少年事件の弁護士費用相場は?着手金の計算方法は?払えない場合は分割できる?
弁護士事務所の掲載順と弁護士の力量とは無関係です。相性を考慮して、ご自身に合った弁護士をお探しください。
「自分の息子が少年事件を起こし逮捕されてしまった…」
少年事件の逮捕において、弁護人・付添人は非常に大きな役割を担っています。
弁護人・付添人は少年事件では、必要不可欠な存在です。
すると、少年事件の弁護士費用のことが心配になってきますよね。
今回は、「少年事件の弁護士費用」についてくわしく見ていきましょう!
専門的な部分は弁護士の先生に解説していただきます。
ご自身の子供が逮捕されると非常に不安になると思います。
成人が起こした刑事事件と未成年が起こす刑事事件では性質が大きく異なります。
弁護士費用がいくらになるか、なども心配ですよね。
少年事件の弁護士費用についてくわしく解説していきます。
目次
少年事件の弁護士費用の相場は?成人の事件より安い?
20歳未満の未成年が刑事事件を起こすと少年事件として取り扱われます。
刑事事件を起こすのは成人した大人だけではありません。
自分の子供が少年事件の当事者になったとき、冷静に対処する事ができるでしょうか。
- これから自分の子供がどうなるのか
- 少年事件の弁護士費用はいくらなのか
気になることがたくさんあります。
そのなかでも「弁護士費用」の問題は非常に気になる点ですよね。
弁護士費用を見ていく前にまずは少年事件の流れを簡単に確認しましょう。
出典:https://atomfirm.com/wp-content/uploads/miseinen.png
処分の内容によっては最終的に少年院に収容される場合もあります。
そうすると、日常生活を送ることができなくなります。
少年事件の流れにおいて弁護士は、非常に重要な役割を果たします。
弁護士に依頼するにはもちろん弁護士費用が必要です。
少年本人に弁護士費用の支払い能力が無いケースがほとんどです。
その場合は、親が少年に代わり、弁護士費用を支払うことになります。
今後の子供のことを考えると弁護士に弁護活動をお願いしたいですよね。
しかし、弁護士費用でいくら出費するかも非常に大きな問題です。
少年事件で弁護士費用がどんな内訳で、いくらかかるのか確認していきましょう。
少年事件の弁護士費用相場・計算方法をわかりやすく解説!
少年事件の弁護士費用の内訳は基本的に成人の事件と同様です。
まずは、弁護士費用の基本から知っていきましょう。
弁護士費用は大きく4つの項目にわけることができます。
- ① 相談料
- ② 着手金
- ③ 成功報酬
- ④ 日当・実費
「着手金」など、耳にしたことのない費用もありますね。
各項目をくわしく見ていきましょう。
相談料
まずは、少年事件の「相談料」についてみていきましょう。
相談料はその名の通り、弁護士に事件について相談した際に発生する費用です。
「無料相談」を行っている事務所もあるようです。
有料相談の料金体系はどのようなものが多いのでしょうか。
また、有料相談と無料相談では相談の質に差があるのでしょうか。
無料相談と有料相談で質や内容に違いがあるわけではありません。
刑事事件の相談料の料金体系としては、
- 初回無料
- 2回目以降有料
- 家族が逮捕されている場合は無料
- 逮捕されていない場合は有料
- 有料相談後に弁護依頼した場合は、相談料が実質無料(着手金から割り引かれる)
などの基準が設けられているケースが多いです。
無料相談だから質が落ちる、といったわけではなさそうです。
有料相談の相談料は30分5000円と定めている事務所が多く見受けられました。
相談料の相場としてはその辺りが一般的と言えそうです。
着手金
次に必要な費用が、「着手金(ちゃくしゅきん)」です。
あまり耳になじみのない費用ですよね。
着手金とは簡単に説明すると、
着手金:弁護活動に着手する対価
という意味を持つ費用です。
多くの弁護士が、着手金の入金を待って弁護活動をスタートさせているようです。
着手金は、弁護士に事件を依頼した段階で支払います。
事件の結果に関係なく、不成功に終わった場合でも返還されませんので注意が必要です。
事件が比較的簡単な事件であるか、複雑な事件であるかなどで金額が変わることがあります。
少年事件を弁護士に依頼するには、最低限着手金は事前に用意しなければなりません。
様々な弁護士事務所の刑事事件の着手金を調査すると、「20万円~」といった事務所が多くありました。
少年審判での着手金は「30万円~」や「60万円~」といった基本設定もありました。
成功報酬
次に「成功報酬」についてみていきましょう。
成功報酬とは、
成功報酬:示談が成立したり、不起訴を獲得したり、弁護活動の成果が出た場合に生じる費用
といった意味合いを持つ費用です。
成功報酬の金額はどのように決まるのでしょうか。
少年事件の最終的な処分は先ほど確認した通りです。
- ① 保護処分:保護観察、児童自立支援施設等送致、少年院送致
- ② 検察官送致:家庭裁判所から証拠等とともに事件を検察官に送り届け、刑事裁判になる
- ③ 不処分(教育的処置)
- ④ 都道府県知事または児童相談所長送致
処分の結果によって、成功報酬は大きく変動します。
今回は、一例としてある弁護士事務所の成功報酬をみてみましょう。
具体例
少年事件の成功報酬
結果 | 弁護士費用 | |
---|---|---|
不処分 | 審判不開始、不処分 | 80万円 |
保護処分 | 保護観察処分 | 40万円 |
少年院送致 | 0円 |
結果によって大きく金額が異なっていますね。
成功報酬に加え、身柄拘束されている場合は身柄の解放などにより、別途成功報酬が加算される場合が多いようです。
具体例
少年事件の身柄対応
勾留を阻止 | 20万円 |
---|---|
勾留延長を阻止 | 20万円 |
観護措置を阻止 | 20万円 |
接見禁止を一部解除 | 10万円 |
事件の進展によっては、契約時に想定されていた金額とズレてくることもあります。
契約前の相談で弁護士にしっかり確認しましょう。
日当・実費
続いて、日当と実費についてみていきましょう。
まずは、「日当」です。
日当:弁護士の出張に対する実費日当として支払う費用
刑事事件の場合、出張日当は主に警察署での接見を指します。
接見とは、身体の拘束を受けている少年と、弁護人などが面会することです。
弁護士によっては、
- 日当は発生しない
- 接見は何度でも無料
というケースもあります。
こちらも相談の際に確認するとよいでしょう。
弁護士によって、定めている範囲が異なるのですね。
日当の金額の一例をみてみましょう。
✔往復10分以内の場所に出張:2万円(交通費含む) ✔往復30分以内の場所に出張:3万円(交通費含む) |
日当も弁護士事務所によって、定めている金額が異なります。
こちらも場合によっては、思わぬ高額になる可能性もあるので事前にしっかり確認しましょう。
続いては「実費」です。
実費:弁護士に立て替えてもらった費用。交通費や切手代など。
弁護士が立て替えたすべての費用を指します。
他にも、振込手数料・示談喫茶代・郵送費・差し入れ購入費などが含まれます。
実費については加算式で、事件の終了時に、成功報酬を一緒に精算することが多いようです。
まとめ
弁護士費用は、様々な名目の費用があることがわかりました。
少年事件は、事件の様態や状況によって弁護士費用は大きく上下します。
一概には言えませんが、通常の刑事事件での弁護士費用の総額は200万円前後になることもありそうです。
成人の刑事事件の弁護士費用より安い?
刑事事件の弁護士費用の基本はよくわかりましたね。
ここで気になるのは、少年事件の弁護士費用は成人の弁護士費用よりも安い?という点です。
こちらでも実際の事務所の弁護士費用を参考にみてみましょう。
費用の例
成人事件と少年事件の着手金
成人事件 | 少年事件 | |
---|---|---|
特に簡単な事件 | 40万円 | 40万円 |
普通の事件 | 60万円 | 60万円 |
複雑な事件 | 80万円 | 80万円 |
裁判員裁判・特捜部事件 | 応相談 | 応相談 |
事務所によって異なりますが、成人事件と少年事件の着手金は大差なさそうです。
身柄対応の費用についても見てみましょう。
費用の例
成人事件と少年事件の身柄対応
成人事件 | 少年事件 | |
---|---|---|
勾留を阻止 | 20万円 | 20万円 |
勾留延長を阻止 | 10万円 | 20万円 |
接見禁止を一部解除 | 10万円 | 10万円 |
比較してみてもそこまで大きな差はなさそうですね。
事件の種類・示談金の金額などによって、費用は大きく変動します。
いくらかかるのか知りたい場合は、相談の際に弁護士に問い合わせましょう。
家裁送致前と家裁送致後では弁護士費用は変わる?
いくつかの弁護士事務所を調査しましたが、家裁送致前・後で、着手金に変わりはありませんでした。
身柄対応などの部分で費用が多少変動しますが、大きく変わることはなさそうです。
しかし、少年事件の流れの中で「逆送(ぎゃくそう)」になった場合は弁護士費用が変わる場合があります。
「逆送」の意味をご存じでしょうか。
逆送とは、
家庭裁判所が、検察官から送致された少年事件について、刑事処分を相当と認める場合に、検察官に送致すること
出典:有斐閣 法律用語辞典 第4版
といった手続きです。
殺人などの重大犯罪においては逆送され、未成年者でも刑事裁判を受けるケースがあります。
このような場合の事件は弁護士費用が高額になる可能性もあります。
少年事件の弁護士費用が払えない…|分割できる?国選は利用できる?
弁護士費用は分割で支払える?
少年事件で弁護士を雇うには、着手金だけでも最低20万円~がかかるとわかりました。
20万円以上の弁護士費用を急に支払うのはなかなか難しい方もいるかもしれません。
大きい買い物などをする場合分割払いできることがありますよね。
支払い回数を決めて、少しずつ支払っていくことができれば安心です。
逮捕されたときの弁護士費用でも、分割払いは可能なのでしょうか。
法律事務所ごとに分割払いの対応は異なります。
以前、弁護士報酬は統一基準が設けられていました。
その基準は撤廃され、2004年より、弁護士報酬が自由化されました。
弁護士との契約は、委任契約になります。
弁護士と話し合ったうえで合意されれば、支払い方法の選択肢も生まれます。
弁護士、弁護士事務所によって、弁護士費用の支払い方にも差があるのですね。
依頼の前に分割払いが可能であるか確認しておきましょう。
少年事件の国選付添人とは?
国選付添人は被疑者国選と同様で、無料で弁護士による弁護活動が受けられる制度です。
貧困などの事情により、私選付添人がつけられない少年が利用する事ができる制度です。
国選付添人にも利用条件があります。
対象事件
- 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪
- 死刑又は無期若しくは長期三年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪
その他の要件
- 少年鑑別所送致の観護措置がとられている
- 少年に付添人がないとき
- 家庭裁判所が、付添人が関与する必要があると認めるとき
以上の条件に当てはまる際、家庭裁判所が
- 事案の内容
- 保護者の有無その他の事情
などをを考慮して、審判の手続に国選付添人を付けます。
上記に当てはまらない場合は私選で付添人を選任することになります。
さらにくわしくは以下の法務省のホームページをご覧ください。
全国の少年事件を扱う弁護士事務所紹介|弁護士費用などもチェック
ここまでで、少年事件の弁護士費用について色々みてきました。
では、実際に少年事件を取り扱っている弁護士事務所はどのような事務所があるのでしょうか。
こちらでは、東京・大阪・福岡から少年事件の取り扱いのある弁護士を3つご紹介します。
注意点
- こちらの情報は2021年4月26日時点において、各ホームページに記載されている情報をまとめたものです。
- 具体的事案や事務所の状況によっては、受任してもらえない場合もありますので、ご確認ください。
- 費用も事案によって変動する可能性がありますので、ご確認ください。
- 抜粋した弁護士事務所の掲載順と弁護士の力量は無関係です。
【東京】少年事件の逮捕で頼れる弁護士
渋谷青山刑事法律事務所
初めにご紹介するのは渋谷青山刑事法律事務所です。
刑事事件・少年事件を年間100件近く取り扱っているようです。
東京都内を中心に、神奈川県・埼玉県・千葉県の少年事件に対応しています。
こちらの事務所では少年事件専門のホームページもありました。
さらにくわしい情報は以下のホームページをご覧ください。
代表弁護士は、二宮 英人弁護士(東京弁護士会)です。
所在地は以下の通りです。
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷1-4-6 ニュー青山ビル302
渋谷駅5分、表参道駅から9分と駅近に所在しています。
初回相談電話は無料のようです。
メールでの問い合わせは24時間可能のようです。
電話問い合わせ・相談は日祝を除く7:30~23:00で受け付けています。
以下の番号から問い合わせてみましょう。
まとめ
- 刑事事件に注力している
- 少年事件専門のホームページを持っている
- 初回の相談電話無料
法律相談料 | 30分5500円(税込)~ 相談時に契約になった場合には、相談料は無料。 |
---|---|
初回接見費用 | 1万1000円(税込)~ |
成功報酬 | 11万円(税込)~ |
※こちらは現時点での情報です。くわしくはホームページをご覧ください。
【福岡】少年事件の逮捕で頼れる弁護士
弁護士法人ALG&ASSOCIATES福岡支部
次にご紹介するのは、弁護士法人ALG&ASSOCIATES福岡支部です。
20年のキャリアを誇る弁護士が率いる弁護士事務所です。
弁護士選任権がある方は60分無料法律相談が受けられるようです。
(※内容によっては有料)
代表弁護士は金﨑 浩之(東京弁護士会)弁護士です。
所在地は以下の通りです。
〒8100001
福岡県福岡市中央区天神1-1-1 アクロス福岡4階
地下鉄空港線天神駅の16番出口より徒歩約3分です。
駅近で、仕事帰りなどに訪れやすい好立地ですね。
24時間受付中の電話番号はこちらです。
まとめ
- 刑事事件に注力している事務所
- 天神駅から徒歩3分
- 60分無料法律相談(※内容により有料)
相談料 | 無料0円~ |
---|---|
初回接見費用 | 1万1000円(税込)~ |
成功報酬 | 22万円(税込)~ |
※こちらは現時点での情報です。くわしくはホームページをご覧ください。
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そこで、編集部が
- ① 刑事事件に注力している
- ② 弁護士費用が明瞭である
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「弁護士の探し方がわからない…」という方は多いと思います。
弁護士を探す際は、
- 刑事事件に注力している弁護士か
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などが非常に重要です。
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最後に一言アドバイス
今回は、少年事件の弁護士費用についてくわしくレポートしました。
最後にひとことお願いします。
20歳未満である少年は非常に多感でデリケートです。
少年の生活環境の調整には時間がかかります。
さらに、事件の結果が将来を左右する場合もあります。
よって、事件が発生した後は、迅速に対応する必要があります。
ご自身の子供が少年事件で逮捕されてしまった場合はまず弁護士に相談してみましょう。