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【速報】大阪府警が売春クラブを摘発「24人逮捕」のウラ側ー出会い系サイトの闇

  • 売春,逮捕

【速報】大阪府警が売春クラブを摘発「24人逮捕」のウラ側ー出会い系サイトの闇

大阪府警が売春防止法違反の疑いで大規模な逮捕・摘発に乗り出しました。

このニュースを目にされた方も多いと思います。

出会い系サイトを利用して援助交際を装い派遣型の売春クラブを運営したとして、大阪府警保安課などは6日、売春防止法違反(周旋)の疑いで、売春クラブ責任者(略)男計24人を逮捕した。

今回は、緊急速報ということで、大阪売春クラブの逮捕事件について解説していきます。

解説は、刑事事件の専門家であるアトム法律事務所の弁護士にお願いしています。

News解説|大阪キタ・ミナミで売春クラブを摘発、逮捕までの流れは?

まずは、事件の概要から見ていくことにしましょう。

  • なぜ大阪府警が逮捕・摘発に動いたのか?
  • 売春クラブが逮捕された理由とは?
  • 売春あっせんの裏側には援助交際がある?

順にこれらをひも解いてきます。

【売春クラブの実態①】大阪府警24人逮捕の全貌

「売春婦」になりすまして出会い系サイトに書き込みをし、援助交際を装って売春をあっせんしていた大規模売春クラブが一斉摘発された。

売春クラブの逮捕・摘発が行われたのは大阪です。

この売春クラブの拠点となっていた「京橋」「道頓堀」「天満」が舞台となりました。

いわゆる、「キタ」「ミナミ」です。

逮捕されたのは売春クラブの責任者たちで、大阪に拠点を5つ構えて活動していたとのことです。

大阪府警が逮捕・摘発に乗り出した

今回の売春クラブ事件では、大阪府警が逮捕に乗り出しています。

なぜ本部が動いたのでしょうか。

売春クラブの逮捕者は、ニュース報道では24人にのぼると報じられています。

このような大規模な摘発・逮捕ケースでは警察本部が動く傾向にあります。

具体的には、次のような要素が事件に含まれていると、本部が管轄することが多いです。

  1. SNS解析が必要になること(出会い系サイトの利用)
  2. 共犯者・関係者が多数人にのぼること
  3. 犯人グループの拠点が複数におよぶこと

今回の事件にあてはめると、すべてにあてはまっているといえるのではないでしょうか。

大阪売春クラブ事件 vs 通常の刑事事件
  売春クラブ 通常の事件
逮捕警察 大阪府警本部 所轄の警察署
逮捕者 24人(多数) 1人~数人

※おおよその傾向です。

【売春クラブの実態②】出会い系サイトが売春事件に使われた

インターネットの出会い系サイトで売春をあっせんしたとして、大阪府警は6日(略)男計24人(22~38歳)を売春防止法違反(周旋)の疑いで逮捕した。府警は、派遣型の大規模な売春組織とみて実態解明を急ぐ。(略)府警によると、男らが女性になりすまし、「ゆるい体のお付き合いができたらいいな」「ホテル代別で2万円でお願いします」などと掲示板に書き込み。男性客からの連絡を受け、駅前などの待ち合わせ場所に女性らを派遣していたという。20~30代の多数の女性が組織に登録していたとみられる。(略)

この売春クラブの事件の鍵の一つが、出会い系サイトです。

昨今、スマホのアプリで簡単に見知らぬ人同士が出会うことができます。

調べてみると、こんな分類をしているサイトがありました。

出会い系サイトの分類例
  分類 内容
ビジネス系 転職活動に使われる
趣味系 趣味やサークルで使われる
恋活系 恋人探しで使われる
遊び系 遊び相手を探すのに使われる
婚活系 結婚相手を探すのに使われる

サイト「マッチングアプリ大学」(https://jsbs2012.jp/matchingapp/review/mami0016.html)より

この分類でみると、「恋活系」「遊び系」「婚活系」の出会い系アプリがもっとも注意を要します。

この種のアプリ・サイトは、異性との出会いを求めることが主な目的となっています。

これがきっかけで刑事事件に発展した事例としては、

  • わいせつ事件(強制性交等罪)
  • 児童ポルノ製造事件
  • 児童買春事件
  • 詐欺事件
  • 脅迫事件

など、実にさまざまです。

今回の売春クラブの事件でも、この出会い系サイトが使われました。

売春あっせんが行われていたのが今回の事件です。

売春クラブの活動内容をまとめておきましょう。

売春あっせん
  1. 男性被疑者らが出会い系サイトで男性客とコンタクトをとる
  2. 売春・買春の目的を互いに共有、確認
  3. 会う段階で被疑者らは女性を派遣し売春させていた

【売春クラブの実態③】売春あっせんとは?援助交際は逮捕される?

https://twitter.com/shige_dqmsl_918/status/986607380476538880
https://twitter.com/G10E25/status/1059953097026473985

売春行為そのものが逮捕されないかどうか。

これはみなさん気になっている点だと思います。

今回大阪で摘発された事件は売春防止法違反です。

逮捕された被疑者らの容疑は「売春をさせた」というものです。

これを売春の周旋といいます。

売春をしたり、その相手方となることは禁止されていますが、それらは処罰の対象とはなりません。

売春行為の禁止は法律に明記されています。

しかし、そこには罰則規定がありません。

何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。

売春、買春、援助交際、これらが逮捕される可能性がある犯罪なのかどうか、表にまとめておきましょう。

なお、援助交際は買春として考えます。

売春・買春(援助交際)の逮捕の可能性
  売春した人 買春した人
逮捕の可能性 なし* あり**
関係法令 売春防止法 児童買春法

*ただし、売春の「勧誘」「周旋」などは逮捕の可能性があります。
**18歳未満の児童を買春した場合に逮捕の可能性が出てきます。

児童買春に関しては、次のリンクに詳しい解説があります。

参考にしてみてください。

売春クラブ事件の「逮捕」劇ー弁護士が解説する売春防止法での逮捕とはー

弁護士解説①売春クラブが売春防止法違反で逮捕されたワケ

大阪府警に摘発・逮捕された売春クラブ関係者の容疑は、ニュース記事によれば

売春防止法違反

とされています。

売春防止法違反とは?

売春防止法違反とは、どのような犯罪なのでしょうか。

それは、この法律の条文を読み解くことで、みえてきます。

売春防止法 第1条
この法律は、売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものであることにかんがみ、売春を助長する行為等を処罰するとともに、性行又は環境に照して売春を行うおそれのある女子に対する補導処分及び保護更生の措置を講ずることによつて、売春の防止を図ることを目的とする。

法の目的は、売春の防止にあります。

売春を防止することで、これらを守ることがその目的です。

法が守っているもの
  • 人の尊厳
  • 性道徳
  • 社会の善良の風俗

売春防止法違反で検挙される事件は、まさに「人の尊厳」や「性道徳」に関係しています。

大阪売春クラブ事件でも、売春をさせる目的で男性客に女性をひきあわせる周旋・あっせん行為逮捕容疑となっています。

まさに性秩序を乱す行為ということができます。

売春クラブ事件で適用された条文はこちらです。

適用条文

売春防止法(抜粋)

第六条 売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

弁護士解説②売春クラブは逮捕から裁判まで発展する?

こんなツイートを見つけました。

実は、ここにけっこう大事なポイントが隠れています。

大規模摘発により、24人が逮捕されました。

大切なことが2点あります。

  1. 「逮捕」=「有罪確定」ではない
  2. 「犯人確定」=「有罪確定」ではない

刑事事件で逮捕されたその後の流れは次のイラストをご覧ください。

刑事事件の流れ(逮捕・勾留された場合)

犯人が確定し、しかもその犯人が「有罪」となるためには、刑事裁判を受ける必要があります。

しかも、裁判で「有罪判決」をうけ、それが確定してはじめて「有罪」となるのです。

逮捕されたからといって、ただちに有罪とはなりません。

有罪となるには刑事裁判で言い渡される判決が確定する必要があります。

しかし裏を返せば、

逮捕されると刑事裁判にまで発展する可能性がある

ということができます。

逮捕から刑事裁判になるまでには決まった手続きを経ることが必要です。

詳細については、次章で解説していきます。

弁護士解説③売春クラブの顧客リストからさらに逮捕者が増える?

大規模摘発があったとき、注目すべきは顧客リストの押収です。

ニュースの報道では明言されていませんが、多くの場合、この種のケースでは顧客名簿(顧客リスト)が押収されます。

疑問(1)なぜ警察は顧客リストを押収する?

顧客リストは事件の全体像を知る上で重要な証拠となります。

顧客リストの意味
  • 事件の規模・詳細を示す証拠となる
  • 本件の他に別の事件の可能性を示すヒントになる
  • 必要に応じて顧客からの事情聴取も考えられる

参考に、こちらのページもご覧ください。

児童買春・児童ポルノ事件で顧客リストが押収される場合を解説しています。

疑問(2)顧客リスト押収の先にあるものは?

売春事件の顧客リストが押収されていた場合、次のことが考えられます。

売春クラブ側と顧客側にわけてみておきましょう。

考えられるリスク(売春クラブ側)
  売春クラブ側
リスク① 逮捕者が増える可能性
リスク② 別罪が発覚する可能性
リスク③ 捜査が長期化する可能性
考えられるリスク(顧客側)
  顧客側
リスク① 警察から事情聴取を受ける可能性
リスク② 警察に任意同行を求められる可能性
リスク③ 児童買春の場合、逮捕される可能性

あくまで一例ですが、双方このようなリスクが想定されます。

いずれにせよ、顧客リストの押収は事件解明に必須の証拠といえるでしょう。

大阪の売春クラブ逮捕にみる逮捕とその後の流れ、「刑罰」も解説

売春防止法で逮捕されると、その後の流れはどうなる?

これまでの調べによりますと、逮捕された24人は3つのグループに分かれ、大阪市内の京橋や道頓堀などのマンションに拠点を置いて活動していたということです。

警察は、ほかにもこれらの売春クラブを実質的に経営していた人物がいるとみてグループの実態解明を進めることにしています。(略)

大阪府警はこの大規模摘発で、他にも売春クラブの実質的経営者がいると見込んで捜査を続けています。

ではここで、売春防止法違反で逮捕されると、どのような流れをたどるのか見ていきましょう。

逮捕の流れ

逮捕されると、このような流れで手続は進められていきます。

日本の刑事手続きでは、逮捕後の手続が厳しく決められています。

特に時間制限が厳格です。

逮捕後、すぐに裁判を受けるわけではありません。

逮捕のあとには勾留という身体拘束の段階があります。

その後、起訴されることになります。

弁護士がついている場合、早期釈放に向けた活動をおこないます。

次のイラストにあるように、各段階でその事件に応じた弁護活動をしていきます。

逮捕・釈放の流れ

逮捕されても、釈放の可能性はあります。

弁護士が捜査機関などにはたらきかけて釈放が認められることがあります。

刑罰まとめ①|売春防止法違反の刑罰とは?懲役?

この事件の容疑は「売春防止法違反」です。

その中でも、売春あっせん(売春周旋)の疑いで大阪府警に逮捕されています。

どんな刑罰が予定されているのか、まとめておきます。

まとめ

売春防止法違反

  ①第3 ②第6
違反内容 ・売春行為
・売春の相手方となる行為
売春の周旋
刑罰 なし 2年以下の懲役又は5万円以下の罰金

売春の周旋(あっせん)した場合は、「2年以下の懲役又は5万円以下の罰金」とあります。

これは、つまりこういうことです。

懲役1ヵ月~2年

または

罰金1万円~5万円

が処罰として予定されているということです。

売春防止法違反で処罰された具体的な事例をみてみましょう。

調べたところ、このような事件がみつかりました。

事例①
事件の概要
共犯者らと派遣型売春クラブにおいて、客から依頼を受け、売春目的で女性を派遣した。
(被告人に前科なし)
結果
懲役16月、執行猶予3

第一東京弁護士会『量刑調査報告集Ⅳ』(平成27年3月発行)による

事例②
事件の概要
共犯者らと派遣型売春クラブにおいて、客から依頼を受け、売春目的で女性を派遣した。(4件)
(同種前科1犯)
結果
懲役18月(実刑)

第一東京弁護士会『量刑調査報告集Ⅳ』(平成27年3月発行)による

刑罰まとめ②|援助交際・児童買春の刑罰は?罰金では済まない?

ネットニュースによると、今回の事件は「顧客に女性を派遣し売春させた」という容疑でした。

もし、この女性が18歳未満であれば、顧客のほうも処罰の対象になりえます。

まだ事件の真相が明らかにはなっていませんが、今後、捜査の進展によってはこの点も検討しなければいけません。

捜査の進展によっては、顧客に対する児童買春禁止法違反の疑いが浮上する

売春行為は、表現を変えると援助交際です。

性的関係をもつ対価として金銭の授受がおこなわれます。

18歳未満の女性に金銭を渡し買春行為をした男性がよくニュース報道されています。

児童買春は5年以下の懲役又は300万円以下の罰金が法定刑です。

児童買春とは?

児童買春の定義、何が違法な行為になるのかを整理しておきます。

児童買春を理解するうえで、大切な点は次のとおりです。

  • 対償を供与し、又はその供与の約束をしていること
  • 児童に対して、性交等をおこなうこと

簡単にいうと、「お金をあげるかわりに、性交をする」よう児童にせまることです。

児童買春の援助交際は社会問題としてニュースに取り上げられることもあります。

児童買春に関する情報は、こちらの記事でも確認することができます。

大阪の売春事件|摘発・逮捕で不安な方はこちらへ

大阪府警により行われた売春クラブの大規模摘発は、24人もの男性が逮捕されました。

この事件はまだ関係者がすべて明らかになっているわけではありません。

刑事事件は、自分が故意でしたことでも、認識していなかったことでも警察の捜査を受けることがあります。

突然「少し話を聞かせてもらえますか」と迫られると動揺することと思います。

少しでも不安をお持ちの方は、お早めに弁護士に相談をしておかれるとよいでしょう。

いざというとき、冷静に正しい対応することで、逮捕を回避することができる場合もあります。

刑事事件にくわしい弁護士をお探しの方は、こちらを利用してみてください。

24時間365日いつでも無料相談の予約を受け付けているそうです。

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24時間365日いつでも全国対応

※無料相談の対象は警察が介入した刑事事件加害者側のみです。警察未介入のご相談は有料となります。

最後に…

では、最後に刑事事件の現場をよくしるアトム法律事務所の弁護士からこの事件の総括をしてもらいましょう。

大阪売春クラブの捜査は大阪府警により現在進行中です。

ご自身が事件関係者で、少しでもご不安があるときは、まず弁護士に相談をされておかれることをおすすめします。

顧客として利用したことがある方でも、法律相談は安心の材料になります。

逮捕されたとしても、早期釈放を目指せるように、前もって準備をしておくことはとても大切です。

まとめ

この事件は終結までに時間がかかると思われます。

もし、この記事をご覧になって心配事があるという方は、まず弁護士までご連絡ください。

また、関連記事も使える情報が満載です。

是非ご覧ください。