逮捕後に逃走…犯罪になる?「逃走の罪」の種類・懲役〇年・再逮捕までの流れを徹底解説

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逮捕後に逃走…犯罪になる?「逃走の罪」の種類・懲役〇年・再逮捕までの流れを徹底解説

逮捕された後に逃走したら、どんな犯罪になるのでしょうか?

最近では、刑務所から受刑者が逃走したり、逮捕・勾留中の容疑者が逃走したりといったニュースが世間を騒がせています。

そこで、今回は「逮捕後に逃走…犯罪になる?」と題して、

「逃走の罪」の種類

懲役刑の年数

犯人のその後(刑罰の重くなるか?再逮捕の流れは?)

などをレポートします。

犯罪の成立要件など専門的な内容については、刑事事件の弁護に力を入れている弁護士、岡野武志先生にお願いします。

よろしくお願いします。

逮捕後に逃げた行為が、「逃走の罪」に問われるのはどんなケースなのかを分かりやすく解説していきます。

逮捕された後に逃走すると犯罪?「逃走の罪」とは…

逮捕された後に逃走すると犯罪?「逃走の罪」とは…

(1)【ニュース報道】「逃走の罪」に問われた容疑者

逮捕された後、勾留期間中に逃走する人もいます。

最近では、弁護士との面会後、面会室から容疑者が逃走したというニュースが報道されました。↓↓↓

12日午後、大阪府富田林市の府警富田林署から、8日に強制性交未遂容疑で再逮捕され、弁護士と接見中だった(略)容疑者(30)が逃走した。接見室の面会者と隔てるアクリル板が押し破られ、金属製の縁との間に約10センチの隙間が空いていた。(略)加重逃走容疑で行方を追っている。

この容疑者は、「加重逃走罪」が問題になっています。

このほか、造船所で作業していた受刑者逃走したというニュースも、記憶にあたらしいのではないでしょうか?

愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から受刑者(略)が逃走していた事件で、愛媛、広島両県警は4月30日、広島市内で(略)容疑者の身柄を確保し、単純逃走容疑で逮捕したと発表した。

こちらの男性は逃走後、数週間で逮捕されました。

この男性の逮捕容疑は、「単純逃走罪」です。

先ほどの男性は「加重逃走罪」で、こちらの男性は「単純逃走罪」。

「逃走」といっても、種類があるようです。

(2)「逃走の罪」の種類

逃走の罪」について、その種類をまとめてみましょう。↓↓↓

逃走の罪

① 単純逃走罪

② 加重逃走罪(かじゅうとうそうざい)

③ 被拘禁者奪取罪(ひこうきんしゃだっしゅざい)

④ 逃走援助罪

⑤ 看守者(かんしゅしゃ)等による逃走援助罪

逃走の罪といっても、5種類もあるんです。

これらの罪について、成立要件刑罰を解説していきます。

◆逃げた…でも「逃走の罪」にならないときもある?!

「逃走の罪」というのは、文字どおり逃走したときに成立するものです。

でも、「逃げた」だけでは、逃走の罪が成立しないこともあります。

だれが逃げるのか?

どんな方法で逃げたのか?

などの条件によって、「逃走の罪」の成立・不成立や、その種類が決まります。

後日逮捕の流れ(逃走)

ちなみに、逃走した犯人が逮捕されるまでの流れについて気になる方は、以下の特集記事も読んでみてください。↓↓↓

さて、いよいよ逃走罪の中身についての確認です。

【逮捕の要件・刑罰】「逃走の罪」だと懲役〇年…

【逮捕の要件・刑罰】「逃走の罪」だと懲役〇年…

「逃走の罪」は、全部で5種類あります。

分類すると、以下の2つに分かれます。

自分の逃走行為が処罰されるもの

他人を逃走させる行為が処罰されるもの

の2つです。

【類型】逃走の罪とは?
自分が逃げる 他人を逃がす
罪名 ①単純逃走罪
②加重逃走罪
③被拘禁者奪取罪
④逃走援助罪
⑤看守者等による逃走援助罪

2018年8月21日現在の情報です。

では、まず「単純逃走罪」から確認していきましょう。

(1)【単純逃走罪】逮捕されただけでは罪にならない?

単純逃走罪とは、どのような犯罪なのでしょうか。

単純逃走罪」とは、

裁判の執行により拘禁された既決・未決の者が逃走する犯罪

です。

逃走」とは、

被拘禁者が拘禁状態から離脱すること

です。

刑罰は、1ヵ月以上1年以下の懲役刑です。

簡単ににまとめました。

類型①【単純逃走罪】
主体 裁判の執行により拘禁された
既決の者 未決の者
受刑者 勾留中の被疑者
勾留中の被告人
鑑定留置された者
行為 逃走
拘禁状態から離脱すること
追跡をうけなくなったら既遂
懲役 1ヵ月以上1年以下

2018年8月21日現在の情報です。

逃げる「主体」と、「逃走」の意味について説明します。↓↓↓

主体

単純逃走罪になるのは、「裁判」の決定にしたがって捕まっていた人が逃げたときです。

逃走罪になりそうだけど、罪にならないのは・・・

逮捕直後に逃げた

逮捕後、警察署に到着する前に逃げた

といったケースです。

ーー〇ーーーーーーーー>警察署
 
 逮捕   逃走・・・>

逮捕された後すぐに逃走した人は、「裁判」の決定によって捕まっていたわけではありません。

したがって、単純逃走罪」には問われません。

行為

逃走」というのは、拘禁状態から離脱することです。

簡単にいうと・・・

捕まった状態から完全に自由になる

ということです。

ーーーーーーー
|      |
|   追跡====>✖
|      |      
|     逃走・・・・>自由
|      |    拘束から離脱 
ーーーーーーー 

ちなみに、面会室の壁を壊して逃げたとしても、刑事施設の敷地内にいる限り既遂にはなりません。

未遂のままです。

刑事施設の敷地から出て、完全に追跡をふりきったときに、加重逃走罪の既遂罪になります。

では、次に「加重逃走罪」について確認します。

(2)【加重逃走罪(かじゅうとうそうざい)】面会室の壁を壊して逃走…

加重逃走罪とは、どのような罪なのでしょうか。

「加重逃走罪」は、

「裁判の執行により拘禁された既決・未決の者」や、「勾引状の執行を受けた者」が

「拘禁場・拘束のための器具を損壊」したり、「暴行・脅迫」をしたり、「2人以上通謀」したりして、

「逃走」する

というような犯罪です。

刑罰は、3ヵ月以上5年以下の懲役刑です。

簡単にまとめてみました。↓↓↓

類型②【加重逃走罪】
主体
裁判の執行で拘禁された 勾引状の執行を受けた者
既決の者 未決の者 《具体例》
・逮捕状にもとづき逮捕された人
・勾引された証人
行為①
損壊(拘禁場や拘束の器具をこわす) 暴行・
脅迫
2人以上通謀
行為②=「逃走」
懲役=「3ヵ月以上5以下の懲役」

2018年8月21日現在の情報です。

加重逃走罪は、さきほどの単純逃走罪と同じく、自分が逃走したときに成立する犯罪です。

でも、成立要件は、少しだけ違います。

逃げる主体と、逃げる手段について説明します。↓↓↓

主体

主体には、「勾引状の執行を受けた者」が含まれます。

逮捕状によって逮捕された人が、警察署に行く前に逃げた

というようなケースについて、さきほどの単純逃走罪は不成立でした。

でも、こちらの加重逃走罪は成立する可能性があります。

行為

行為については、行為①の部分が加わりました。

具体的には、

収容場所の壁に穴をあけたり

刑務官を殴ったり

受刑者同士で共謀したり

といった行為があると、行為①にあたります。

次に、「被拘禁者奪取罪」を見ていきましょう。

(3)【被拘禁者奪取罪(ひこうきんしゃだっしゅざい)】協力者がいる…

被拘禁者奪取罪とは、どんな罪なのでしょうか。

「被拘禁者奪取罪」とは、

法令により拘禁された者奪取したとき成立する犯罪です。

刑罰は、3ヵ月以上5年以下の懲役刑です。

犯罪の成立要件をまとめました。↓↓↓

類型③【被拘禁者奪取罪】
だれを 法令により拘禁された者を
何らかの法的根拠によりもとづき拘束されている者
《例》単純逃走や加重逃走の主体、現行犯逮捕や緊急逮捕された者、少年院などに収容中の少年
行為 奪取する
=看守者からの実力的支配から離脱させる
懲役 1月以上3以下

2018年8月21日現在の情報です。

さて、次は「逃走援助罪」を見ていきましょう。

(4)【逃走援助罪(とうそうえんじょざい)】拘禁者の逃走を助けると…

逃走援助罪とは、どのような罪なのでしょうか。

逃走援助罪とは、簡単にいうと、逃走を助ける罪です。

すなわち、

法令により拘禁された者を逃走させる目的で、器具を提供し、その他逃走を容易にすべき行為をした場合、1ヵ月以上3年以下の懲役が科せられます。

また、

同様の目的で、暴行または脅迫をした場合、3ヵ月以上5年以下の懲役が科せられます。

表にまとめてみました。↓↓↓

類型④【逃走援助罪】
目的 法令により拘禁された者を逃走させる目的
行為 ・器具の提供
・その他逃走を容易にすべき行為
暴行または脅迫
懲役 1月以上3以下 3月以上5以下

2018年8月21日現在の情報です。

さて、さいごに「看守者等による逃走援助罪」について、確認していきます。

(5)【看守者(かんしゅしゃ)等による逃走援助罪】見張っているはずなのに…

看守者等による逃走援助罪とは、どんな犯罪なのでしょうか。

「看守者等による逃走援助罪」とは、

「法令により拘禁された者を看守し」または「護送する者」が

「その拘禁された者」を

「逃走させたとき」

成立する犯罪です。

刑罰は、1年以上10年以下の懲役です。

これについても、表で確認しましょう。

類型⑤【看守者等による逃走援助罪】
【だれが】 看守する者・護送する者が
【だれを】 法令により拘禁された者を
【どうする】 逃走させる
刑罰 1年以上10年以下の懲役

2018年8月21日現在の情報です。

この看守者等による逃走援助罪は、

刑務所の見張り役などの人が、収容されている人の逃走を助けた

というようなケースで成立します。

【逮捕の期限】「逃走の罪」の時効は〇年…

【逮捕の期限】「逃走の罪」の時効は〇年…

(1)「公訴時効」とは

ここでは、「逃走の罪」の時効期間について確認します。

刑事事件の時効といえば、公訴時効です。

「公訴時効」とは、

犯罪が終了した後、一定期間が経過することで、起訴されなくなる制度

のことです。

公訴時効の時効期間は、法定刑を基準に決められています。

逃走の罪の時効期間は、どのくらいなのでしょうか…。

(2)【一覧】時効期間まとめ

「逃走の罪」それぞれについて時効期間を調査しました。

一覧表にまとめました。↓↓↓

【公訴時効】逃走の罪の「時効期間」はどのくらい?
罪名 時効期間
単純逃走罪 3
加重逃走罪 5
被拘禁者奪取罪 5
逃走援助罪 器具の提供etc 3
暴行・脅迫 5
看守者等逃走援助罪 7

2018年8月21日現在の情報です。

刑罰が重ければ、時効期間も長くなります。

【Q&A】逮捕・逃走に関する質問集

【Q&A】逮捕・逃走に関する質問集

Q1.【再逮捕までの流れ】警察署に行く途中で逃走した犯人は、その後どうなりますか?

逮捕されたけれど、すきを見計らって、警察署に到着する前に逃げた

という人がいたとします。

現行犯逮捕の流れ(警察署へ連行)

この人は、その後どうなるのでしょうか?

損壊・暴行・脅迫・通謀をして逃走した場合、加重逃走罪になります。

ですが、

たんに逃走したというだけでは、単純逃走罪も成立しません。

【逮捕】
〇ーーーーーーー>警察署
       
  【逃走】・・・>「逃走の罪」は不成立
    
  【暴行etc+逃走】・・・>加重逃走罪
    

犯罪不成立の場合であっても、そのまま放置されるということはありません。

もともとの逮捕容疑再度逮捕手続きがすすめられます。

Q2.【刑罰の重さ】逃走したら、罪はさらに重くなりますか?

逃走することで、刑罰が重くなる可能性はあります。

後日逮捕の流れ(逃走)

逮捕直後に逃走した場合、悪い情状、つまり刑罰を重くする事情として、「逃走したこと」が考慮されます。

【考慮事情】刑罰の軽重を決める要素
悪い情状 良い情状
意味 刑罰を重くする 刑罰を軽くする
具体例 ・計画性あり
反省がない
(逃走・開き直り・謝罪なし)
・被害者の許し
・示談の成立

また、もともとの犯罪にプラスして、「逃走の罪」についても処罰される場合、刑罰の上限が1.5倍になる可能性もでてきます。

たとえば、窃盗で逮捕・勾留中に、面会室のドアを壊して逃走したケースを考えてみます。↓↓↓

 逮捕ー>勾留ー>逃走⋯⋯>逮捕ー>
  ║         ║        
(窃盗)      (逃走の罪)  

下の表左側が、窃盗罪だけの懲役刑です。

右側は、窃盗罪にプラスして「加重逃走罪」に問われたときの懲役刑です。

逃走の罪がプラスされたら1.5倍!
窃盗罪だけ 窃盗罪+加重逃走罪
10年以下 15以下

左側の刑罰は、右側の1.5倍になっています。

Q3.【保釈と逃走】保釈中に逃走したら、「逃走の罪」になりますか?

刑事手続きには、「保釈」というものがあります。

「保釈」とは、

保証金を納付することで、未決勾留中の被告人が釈放される手続

です。

釈放は、勾留という身体拘束から、刑事裁判の被告人が解放される制度です。

では、保釈を許可された人が、保釈中に逃走した場合、逃走の罪になるのでしょうか。

保釈中の人が逃走しても、「逃走の罪」には問われません。

保釈された人は、解放されて自由な状態です。

そういう人については、逃走罪の要件を満たしません。

なので、逃走罪には問われません。

保釈中の人が逃走したら?

逃走の罪にならない

ですが、手続上の制裁として

納付した保釈保証金を没取される

ことがあります。

また、保釈中の人の逃走を手助けした場合、その手助けした人に、犯人隠避罪が成立する可能性があります。

どんな犯罪?*~保釈中に逃走・逃走の手助け~
保釈中に逃走した人 逃走を助けた人
逃走の罪
犯人隠避罪 △**
そのほか 保釈保証金の没取

*2018年8月21日現在の情報です。
**基本的には、自分で逃げる行為は犯人隠避罪に問われない。ただし、他人に逃走を助けるよう説得して、逃走を助けさせた場合、犯人隠避罪の教唆犯が成立する。

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さいごに

今回は、「逃走の罪」をレポートしました。

「どんな人が、どういった手段で逃げるのか?」によって、成立する「逃走の罪」が異なりました。

逮捕後に逃走したからといって、すべてが「逃走の罪」にならないということも分かりました。

ほかにも、刑罰・時効期間など、「逃走の罪」の基本について確認できました。

「逃走の罪」について、いろいろ知っていただけたと思います。

「現在逃走中である」、「逮捕されるか不安である」という方もおられるでしょう。

逮捕された方は早急に、また逮捕されていない方でも早めの対応が示談の成立や不起訴の可能性を広げます。

ぜひお早目に弁護士にご相談ください。

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