死亡事故で加害者が負う損害賠償責任|死亡事故の損害賠償金の相場や払えない場合について

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死亡事故で加害者が負う損害賠償責任|死亡事故の損害賠償金の相場や払えない場合について

死亡事故をおこしてしまった。どのくらいの損害賠償金を払うことになるのだろうか・・・。」

そんな不安をおもちの方はいませんか?

そこで、今回は「死亡事故で加害者が負う損害賠償責任」と題して、

死亡事故の賠償金の相場

損害賠償と示談の関係

賠償金を払えない場合の対応や弁護士がしてくれること

など、まとめました。

これらのほかに

死亡事故で問われる刑事責任や、行政上の責任

についても、いっしょに確認していきましょう。

交通事故にまつわる法律問題の解説は、弁護士の岡野武志先生にお願いしています。

よろしくお願いします。

実務の視点から、損害賠償金の支払いが刑事処分に与える影響などについても解説していきます。

【死亡事故の責任】賠償責任だけじゃない加害者の責任3つ

【死亡事故の責任】賠償責任だけじゃない加害者の責任3つ

交通事故、しかも死亡事故加害者になってしまったら、

ちゃんと責任をとらなければならない

そんな指摘が、しばしば、されますよね・・・。

では、実際に、死亡事故を起こした加害者は、どのような責任を負わなければならないのでしょうか。

死亡事故を起こした場合、加害者は、

民事責任

刑事責任

行政上の責任

を負います。

さて、この3つの責任は、それぞれどのような内容なのでしょうか?

①民事責任|「損害賠償の内訳」や「賠償金支払い方法」の落とし穴について

(1)民事責任としての損害賠償責任とは?賠償金の内訳は?

まずは、「民事責任」の内容について確認していきましょう。

死亡事故を起こした加害者は、死亡によって生じた損害について賠償しなければなりません。

民事責任とは、このような損害賠償責任のことをいいます。

事故の相手が死亡してしまった場合には、

死亡に関する慰謝料(死亡慰謝料

逸失利益

など、相続人などに対して、賠償金の支払いをすることになります。

逸失利益」という言葉には、「なじみがない」という人も、いるかもしれません。

この「逸失利益」とは、どういったものなのでしょうか。

逸失利益とは、その債務不履行又は不法行為の事実がなければ得たであろうと思われる利益」のことです。

たとえば、「仕事をしている相手を死亡させてしまった」とします。

この場合、交通事故で死亡させなければ、その相手は、今も仕事でお給料を受け取れていたはずです。

この「得られたであろうと思われるお給料」は、「逸失利益」にあたります。

交通事故で相手を死亡させてしまった場合の、「賠償金の内訳」について、表にまとめてみました。

【死亡】損害賠償の内訳(一例)
・葬儀費用
・死亡に関する慰謝料(死亡慰謝料)
・死亡による逸失利益

相手が即死した場合だと、上記のような損害の賠償が必要になります。

もっとも、死亡事故といっても、相手が即死しなかったケースもあるでしょう。

たとえば、

事故の相手は、事故から死亡までの間、ICUで怪我の治療していた

というなケースです。

このような場合には、

死亡までにかかった治療費などの損害

についても、賠償しなければなりません。

交通事故の相手が受傷後、死亡してしまった場合の、損害賠償の内訳としては、次のようなものが想定されます。

【受傷後死亡】損害賠償の内訳(一例)
・怪我の治療費
・通院交通費
・逸失利益(休業損害)
・傷害慰謝料
==========
・葬儀費用
・死亡慰謝料
・逸失利益

このような損害賠償の賠償金については、

保険

によって、まかなうことが可能です。

でも、うっかりしていると、保険で賠償金の支払いができないこともあるようです・・・。

(2)賠償金支払い方法の落とし穴|保険で支払いができない場合

ア.保険の種類|自賠責保険と任意保険

保険に加入していれば、保険会社賠償金の支払いをしてくれるから、

「賠償金のことは、保険会社に任せておけば心配ないだろう・・・。」

と考える交通事故の加害者の方もいることでしょう。

しかし、保険に加入していても、賠償金の支払いについて注意すべきことがあります。

まずは、保険の種類について確認しておきましょう。

自動車の保険は、2つに分類できます。

自賠責保険

任意保険

です。

これらの保険は、それぞれ、どのような保険なのかということについて確認していきましょう。

まずは、「自賠責保険」とは、どのような保険なのでしょうか。

自賠責保険とは、自動車の保有者が必ず加入しなければならない保険です。

この「自賠責保険」に加入することで、加害者は、人身損害について最低限度の補償ができるようになります。

ただし、交通事故の自賠責保険で賠償できる保険金には、上限が設定されています。

たとえば、①「死亡による損害」と、②「死亡に至るまでの傷害の治療費などの損害」について賠償しなければならなかったとします。

この場合の、自賠責保険の上限金額は、

① 「死亡による損害」については、3000万円

② 「死亡に至るまで傷害についての損害」のについては、120万円

です。

自賠責保険は強制保険と言われているように、運転者に加入が義務付けられている保険です。

では、「任意保険」はどのような保険なのでしょうか。

任意保険は、自賠責保険でまかなえない賠償に備えて、自発的に加入する保険です。

自賠責保険には上限金額が定められているため、

加害者が支払うべき損害賠償の金額が、「自賠責保険」の上限金額を上回ってしまう

ということもあります。

このようなときに、加入しておくと安心なのが、「任意保険」です。

任意保険は、自賠責保険と違い、強制加入ではありません。

しかし、加入しておくことで、自賠責保険の保険金を上回る部分について、任意保険によって支払いが可能です。

任意保険によって、加害者は多額の損害賠償責任から救済されることになります。

加害者が賠償金で困らないためには、自賠責保険だけでなく、任意保険に加入しておく必要がありそうですね・・・。

ここで、自賠責保険と任意保険の違いをまとめてみました。

自賠責保険と任意保険の違い
自賠責保険 任意保険
内容 ・人身損害について最低限の賠償を保障する保険
・被害者の救済の側面が強い
・自賠責保険で賠償できない損害について負担するもの
・加害者の救済の側面が強い
加入の強制 強制加入 任意加入
上限の有無
・死亡による損害(葬儀費用、死亡慰謝料、逸失利益)は、
3000万円まで。
・死亡するまでの傷害による損害(治療費、休業損害、傷害慰謝料など)は、
120万円まで。

表の中では、任意保険の上限の欄が「△」になっています。

おやおや?これは何故なのでしょうか?

次の項目で、保険金でまかなえる損害賠償の範囲について確認しておきましょう。

イ.保険でできる賠償の範囲に注意|賠償金を自己負担しなければならないケースとは

さて、

加害者が賠償金を自己負担しなければならないケース

について、まとめておきましょう。

まず、先ほどもお話ししたように、任意保険に加入していない加害者の方は、

自賠責保険

しか、頼れる保険がありません。

自賠責保険は、賠償金について限度額が設定されています。

そのため、自賠責保険で補償される金額を超える部分については、加害者が自己負担しなければなりません。

また、任意保険に加入している加害者であっても、

保険の内容によっては、限度額を設定している場合

があります。

その場合も、自賠責保険のケースと同様、加害者が自己負担しなければなりません。

任意保険にも限度額が設定されているケースがあるとは・・・。

表の「△」の意味が分かりましたね。

この保険金の限度額については、各保険会社によってルールが異なります。

保険金で損害賠償を済ませることができるかどうか気になる人は、

保険証券

保険会社への問い合わせ

などで確認しておきましょう。

②刑事責任|死亡事故はどんな刑罰?

(1)死亡事故と自動車運転処罰法

さて、死亡事故を起こした加害者の責任は、損害賠償責任だけではありませんでした。

ここから、残りの2つの責任についてチェックしていきましょう。

まずは、刑事責任からです。

自動車で死亡事故を起こした場合には、どのような法律に触れてしまうのでしょうか。

自動車で死亡事故を起こした場合、

「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」

に規定される犯罪に問われます。

「自動車の運転により人を死傷される行為等の処罰に関する法律」とは、長い名前の法律ですよね・・・。

この法律の呼び方としては、

自動車運転処罰法

との略称が用いられることも多いです。

このテキスト内でも、以後、「自動車運転処罰法」と呼ぶことにします。

さて、「自動車運転処罰法」では、死亡事故は、どのような犯罪に問われるのでしょうか。

死亡事故を起こした加害者は、自動車運転処罰法により、

危険運転致死罪

過失運転致死罪

などの犯罪に問われます。

これらの犯罪に該当する場合に、無免許だったときは、さらに重い刑罰が科せられる場合もあります。

また、アルコールや薬物の影響で死亡事故を起こしたことを隠そうとした場合には、

アルコール等影響発覚免脱罪

にも問われます。

様々な犯罪が成立して、それに応じた刑事責任が問われます。

それでは、成立する犯罪それぞれについて詳しく見ていきましょう・・・・。

ア.危険運転致死罪

では、危険運転致死罪とは、どのような犯罪なのでしょうか。

危険運転致死罪には、2条と3条の類型があります。

危険運転致死罪

自動車運転処罰法の2条と、3条に規定されている

まずは、2条の類型から見ていきましょう。

まず、自動車運転処罰法2条の危険運転致死罪では、

飲酒運転

薬物

制御困難なスピード

あおり運転

通行禁止道路の運転

などの行為類型が、処罰されます。

では、3条の類型について確認していきましょう。

3条の危険運転致死の類型は、2条の類型よりも、規定されている刑罰が軽い類型です。

そのため、2条と区別するべく、

3条の類型については、「危険運転致死罪」

と呼ぶことにします。

では、この3条の準危険運転致死罪では、どのような行為が処罰対象になっているのでしょうか。

3条の準危険運転致死罪では、

① アルコール

② 薬物

② 自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの

などの影響により、

その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、正常な運転が困難な状態に陥り、人を死亡させるという行為が処罰対象です。

この準危険運転致死罪で処罰されるのは、たとえば、

アルコールを飲んで、そのときは普通に運転できそうだったけれど、乗車しているうちに酔いが回ってしまって、正常な運転ができず、人をひいてしまった

というようなケースが、想定されます。

さて、次に、「過失運転致死罪」について確認していきましょう・・・。

イ.過失運転致死罪

では、過失運転致死罪とは、どのような犯罪なのでしょうか。

過失運転致死罪は、「自動車の運転上必要な注意を怠り」、人を死亡させた場合に成立する犯罪です。

危険運転致死罪のように、飲酒や信号無視などの行為類型が決められているわけではありません。

どのような運転行為が、この「過失運転致死罪」に該当するのか具体例を挙げるすれば、

「ながら」運転

ブレーキとアクセルの踏み間違い

などです。

「ながら」運転をはじめとするこれらのの運転は、

自動車運転処罰法2条や同法3条の類型には該当しない

けれど、

「自動車の運転上必要な注意を怠」っている運転

といえます。

ウ.刑罰まとめ

さて、自動車運転処罰法の中で、死亡事故に関する犯罪を表にまとめてみました。

刑罰も一緒にチェックしておきましょう。

【死亡事故】自動車運転処罰法上の犯罪類型
罪名 行為態様 刑罰 無免許の場合
6条)
危険運転致死罪
2条本文後段)
①アルコール・薬物の影響
②制御困難な高速度
③未熟な運転技能
④あおり運転
⑤赤信号無視
⑥通行禁止道路の進行
1年以上
20年以下
(懲役)
なし
準危険運転致死罪
31項後段、
2項後段)
・アルコール・薬物・病気で正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で運転
かつ
・その影響で正常な運転が困難な状態に陥り、人を死亡させた
1月以上
15年以下
(懲役)
6月以上
20年以下
(懲役)
アルコール等影響発覚免脱罪
4条)
アルコール・薬物の影響が発覚することを免れる目的で罪証隠滅 1月以上
12年以下
(懲役)
1月以上
15年以下
(懲役)
過失運転致死傷罪
5条本文)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた 1月以上
 7年以下
 (懲役・禁錮)
もしくは
100万円以下の罰金
1月以上
10年以下
(懲役)

無免許運転について、あまりご紹介できませんでしたが、

「無免許運転についても、基本から知りたい」

という人は、こちらも見てみてください。

また、実際に、死亡事故について、

どんな刑罰が下されるのか

執行猶予付きの判決になるのか

といったことが気になる人は、以下のリンクが参考になりますよ。

さて、ほかにも、死亡事故に関連する犯罪があるので、次の項目で確認しておきましょう。

(2)道路交通法上の「義務違反」の刑罰

自動車運転処罰法上の犯罪以外には、どのような犯罪が成立するのでしょうか。

死亡事故を起こした後に、

相手を救護しなかった

道路の危険防止措置をしなかった

という場合には、道路交通法72条1項前段に規定される義務に違反したことになります。

また、

交通事故を警察に報告しなかった

という場合にも、道路交通法72条1項後段の義務に違反したことになります。

これらの「道路交通法上の義務違反」についても、刑事罰が科せられます。

道路交通法上の義務違反について、表にまとめました。

【人身事故】道路交通法72条1項の義務違反
前段 後段
義務の内容 救護
道路の危険防止措置
警察への届出
刑罰 10年以下の懲役
または
100万円以下の罰金
3月以下の懲役
または
5万円以下の罰金

交通事故の後に、

警察へ連絡を入れる

という行為は、非常に重要です。

道路交通法違反に問われるだけでなく、

事故証明書を取得できない

というデメリットがあります。

事故証明書がなければ、

保険会社による事故の損害調査が進まず、事故の過失割合が定まらない

といったこともあるでしょう。

そうすると、

保険によって損害賠償金の支払いができず、賠償金について自腹をきる

といったことになりかねません。

また、警察に連絡を入れないことで、

根拠のない示談を持ち掛けられるリスク

もあります。

自分が交通事故を起こしたことを隠したいからといって、

事故現場で示談をのんで後悔する

ということがないように注意しましょう。

③行政責任|運転免許はどうなる?

死亡事故について、いままで、民事責任・刑事責任について見てきました。

さいごに、行政処分について確認します。

運転免許に関する処分が決定される際、「点数制度」が採用されています。

点数制度の意味について、警視庁のHPで解説されていたので、読んでみましょう。

点数制度とは、自動車等の運転者の交通違反や交通事故に一定の点数を付けて、その過去3年間の累積点数等に応じて免許の停止や取消等の処分を行う制度です。

点数制度の主な内容は、

 1 一般違反行為(信号無視・放置駐車違反等)に付けられている基礎点数

 2 特定違反行為(酒酔い運転・ひき逃げ等)に付けられている基礎点数

 3 交通事故を起こした場合の付加点数

 4 あて逃げ事故の場合の付加点数

からなっています。

(略)

そして、その最後の交通違反や交通事故の日を起算日として、過去3年間の累積点数が一定の基準に達した場合、運転免許の効力の停止や取消処分等の行政処分が行われます

では、死亡事故の場合には、免許はどうなるのでしょうか。

過去3年間の累積点数によって、免許に関する行政処分が決定され、行政処分の前歴がない場合、

6点から14点までは、停止処分

15点以上は、取り消し処分

になります。

交通事故の付加点数について、「死亡事故」の場合、

20点(責任の程度が重い場合)

13点(上記以外の場合)

とされています。

死亡事故の場合、少なくとも基礎点数として安全運転義務違反の2点が認められるので、運転免許取り消し処分が出されるのは、決定的です。

免許の再取得が認められない期間については、その他基礎点数なども合わせて計算された点数によって、期間の長短が変わります。

ただ、死亡事故を起こした加害者としては、

再度の免許取得をしないことで、死亡事故を二度と起こさない

という決意を表明して、被害者の遺族に謝罪する人もいるので、免許の再取得については十分に考慮が必要です。

交通事故で加害者が負う法的責任についてまとめた記事があります。

これまでのおさらいをしたい方は、サクッと目を通しておきましょう!

さて、話を民事の損害賠償責任に戻しましょう。

次の項目では、どのくらいの賠償金が必要なのかということについて確認していきます。

【賠償金の相場】加害者が負う損害賠償責任(賠償金)はどのくらい?

【賠償金の相場】加害者が負う損害賠償責任(賠償金)はどのくらい?

損害賠償の算定方法|保険会社の算定基準と判例の算定基準

さて、ここから損害賠償金相場について見ていきます。

まずは、賠償金については、保険会社が提示する金額と、判例の基準で算定された金額とがあるようです。

それぞれ、どういった基準なのでしょうか。

まず、保険会社が提示する金額は、保険会社独自の「算定基準」にしたがって算定された賠償金の額です。

この算定基準については、わかりやすいように「任意保険基準」と呼ぶことにします。

示談交渉の際、「任意保険基準」によって算定された金額が、保険会社から提示されます。

この金額で示談できる場合もあれば、

被害者が難色を示し、より高額の基準によって算定された賠償金を要求される場合

も、あります。

この場合に、被害者側からは、「弁護士基準」によって算定された賠償金が請求されることが多いです。

この「弁護士基準」とは、判例で判断された賠償金の金額を参考にした基準です。

任意保険基準よりも弁護士基準のほうが、損害賠償の額が大きくなります。 

任意保険基準と弁護士基準の違いについて、まとめてみました。

任意保険基準と弁護士基準の違い
任意保険基準 弁護士基準
内容 任意保険会社ごとに定められている基準 判例を参考にした基準
基準を使うタイミング 任意保険会社が提示するとき ・被害者側の弁護士による交渉
・被害者が、裁判に訴えるとき
金額 弁護士基準よりも低い 任意保険基準よりも高い

仮に、自賠責保険にしか入っていなかった場合に、被害者側が最終的に裁判に訴えたときは、

弁護士基準にしたがった賠償金額の支払い義務

が、加害者本人に生じることになるでしょう。

具体例①|「車」の死亡事故で請求される賠償金

さて、実際に弁護士基準によって、損害賠償を請求される場合、

どのくらいの賠償金が必要なのか

ということについて、確認していきましょう。

死亡に関する損害賠償の内訳は、

葬儀費用

死亡慰謝料

死亡に関する逸失利益

でした。

これらの損害賠償について、どのくらいの賠償金が必要なのでしょうか。

弁護士基準にしたがうと、「葬儀費用」は、原則として、

150万円

とされています。

次に、「死亡慰謝料」については、死亡した本人だけでなく、請求権のある遺族の慰謝料についても含めて算定されます。

賠償金の相場としては、

一家の支柱の場合、2800万円

母親・配偶者の場合、2500万円

その他の場合、2000万円~2500万円

です。

さいごに、「逸失利益」については、

(年間収入額ー本人の生活費)×就労可能年数のライプニッツ係数

という計算式で算定された金額になります。

年間収入額については、事故の前年の年収を参照するのが原則です。

しかし、家事従事者や無職の者については、年間収入額が考えられないため、賃金センサスを用いることもあります。

年間収入額か控除される生活費について、立証困難なケースでは、

年間収入額から一定の割合で控除される

ことになります。

生活費として控除され割合については、次のとおりです。

生活費の立証が困難な場合
被扶養者が1人の場合 40
被扶養者が2人以上の場合 30
女性(主婦、独身、幼児などを含む) 30
男性(独身、幼児などを含む) 50

死亡事故の損害賠償金について、具体例を見てみます。

25歳・男性・独身

▼葬儀費用

 150万円

▼逸失利益

 4565万円

▼慰謝料

 2100万円

▼合計額

 6815万円

30歳・女性・主婦

▼葬儀費用

 150万円

▼逸失利益

 4140万円

▼慰謝料

 2550万円

▼合計額

 6840万円

40歳・男性・扶養者1名

▼葬儀費用

 150万円

▼逸失利益

 4390万円

▼慰謝料

 2800万円

▼合計額

 7340万円

葬儀費用は、150万円で同じですが、それぞれの立場によって、逸失利益や慰謝料が違いますね。

実際のニュース記事も読んでみましょう。

大阪市中央区で2015年、看護師(略)=当時(24)=が飲酒運転の車にはねられ死亡した事故をめぐり、母親(略)らが5日、運転していた女らに計約9700万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。

こちらの死亡事故では、被害者の母親から約9000万円もの損害賠償請求がされています。

具体例②|「自転車」の死亡事故で請求される賠償金

自転車事故の賠償金|ニュースを読んでみよう

さて、ここから、

自転車では、どのような死亡事故が起きているか?

どのくらいの賠償金が必要か?

ということを確認していきます。

この事故のニュースでは、

傘さし運転による死亡事故

問題になっています。

高額の損害賠償事例が出ている。市によると、12年には自転車にはねられた歩行者が死亡し、加害者側が約2080万円の賠償を求められた。傘さし運転による前方不注意が原因だった。

このほかにも、「日本損害保険協会」がまとめたパンフレットでは、

裁判で加害者が支払いを命じられた賠償金

について一例が紹介されていました。

パンフレットを参考にまとめてみました。

自転車死亡事故の賠償金①
6779万円
夕方、ペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさず走行し交差点に進入し、横断歩道を横断中の
女性(38歳)と衝突した。
女性は脳挫傷等で3日後に死亡した。

※日本損害賠償協会HPより(http://www.sonpo.or.jp/efforts/reduction/jitensya/pdf/jitensya/jitensya.pdf)

もうひとつ見てみましょう。

自転車死亡事故の賠償金②
5438万円
昼間、信号無視をして高速度で交差点に進入、青信号で横断歩行を歩行中の女性(55歳)と衝突した。
女性は頭蓋内損傷等で11日後に死亡した。

※日本損害賠償協会HPより(http://www.sonpo.or.jp/efforts/reduction/jitensya/pdf/jitensya/jitensya.pdf)

このように、自転車事故だからとって、甘く見ることはできません。

死亡事故は、どんなケースでも、多額の損害賠償金が必要になります。

また、自動車保険と違い、自転車事故については、保険に加入していない人が多いとききます。

どうしても、賠償金の支払いができない場合には、

自己破産をしてから、免責をうける

という方法もあります。

自転車の死亡事故を起こした加害者が、子どもの場合には、その法定代理人が損害賠償責任を肩代わりしなければならないケースもあります。

もし、多額の損害賠償金の支払いで困ったときには、すぐ法律の専門家に相談したいところです・・・。

さて、自転車の交通事故については、刑事責任、行政上の責任はどうなっているでしょうか?

自転車の死亡事故でも、刑事責任や行政上の責任は生じるようです。

次の項目で、確認していきましょう。

おまけ|自転車事故の刑事責任や行政上の責任

まず、刑事責任について確認します。

自転車の運転で、死亡事故を起こしてしまった場合、多くは

重過失致死罪

に問われます。

自転車の死亡事故に出された判決について、ニュースを読んでみましょう。

「禁固2年執行猶予3年」――。12日、東京地裁が43歳の男性会社員に有罪判決を言い渡した。1月に自転車で走行中、東京都大田区の交差点で75歳の女性とぶつかった。女性は転倒して頭を打ち、5日後に死亡した。

男性はサイクリングが趣味で、多摩川に向かう途中だった。車道の左側を走っていたが赤信号に気づかず、横断歩道を左から渡ってきた女性とぶつかった。5メートル手前で女性に気づいてブレーキをかけたが間に合わなかった。

(略)

自転車事故で適用される罪は多くの場合「重過失致死罪」。最高でも5年の懲役か禁固だ。

重過失致死罪の刑罰については、刑法211条後段に規定があります。

加害者が、重過失致死罪に問われる場合、

「1月以上5年以下の懲役もしくは禁錮」

または

「100万円以下の罰金」

が科されます。

関連する条文を見ておきましょう。

(業務上過失致死傷等)

第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

さて、次に行政上の責任について確認しておきます。

自転車の運転によっても、行政処分が出されることはあるのでしょうか。

自転車に乗ってバイクと接触事故を起こし、バイク側が負傷したのに現場から逃走してしまった無職の男(61)が2012年11月20日、奈良県警から自動車運転免許の停止処分を受けた。

自転車で事故を起こした場合にも、運転免許に影響することがあるようです。

【賠償金を払えない場合】損害賠償の賠償金を払えないケースやそのデメリット

【賠償金を払えない場合】損害賠償の賠償金を払えないケースやそのデメリット

加害者が賠償金を払えないケースの例

ここまで、死亡事故の損害賠償金について、算定基準や相場について見てきました。

加害者が、賠償金を払えないケースについて、小括すると、

任意保険に加入していなかったケース

任意保険の保険金に限度額があるケース

などがありました。

このほか、考えられるケースはあるでしょうか。

任意保険会社の保険に加入しており、限度額に達しない場合でも、賠償金の支払いができないケースがあります。

それは、保険会社が提示した金額について、被害者に納得してもらえず、示談がなかなか進まないというケースです。

なかには、示談交渉が決裂してしまい、民事裁判に突入してしまうということもあるでしょう。

最近の統計では、交通事故の民事裁判の第一審が終結するまで、およそ1年間かかるというデータもあります。

このような場合、加害者は、判決が出されるまで損害賠償金の支払いができません。

保険会社の提示する金額に関するカラクリとしては、次のようなことがいえます。

保険会社は、保険の加入者を増やすために、保険料を低額におさえる必要があります。

そのため、交通事故の被害者への支払いについても、低額におさえるという傾向があるようです。

このため、提示された金額に納得しない被害者も出てくるわけです。

賠償金を払えないときに想定されるデメリット

では、賠償金の支払いが滞ることで、どのようなデメリットが想定されるのでしょうか?

交通事故の「賠償金の支払い」をする過程として、重要なのが「示談交渉」です。

まずは、この「示談」について、損害賠償金との関係を確認しておきましょう。

任意保険に加入している加害者の場合、通常、保険会社が、事故の損害賠償に関する争いについて解決してくれます。

この解決の方法は、被害者との示談です。

示談」とは、民事上の紛争について、裁判によらずに、当事者間の合意で解決する契約をいいます。

示談がまとまれば、事件が解決したことを確認するために、加害者側から被害者へ「示談金」を支払います。

もちろん、この「示談金」の金額は、交通事故にもとづく損害を考慮して、決定されたものです。

したがって、本質的には、「示談金」と「損害賠償金」とは、同じ役割をしています。

示談がなかなか進まないと、示談金、つまり、実質的に損害賠償金の支払いが滞ることになってしまいます。

さて、このように示談が進まないことは、加害者にどのような点でデメリットがあるのでしょうか。

示談の成立は、不起訴処分が下される際の考慮要素の一つです。

また、示談の成立は、刑事処分を軽減してもらえる事情の一つです。

したがって、示談の成立が遅ければ、

検察官による起訴・不起訴の判断に間に合わない

裁判官による刑罰の判断に間に合わない

という結果が生じ得ます。

関連する条文として、「検察官による不起訴の判断」に関する条文を見てみます。

犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。

示談は、上記の条文の中で、「犯罪後の情況」に当たります。

示談の成立が、なぜ不起訴に影響するかといえば、ひとつには、

被害弁償が終了している

という考慮がされるからです。

この「被害弁償」という観点から、不起訴処分を出してもらうには、

示談交渉がまとまるだけでなく、「示談金の支払い」を完了したこと

が重要です。

さて、実際の交通事故でどのくらいの事件が不起訴になっているのか知りたい人もいますよね・・・。

こちらに、交通事故の不起訴の特集記事があるので、気になる方は見てみてください。

示談を早く成立させたほうがいいのはわかるけれど、

相手が応じてくれるかどうか

という非常に難しい問題をはらむのが「示談」です。

現実問題として、示談が成立しない場合、どうしたらよいのでしょうか・・・。

示談ができない交通事故の加害者はどうすればいい?

保険会社の示談交渉がうまくいっていないと感じた場合には、

保険会社の担当以外に、自分で弁護士を探して相談する

という方法がとれます。

人身事故の加害者は、刑事弁護を弁護士に頼むことが多いと思います。

その際、いっしょに被害者との示談についても、相談してみてください。

でも、

被害者にどうしても許してもらえず、示談できなかった

という場合もあります・・・。

こんなとき、どういった弁護活動をしてもらえるのでしょうか。

加害者側が誠意をもって示談交渉にのぞんだとしても、結果として示談交渉がまとまらないという場合も多々あります。

示談が成立しなかった場合でも、弁護士が検察官に対して、

示談を成立させることができない事情

加害者には、適正な金額の示談金を支払う意思・能力がある

示談の代わりに、贖罪寄付をした

などの事情を伝えるという弁護活動が可能です。

示談がまとまらなかった場合でも、示談に対して誠意をもって対応していた姿勢が示せることが強みになるようです。

【相談できる弁護士を探す方法】示談ができずにお困りの方はいませんか?

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さて、

「なかなか示談が進まないから、困っている。」

「自分の起こした死亡事故の示談を、うまく進めてもらえているのだろうか・・・。」

なんて、思っている加害者の方はいませんか?

そんな方のために、相談できる弁護士をカンタンに探せる方法をご紹介しておきます。

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そんな方でも、カンタンに検索できるので、ぜひ活用してみてください!

さいごに

今回は、「死亡事故で加害者が負う損害賠償責任」について、レポートしてきました。

損害賠償は民事責任ですが、示談が成立や示談金の支払いによって、刑事処分が軽くなる可能性があるんですね・・・。

損害賠償金の支払いは、刑事事件にも影響があるなんて驚きでした。

保険に加入している人でも、保険会社の担当者とは別に、弁護士に示談の相談をするのは自由です。

示談交渉は、相手方のあるデリケートな問題で、一朝一夕にできるものではありません。

早いうちから対策をしておくことで、示談がまとまる可能性を広げることができます。

示談がうまく進まないと感じた場合には、早急に弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「死亡事故で加害者が負う損害賠償責任」の理解に役立てていただけたら、うれしいです。

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