【解説】児童ポルノの意味とは?構成要件の意味を弁護士が回答する!
「児童ポルノ」の意味を知っていますか?
「よく聞くし、なんとなくはわかっているけどくわしくはちょっと…」
という方も多いかもしれません。
そこで、今回は
- そもそも児童ポルノの意味は?
- 児童ポルノの構成要件は?
といった疑問について、調査結果をお届けしたいと思います!
「児童ポルノ」の「意味」について理解を深めていきましょう!
目次
児童ポルノが犯罪に当たる、というのはニュースなどで知っていると思います。
しかし
- 児童ポルノの意味
- どんな法律に違反しているのか
- どんなものが児童ポルノに当たるのか
など、正確に答えるのはなかなか難しいですよね。
実際に最近の「児童ポルノ」のニュースを一つ見てみましょう。
苫小牧署は2日、(略)児童買春・児童ポルノ禁止法違反(単純製造)容疑で逮捕した。
発表によると、(略)容疑者は3月3日、インターネット掲示板「BIGちゃんねる」を通じて知り合った福岡県糸島市の女子中学生(当時14歳)に、携帯電話の無料通話アプリ「LINE(ライン)」で裸の画像を送らせた疑い。(略)容疑者は調べに対し、「冗談のつもりだった」と供述しているという。(略)
出典:YOMIURI ONLINE 2017年10月03日
今の時代、LINEなど、児童でも簡単に写真のデータを送ったり、メッセージのやりとりができてしまいます。
このように児童に無理やり自身の裸の画像を送らせるような犯行も多いように感じます。
具体的にはどのようなものが児童ポルノに当てはまるのでしょうか。
今回は「児童ポルノ」の意味についてくわしく見ていこうと思います!
法律などの専門的な部分は刑事事件のスペシャリスト、アトム法律事務所の弁護士にお願いします。
【重要】児童ポルノの意味を知る
①児童ポルノの定義
改めて児童ポルノの意味を考えると色々あいまいな部分がありますよね。
まず、児童ポルノの基本的な部分からおさえていきましょう!
児童ポルノは、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」に定められている犯罪です。
児童ポルノの定義は条文でこのように記されています。
この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(略)に係る記録媒体その他の物であって、(略)児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
出典:児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律 第2条第3項
児童ポルノの内容は具体的にどのようなものか、法律にはこのように定められています。
- ① 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
- ② 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
- ③ 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
具体例をあげるとこうなります。
具体例
児童ポルノとは、
- ① 児童が性交している様子
- ② 児童の性器や児童が他人の性器を触っている様子
- ③ 裸や半裸の児童
が写っている写真、電子データなどをいう。
児童ポルノ処罰法の第2条第3項に「他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為」とあります。
この性器等とは、「性器、肛門又は乳首」をさします。
児童のこのような姿態が視覚で認識できるものであれば、性器等の描写がなくても、児童ポルノに当たることがあります。
「性欲を興奮させ又は刺激するもの」という条件が付されているのは、少年相撲の様子を撮影したり治療行為の撮影を処罰対象から除外するためです。
②児童ポルノの保護法益
「保護法益」という言葉はご存知でしょうか?
保護すべき法律上の利益のことを保護法益といいます。
法律は、ある特定の行為を規制することにより、一定の利益を保護・実現しようとしています。
法律が罰則を定めてまで守ろうとしているものが保護法益です。
では児童ポルノを禁じることで、法律は何を守ろうとしているのでしょうか?
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律には、「児童の権利を擁護することを目的とする」と書かれています。(第1条)
児童に対する性的搾取・性的虐待から児童の権利を守ることがこの法律の趣旨です。
児童の権利擁護に関する国際的動向の中で、国内でも法整備の必要性が高まりこの法律が制定されました。
児童ポルノ禁止法は、社会福祉的な色彩が強いといえますね。
【解説】児童ポルノ禁止法の構成要件を知る
児童ポルノ禁止法のための構成要件は?
児童ポルノとは一体何なのかを理解するためには「構成要件」を把握する必要があります。
構成要件とは、「犯罪が成立するための要件」です。
ここでは、構成要件をひとつひとつ見ていきます。
①児童ポルノ禁止法における「児童ポルノ」
児童ポルノとは、性的対象としての
- 児童が性交している様子
- 児童の性器や児童が他人の性器を触っている様子
- 裸や半裸の児童
が写っている写真、電子データをいいます。
親が半裸又は全裸の幼児を撮影した写真などは、一概には言えませんが、
「性的な意味合いがなく、児童ポルノには該当しない」
とされるケースが多いでしょう。
児童ポルノの要件には「性欲を興奮させ又は刺激する」ことが要求されています。
親が子供の幼少期に、成長記録などの目的で裸の写真を撮ることもありますが、それは児童ポルノにはならないでしょう。
②児童ポルノの「所持・保管」
児童ポルノで違反になるのは販売や製造だけではありません。
児童ポルノの所持や保管も禁止されています。
児童ポルノは自分の携帯やパソコンに入っているだけで違法行為ということになります。
児童ポルノの所持・保管とは、児童ポルノ写真や電子データを所持・保管していることです。
- 紙媒体としての写真集
- パソコンの中の電子データ
これらを持っているだけでも、児童ポルノの「所持・保管」に該当します。
③児童ポルノの「提供・陳列」
児童ポルノは、所持や保管だけでなく、提供・陳列も禁止されています。
児童ポルノは不特定又は多数の者に提供することが禁止されています。
不特定又は多数の者を相手方とする目的をもっている限り、1人に対する1回の提供であってもこれに該当します。
また、公然と陳列することも禁止されています。
「公然と」という意味は、不特定又は多数の者が観覧することのできる状態に置くということです。
店先に児童ポルノを陳列したり、ネットで公開設定をして誰もが閲覧できる状態にすることも「公然と」に該当することになります。
④児童ポルノの「製造」
児童ポルノの製造も禁止されている行為です。
児童ポルノの製造とは、児童ポルノをつくり出すことです。
- 児童ポルノ写真を撮影すること
- 児童自身に児童ポルノを撮影させること
どちらも、児童ポルノの製造にあたります。
具体例
児童ポルノ製造の事例は次のとおりです。
- 児童に対し、裸あるいは性器を露出した状態でスマホなどを使って自撮りをさせる行為
- SNSを使ったやりとりの中で、自撮りをさせ、それを送信させる行為
⑤児童ポルノの「故意」
次は児童ポルノの「故意」です。
児童ポルノで処罰対象になるのは、児童ポルノについて故意がある場合です。
ポイント
児童ポルノの事件は、被写体が児童(18歳未満の者)であることについての認識が重要です。
法律上、確信はなくても「18歳未満かもしれない」と思っていれば、故意があるとされます。
ここで、児童ポルノの具体例をあげておきます。
具体例
児童ポルノにあたる行為
具体例 | 児童ポルノの罪 | |
---|---|---|
① | 16歳の女子児童と自宅でビデオ通話中、自身の携帯電話に映っている同児童の下半身(裸体)のスクリーンショットを撮影し、携帯電話に保存した。 | 成立 |
② | 遠方に住む14歳の女子児童に対し、女性器などを露出させる裸体などを携帯電話のカメラで撮影させ、メールに添付して送信させ、自分の携帯電話に保存した。 | 成立 |
③ | 15歳の女子児童に対し、下着や胸、陰部などを露出した姿を撮影させた上、メールで送信させ、自分の携帯電話に保存した。 | 成立 |
④ | 12歳の女子児童に対し、性交をする姿や児童の陰部などを触る姿、女子児童の陰部を露出させた姿などをデジタルビデオカメラで動画撮影し、動画データをメモリースティックに保存した。 | 成立 |
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ここまで、児童ポルノの意味について見てきました。
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