【時効レポート】児童ポルノの時効は何年?刑事事件の時効をひも解く
児童ポルノ事件の時効をご存知でしょうか?
もし、ご自身やご家族・ご友人が児童ポルノ事件に巻き込まれていたら…時効が気になりますよね。
そもそも時効とは正確にはどのような意味なのでしょう。
「あの事件はもう時効だ」
なんて台詞を刑事もののドラマや映画でよく見かけますよね。
しかし、「時効」の意味を正確に理解している方は少ないのではないでしょうか。
今回は「児童ポルノ事件」における「時効」の意味をくわしくみていきましょう!
目次
児童ポルノの時効の解説の前に、「児童ポルノがどんな法律に違反し、どんな刑罰を受けるのか」をご存知ですか?
児童ポルノが犯罪ということはわかります。
しかし、児童ポルノ事件がどんな犯罪なのかを正確に説明しようと思うと…難しいですよね。
まず、実際のニュースで児童ポルノ事件をみてみましょう。
画像などをインターネット上で共有できるアプリで児童ポルノを閲覧できるようにしたとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(公然陳列)などの罪(略)横浜地裁は16日、懲役2年6カ月執行猶予4年、罰金400万円(求刑懲役4年、罰金500万円)の判決を言い渡した。(略)
出典:朝日新聞デジタル 2017年5月16日19時07分
児童ポルノを「所持、提供、製造、運搬、輸入、輸出、陳列」することは禁止されています。
これに違反すれば児童ポルノ法違反で処罰を受けることになります。
児童ポルノとされるものは、
- ① 児童が性交している様子
- ② 児童の性器や児童が他人の性器を触っている様子
- ③ 裸や半裸の児童
が写っている写真、電子データなどです。
児童ポルノで有罪になると、「懲役刑」や「罰金刑」が科せられます。
児童ポルノ禁止法違反の刑罰
- 自分のために所持した場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
- 他人に製造・提供した場合、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金
- 不特定多数に提供、又は公然と陳列した場合、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科(へいか)
となっています。
※併科:各罪について定められている刑罰を併せ執行すること(有斐閣 法律用語辞典 第4版)
以上のことを踏まえた上で、児童ポルノの罪の時効について見ていきたいと思います!
法律部分の解説は、テレビや雑誌でおなじみのアトム法律事務所の弁護士にお願いします。
刑事事件における時効とは?児童ポルノの事件にも時効はあるの?
ここからは、時効についての具体的なレポートに入りたいと思います。
まずはこちらをご覧ください。
そうです。
児童ポルノの事件に時効があるのか、が今回のテーマです。
①児童ポルノ事件の前に「刑事事件」の時効の意味をチェックしよう
まずは刑事の時効から押さえていきます。
刑事事件の時効と呼ばれるものは2種類あります。
「公訴時効」と「告訴期間」です。
児童ポルノ事件の時効というと、公訴時効のことを指します。
刑事事件においては、告訴期間のことを指して「刑事の時効」というときもあります。
くわしく内容をみてみましょう。
公訴時効とは、検察官が公訴する権限を消滅させる時効のことです。
公訴時効が成立すると、検察官は事件を起訴することができなくなります。
告訴期間とは、親告罪の告訴をすることができる期間のことです。
告訴期間は、被害者が犯人を知った日から6ヶ月です。
親告罪の場合、この期間を渡過すれば告訴することができなくなります。
刑事事件の時効といえば、一般的には「迷宮入り事件」として捜査が打ち切られるイメージだと思います。
公訴時効と告訴時効では全然違いますので、ここは知っておいたほうがよさそうです。
②児童ポルノ事件の時効は何年?2つの面から考えてみる
児童ポルノ事件と「公訴時効」
公訴時効は検察官が公訴する権限を消滅させる時効です。
時効になると、検察官は公訴の提起ができなくなります。
公訴が提起されないとなれば捜査されることもありませんし、事件はそこで終了となります。
ポイント
児童ポルノ事件の公訴時効は、事件内容によって異なります。
- 自分のために所持、他人に製造・提供した場合は3年
- 不特定多数に提供、又は公然と陳列した場合は5年
刑事訴訟法の第250条に「公訴時効の期間」が示されています。
公訴時効は法定刑によって異なります。
児童ポルノ事件と「告訴期間」
告訴期間とは、親告罪の告訴をすることができる期間をさします。
告訴期間は、事件が親告罪であることが前提となっています。
ここに注目
児童ポルノの犯罪は、親告罪ではありません。
そのため、児童ポルノの犯罪(製造、提供など)は告訴期間が問題となることはありません。
告訴期間が問題となるのは、たとえば器物損壊の罪です。
刑法第261条に器物損壊の罪が規定されています。
これが親告罪であるのは、第264条に根拠が書かれているからです。
③児童ポルノ事件の「時効」まとめ
刑事事件の「時効」の意味や、児童ポルノ事件の「時効」についてみてきました。
表にまとめましたのでご覧ください。
重要
親告罪と非親告罪の違い
親告罪 | 非親告罪 | |
---|---|---|
意味 | 公訴の提起に被害者その他法律の定めた者の告訴、告発又は請求のあることを必要条件とする犯罪。* | 公訴の提起に被害者等からの告訴を必要としない犯罪。親告罪以外の犯罪。 |
具体例 | 器物損壊の罪 | 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反の罪 |
児童ポルノの罪と時効との関係をまとめると次のようになります。
公訴時効 | 告訴期間 | |
---|---|---|
意味 | 検察官の公訴権限を消滅させる時効をさす。 | 親告罪の告訴ができる期間をさす。 |
児童ポルノ事件との関係 | 関係ある | 関係ない |
そもそも、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」は、児童に対する性的搾取・性的虐待から児童の権利を擁護するために作られた法律です。
児童の権利擁護に関する国際的動向の中で、日本国内でも法整備の必要性が高まりこの法律が制定されました。
児童ポルノの罪が親告罪でないのは、ここにヒントがあるのかもしれませんね。
この法律が福祉的な色彩を持っているので、処罰について被害者等の告訴が影響しない構造になっているのでしょう。
【無料相談窓口】児童ポルノを弁護士に相談する
児童ポルノの時効についてレポートしてきました。
時効についての知識は増えましたね!
しかし、もし今児童ポルノ事件の当事者なら一番知りたいのは「事件の解決方法」ですよね。
事件解決への近道は弁護士に相談することです。
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急を要する刑事事件の相談ができるので、頼りになりますね。
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最後に弁護士からメッセージ
では最後にひとことメッセージをお願いします。
ご自身やご家族、ご友人が児童ポルノ事件の当事者になったら、とても不安になると思います。
刑事事件の解決は初期対応のスピードが重要です。
一人で悩まずにすぐに弁護士にご相談ください。
弁護士が豊富な知識と経験を持って、あなたの力になってくれることでしょう。
まとめ
今回は「児童ポルノ」の「時効」についての特集でした。
「時効」という言葉について知らないことがあったのではないでしょうか?
もし、ご自身やご家族・ご友人は児童ポルノ事件の当事者になってしまったら…
まずはご紹介したスマホで無料相談で弁護士に相談することをオススメします。
そして、全国弁護士検索を使えば近くで弁護士を見つけることができます。
他にも関連記事がありますのでぜひご覧ください。
児童ポルノの時効についてのQ&A
「公訴時効」と「告訴期間」って何?
刑事事件の時効と呼ばれるものは2種類あります。「公訴時効」と「告訴期間」です。公訴時効とは、検察官が公訴する権限を消滅させる時効のことです。公訴時効が成立すると、検察官は事件を起訴することができなくなります。告訴期間とは、親告罪の告訴をすることができる期間のことです。告訴期間は、被害者が犯人を知った日から6ヶ月です。親告罪の場合、この期間を渡過すれば告訴することができなくなります。 「公訴時効」と「告訴期間」
児童ポルノ事件の時効は何年?
児童ポルノ事件の公訴時効は、事件内容によって異なります。「自分のために所持、他人に製造・提供した場合は3年」「不特定多数に提供、又は公然と陳列した場合は5年」となっています。公訴時効は検察官が公訴する権限を消滅させる時効です。時効になると、検察官は公訴の提起ができなくなります。公訴が提起されないとなれば捜査されることもなく、事件はそこで終了となります。 児童ポルノ事件の公訴時効
「親告罪」と「非親告罪」って何?
親告罪は、公訴の提起に被害者その他法律の定めた者の告訴、告発又は請求のあることを必要条件とする犯罪です。非親告罪は、公訴の提起に被害者等からの告訴を必要としない犯罪です。児童ポルノ禁止法違反の罪は、「非親告罪」になります。 「親告罪」と「非親告罪」