脅迫罪の意味・定義と構成要件とは?その疑問、弁護士が解決します!
脅迫罪の容疑をかけられてしまった…
でもそもそも、脅迫罪ってどんな犯罪なの?
ここでは、脅迫罪の意味や定義、構成要件について、徹底調査しました。
法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でおなじみのアトム法律事務所の弁護士にお願いします。
目次
脅迫罪の定義とは
不本意にも誰かに脅されたことってありますか?
そういう時「それって脅迫だよ」とか言うじゃないですか。
でも考えてみると、刑法で犯罪とされている「脅迫罪」って、どういうレベルのものを言うんでしょうね?
というわけで今回は、弁護士の先生に聞きながら、脅迫罪について見ていきましょう。
脅迫罪とは、被害者の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加えることを告知して人を脅迫することによって成立する犯罪をいいます。
刑法222条1項は、「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」と定めています。
そして同条2項は、「親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。」と定めています。
ええ!!
相手本人だけじゃなくて、その家族の財産をとるぞとかいって脅した場合も脅迫罪なんですね。
脅迫罪の範囲って思ったより広くてびっくりです。
まとめ
脅迫罪の定義とは
脅迫罪 | |
---|---|
定義 | 被害者やその親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加えることを告知して人を脅迫すること |
刑罰 | 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金 |
脅迫罪の構成要件とは
じゃあ脅迫罪が成立するのはどんなときか。
こういうことを考えるのを、「脅迫罪の構成要件の問題」というそうです。
「こうせいようけん」と読みますよ。
脅迫罪の構成要件とは、脅迫罪が成立するための要件のことです。
脅迫罪の構成要件が認められれば、正当防衛などで違法性が認められないか、精神障害などで責任が認められないなどの特別の事情がない限り、脅迫罪が成立します。
ふう~ん。
つまり、脅迫罪の構成要件にあてはまっても、違法性がなかったり責任がなかったりすると、脅迫罪にならないんですね!
法律のプロからこういう風に説明してもらえると、安心できますよね。
脅迫罪の構成要件の判断方法は?
脅迫罪の成立に構成要件というものが大事、ということはわかりました。
でも構成要件なんてコトバ、今まで聞いたことなかったですよね。
脅迫罪の構成要件はどんな風に考えるのか、先生に教えていただきましょう!
脅迫罪の構成要件の該当性は、
- ①脅迫罪の実行行為があるか、
- ②脅迫罪の結果が生じたか、
- ③脅迫罪の実行行為と結果との間に因果関係が認められるか、
- ④脅迫罪の故意が認められるか、
によって判断されます。
えーなになに?
実行行為とか因果関係とか、難しくてよくわからないんですけど・・・
でもこれって要するに、脅迫にあたる「行為」があって、脅迫の「結果」が生じていて、それらがきちんと「因果関係」で繋がっていて、なおかつこれらが「わざと」行われている場合に初めて、脅迫罪が成立しますよってことですよね。
自分のやってることが脅迫罪にあたってしまうのか気になる場合は、この4点をチェックしたらいいんですね。
脅迫罪の構成要件のポイント
脅迫罪の保護法益は?
ところで、脅迫罪は何のためにあるのでしょうか?
それは、脅迫罪という罪名を設けることで、法律があるものを守ろうとしているからです!
こういうのを、脅迫罪の「保護法益の問題」というそうです。
なるほど。
脅迫罪というのは、個人の意思の自由を守るために用意されてるんですね!
脅迫罪の実行行為は?
実際にどんなことをしたら脅迫行為といえるのか、気になりませんか?
先生、もうちょっと詳しく教えてください。
脅迫罪の実行行為は被害者の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫すること、あるいは被害者の親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫することです。
脅迫罪では、生命、身体などに害を加えられる対象者が被害者又はその親族に限定されています。そのため、被害者又はその親族以外に対する害を加えると告知しても脅迫罪に該当しません。
加える「害」の程度は、人が恐れる程度である必要があります。不快感や不気味さを感じる程度では足りません。
なるほど!
つまり被害者に対して「おまえを殺すぞ」と言って脅したら脅迫。
「おまえの家族を殺すぞ」と言って脅すのも脅迫。
でも「お前の恋人殺してやる」と言っても脅迫にはならないんですね。
脅迫罪の結果は?
ところで脅迫罪の結果って、何でしょう。
先生!どんな状態になったら、脅迫罪の結果が生じたと言えるんですか?
脅迫罪の結果は被害者が本人あるいは親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知されて脅迫されることです。
ふむふむ。
被害者が、被害者自身や家族に害を加えるといって脅されたら、脅迫罪の結果発生、といえるんですね。
脅迫罪の故意は?
じゃあ脅迫罪の故意って何でしょう?
故意って、「わざと」って意味ですよね?
脅迫罪の「故意」「わざと」について、先生に聞いてみましょう。
脅迫罪の故意があると言うためには、被害者に対し、被害者本人、あるいは被害者の親族の、生命、身体、自由、名誉又は財産に対する害悪を加えることを告知するということについて認識している必要があります。
告知する害悪によって、実際に被害者が怖がるかどうかというところまで認識している必要はありません。
へえ!
害悪を告知することの認識だけで足りるんですね。
これを言ったら相手は怖がるだろう、とわかった上でやって初めて、「わざと」脅迫したといえる気もしますけど・・・
法律の判断はなかなか難しいもんですね。
脅迫罪が未遂の場合はどうなる?
じゃあじゃあ、脅迫の未遂って罰せられるんでしょうか。
皆さん、どう思いますか?
脅そうと思ったけど・・・という場合、どうでしょうか。
脅迫罪の未遂は処罰されないです。そのため、害を加える旨を告知する前であれば、脅迫罪は不成立となります。
はい、というわけで、脅迫の未遂は処罰されないんですね。
脅迫しようと思ったけれど、実際は害を加えることをまだ告知していない、という場合は無罪なんです。
まとめ
脅迫罪の構成要件のポイント
脅迫罪 | |
---|---|
保護法益 | 個人の意思の自由 |
実行行為 | 被害者やその親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫すること |
故意 | 被害者あるいはその親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に害悪を加えることを告知する、ということについて認識していること |
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ここまで、脅迫について、弁護士の解説と共にお送りしました。
これで一般的なことはカバーできました。
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まとめ
今回は、比較的よく聞く「脅迫罪」について、弁護士の先生と一緒に見てきました。
私としては、「おまえの恋人殺すぞ」といっても脅迫にならないのが興味深かったです。
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脅迫罪の意味・定義と構成要件とは?その疑問、弁護士が解決します!
『脅迫罪』は相手本人の親族にも影響しますか?
影響します。脅迫罪とは、被害者の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加えることを告知して人を脅迫することによって成立する犯罪をいいます。「親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。」とも定めています。 脅迫罪の定義とは
脅迫罪の成立の構成要件とは何?
脅迫罪の構成要件とは、脅迫罪が成立するための要件のことです。脅迫罪の構成要件が認められれば、正当防衛などで違法性が認められないか、精神障害などで責任が認められないなどの特別の事情がない限り、脅迫罪が成立します。つまり脅迫罪の構成要件にあてはまっていても違法性がなければ脅迫罪にならないこともあります。 脅迫罪の構成要件とは
脅迫罪の構成要件の内容は?
脅迫罪の構成要件の該当性は、①脅迫罪の『実行行為』があるか、②脅迫罪の『結果』が生じたか、③脅迫罪の実行行為と結果との間に『因果関係』が認められるか、④脅迫罪の『故意』が認められるか、によって判断されます。 脅迫罪の構成要件の判断方法は?
脅迫罪は何のためにあるのですか?
個人の意思の自由を守るためです。脅迫罪を設けることで、法律が個人の意思の自由を守ろうとしています。これは脅迫罪の「保護法益の問題」といいます。保護法益とは、法律が守ろうとしている利益のことです。 脅迫罪の構成要件のポイント
脅迫罪の未遂はどのような時?
脅迫しようと思ったけれど、実際は害を加えることをまだ告知していない、という場合は脅迫罪の未遂となり処罰されることはありません。そのため害を加える旨を告知する前であれば脅迫罪は不成立となります。 脅迫罪が未遂の場合はどうなる?