交通事故の示談対応は保険会社に任せればOK?|加害者が知っておきたい保険事情
「交通事故の示談を保険会社がしてくれるけれど、本当に任せておいてよいのか・・・」
こんなふうにお思いの交通事故の加害者の方はいませんか?
そこで、今回は「交通事故の加害者が知っておきたい保険事情」についてレポートします。
- 被害者への治療費や慰謝料の支払い
- 加害者の治療費の支払い
- 保険会社の対応の流れ
- 加害者がすべき対応
- 任意保険に入っていない加害者は、その後どうやってお金を工面するか
などなど、まとめました。
自動車保険や、交通事故の際に加害者がすべき対応などの解説は、アトム法律事務所の弁護士にお願いしています。
目次
【保険会社の対応の流れ】保険は加害者を救済してくれる?
保険会社は交通事故の際どのような対応をしてくれるのか?
「交通事故をおこしたらすぐに保険会社に連絡を入れましょう。」
というようなことを聞きますよね・・・。
この図にあるように、交通事故を起こしたら、
- 負傷者の救護
- 道路上の危険防止
- 警察への通報
が、必須です。
なぜならば、道路交通法上の義務と規定されているからです。
そして、怪我をした人の救護や警察への通報を済ませたら、
すぐに保険会社に連絡を入れる
ことになります。
では、保険会社は、どのような対応をしてくれるのでしょうか?
保険会社のHPを見てみましょう。
お客様の事故連絡にしたがい、事故にあわれたお車の損害確認や必要に応じて事故現場の確認などを行います。
出典:東京海上日動HPより(http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/inquiry/faq/jiko/faq_51010.html)
このような事故そのものに対するサポートのほか、
- 傷害を負わせた相手方との示談
- 死亡させた相手方の遺族との示談
- 加害者自身の怪我の治療費
などの対応で、加害者を救済してくれます。
では、実際にどのようなお金の支払いについて保険会社が対応してくれるのか見ていきましょう。
①怪我通院にかかる治療費や傷害慰謝料の支払い対応
1.相手方に傷害を負わせた場合
(1)怪我の損害賠償(内訳)
さて、交通事故で相手方に傷害を負わせてしまった場合、
- 相手の治療費
- 怪我の慰謝料
などについて、加害者は損害賠償をしなければなりません。
・治療費 ・通院交通費 ・休業損害 ・傷害慰謝料 |
さらに、相手の怪我が「後遺障害」として認定された場合には、上記の損害賠償に加えて、
後遺障害に関する慰謝料
などの損害についても支払いが必要になります。
・後遺障害に関する慰謝料 ・後遺障害による逸失利益 |
このようなお金の支払いに関する対応を、保険会社に任せることができます。
(2)治療費などの支払いまでの流れ
さて、保険会社は、どのような流れで損害額を確定して、お金の支払いをするのでしょうか?
順を追って流れを見ていきましょう。
①損害調査
支払いの前には、必ず、どのくらいの損害が生じたのかを確定しなければなりません。
保険会社は、
- 被害者に必要書類を提出してもらう
- 後遺症について医療照会をする
などして、お金がどのくらい必要なのかを調べます。
②示談
以上のような損害調査の上で、
実際に支払い可能なお金について、交通事故の当事者間で交渉する
ことになります。
すなわち、「示談」です。
「示談」とは、民事上の紛争を裁判によらずに当事者間で解決するものです。
交通事故については、治療費や慰謝料などの損害について示談をすることになります。
任意保険に加入している加害者の場合、保険会社の担当者が基本的に示談交渉を代行してくれることになります。
一方、任意保険未加入の加害者の場合、弁護士などに依頼しない限り、加害者自身で示談交渉をすることになります。
自動車保険の任意保険には基本的に、「示談代行サービス」というものがついているようです。
自動車事故を起こし被害者への補償が問題となったときは、加害者、被害者双方の話し合いによる示談で解決することになります。
しかし、自身で解決しようとすると多くの時間と労力がかかるので、加害者である被保険者に代わって、保険会社が示談にむけた交渉を行うサービスを、示談交渉サービスといいます。
この示談交渉サービスがついている自動車保険の契約では、保険会社が加害者である被保険者に代わって、被害者との交渉に当たります。
現行の自動車保険は、この示談交渉サービスがついている商品が一般的になっています。
出典:一般社団法人 日本損害保険協会HPより(http://soudanguide.sonpo.or.jp/car/q010.html)
示談交渉開始のタイミングとして、通常は、
治療終了後や後遺障害等級の認定後
になります。
もっとも、刑事処分が科される前に、示談を成立させることが望ましいです。
なぜならば、示談の成立は、不起訴や刑事処分を軽くしてもらうために有益な事情となるからです。
③お金の支払い
示談が成立したら、保険会社が、被害者に示談金を支払います。
とある保険会社のHPでは、「事故発生から保険金支払いまでの流れをフローチャート」が紹介されていました。
以上見てきたとおり、交通事故の相手に対するお金の支払いの流れは、こんな感じです。
でも、自分も怪我をしているとき、
「治療費の支払いはあるの?」
という点について、確認していきましょう。
2.加害者である自分も怪我をした場合
加害者でも治療費を負担してくれるかどうかは、加入している保険によって違います。
いわゆる「人身傷害保険」に加入していれば、加害者にも、治療費などの損害についてお金の支払いをしてくれます。
治療費、逸失利益や精神的損害を、ご自身の責任割合にかかわらず保険金額を限度に全額(注)お支払いします。
(注)損害額の算出は普通保険約款「人身傷害条項損害額基準」に従います。
出典:三井ダイレクト損保HPより(https://www.mitsui-direct.co.jp/car/compensation/passenger/)
ちなみに、保険には、様々な種類があり、保険会社によっても名称が異なる場合があります。
自分の加入している保険の補償範囲についてよくわからないという人は、保険会社に確認しておきましょう。
もっと詳しく知りたいという方は、こちらも見てみてください。
加害者の慰謝料についても知りたい方は、こちらもご覧ください。
次に、交通事故で相手を死亡させてしまった場合について確認していきましょう。
②遺族へ死亡慰謝料などの支払い対応|死亡事故の場合
死亡慰謝料などの損害賠償の支払い
交通事故で相手方を死亡させてしまった場合も、怪我をさせた場合と同じような流れで、保険会社がお金の支払いをしてくれます。
死亡事故の損害賠償の内訳は、次のとおりです。
・葬儀費用 ・死亡に関する慰謝料 ・死亡による逸失利益 |
被害者が、治療をしたが、その後、死亡したというケースでは、
死亡に関する損害賠償
のほか、
傷害の治療に関する損害賠償
も負担しなければなりません。
ご香典には対人臨時費用特約
死亡事故の場合には、被害者の葬儀に参列することもあるでしょう。
そのような場合に、必要なのが「ご香典」です。
ご香典のお金も、保険会社が用意してくれる場合があります。
加入している任意保険に、
「対人臨時費用特約」
がついている場合には、ご香典のお金を用意することができるようです。
対人臨時費用特約
(略)
ご契約のお車の自動車事故により、他人を死亡させ、法律上の損害賠償責任を負担する場合に、弔問・葬儀参列の際の弔慰金などの臨時費用の支出に備えて、被害者1名につき20万円をお支払いします。
出典:あいおいニッセイ同和損保HPより(https://www.aioinissaydowa.co.jp/personal/product/tough/car/personal_comp.html)
保険会社にもよりますが、対人臨時費用特約で支払いを受けることいができるお金は、
10万円から20万円
というところでしょう。
③弁護士費用は「弁護士費用特約」を使えるの?
弁護士費用に関して保険会社が負担してくれる場合もあります。
一般に、「弁護士費用特約」といわれるものです。
弁護士費用特約
(略)
被保険者が自動車事故により身体や財物に被害を被り、相手の方に損害賠償を請求する場合、または自動車事故により、被保険者に法律上の賠償責任がないにもかかわらず、損害賠償請求された場合の弁護士費用など(300万円限度※)、法律相談費用(10万円限度)をお支払いします。
出典:あいおいニッセイ同和損保HPより(https://www.aioinissaydowa.co.jp/personal/product/tough/car/service.html)
この弁護士費用特約を使えるのは、
事故の損害賠償請求
についてです。
仮に加害者であっても、被害者にも過失があり、怪我をしている場合には、損害賠償請求権が発生します。
そのため、この弁護士費用特約を使えるケースもあります。
気になる方は、保険証券や保険会社で確認してみるとよいでしょう。
弁護士費用特約が使える場合
交通事故の損害賠償請求を弁護士に依頼したとき
これに対して、
刑事弁護
に関する費用について、弁護士費用特約で支払いをすることはできないのが通常です。
交通事故の加害者で、不起訴になりたいとか、刑罰を軽くしてもらいたいなどの理由で刑事弁護を弁護士に頼んだとします。
その場合には、加害者自身で、お金を用意しなければなりません。
交通事故の加害者が弁護士費用特約を使えるかどうかについて特集記事があるので、気になる人は見てみてください。
さみだれ式に説明してきたので、次の項目では、今までのおさらいと注意点を述べていきます。
【小括】加害者が保険会社に交通事故の対応を求めるときの流れ
1.交通事故から保険会社への連絡までの流れ
治療費や慰謝料などの支払いや、示談などの流れを見てきました。
ここで、流れをサクッとおさらいしてみましょう。
まずは、交通事故をおこしてから、保険会社へ連絡するまでの流れです。
加害者がするべきこと
- ① 相手の救護・道路の危険防止措置
- ② 警察への通報・事故状況の報告
- ③ 相手や目撃者の「連絡先」「氏名」を聞く
- ④ 保険会社にすぐに連絡
あせって頭がまっ白になった場合でも、①~④までひとつひとつ進めていきましょう。
2.保険会社が示談をしてくれるまでの流れ
次に、加害者が保険会社に連絡をした後に、保険会社がしてくれることの確認です。
保険会社の対応
- ① 当事者から連絡をうけて初期対応
- ② 事故調査
- ③ 見舞金(香典など)の支払い
- ④ 示談交渉
- ⑤ 示談金(保険金)の支払い
このような流れで、保険会社がお金の支払いをしてくれます。
注意が必要なのは、保険会社によって支払いをしてくれない場合があることです。
一例として、次のような場合が挙げられます。
支払いをしてくれない場合
- 保険会社を通さずに「示談」をした場合
- 無免許運転
- 飲酒運転
また、交通事故証明書を取得できない場合にも、支払いをしてくれない場合があります。
3.交通事故証明書について
保険会社からお金の支払いをうけるためには、
「交通事故証明書」
を取得しなければならにないケースが多いです。
ある保険会社の保険約款を見てみましょう。
交通事故証明書を忘れずに
自動車事故による保険金の請求にあたっては、原則として自動車安全運転センターの発行する交通事故証明書(人身事故の場合は必ず人身事故扱いの交通事故証明書)を提出いただくことが必要になります。あらかじめご了承ください。
この交通事故証明書は事故発生時に警察署への届出がないと発行されませんので、事故が起こった場合には必ず警察署への届出を行ってください。
出典:https://www.aioinissaydowa.co.jp/pdf/2010_car/tough_car_biz.pdf
そもそも「交通事故証明書」とは、どのようなものなのでしょうか?
交通事故証明書は、交通事故の事実を確認したことを証明するものです。
自動車安全運転センター法の定めるところにより、自動車安全運転センターの都道府県方面事務所長が、交通事故の当事者が適正な補償を受けられるよう、その求めに応じて、警察から提供された証明資料に基づき、交通事故の事実を確認したことを証明する書面として交付するものです。
この証明書は、交通事故に遭われた方の財産や権利を守るための重要な書類です。交通事故に遭われたときは、必ず警察に届出をして、後日、交通事故証明書の交付を受けるようにしてください。
なお、申込みのできる方は、交通事故の当事者(加害者・被害者)又は当事者の委任を受けた方です。
出典:自動車安全運転センターHPより(https://www.jsdc.or.jp/certificate/tabid/112/Default.aspx)
- 郵便局
- 自動車安全運転センター事務所の窓口
- インターネット
などから、交通事故証明書の申請ができるようです。
くわしい方法については、以下のリンクで確認できますよ。
さて、交通事故を起こしてしまったけれど、任意保険に加入していなかった場合はどうなるのでしょうか?
交通事故の加害者が保険未加入の場合、加害者はどうすればいいの?
加害者が加入する保険は2種類|自賠責保険と任意保険
そもそも自動車「保険」には、自賠責保険と任意保険があります。
自賠責保険とは、被害者から損害賠償請求をされたときに最低限の補償をすることができるように、自動車の運転をする人に加入が強制されている保険のことです。
自賠責保険に加入していない場合、交通事故を起こさなくても、刑罰が科されてしまいます。
たとえ事故を起こさなくても、自賠責保険(共済)に未加入で運行した場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金、自賠責保険(共済)の証明書を所持していなかっただけでも30万円以下の罰金が科せられます。 また無保険での運転は交通違反となり違反点数6点が付され、即座に免許停止処分となります
出典:国土交通省HPより(http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/punish.html)
この自賠責保険と違い、「任意保険」とは、その名のとおり「加入」が任意です。
「任意保険」加入のメリットを受けられない加害者はどうすればいい?
では、任意保険に加入するメリットはあるのでしょうか?
自賠責保険にも賠償の限度があります。自賠責保険では、相手の補償をしてくれますが、カバーできる補償の限度額は決められており、それ以上の賠償金が必要となった場合には自分で補う必要があります。特に死亡事故を起こした場合には、自賠責保険のみの補償内容ではカバーしきれなくなっています。それを自分の貯金などから補うのは非常に難しいので、任意保険にカバーしてもらうことが必要となります。
出典:東京トヨペットHPより(http://www.tokyo-toyopet.co.jp/topic/topic_12.html)
つまり、自賠責保険でまかなえない示談金については本来、自分で負担しなければなりません。
しかし、任意保険に加入していれば、自賠責保険でまかなうことができないお金についても、保険会社が支払いをしてくれるというメリットがあります。
一方、自賠責保険しか加入していないドライバーは、自賠責保険でまかなうことができないお金を任意保険から支払ってもらえないため、
貯金を切り崩す
などしてお金を工面する必要性がでてきます。
【示談の注意点】保険会社とうまく付き合うために知っておきたい4つのこと
①示談が不起訴や刑事罰などの刑事処分に与える影響
さて、ここから実際に示談をする際に気を付けるべきことを確認していきましょう。
交通事故の加害者にとっては、その後の人生を左右する重要ポイントです。
「交通事故の示談」と「刑事処分」の関係
示談は、交通事故による怪我の治療費や慰謝料などの損害賠償について当事者間で解決するものです。
示談そのものは、民事上の紛争を解決するものです。
なぜ、民事上の紛争を解決する示談が、刑事処分と関係があるのでしょうか。
示談は、刑事事件において、加害者に有利な情状事実になります。
示談の成立は、加害者の反省、被害弁償、被害者の許し(宥恕)などを示す事情となります。
したがって、示談があるとないとでは、その刑罰が変わってくる可能性があります。
「示談があると、刑罰が軽くなる可能性があるとは・・・。」
そう思うと、示談をうまく成立させていきたいと思う加害者の方も多いはずですよね!?
また、「示談の成立」は、
不起訴処分
とも、関係があります。
交通事故に関する犯罪を起訴するか否かは、検察官によって判断されます。
その際、
- 犯人の性格、年齢及び境遇、
- 犯罪の軽重及び情状
- 犯罪後の情況
などの要素が考慮されます。
「示談の成立」は、これらの要素のうち、「犯罪後の情況」にあたります。
示談があると、不起訴になったり、刑事処分が軽くなったりと、その後の人生が大きく変わりますね・・・。
ちなみに、交通事故が不起訴となる確率について知りたい人もいますよね!?
そのような方は、こちらの記事もご覧ください。
さて、次の項目では、示談の前提として重要な対応について確認していきましょう。
②示談の前提|加害者の誠意ある対応(お見舞いや謝罪)
さて、保険に加入している加害者の方は、
「保険会社の担当者さんが示談をしてくれるから、任せておけば安心だ・・・。」
と思っている人も多いでしょう。
しかし、保険会社の担当者さんに、任せっきりではいけません。
示談をうまく進めるには、加害者自身も主体的に誠意をもって対応する必要があります。
たとえば、
菓子折りをもって謝罪に行く
などの対応があるとよいです。
謝罪なしで相手方の心を逆なでしてしまうと、その後、示談をうまく進められない可能性があります。
謝罪といっても、
「どのような謝罪の仕方をしたらいいのか分からない・・・。」
というのが本音かもしれません。
ここで、ざっくりと謝罪の仕方について、ご紹介します。
手紙で謝罪文を送る場合
被害者の感情としては、
謝罪なしは嫌だけれど、いきなり会いに来られても困る
というケースもあります。
そんな時、まずは「謝罪文」の作成から始めるてみるのがよいでしょう。
謝罪文には、どのようなことを書けばよいのでしょうか?
《冒頭》 ・表題として、「謝罪文」 ・宛名として、被害者の名前を「●●様」 《本文の内容》 ・交通事故を起こしたことを認める旨 ・謝罪の言葉 ・面会ではなく手紙で謝罪を入れる旨、断りを入れる ・賠償については、「誠心誠意」という記載にとどめる ・交通事故によるケガに対して、配慮する文言 ・交通事故を二度と起こさない対策や決意 《末尾》 ・謝罪文を清書した日付 ・自分の署名 |
謝罪文に「書いてはいけない内容」は、あるのでしょうか。
謝罪文で、避けるべき表現は、次のとおりです。
- 「許してください。」
- 「刑事処分を受けると、仕事を失います。」
これらの表現は、被害者や、その遺族が不快に思う可能性があります。
また、示談金の金額についても、書いてはいけません。
謝罪文を渡すのは、謝罪をするためです。
示談の話をするのはやめましょう。
謝罪文の例文についても知りたいという方もいますよね。
以下のリンクでテンプレートを見てみてください。
例文があると書きやすいですよね・・・。
でも、丸写しはダメです。
自分の言葉で、誠意をもって書きましょう!
訪問して謝罪する場合
訪問して謝罪する場合、どんな服装をしていけばよいでしょうか。
交通事故の相手方からは、誠意のある対応が求められます。
そのため、誠意の伝えるために、礼儀正しい服装を心がけましょう。
- 黒などの地味な色のスーツ
- 革靴
で訪問するのが、無難です。
誠意を伝えるためには、服装も大切ですが、
手土産として菓子折り
を用意してもよいでしょう。
さて、実際にどのような流れで謝罪すればよいでしょうか。
謝罪の仕方についてまとめてみました。
①まずは、謝罪(「交通事故で、ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。」など) ②交通事故の被害者のケガについてお見舞いの言葉をかける ③菓子折りなど手土産をわたす ④最後に、謝罪 |
裁判になりそうだから、あわてて謝罪に行くのではなく、交通事故の直後から、継続的に謝罪の意思を示していくようにしましょう。
③保険会社が支払いをするお金のウラ事情
任意保険の保険会社がお金の支払いをしてくれるときに、
① 示談で、保険会社が支払いをしてくれるお金
と、
② 裁判で争って、保険会社が支払いをしてくれるお金
の金額には差があります。
前者の①については、保険会社独自の算定基準です。
後者の②については、「「裁判(弁護士)基準」による算定です。
裁判基準では、過去の判例を参考に示談金を算出します。
この裁判基準は、弁護士が代理人として請求する際にも用いられる基準のため、弁護士基準とも呼ばれます。
「裁判(弁護士)基準」で算定すると、任意保険の保険会社の基準よりも高額になります。
保険会社の金額で納得してもらえる場合はよいのですが、
裁判(弁護士)基準
によって損害賠償を請求されるということも多いです。
任意保険基準と、裁判(弁護士)基準との調整を図りながら、スムーズに示談交渉を進めなければなりません。
そうしないと、刑事処分との関係では、示談が功を奏しないことになってしまいます。
④保険未加入の加害者が示談について相談できる窓口は?
さて、任意保険に未加入で、自賠責保険にしか加入していなかったとします。
その場合、自賠責保険で、保険会社の担当者さんが示談をサポートしてくれるのでしょうか?
残念ながら、自賠責保険には、示談交渉サービスがついていません。
そのような場合に、相談できる窓口としては、
「交通事故紛争処理センター」
というものがあります。
交通事故紛争処理センターとは、どういった機関なのでしょうか。
当センターは、自動車事故に係る損害賠償問題の紛争解決を中立公正な立場から無料でお手伝いする公益財団法人です。
出典:公益財団法人 交通事故紛争処理センターHPより(http://www.jcstad.or.jp/)
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人身損害の場合は、通常3回で70%以上、5回までのあっ旋で90%以上の和解が成立しています。
物損の多くの場合は、2回程度で取扱いが終了しています。
出典:公益財団法人 交通事故紛争処理センターHPより(http://www.jcstad.or.jp/faq/)
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さいごに
今回は、「交通事故の加害者が知っておきたい保険事情」について、レポートしてきました。
保険の支払いや、示談の重要性について確認できました。
任意保険に加入している場合でも、示談交渉がうまく進まないというケースはよくあります。
示談の成立は、刑事処分の結果にも大きくかかわる問題です。
交通事故を起こした場合、専門家に謝罪の仕方と示談の仕方を聞いておくとよいでしょう。
被害者対応は早ければ早いほど、被害者に対し誠意を伝えることができます。
刑事手続きが進行する前に、お早めに弁護士にご相談ください。