交通事故で人を死亡させた加害者のその後|刑罰、刑務所、慰謝料や相続放棄なども解説

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交通事故で人を死亡させた加害者のその後|刑罰、刑務所、慰謝料や相続放棄なども解説

交通事故で人を死亡させてしまった場合、加害者の方は、とにかく今後どうなるのか不安になっていると思います。

交通事故のその後、加害者がどうなってしまうのかという実態は分かりずらいものです。

交通事故で死亡させた人への申し訳なさとともに、

  • 「この後、自分はどんな刑罰で刑務所に行くのだろう?」
  • 「交通事故で人を死亡させたら慰謝料はどのくらい?」

といった問題が頭に浮かんでくるのではないでしょうか。

また、交通事故によって加害者死亡してしまうというケースもあります。

そのような場合、加害者のご家族としては、

「被害者への慰謝料をどうやって払えばいいのか?」

という課題が残されます。

そこで、今回は、以上のような内容についてまとめました。

交通事故で人を死亡させた加害者のその後」について、一緒に見ていきましょう!

交通事故で人を死亡させた加害者の責任など、法律の専門的なことについては、弁護士の岡野武志先生にお願いしています。

よろしくお願いします。

交通事故で人を死亡させた場合、加害者の方は、刑罰や慰謝料について悩みをお持ちだと思います。

刑罰や、必要となる慰謝料の額など気になる点について、詳しく説明していきます。

加害者本人が死亡した場合に、加害者のご家族を救済することになる相続放棄についてもご説明します。

加害者のその後①|交通事故で人を死亡させた場合の犯罪

加害者のその後①|交通事故で人を死亡させた場合の犯罪

事故後から逮捕・刑罰を受けるまでの流れ

はじめに:交通事故を起こしたときに覚えておきたい加害者の対応

もしも交通事故を起こしてしまい、加害者になったときには、次のような対応が理想的です。

交通事故の加害者になってしまった場合

通報せずにその場から立ち去ると、

自動車の運転による死亡事故

に関する犯罪だけでなく、

道路交通法の通報義務

にも、違反してしまうことになります。

これは、いわゆる「ひき逃げ」というものです。

とはいっても、警察に通報した場合、その場で現行犯逮捕されてしまう可能性があることを肝に銘じておきましょう。

1.【逮捕の証拠】逃走しても逮捕される?

仮に、

交通事故をおこしてその場から逃走してしまった

というような場合でも、その後逮捕されることはあります。

逃走した加害者が、その後、逮捕されたニュースを見てみましょう。

この交通事故では、ドライブレコーダーが証拠となっています。

警察では重傷ひき逃げ事件として捜査を開始。現場付近に設置された防犯カメラ映像などの分析を進めていたが、事故直前に付近を走行していた路線バスに搭載していたドライブレコーダーが現場方向へ走行していくバイクを撮影していたことが判明し、これを元に現場周辺での車当たり捜査を実施したところ、同区内に在住する25歳の男が容疑に関与した疑いが濃厚となり、15日に自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕している。

また、車のナンバーなどに関する目撃証言から、その後、逃走した加害者が逮捕されることもあるようです。

19日午前10時45分ごろ、(略)市内の県道に架かる橋上で、補修工事で規制されていた車線に軽乗用車が進入し、交通誘導を行っていた男性警備員に衝突する事故が起きた。警備員は弾みで橋から転落して死亡している。

(略)

警備員はクルマはねられた勢いで高さ約1mの欄干を乗り越え、約8m下を流れる渡良瀬川の中州部分に転落。近くの病院へ収容されたが、全身強打が原因で死亡した。クルマはそのまま逃走したが、警察では目撃されていたナンバーを元に、同市内に在住する62歳の男を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失致死)や道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕している。

このような証拠を手掛かりに、加害者は逮捕されてしまうようです。

2.【逮捕後の流れ】逮捕された加害者は、その後どうなる?

さて、逮捕されてしまった場合、その後の流れは次のとおりです。

逮捕の流れ

この図のように、逮捕された後、勾留されるとなると、最長で23日間家に帰ることができません。

そして、その後、起訴された場合、刑事裁判にかけられることになります。

また、100万円以下の罰金が言い渡される場合には、「略式手続略式起訴)」がとられることもあります。

「略式手続」とは、公判が開かれないで、書面審理が行われる裁判手続です。

簡易裁判所によって、「100万円以下の罰金または科料」が言い渡される場合に用いられます。

被疑者が略式手続によることに異議のない場合に限って、検察官の請求(略式起訴)によって行われることになります。

交通事故の場合、この「略式手続」がとられることも多いです。

もっと「刑事手続の流れ」について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

交通事故の発覚から刑事裁判までをわかりやすく解説してある記事なので、とってもおすすめです。

では、実際に交通事故で人を死亡させて加害者になってしまったら、

  • どのような犯罪に問われて
  • どのような刑罰が科されるのか

という点について、次の項目で、確認していきましょう。

死亡原因別で犯罪が異なる?|交通事故の加害者の刑罰

ひとえに「交通事故」といっても、その態様は様々です。

交通事故は、死亡原因別で、加害者に成立する犯罪が違います。

  1. 自動車で人をひいて死亡させた場合
  2. 自転車で人をひいて死亡させた場合

それぞれの場合を確認していきましょう。

まずは、自動車の交通事故について見ていきます。

1.自動車の運転で、交通事故を起こした加害者

自動車を運転していて交通事故をおこし、人を死亡させてしまった加害者は、どのような犯罪に問われるのでしょうか。

自動車を運転していて交通事故を起こした加害者は、

「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転死傷行為処罰法」という。)

によって、処罰されることになります。

人を死亡させた加害者は、この法律に規定される「危険運転致死罪」「過失運転致死罪」に問われることになります。

それでは、

  • 危険運転致死罪
  • 過失運転致死罪

について、見ていきましょう。

(1)危険運転致死罪の刑罰

危険運転致死罪に問われると、加害者はどのような刑罰を科されるのでしょうか。

自動車運転死傷行為処罰法2条に規定される危険運転致死罪の加害者には、

1年以上20年以下の懲役

という刑罰が科せられます。

また、同法3条に規定される危険運転致死罪の加害者には、

1月以上15年以下

という刑罰が科せられます。

それでは、危険運転致死罪の条文を見てみましょう。

この条文では、危険運転致死罪にあたるとされる交通事故の原因が規定されています。

飲酒や信号無視など、よくニュースになっている交通事故の原因が、規定されていますよ。

(危険運転致死傷)

第二条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。

一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為

三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為

四 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

五 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

六 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

この2条の内容をまとめてみました。

危険運転致死(自動車運転死傷行為処罰法2条)
2 交通事故の原因 刑罰
アルコール・薬物の影響 1年以上20年以下の懲役
制御困難な高速度 1年以上20年以下の懲役
未熟な運転技能 1年以上20年以下の懲役
あおり運転 1年以上20年以下の懲役
赤信号無視 1年以上20年以下の懲役
通行禁止道路の進行 1年以上20年以下の懲役

自動車運転死傷行為処罰法では、2条にひきつづき、3条でも「危険運転致死罪」が規定されています。

こちらの3条は、2条と比べて法定刑軽い類型となっています。

第三条 アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。

2 自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。

この3条の内容についても、表にまとめてみました。

2条の危険運転致死罪と区別するため、この3条については、

「準」危険運転致死

というタイトルを付けてまとめています。

準危険運転致死(自動車運転死傷行為処罰法3条)
3 交通事故の行為態様 刑罰
アルコール・薬物の影響により走行中に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転 1月以上15年以下の懲役
統合失調症・てんかん・再発性の失神・低血糖症・そう鬱病・睡眠障害などの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転 1月以上15年以下の懲役

実際に、この準危険運転致死が刑事裁判になったニュースを見てみましょう。

この事案では、てんかんの持病がある加害者の自動車運転が問題になっています。

2015年3月、てんかんの発作を起こしたまま車を運転し、3人を死傷させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われた(略)被告(51)の判決公判で、大阪地裁は17日、懲役10年(求刑・懲役12年)を言い渡した。

(略)被告は発作で意識障害に陥る危険を認識しながら運転していたかどうかが、主な争点だった。弁護側は「発作後ごく短時間で意識を失っており、車を止められなかった」と無罪を主張していた。

判決によると、(略)被告は(略)市内で15年3月5日朝、ワンボックスカーを運転中にてんかんの発作で意識を失い、時速108キロで赤信号の交差点に進入。乗用車に衝突して運転していた男性に重傷を負わせたほか、歩行者の男性2人を巻き込んで死亡させた。

判決は、(略)被告が現場から約500メートル手前で胸がむかつく発作の初期症状を自覚したと認定。直後に別の交差点を左折した点を踏まえ、「停車できる状況だったのに、そのまま運転を続けた。すぐに意識を失ったと訴える被告の説明は不自然」と結論付けた。

てんかんの発作があった時点で、正常な運転に支障が生じるおそれを予想できるはずです。

しかし、加害者は、そのまま運転を続けて、交通事故を起こしてしまいました。

この加害者のように、

「その後、正常な運転ができなくなる」と予想できるのに、運転し続けて交通事故を起こした場合

この3条によって、刑罰が科せられます。

(2)過失運転致死罪の刑罰

次に、過失運転致死傷罪に問われた加害者刑罰について確認しましょう。

過失運転致死罪に問われた加害者には、

「1月以上7年以下の懲役」もしくは「禁錮」または「100万円以下の罰金」

という刑罰が科せられます。

(過失運転致死傷)

第五条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

先ほどと同じように表にしてみました。

過失運転致死(自動車運転死傷行為処罰法5条)
  過失運転致死
行為 自動車運転上の必要な注意を怠り人を死傷させた
刑罰 1月以上7年以下の懲役・禁錮
もしくは
100万円以下の罰金

ちなみに、車を無免許で運転した交通事故の加害者は、

刑罰がさらに重くなる場合

があります。

それは、3条の準危険運転致死と、5条の過失運転致死の場合です。

無免許運転による刑罰の加重
  準危険運転致死(3条) 過失運転致死(5条)
行為態様 アルコール・薬物・病気で運転障害のおそれ 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた
刑罰 6月以上20年以下の懲役 6月以上20年以下の懲役

もっと交通死亡事故について知りたいという方は、こちらもご覧ください。

さて、次に、自転車の運転で加害者になった場合について、見ていきましょう。

2.自転車の運転で、交通事故を起こした加害者

交通事故の調査分析をする公益財団法人の統計結果では、

自動車が加害者となる事故

について、以下のような意見がまとめられています。

自転車相互事故、対歩行者事故に限ってみると自転車運転者で死傷する人は少なく、事故の相手方(略)の死傷する割合が高くなっています。したがって、自転車は四輪車や二輪車に対しては被害者ですが、自転車同士、歩行者に対しては加害者であるといえます。

自動車ではなく、自転車の場合であっても、

  • 自転車vs自転車
  • 自転車vs歩行者

というシチュエーションで、交通事故の加害者になり得ます。

自転車で歩道近くを通らざるを得ないときでも、歩行者優先ということは気に留めておきたいところです。

ところで、自動車運転死傷行為処罰法が適用されるのは、車の運転です。

もしも、自転車に乗っているときに人をひいて死亡させてしまったら、加害者はどのような刑罰が科されるのでしょうか?

自転車の交通事故が問題になったニュースを読んで確かめてみましょう。

昨年12月、スマートフォンなどを手に持って電動自転車に乗り、歩いていた女性(当時77)にぶつかり死亡させたとして、(略)県警は15日、大学2年の女子学生(略)を重過失致死の疑いで(略)書類送検した。「ぶつかるまで気がつかなかった。大変申し訳ないことをしてしまった」と述べ、容疑を認めているという。

(略)署によると、女子学生は昨年12月7日午後3時15分ごろ、(略)路上で、両手が塞がった状態で電動自転車をこぎ出したところ、歩いていた女性に衝突し、死亡させた疑いがある。女子学生は、左手に持っていたスマートフォンをポケットに入れようとして前方を見ていなかった上、右手に飲み物を持ち、ブレーキをかけられる状態ではなかったという。

この自転車の交通事故では、自転車で人をひいて死亡させてしまった加害者が、

重過失致死罪

に問われています。

重過失致死罪の刑罰について確認しておきましょう。

加害者が、重過失致死罪に問われる場合、

「1月以上5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金」

が科されます。

関連する条文を見ておきましょう。

(業務上過失致死傷等)

第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

ところで、

交通事故を起こした加害者は、その後、懲役刑で収容されるとしたら、どこ?

という問いに答えられるでしょうか・・・。

実は、「ふつうの刑務所」とは違う刑務所だということをご存知ですか?

次の項目では、交通事故の刑務所についてまとめていきます。

交通事故で人を死亡させた場合に行く「刑務所」とは

交通事故で人を死亡させた場合、「交通刑務所」に収容されることになります。

さて、この「交通刑務所」とは一体どのような刑務所なのでしょうか?

辞書を引くと、このように紹介されています。

こうつう‐けいむしょ(略)

重大な交通事故を起こしたり悪質な交通違反を犯して懲役または禁錮の刑に処せられた人を収容する矯正施設の通称。市原刑務所(千葉県)や加古川刑務所(兵庫県)がこれにあたる。

交通事故を起こした加害者を収容する刑務所・・・。

なんだか、そのままですよね。

交通刑務所の特徴が紹介されているブログがありました。

交通刑務所の施設の様子が紹介されています。

交通刑務所では、一般の刑務所と違い鉄格子や高い塀はなく、開放的処遇がなされています。また、刑期が進んで残りの刑期が少なくなったり、模範的な行動をしている場合は、いろんな面で優遇されています。交通事故は偶然起こってしまう事が多く、一般の犯罪に比べて再犯率が低いとされているため、待遇や環境が他の刑務所と比べて緩やかになっています。

また、交通刑務所では、交通事故事犯の加害者を収容するという特性から、交通安全に関する指導も行われているようです。

交通刑務所内では、一般刑務所と同じ刑務作業、加えて交通安全や法令に関する指導、断酒についての指導など、交通安全に関する指導や教育が重点的に行われます。

また、収容されている加害者は、交通事故に対して日々、償いの意を表しながら過ごしているようです。

敷地内には被害者に贖罪の気持ちを伝えるための「つぐないの碑」があり、入所者が自由に手を合わせることができるのが印象的でした。

このような交通刑務所の生活を通して、社会復帰を目指すことになります。

加害者のその後②|「慰謝料」や「治療費などの損害賠償」に関する処理

加害者のその後②|「慰謝料」や「治療費などの損害賠償」に関する処理

交通事故で人を死亡させた場合、子供や老人で慰謝料が違うの?

交通事故の加害者にとって、気になることは刑罰だけではありませんよね。

慰謝料はいくら?

ということが、気になる加害者の方も多いと思います。

加害者が気になる「お金の事情」について、確認していきましょう。

1.死亡慰謝料

慰謝料とは、精神的損害に対して支払わなければならない賠償金のことです。

でも、実際には、精神的損害だけではなく、財産的損害も問題になります。

交通事故で被害者を死亡させてしまった加害者が、負担しなければならない損害賠償の内訳としては、次のようなものです。

死亡させた場合の損害賠償(一例)
  • 葬儀費用
  • 死亡慰謝料
  • 死亡による逸失利益

必要なお金として、死亡させてしまったことに対する「死亡慰謝料」のほか、「葬儀費用」もあるようです。

お金がたくさん必要になりますね・・・。

また、「逸失利益」というお金も必要になるようです。

逸失利益とは、どのようなものなのでしょうか。

「逸失利益」とは、不法行為がなければ本来得られたであろう利益のことをいいます。

交通事故の加害者が、被害者を死亡させてしまった場合、

「被害者が生存していれば、労働することによって得ることができたであろうはずの利益」

をさすことになります。

死亡慰謝料に加えて、この逸失利益があることで、多額のお金が必要になります。

一例として、年収500万円の40歳男性を死亡させてしまった場合を考えてみます。

この男性に、扶養家族が2名いたとします。

ケース
・死亡した人:年収500万円の40歳男性
・扶養家族の人数:妻と子供(計 2名)

どのくらいのお金になるのかということは、算定の仕方にもよります。

裁判で争われた場合に適用される「裁判基準」を参考にすると、

  • 死亡慰謝料は、約2800万円
  • 死亡慰謝料+逸失利益=約8000万円

となります。

2.傷害慰謝料

また、交通事故がおきたその後、死亡まで、被害者が通院していたとします。

その場合、死亡に関する損害賠償のほか、ケガに関する損害賠償も必要です。

死亡する前のケガ(一例)
  • 治療費
  • 通院交通費
  • 休業損害
  • 傷害慰謝料

交通事故で被害者を死亡させてしまった場合、加害者には上記のようなお金が必要になります。

3.子供や老人では慰謝料が変わるか?

子供や老人の「傷害慰謝料」

傷害を負ったことによる精神的苦痛の程度は、子供でも老人でも変わりません。

したがって、子供や老人に対する「傷害慰謝料」の計算方法は原則として変わりません。

 

子供や老人の「死亡慰謝料」

さて、「死亡慰謝料」については、どうでしょうか?

先ほどの、年収500万円で扶養家族が2名いる男性の例では、

死亡慰謝料は約2800万円

でした。

しかし、子供や老人の場合には、家庭内で生計を立てたるなどの役割を果たしていないことが多いです。

このような事情から、子供や老人の死亡慰謝料は、

約2000~2500万円

となります。

交通事故の示談は、保険会社に任せられる?

1.交通事故を起こしたら、保険会社の示談代行サービスが利用できる

交通事故をおこしてしまって不安なのは、

お金が用意できるのか?

ということもありますが、それに加えて、

お金を払って示談に持ち込むためには、どうすればよいか?

という根本的な問題があると思います。

慰謝料をはじめとする「損害賠償」について、示談を進める際、加害者は、

保険会社の示談代行サービス

を利用するのではないでしょうか?

ちなみに、「保険会社の示談代行サービス」とは、次のようなものです。

自動車事故を起こし被害者への補償が問題となったときは、加害者、被害者双方の話し合いによる示談で解決することになります。しかし、自身で解決しようとすると多くの時間と労力がかかるので、加害者である被保険者に代わって、保険会社が示談にむけた交渉を行うサービスを、示談交渉サービスといいます。この示談交渉サービスがついている自動車保険の契約では、保険会社が加害者である被保険者に代わって、被害者との交渉に当たります。現行の自動車保険は、この示談交渉サービスがついている商品が一般的になっています。

自分が加入している保険に、示談代行サービスがついている場合、それを利用して示談交渉を進めることができます。

2.交通事故の加害者に求められるのは、誠意ある対応

加害者としては、

「せっかく、保険に加入しているのだから、保険会社に任せっきりにしたい

と、考えてしまうのではないでしょうか?

そうすれば、辛い思いをしないで示談を成立させることもできるかもしれませんよね。

そのような気持ちもわかります。

しかし、示談を保険会社に任せきりにすることはよくありません。

交通事故の被害者からは、加害者に対して誠意ある対応が求められるからです。

被害者の中には、

  • お見舞い
  • 謝罪

などがあることで、加害者に誠意ある対応をしてもらえたと感じる人も多いです。

このような「誠意ある対応」は、交通事故を起こしてしまった加害者のマナーとして、とても大切です。

また、誠意ある対応をしたことで、

  • 示談がスムーズに成立したり、
  • 「処罰を求めない」旨の上申書を提出してもらえたり

するかもしれません。

これらの事情は、加害者にとって「不起訴処分」や「執行猶予付き判決」をもらうために、とても重要です。

3.仮に「誠意ある対応」をしなかったら・・・

仮に、謝罪や示談交渉を保険会社に任せっきりだったとします。

そして、被害者に誠意がないと思われてしまったとします。

そのような場合には、被害者から捜査機関へ、

「加害者を厳罰に処してほしい」

と表明されてしまうかもしれません。

示談が成立しないばかりか、「厳罰」を求められるということになったら大変ですよね。

また、

刑事裁判に示談が間に合わなかった

という事態も考えられます。

誠意ある対応をしないと、その後・・・
✖誠意ある対応
(お見舞いや謝罪なし)
   ↓
・示談不成立 
・「厳罰に処してほしい」
   ↓
✖不起訴
✖執行猶予付き判決

交通事故の示談交渉については、保険会社に任せっきりにしないで、

「自分のことだ」

という意識を持つようにしましょう。

示談代行サービスを使うとしても、随時、示談交渉の進行具合を確認しておくと安心です。

4.謝罪をしたい加害者の方へ|謝罪文の書き方

「謝罪文」を書きたいけれど、何を書けばいいのか、言葉に詰まる・・・

そんな人のために、謝罪文の書き方の一例を示しておきます。

謝罪文の内容は、次のとおりです。

謝罪文の内容(一例)
《冒頭》
・表題;「謝罪文」
・宛名;「●●様」
《本文の内容》
交通事故を起こしたことを認める
謝罪の言葉
交通事故を二度と起こさないための対策や決意
《末尾》
・日付(謝罪文を清書した日)
・署名

「内容はわかったけれど、例文も知りたい」

そんな加害者の方のために、テンプレートをご紹介しておきます。

死亡事故についての謝罪文の例文については、こちらをご覧ください。

ちなみに、謝罪文をしたためる封筒については、

白無地の二重封筒

を用いると丁寧ですよ。

加害者のその後③|加害者も交通事故で死亡してしまった場合

加害者のその後③|加害者も交通事故で死亡してしまった場合

加害者死亡の場合、損害賠償責任は加害者の家族が負う?

1.損害賠償責任は相続されるのか?

任意保険に入っていれば、基本的には、保険会社が損害賠償に必要なお金を用意してくれます。

しかし、任意保険に加入していない加害者は、自賠責で負担される部分以外は、自己負担です。

そんな事故で、もし、加害者本人も死亡してしまったら・・。

慰謝料などの賠償金は誰が支払うことになるのでしょうか?

民法には、次のような条文があります。

相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。

したがって、死亡した加害者の法定相続人が応じなければならないのです。

2.相続人の範囲とは?

さて、加害者の家族は、どこまでが相続人の範囲になるのでしょうか。

相続人となる可能性がある者は、被相続人の子、直系尊属、兄弟姉妹及び配偶者です。

配偶者は、常に相続人となります。

配偶者以外の者には、民法887条の「子」、民法889条の「直系尊属」「兄弟姉妹」の順で、相続人となります。

先順位の相続人がいる場合には、後順位者は相続人となることができません。

相続人の組み合わせとしては、

① 配偶者と、被相続人の子

 (子供がいない場合には、孫になることもある)

  1. ② 配偶者と、被相続人の直系尊属
  2. ③ 配偶者と、被相続人の兄弟姉妹

というような組み合わせが考えられます。

加害者家族を損害賠償責任から救済する方法はある?|相続放棄とは

1.相続放棄とは

「加害者の家族だから償いたい」

と思いをいだく加害者の家族もいるのではないでしょうか?

しかし、いままで見てきたとおり、慰謝料は多額です。

加害者の法定相続人が、賠償責任から逃れられる方法はないのでしょうか。

「相続放棄」という制度があります。「相続放棄」とは、相続が開始した後に、相続人が相続の効果を拒否する意思表示のことです。

相続放棄により、交通死亡事故の損害賠償責任を負わなければならないなど、相続人の意に反して過大な債務を負わされるという状況を回避できます。

相続放棄は、加害者の家族救済する有力な手段のようです。

2.相続放棄の申述書・必要書類とは

さて、「相続放棄」をするには、どのような手続が必要なのでしょうか。

相続放棄をするには、自己のため相続の開始を知った時から3カ月以内に家庭裁判所にその旨を申述しなければなりません。

関係する条文を見てみましょう。

(相続の放棄の方式)

第九百三十八条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

(相続の承認又は放棄をすべき期間)

第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

相続放棄をするときには、専用の相続放棄申述書が用意されています。

たとえば、申述書の形式は、次のようなものです。

このような相続放棄申述書に記載できたら、

被相続人の最後の住所地の家庭裁判所

に、その他必要書類をそろえて提出します。

相続放棄に必要な書類は、相続放棄の申述書のほか

  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 相続放棄申述人の戸籍謄本
  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本

などなどです。

相続放棄を申述する人によって、そろえるべき書類が違ってくるので注意が必要です。

「相続放棄の手続は複雑で分からない」

といった意見もチラホラ聞こえてくるところです。

法律の専門家である弁護士さんに聞いてみるというのも一つの方法かもしれませんね。

相続放棄の手続の流れについては、家庭裁判所のHPにも紹介されていたので、一応リンクをはっておきます。

気になる方は、ご一読ください!

交通事故で人を死亡させてしまった加害者のご家族の方も、とても辛い思いをかかえているのだと、お察しします。

精神的なショックを乗り越えて、その後の人生を歩んでいけるように対応していきましょう。

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「交通事故、弁護士」でネット検索すると、被害者側に特化した弁護士しか出てこなくて困っている

そんな方でも、安心して加害者側についてくれる弁護士さんを検索できますよ。

さいごに

今回は、「交通事故で人を死亡させた加害者のその後」について、レポートしてきました。

交通事故で人を死亡させた場合の刑罰や、慰謝料、刑務所、ご家族の相続放棄など様々なことがわかりました。

交通事故で、人を死亡させてしまった加害者の方も、ご遺族の方と同様、辛い気持ちをお持ちだと思います。

ですが、思いもかけず起こした交通事故に対して、悲観している時間はありません。

ご遺族との示談を進めるためにも、まずは「謝罪」が重要です。

非常にセンシティブな問題であるため、じっくり取り組む必要があります。

交通死亡事故でお悩みの加害者の方は、弁護士に今すぐにご相談いただればと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

交通事故で人を死亡させてしまった加害者の方や、そのご家族の方の一助になれたら幸いです。

交通死亡事故について悩みを抱えている加害者の方は、今回ご紹介したサービスで素早くお悩み解決をしていただけたらと思います。

もっと「交通事故」や「刑事事件の手続」について知りたいという人は関連記事もご覧ください。

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