自動車の死亡事故で逮捕|その後の流れはどうなる?逮捕されない基準とは
死亡事故(交通事故)を起こしてしまった…!
そうなった時、逮捕されるのかどうなのか、気になる点の一つだと思います。
そこで本日は「自動車による死亡事故」について徹底的に調査しました。
- 死亡事故で逮捕される基準とは
- 死亡事故で逮捕されないケースとは
- 死亡事故はどんな刑罰になる?
このような点をおさえて、死亡事故について解説していきます。
交通事故をあつかう法律家に解説をお願いしています。
アトム法律事務所の弁護士です。
目次
逮捕される基準|死亡事故の逮捕後の流れを解説
死亡事故で逮捕される基準
死亡事故で逮捕される基準ってあるんでしょうか。
「逃亡のおそれ」があると必ず逮捕されるのでしょうか?
死亡事故は、基本的に、その後の刑事裁判が予定されます。
そのため、通常の人身事故と比べると、「逃亡のおそれ」があるとして逮捕されるケースが多いです。
また、前科で執行猶予中の身であったり、事故態様や過失内容に争いがあるケースでは逮捕の可能性がさらに高まります。
もっとも、家族が身元引受人として迎えに来て、そのまま釈放されるようなケースもあります。
前科があると刑罰が重くなる可能性もあるので、その刑罰から逃れようとするおそれがあると判断されます。
身寄りがなかったり、持ち家がなかったりする場合も逃亡のおそれがあるとみなされやすいです。
犯行を否認しているような場合は、証拠隠滅のおそれが高いと判断されやすく逮捕されることになります。
【逮捕されたケース】死亡事故で起訴・判決までの流れ
死亡事故「身柄事件の流れ」をチェック
死亡事故をおこして逮捕されたケースでの刑事事件の流れをみていきましょう。
この図では、被疑者が鉄格子の部屋に閉じ込められていますね。
逮捕されると留置場で生活することになります。
身体(身柄)が拘束されることから、「身柄事件」と呼ばれています。
では、逮捕される身柄事件の流れはどうなるのかさらにくわしくみていきます。
こちらは、逮捕・勾留から裁判で判決結果が言い渡されるまでの流れのイメージ図です。
死亡事故の逮捕について、もっと深くさぐっていきましょう。
死亡事故発生
死亡事故が警察など捜査機関に発覚する |
↓
逮捕
死亡事故で警察官に逮捕されると、警察署での取り調べがおこなわれます。 そのあと、「48時間以内」に検察官に送致されます。 |
検察官に送致されないときは、釈放されます。
↓
送致
検察官に送致されると、検察官による死亡事故の取り調べがおこなわれます。 検察官は取り調べの結果によって、 ・裁判官に勾留請求する ・起訴する ・釈放する 検察官によっていずれかの判断がくだされます。 |
↓
勾留
勾留が決定すると「10日間」、留置場で生活することになります。 |
↓
勾留延長
死亡事故の捜査を継続する必要があるなど、「やむを得ない事由」があれば、さらに勾留は延長されます。 |
↓
起訴
死亡事故を捜査した結果、起訴されれば約1か月後に刑事裁判が開かれます。 |
保釈を認められなければ、死亡事故の裁判が終了するまで勾留されつづけます。
↓
刑事裁判
公開の法廷で、死亡事故の審理がおこなわれます。 |
↓
判決
死亡事故の有罪か無罪かの判決が言い渡されます。 |
死亡事故での逮捕から勾留、裁判までの流れはこのようにすすみます。
逮捕の流れをまとめた動画も用意しました。
あわせてチェックしてみてください。
逮捕からの流れについてさらに詳しくはこちらをごらんください。
逮捕されない基準|死亡事故その後の流れを解説
死亡事故で逮捕されない基準
死亡事故で逮捕されない基準ってあるんでしょうか。
逮捕されないケースとの違いはどこにあるのでしょうか。
死亡事故を起こしても、逮捕されないケースもあります。
明確な基準があるわけではありませんが、
- 事故態様や過失内容に争いがない
- 事故直後の実況見分で正確な事実関係が把握されている
- 家族が身元引受人として迎えに来た
このようなケースでは、逮捕されずにそのまま釈放されることもあります。
身元がはっきりしていたり前科がない場合は、逃亡のおそれが低いと判断されることがあります。
交通事故を起こしたことをすなおに述べており、客観的な証拠とも一致するような場合は、罪証隠滅のおそれが低いと判断されるでしょう。
【逮捕されないケース】死亡事故の発生から、起訴・判決までの流れ
死亡事故「在宅事件の流れ」をチェック
死亡事故をおこして逮捕されないケースもあるということがお分かりいただけたと思います。
逮捕されないだけで、どのような刑事処分をくだすのか手続きはつづいています。
逮捕されないケースを、「在宅事件」や「在宅捜査」と呼んでいます。
今まで通りの生活を送りながら、警察・検察の捜査に協力します。
逮捕されなくても、検察官による最終的な処分や裁判を待つことになります。
逮捕されないケースでの手続きの流れはつかめたでしょうか。
さらにくわしくみていきましょう。
死亡事故発生
死亡事故が警察など捜査機関に発覚する |
逮捕されない場合でも、事件の捜査はつづいています。
↓
起訴
死亡事故を捜査した結果、起訴されれば約1か月後に刑事裁判が開かれます。 |
保釈を認められなければ、死亡事故の裁判が終了するまで勾留されつづけます。
↓
刑事裁判
公開の法廷で、死亡事故の審理がおこなわれます。 |
↓
判決
審理が尽くされると、死亡事故の有罪か無罪かの判決が言い渡されます。 |
死亡事故で逮捕されなかったケースで、起訴された場合の裁判までの流れでした。
動画でも逮捕されないケースの流れを解説しています。
あわせてチェックしてみてください。
交通の死亡事故を定義する法律は?
死亡事故で有罪判決になったら刑罰は?
ここまでは、死亡事故で逮捕される・逮捕されないに関わらず手続き全般の流れについて確認してきました。
では、起訴され有罪判決がくだされることになったらどのような刑罰が待ちうけているのでしょうか。
まず、自動車での死亡事故については、さまざまな法律がかかわることになります。
その中でも、自動車で被害者を死亡させたことに対しての処罰は、
「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」
が適用されます。
「自動車運転処罰法」が通称になっています。
死亡事故にあたる犯罪は、この法律の中でおおきく2つに分けられます。
自動車運転処罰法
- ① 過失運転致死
- ② 危険運転致死
過失運転致死
自動車を運転するうえで必要な注意をおこたり、人を死亡させること
わき見運転や不注意運転など、過失運転致死となる違反運転の範囲の幅は広いです。
危険運転致死
自動車を運転することがむずかしい状態や正常な運転がむずかしい態様などで運転し、人を死亡させること
危険運転とは、
- 酒、薬物などの影響がある中で自動車を走行させる
- 猛スピードでの走行
- 無免許運転
- 無理なわりこみや幅よせ
など、この場合が危険運転とみなされます。
過失運転致死と危険運転致死の刑罰はつぎのとおりです。
過失運転致死
5条:7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金
危険運転致死
- 2条:1年以上の有期懲役
- 3条:15年以下の懲役(アルコール・薬物・一定の病気などが原因の場合)
死亡事故を起こしたら、このような範囲で判決がくだされることになります。
過失運転致死と危険運転致死どちらも、人を殺そうとする故意がないことが前提となっています。
人を殺そうとする故意をもっていれば、自動車という凶器をもって殺人をおかした罪に問われることとなります。
死亡事故についてくわしくはこちら
死亡事故で逮捕されたら弁護士に相談
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前方不注意で死亡事故を起こしてしまった…
逮捕されるのか、逮捕されないのかだけでなく気になることは多くあると思います。
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簡単に近くの弁護士を探すことができます。
死亡事故についてのお悩みは、弁護士に今すぐ相談しましょう。
最後に一言アドバイス
それでは、最後に一言アドバイスをいただきたいと思います。
死亡事故で逮捕されることになると、最大で23日間も留置場で生活することになります。
早い段階で弁護士を選任すれば、辛い取り調べを乗り切るアドバイスを与えてくれます。
弁護士は心強い味方となってくれるでしょう。
最近では無料相談を実施する法律事務所も多くありますので、費用を気にせず死亡事故について弁護士に相談してみましょう。