会社員が逮捕されたら会社から懲戒解雇される?不起訴だと解雇されない?解雇回避の方法は?
会社員が刑事事件で逮捕されてしまったら懲戒解雇されてしまうのでしょうか。
もし、会社員であるご自身や家族が逮捕されてしまったら…
- 逮捕されたら会社から懲戒解雇されてしまう?
- 不起訴だと解雇されない?
- 解雇されないためにはどうしたらいい?
など、次から次へ疑問や不安が浮かびますよね。
会社から懲戒解雇されてしまうと今後の生活もどうなるか心配です。
今回は「逮捕されると会社から懲戒解雇されてしまうのか」というテーマでお送りします。
懲戒解雇を回避するための方法も検証していきますの最後までご覧ください!
専門的な部分の解説は弁護士の先生にお願いします。
逮捕されると会社から懲戒解雇される可能性はあるのか非常に気になると思います。
逮捕されると会社からどんな処分を受けるのか、回避する方法はあるのか、など解説していきます。
目次
【Q&A3選】逮捕された…会社から懲戒解雇される?
会社勤めのご自身や会社員の家族が刑事事件を起こして逮捕されたとき、真っ先に頭に浮かぶのは
「会社から懲戒解雇されてしまう?」
という心配ですよね。
逮捕されると会社から懲戒解雇されてしまうのでしょうか。
逮捕と懲戒解雇の関係についてみなさんの疑問にお答えしていきましょう。
Q1.逮捕されたら会社から懲戒解雇される?
刑事事件で逮捕されてしまうと懲戒解雇になるのでしょうか。
仕事を失ってしまうと今後の生活にも関わりますよね。
「逮捕」の時点では、まだ犯罪事実が確定したわけではありません。
冤罪や誤認逮捕の可能性もあります。
逮捕された時点で即懲戒解雇というのはなかなか酷ですよね。
刑事事件で逮捕されても必ずしも懲戒解雇になるとは限りません。
逮捕の時点で解雇するかどうかは企業の就業規則に基づきます。
就業規則の解雇事由が「有罪判決を受けた場合」となっていれば、逮捕の事実が直ちに懲戒解雇と結びつくことはありません。
解雇事由は各企業の就業規則に記載されています。
解雇事由を「有罪判決を受けた場合」と設定している会社も多く存在します。
一度、ご自身の会社の就業規則を確認してみてもよいかもしれません。
Q2.不起訴なら懲戒解雇されない?
不起訴処分がくだされると刑事裁判は開かれません。
つまり、前科がつくことなく事件が終了するということです。
不起訴処分を獲得することができれば会社から懲戒解雇されることはないのでしょうか。
不起訴だった場合も解雇するか否かは就業規則の解雇事由によります。
被害者側と示談が成立するなどして、不起訴処分になった場合、仕事復帰できるケースもあります。
しかし、本人が容疑を認めていれば、逮捕の時点で懲戒解雇される場合もあります。
懲戒解雇されないためには刑事処分をできるだけ軽く終了させることが大切です。
不起訴処分獲得を目指すことが懲戒解雇回避への第一歩とも言えますね。
Q3.「逮捕」は懲戒解雇事由に含まれる?
各会社の就業規則には懲戒解雇事由が記載されています。
「逮捕」されることは懲戒解雇事由に含まれているのでしょうか。
就業規則には、解雇事由として「禁錮刑以上の刑に処せられた場合」という要件が記載されている企業が多いです。
しかし、中小企業などでは、社長の厚意により、仕事を続けられる場合も多いです。
大手企業や公務員では、実質解雇されるケースの方が多いように感じます。
上場企業など対外的な信用が特に重視される会社では、有罪判決が確定しない段階でも、自主的に退職するよう勧奨されることがあります。
懲戒解雇事由に当てはまらず、仕事を続けることができても社内に逮捕の事実が知れ渡っていれば働きづらいですね。
有罪にならず、懲戒解雇にならなかった場合でも自主退職される方は多いようです。
会社に逮捕の事実が知られないようにするのは非常に重要ですね。
【Q&A】逮捕で懲戒解雇されたら…その後の人生は?|再就職・退職金・失業保険など
Q1.懲戒解雇されても転職・再就職することは可能?
逮捕で懲戒解雇されてしまった場合は次の就職先を探すことになると思います。
逮捕で懲戒解雇されると、再就職先を探す際にどのような影響があるのでしょうか。
懲戒解雇された場合は、履歴書に懲戒解雇されたことを記載しなければなりません。
懲戒解雇を隠したり、虚偽の記載をしてはいけません。
再就職先で、経歴詐称となるケースもあります。
よって、懲戒解雇された事実は転職・再就職する際に事実上不利となります。
弁護士に依頼すれば、弁護士が会社に対し、懲戒解雇ではなく自主退職扱いになるよう交渉する場合もあります。
自主退職扱いにすることにより、転職する際の不利益を回避することができます。
逮捕後の会社対応でお悩みの場合は一度弁護士に相談してみるとよいでしょう。
Q2.懲戒解雇でも退職金はもらえる?
会社を懲戒解雇されると、通常は退職金ももらえず、再就職も難しく、社会復帰は困難なイメージですが…
会社を懲戒解雇されると退職金を貰うことはできないのでしょうか。
通常、退職金を支給するか否かは、退職金規定などに明記されています。
多くの企業では、懲戒解雇する場合は退職金を没収する旨の規定を定めています。
各企業によって、規程が異なる場合があるのでまずは就業規則を確認しましょう。
実際に、逮捕の事実が会社に伝わると判決が出る前に自主退職を促されることがあります。
懲戒解雇と異なり、自主退職なら退職金が出ます。
逮捕が会社に伝わってしまうと解雇にならなくても立場が複雑になってしまう場合もあります。
そのため、裁判の判決を待たずに自主退職を選択するケースも少なくありません。
Q3.失業保険は適用される?
離職した際にもらえる失業保険をご存じでしょうか。
雇用保険では、失業中の生活を心配しないで新しい仕事を探し、1日も早く再就職できるよう、窓口での職業相談・職業紹介を受けるなどの求職活動を行っていただいた上で、失業等給付を支給しております。(略)
出典:ハローワークインターネットサービス https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_guide.html
離職した際に、申請すれば失業手当を受給することができます。
逮捕され、懲戒解雇になってしまった場合でも受け取ることができるのでしょうか。
懲戒解雇であっても失業保険は受け取ることができます。
注意点は、懲戒解雇の場合、「会社都合」ではなく、「自己都合」となることです。
自己都合の場合、3ヶ月間の受給制限があり、給付日数も短いです。
よって、失業保険の受給額も通常より少なくなります。
自己都合の場合は3ヶ月の待機期間があるのですね。
失業保険を受け取るためには、様々な手続きがあります。
失業保険の受け取り方は、以下のページをご覧ください。
Q4.履歴書に逮捕の事実は記載する?
次の職場を探す際に履歴書に逮捕の事実を記載するべきかについて悩まれると思います。
履歴書に逮捕の事実は記載するべきなのでしょうか。
履歴書には「賞罰欄」が設けられている場合があります。
刑事裁判で有罪判決の言い渡しを受けた場合は、賞罰欄に記載しなければなりません。
賞罰欄に記載するのは刑事罰についてです。
よって、逮捕歴や前歴を記載する必要はありません。
有罪判決を言い渡されたことがあるのに、賞罰欄に「なし」と記載すれば不実記載となってしまいます。
逮捕歴は記載する必要はないとのことでした。
逮捕で会社から懲戒解雇されないための5つの方法
ご自身や家族が刑事事件を起こして逮捕されてしまった…
「会社から懲戒解雇されてしまう?!」
会社員のご自身や、一家の大黒柱の家族が逮捕されてしまったらこれからの生活も心配です。
これからの生活を考えると会社から懲戒解雇されることだけは回避したいと考えるかもしれません。
何も対処をしないで時が過ぎるのを待っていても懲戒解雇への不安は拭えません。
こちらでは、懲戒解雇を回避するために逮捕後にできる対処法を5つ紹介したいと思います。
①まずは弁護士に相談!
まずは、弁護士に相談することが一番です。
弁護士であれば正しい対処法や会社対応なども行ってくれます。
しかし、弁護士にはそれぞれ、得意・不得意があります。
傷害なら傷害事件に強い弁護士、窃盗なら窃盗事件に強い弁護士にそれぞれ依頼しましょう。
②被害者側と示談交渉する
会社を解雇されたくないのであれば、まずは事件を穏便に解決する必要があります。
事実関係に争いがないのであれば、被害者と示談を締結することで、不起訴処分を得て、事件を穏便に解決できることもあります。
自分だけでも示談交渉をすることは可能です。
しかし、ご自身だけで示談交渉をするのはなかなか骨がおれます。
弁護士に依頼することで示談交渉がスムーズに進行します。
弁護士に示談交渉を依頼した際のメリットをみてみましょう。
1)被害者の連絡先が分からなくても大丈夫
示談交渉をしようと思っても被害者側の連絡先がわからなければ示談することができません。
そのような場合でも、弁護士に依頼すれば被害者側の連絡先を入手できるケースが多いです。
弁護士であれば、警察や検察などの捜査機関から連絡先を教えてもらえることがあります。
2)示談の成功率がアップする
刑事事件に注力している弁護士は、示談交渉を数多くこなしてきています。
経験豊富な弁護士に依頼することで示談の成功率アップが期待できます。
また、第三者で厳しい弁護士倫理に服している弁護士であれば被害者も示談に応じやすいです。
3)示談書の作成などが万全
ご自身だけで作成すると、抜けている項目があるなど誤った示談書を作成する危険性があります。
法律の専門家である弁護士であれば、法律的に間違いがない示談書を作成することが可能です。
示談書による余計なトラブルを起こさないためにも示談書の作成まで担当してもらうとよいでしょう。
4)刑事処分や刑事裁判への引継ぎがスムーズ
示談成立後、これを証拠として提出すると刑事裁判で有利に扱われます。
示談が成立しても、捜査機関や裁判所に伝えなければ裁判では示談が成立していないのと同様になります。
弁護士に示談交渉を依頼すれば、示談書の提出まで一任することが可能です。
示談書作成から提出まで任せることができれば安心ですね。
以上、示談を弁護士に依頼する4つのメリットを確認しました。
示談を円滑に進めるためにも弁護士に依頼するのは効果的だということがわかりましたね。
③マスコミ報道を回避する
会社に逮捕されたことが連絡されなくても報道されると会社にバレる可能性が高くなります。
そもそも、逮捕されなければ、新聞やテレビで実名報道される可能性は低いです。
先ほど述べたように、逮捕前に被害者との示談を成立させることで逮捕の可能性が低くなります。
万が一、マスコミに報道されそうになったとき、回避する方法はあるのでしょうか。
逮捕された事件の報道には「公益目的」が認められます。
そのため、弁護活動による実名報道の阻止が困難な場合もあるでしょう。
報道を阻止する弁護活動としては、捜査機関に対して実名報道を控えるべき旨の意見書を提出することになります。
意見書によって、捜査機関に実名報道の抑止を求めていくことになります。
また、
- 家族からの嘆願書
- 逮捕された人を取り巻く一連の環境
などを記載し、十分な証拠を添付して意見書を提出することで、一定の理解を得られるケースもあります。
しかし、マスコミ報道は必ずしも食い止められるわけではなさそうです。
④早期釈放を目指す
逮捕されてしまうと、最低でも2~3日は身動きがとれません。
勾留請求され、勾留がつくと、さらに身体拘束の期間は続きます。
勾留が付くと、逮捕日から計算して、起訴されるまで原則最大23日間も拘束されることになります。
その間、本人から会社に連絡をとることはできません。
多くの会社にとって、逮捕による従業員の長期欠勤は致命的といえます。
そのため、仕事復帰のためにも、早期に留置場から釈放されることは大きな意味を持ちます。
早期釈放されることは非常にたくさんのメリットがあります。
早期釈放のメリットを表にまとめましたのでご覧ください。
まとめ
早期釈放によるメリット
① 勾留阻止による釈放のメリット |
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逮捕後、勾留が認められなければ、被疑者は72時間以内に釈放されます。 勾留阻止によって釈放された場合は、在宅事件に切り替わります。 自宅から警察署に出頭して取り調べを受けることになれば、職場に出勤することが可能です。 |
② 保釈による釈放のメリット |
事件が起訴された後は、弁護士を通じて保釈を請求し、これが認められれば留置場から釈放されます。 保釈により釈放された後は、自由に職場へ通うことができます。 自宅から法律事務所に通って、弁護士と打ち合わせを重ね、刑事裁判に向けて綿密な打ち合せが可能です。 |
③ 不起訴による釈放のメリット |
逮捕・勾留されたとしても、検察官から不起訴処分が獲得できれば、留置場から釈放されます。 不起訴処分が獲得できると、刑事裁判が開かれないことになるので、前科が付くこともありません。 また、法律上、何らの制限を受けることもなく、日常生活を送ることが可能になります。 |
④ 略式手続きによる釈放のメリット |
検察官が事件を起訴すると決めた場合でも、正式な刑事裁判を開くことを求める公判請求ではなく、簡易な書類上の裁判を求める略式請求により事件が起訴される場合があります。 その場合は、罰金を支払うことを条件に、留置場から釈放されます(略式罰金)。 略式罰金の場合は、前科はついてしまいます。 しかし、法廷に出る必要はなく、罰金を支払うことによって、自宅に戻り、社会生活を送ることができます。 |
早期釈放されることで、職場を長期間休んでしまうことを回避できます。
長期間の欠勤を回避することで懲戒解雇されないケースもあります。
⑤不起訴処分を獲得する
事件の弁護に関しては、可能な限り不起訴処分を目指すことになります。
不起訴処分になれば、「前科」がつかないのでスムーズに職場復帰できる可能性が高まります。
不起訴になれば刑罰が科せられることはありません。
懲戒解雇を回避するためには刑事処分を少しでも軽くすることが重要です。
刑事処分が軽くなることによって、社長や上司の理解も得やすいです。
不起訴を獲得した後は、会社に不起訴を証明するために不起訴処分告知書という書類を取り寄せるとよいでしょう。
弁護士にしかできない弁護活動も多々あります。
ご自身だけで、不起訴処分を獲得するのはなかなか難しいです。
【弁護士相談窓口】逮捕されてしまった!懲戒解雇されたくない…
- 逮捕で懲戒解雇される可能性はあるのか
- 逮捕で懲戒解雇されないための方法
などをお送りしました。
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最後に一言アドバイス
今回は、「逮捕されると会社から懲戒解雇されてしまうのか」というテーマでお送りしました。
逮捕と懲戒解雇の関係や懲戒解雇を回避する方法が良くわかりましたね。
最後に一言アドバイスをお願いします。
ご自身やご家族が逮捕されてしまったらまずは弁護士への相談を検討しましょう。
逮捕後であっても、懲戒解雇回避のためにできる弁護活動がたくさんあります。
ご自身やご家族の将来のためにも弁護士から正しいアドバイスを受けましょう。