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判例から見る傷害事件|刑事と民事の裁判例を紹介!

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判例から見る傷害事件|刑事と民事の裁判例を紹介!

飲み会の席で口論になり、ついカッとなって相手を殴り、ケガをさせてしまった…

日常にも起こり得る場面ですよね。

しかし、人の身体を傷害することによって傷害罪が成立することもあります。

傷害罪は「つい殴ってしまった…」では済まない重い刑罰が科されます。

もし、ご自身やご家族が傷害事件を起こしてしまったら…

この先、どうなるかわからず非常に不安になると思います。

今回は判例を参照し、傷害事件でどのような判決を受ける可能性があるのかをみていきましょう。

法律的な部分の解説はアトム法律事務所の弁護士にお願いします。

傷害事件で有罪になれば、「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処されます。

決して軽い刑罰ではありません。

過去の判例を参照して傷害事件についてくわしく解説していきます。

よろしくお願いします。

判例からみる傷害事件|民事裁判の判例は?損害賠償や慰謝料はいくらになる?

相手を殴り、ケガをさせてしまったら…傷害罪に問われる可能性があります。

もし、ご自身やご家族が傷害事件で逮捕されてしまったら…

  • これから先どうなってしまう?
  • 示談せず、民事訴訟を起こされたら高額の損害賠償金を請求される?
  • 傷害事件の慰謝料の相場は?

など、沢山の疑問がでてきますよね。

今回は判例など、実際の事件をみつつ疑問を解消していきましょう!

なお先例としての重要性から、「判例」と「裁判例」で言葉を使い分ける場合もあります。

ですが、この記事では一般的な用語に従い、裁判の先例全てを「判例」と記載していきます。

傷害事件の示談と民事訴訟の関係は?判例はある?

傷害事件の示談とは、傷害事件によって生じた賠償金をめぐるトラブルを傷害罪の加害者と被害者の合意をもって解決することをいいます。

示談は加害者側と被害者側、双方に利点があります。

被害者側の利点

示談が成立すれば、傷害罪の被害者は、民事裁判などの面倒な手続きを経ることなく、賠償金を受け取ることができる。

加害者側の利点

示談が成立すれば、傷害罪の加害者は、その後の刑事手続きで有利になる場合がある。

具体的には、刑事裁判にならない可能性や、不起訴で前科がつかない可能性が高まる。

挙げられる利点は上記の点などです。

なお、示談成立後に加害者が支払わず逃亡してしまう場合があります。

そのため、被害者側は示談の成立と同時に賠償金を受け取ることが多いです。

仮に逃亡などされた場合、被害者側は示談書を証拠として、民事裁判で賠償金を請求することになります。

傷害罪で被害を被った場合でも、民事手続きで弁護士を立てるためには、自らで弁護士費用の大半は負担する必要があります。

逆に、傷害罪の被害者が示談に応じない場合、加害者は刑事手続きで重い刑罰を科される可能性があります。

示談が成立すれば不起訴になる傷害事件でも、不成立の場合は起訴される可能性が高まります。

また、示談が成立すれば執行猶予が望める事件でも、不成立の場合は実刑となってしまう可能性もあります。

傷害罪の被害者が示談に応じない場合、加害者はそれ以後も民事の損害賠償責任を負うことになります。

ここでは、傷害事件における民事裁判の判例を一つみておきましょう。

まずは、事実と理由を見ていきましょう。

第1 請求

被告は,原告に対し,483万2880円及びこれに対する平成26年3月20日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

第2 事案の概要

1 事案の要点

本件は,原告が,被告から顔面等を拳骨で多数回殴打するなどの暴行を受け,右眼窩底骨折,鼻骨骨折等の傷害を負わされたと主張し,被告に対し,不法行為に基づく損害賠償請求として,治療費,交通費宿泊費,休業補償金,傷害慰謝料及び後遺障害慰謝料の合計483万2880円及びこれに対する不法行為の日の翌日である平成26年3月20日から民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

483万とは非常に高額ですね。

では、結論部分の主文を見てみましょう。

主文

1 被告は,原告に対し,272万8130円及びこれに対する平成26年3月20日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。

2 原告のその余の請求を棄却する。

3 訴訟費用はこれを2分し,それぞれを各自の負担とする。

4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

こちらの民事裁判で加害者は、最終的に傷害慰謝料を含む諸々の支払金額を

「被告は,原告に対し,272万8130円及びこれに対する平成26年3月20日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。」

と命じられています。

かなりの高額になることがわかりますね。

示談を締結し、被害者から許しを得ることは、大きな利点がありますね。

傷害事件の示談については『傷害事件の示談金の相場|事件別に見る示談金の相場』で詳しく解説しているので、是非ご覧ください。

傷害事件の慰謝料・損害賠償金はいくら?判例はある?

傷害事件の慰謝料とは、傷害事件によって生じた精神的損害に対する賠償金のことをいいます。

傷害事件の慰謝料はいったいいくらくらいになるのでしょうか。

ケガの程度も関係してきそうですが…

傷害事件の慰謝料の金額は、傷害事件によって引き起こされた損害の程度によって異なってきます。

被害の程度が大きければ金額は高額になります。

傷害事件による被害の程度が小さければ、慰謝料の金額は数万円程度の場合もあります。

これに対して、後遺障害が残るような重い傷害を与えた場合は、慰謝料の金額が数千万円を超えるケースもあります。

被害の程度によっては数千万の支払いにもなるのですね…

数千万を支払うとなるとこれからの人生にも大きな影響がでてきます。

傷害事件では、通常、治療費と慰謝料が示談金の対象となります。

慰謝料なども示談金に含まれるということです。

示談金の計算方法は以下の通りです。

傷害事件の示談金(慰謝料)計算式
傷害事件の示談金=治療費+慰謝料+(休業損害+後遺症による逸失利益)

治療費、慰謝料に加え、ケースにより休業損害、後遺症による逸失利益が加算されます。

また、治療費は実費なので相手のケガの程度により変動します。

休業損害、後遺症による逸失利益は、交通事故での算定方式と違いはないと考えます。

しかし、傷害事件で加害者から暴力を振るわれた場合には、暴力に対する恐怖心や支配された屈辱など交通事故とは異なる精神的被害があります。

その点で、交通事故の場合とは異なる事情も加わるといえるでしょう。

まとめ

傷害事件の示談金内容

示談金の対象交通事故と比較
治療費実費
慰謝料交通事故よりも増額される可能性がある
休業損害交通事故の算定方式
遺失利益交通事故の算定方式

判例からみる傷害事件|刑事裁判の判例は?重要判例をチェック!

ここまで、民事に関する判例を見てきました。

ですが、傷害事件でお悩みの方は刑事事件の判例についても気になるところではないでしょうか。

そこで、刑事裁判の重要判例も簡単に見ていきましょう。

傷害罪の重要判例
①最高裁判所第三小法廷 平成22年(あ)第340号 平成24130日決定
睡眠薬等を摂取させ、約6時間又は約2時間にわたり意識障害及び筋弛緩作用を伴う急性薬物中毒の症状を生じさせた場合に、傷害罪が成立するとした。
②最高裁判所第二小法廷 平成16年(あ)第2145号 平成17329日決定
ラジオ及び複数の目覚まし時計を約1年半にわたり、隣家の被害者らに向けて連日朝から深夜まで大音量を鳴らし続け、に全治不詳の慢性頭痛症、睡眠障害、耳鳴り症の傷害を負わせた場合に、傷害罪が成立するとした。
富山地方裁判所 平成12年(わ)第121号 平成13419日判決
3年半にわたり、被害者の居住先やその実家に合計1万回以上の無言電話や被害者を中傷する嫌がらせ電話を続け、被害者に外傷後ストレス障害(PTSD)を負わせた場合に、傷害罪が成立するとした。

簡単にではありますが、傷害罪の重要判例についてお伝えしました。

他にも、実際に問題となっている傷害事件と同様の判例があるかもしれません。

これらを読むことで、一定の見通しがつくかもしれませんね。

刑事事件でも、判例をチェックすることが役に立つ。

もっとも、細かい事情が異なりますから、判例を鵜呑みにすることはできません。

具体的な事件については、弁護士に相談してみましょう。

判例と実際の事件を比較しながら、的確な弁護活動をしてくれるかもしれません。

【判例検索方法】傷害事件の判例を知りたい場合は?

傷害事件裁判の判例検索の方法とは?

いくつかの判例を参照しながら傷害事件について解説してきました。

もし、ご自身やご家族が傷害事件の当事者になってしまっていたら…

当該事件と似ている判例を見たいと考えますよね。

しかし、判例の検索の仕方がわからない…という方も多そうです。

ここではすぐ実践できる傷害事件の判例検索方法をご紹介したいと思います。

①裁判所のホームページを利用する(無料)

インターネットを利用出来る環境にある方は無料データベースを利用しましょう。

裁判所のホームページの「裁判例情報」をクリックすれば探している判例が検索できます。

さらに、他の媒体では判例が掲載されるまでのタイムラグがありますが、こちらでは最新の判例を閲覧することができます。

もっとも、こちらに全ての判例が載っているわけではありません。

有料のデータベースより掲載されている判例は少なくなっています。

しかし、基本的な判例は網羅しているので、こちらでまず検索してみるとよいかもしれませんね。

②有料のデータベースを利用する

次にご紹介するのは有料の契約データベースです。

具体的にご紹介すると、

  • 判例秘書(LIC)
  • Westlaw Japan
  • TKC

などが挙げられます。

契約し、料金を支払うと多くの判例を検索することができます。

検索機能が充実しているサイトも多く、判例の探しやすさも利点です。

こちらも全ての判例が掲載されているわけではありません。

しかし、各データベースが独自に調査した情報を収録している場合もあります。

③判例雑誌を利用する

インターネットをなかなか利用できる環境にない…

という方もいらっしゃるかもしれません。

そんな方は「判例雑誌」を参考にしてみましょう。

具体的に挙げると

  • 判例タイムズ
  • 判例時報

などです。

図書館などでも閲覧できる場合があります。

紙媒体で新しい判例を確認したい方はこちらを参考にしてみましょう。

④学習用資料を利用する

判例をより分かりやすく知りたい場合は、学習用資料を参照してみましょう。

こちらは判例が簡潔にかかれている場合もあり、初心者でも読みやすいです。

具体的には

  • 判例百選シリーズ
  • 判例セレクト
  • 重要判例解説

などが挙げられます。

⑤インターネットで検索する

最後はインターネットで検索する方法です。

上記に挙げている他にも判例を掲載しているサイトはあります。

インターネットができる環境にある場合はまずインターネットで検索してみましょう。

判例検索の方法をもう一度まとめておくので参考にしてください。

判例を検索する方法5選
  1. ① 裁判所のホームページを利用する。
  2. ② 有料のデータベースを利用する

判例秘書(LIC)、 Westlaw Japan、TKCなど

③ 判例雑誌を利用する

判例タイムズ、判例時報

④ 学習用資料を利用する

判例百選シリーズ、判例セレクト、重要判例解説

⑤ インターネットで検索する

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こちらの窓口があれば今すぐにでも相談できそうですよね。

対面相談は警察が関与している場合など、一定の場合には無料で相談できるようです。

刑事事件解決の鍵は対応のスピードです。

身近な方が傷害事件の当事者となったら、すぐに弁護士に相談してみましょう。

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弁護士ばかりです。

どちらも傷害事件で弁護士を探す際にとても重要な点です。

最後に一言アドバイス

今回は既存の判例を参考にしつつ、傷害事件について解説しました。

みなさんの参考になりましたか?

傷害事件は日常でも十分起こり得る犯罪です。

もし、傷害事件で逮捕されてしまったら、その後の迅速な対応が重要です。

被害者対応など、事件の当事者だけでは難しい面もあります。

お一人で抱え込まずにまずは弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士がみなさんの事件解決に尽力します。

まとめ

ついカッとなって、相手を殴りケガをさせてしまった…

傷害事件は日常の生活でも十分起こる可能性のある犯罪です。

もし、ご自身やご家族が傷害事件の当事者になってしまったら…

で弁護士に相談し、早期対応をすることをオススメします。

他にも過去の判例や以下の関連記事などを参照して、傷害事件への理解を深めましょう。