
通常逮捕の要件
詐欺罪の通常逮捕は、裁判官が発行する逮捕状にもとづいて行われる必要があります。
逮捕状の発行は、逮捕の理由と逮捕の必要性が認められる場合に限られます。
逮捕の理由とは、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」のことです。
逮捕の必要性とは、「被疑者が逃亡するおそれ」や「被疑者が罪証を隠滅するおそれ」があることです。
なるほど。
これらの条件を見たしていれば、警察は詐欺罪で捕まえることができるんですね。
まとめ
詐欺罪の逮捕条件は?
現行犯逮捕 | 後日逮捕 | |
逮捕の場所 | 犯行現場 | 限定なし |
逮捕の時期 | 犯行時、犯行直後 | 後日(逮捕状発行後) |
逮捕状の要否 | 不要 | 必要(※) |
※逮捕状は、逮捕の理由と逮捕の必要性が認められる場合に限り発行されます。
詐欺罪から後日逮捕されるまでの期間は?
詐欺罪で後日逮捕される場合って、事件からどれくらい経ってからだと思いますか?
自分のしたことは詐欺罪にあたるのではないか・・・
そうおびえながら、警察が来るまでただ待っているのも、辛いですよね。
というわけで、この点も、先生に教えてもらっちゃいましょう!
後日逮捕されるまでの期間に、法律上の決まりはありません。
詐欺罪を犯してから後日逮捕されるまでの期間は、捜査の進み具合によるところが多いです。
単純な詐欺事件の場合
単純な詐欺事件で捜査がスムーズに進む場合は、詐欺事件から一か月以内に後日逮捕されるケースが多いです。
複雑な詐欺事件の場合
複雑な詐欺事件で捜査が困難な場合は、後日逮捕までの期間が長引く傾向にあります。
特に、詐欺事件の関係者が複数いるなどして捜査が難航しているケースでは、逮捕状を請求することができないので、後日逮捕までの期間が長引くことになります。
複雑な詐欺事件で捜査が難航している場合は、詐欺事件から半年後や一年後に後日逮捕されることもあります。
うーん。早ければ1ヶ月以内。
長引くと半年から一年ですか。
それでは心臓がもちませんね。
こんな不安におびえるくらいなら、はじめから詐欺なんてやらないことですね。
まとめ
詐欺罪から後日逮捕されるまでの期間は?
早い逮捕 | 遅い逮捕 | |
法律上の要件 | 法律上の決まりは特にない | |
一般的な場合 | 事件から一か月以内 | 事件から半年〜一年後 |
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ここまで、詐欺の逮捕について、弁護士の解説と共にお送りしました。
これで一般的なことはカバーできました。
でもできれば、自分の事件に即した具体的なアドバイスも欲しいですよね?
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では先生、最後にひとことメッセージをお願いします。
詐欺の逮捕でお困りの皆さん。
今後のことを考えると、不安な気持ちになるでしょう。
しかし、刑事事件の解決はスピードとタイミングが勝負です。
落ち込んでいる暇はありません。
早い段階でご相談いただくことで、弁護士としてもやれることが増えます。
まずはとにかく、弁護士に積極的にご相談ください。
まとめ
さて今回は、詐欺罪で逮捕されるとどんな感じか、弁護士に解説してもらいました。
逮捕後のことってなかなかわかりませんが、これで少しは不安が和らいだ気がしますね。
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