逮捕されたら刑務所に入るの?|逮捕後から刑務所に入所までの流れを解説!
逮捕されても、必ず刑務所に入ったり、前科がつくわけではありません。逮捕後は、警察署の留置場に入れられて取調べを受け、検察庁に送検されて勾留が検討されます。勾留は10日間、最長10日延長され、この間に起訴か不起訴か決められます。起訴されると約99.9%が有罪になる為、前科を避けるのは難しくなります。
逮捕されると、最初の72時間は家族も会うことができません。この間に会えるのは弁護士だけです。この間、できるだけ早く弁護士接見を依頼し取調べ対応のアドバイスを受けたり、弁護士に依頼して示談してもらうことで、早期釈放に繋がる可能性が高まります。勾留を防いで早期釈放されれば、会社にばれずに済むこともあります。
逮捕されても前科や刑務所行きを防ぐには、早く弁護活動を依頼することが有効です。具体的には、被害者がいる類型では早急に示談したり、反省や再犯防止の取組を検察官に伝え、不起訴処分を目指すことが重要です。起訴されても諦めず、弁護活動で罰金や執行猶予付判決が得れば、刑務所行きを避けられます。
目次
刑事事件で逮捕されてしまうとすぐに刑務所へ入れられてしまうのでしょうか。
ネットではこんなつぶやきもありました。
世間では「逮捕されるとすぐに刑務所に入る」と思っている方も一定数いそうですね。
逮捕から刑務所に入るまでの流れを徹底解説していきます!
法律の詳しい部分はアトム法律事務所の弁護士に解説していただきます。
ご自身やご家族が刑事事件を起こしてしまった方は「逮捕されると刑務所に必ず入るのか」という点は気になると思います。
逮捕と刑務所の関係についてくわしく解説していきます。
よろしくお願いします。
では、さっそく逮捕から刑務所に収監されるまでの流れを詳しくみていきたいと思います!
逮捕されたら刑務所行き?!|刑務所入所までの流れ
①警察に逮捕されてから勾留までの流れ
まず、逮捕から勾留までの流れです。
犯罪を犯し、加害者を警察が逮捕すると、その後に警察署で取り調べが行われます。
ちなみに、逮捕には種類があり、「現行犯逮捕」と「後日逮捕」があります。
逮捕の種類
現行犯逮捕:目撃者や被害者側の関係者、現場に駆けつけた警察官によって行われることが多い。
現行犯逮捕できるのは、基本的にその時その場限り。
後日逮捕(通常逮捕):後日逮捕は警察官などの捜査機関によって行われる。
「現行犯逮捕」は警察以外の私人でも可能です。
私人逮捕の場合はその後警察に引き渡されます。
後日逮捕は、裁判官が発行する逮捕状にもとづいて行われる必要がある。
「現行犯逮捕」と「後日逮捕」の違いを表にもまとめましたのでご覧ください。
まとめ
現行犯逮捕と後日逮捕の検証
現行犯逮捕 | 後日逮捕 | |
---|---|---|
逮捕出来る人 | 誰でも | 警察官などの捜査機関 |
逮捕のタイミング | 犯行中、犯行直後 | 事件発生の後日 |
逮捕状の有無 | 逮捕状なし | 逮捕状あり |
現行犯、もしくは後日、警察に逮捕された後、警察は48時間以内に
- 検察官に事件を引き継ぐか、
- 被疑者を釈放するかを
決めなければなりません。
その日の夜は「留置場」で一泊し、翌日か翌々日に検察官へ「送致」されることになります。
送致のあとに釈放されることもあれば、そのまま勾留が続くこともあります。
検察官による逮捕の場合も、その後に取調べを行います。
そしてそこから24時間以内に「裁判官に勾留を請求する」か、「起訴」するか、又は「釈放」するかが決められます。
検察官が「勾留請求」をした場合には、裁判所に行って裁判官と面談をしなければなりません。
裁判所では、裁判官から逮捕の理由となった容疑について簡単な質問を受けます。
これを勾留質問と呼びます。
勾留質問において、裁判官が「この人は、証拠を隠したり、逃亡したりするおそれがない。」と判断すれば、10日間の勾留が決定されません。
そのため、留置場に一旦帰ってそのまま釈放されることになります。
逮捕後、長くても72時間以内には検察官による「勾留請求」「起訴」「不起訴」「釈放」のいずれかが行われます。
事件が複雑だったり、関係者の事情聴取がまだ終わっていないなど、やむを得ない理由で捜査を終わらないことがあるかもしれません。
その場合は、10日間の勾留のあと、さらに最大10日間勾留の延長が行われることがあります。
留置場に収容されるまでの流れを図で確認しておきましょう。
②勾留から起訴までの流れ
では続いて勾留後から裁判までの流れをみていきましょう。
最初の勾留期間は10日間です。
しかしその後、勾留を継続したまま捜査を続ける必要性がある場合は、最大10日間延長され、最長で合計20日間勾留されることがあります。
勾留が決定された場合は、身柄事件として捜査が続行し、勾留が決定されなかった場合は、在宅事件として捜査が続行されます。
捜査が終了した時点で、検察官は事件を起訴するか・しないかを決定します。
検察官の最終的な処分の内容は、起訴、不起訴、もしくは処分を保留にして釈放することを選択します。
事件が起訴された後は、被疑者勾留は、そのまま被告人勾留へと切り替わります。
起訴後は通常、被告人は留置場から拘置所に移動することになります。
起訴の流れについて詳しい図がありますのでご覧ください。
③起訴から裁判までの流れ
事件が起訴されると、その後、刑事裁判を受けることになります。
基本的には、保釈が認められない限り、判決が出て裁判が終了するまで勾留が継続することになります。
事件が起訴された後は、起訴の日から約40日後に刑事裁判の第一回公判が行われます。
容疑を認めている場合は、第一回公判の約10日後の第二回公判で有罪判決がくだされ、刑事裁判が終了することも多いです。
起訴から裁判終了までのわかりやすい図がありますので、参照してください。
③裁判から刑務所に入所するまでの流れ
逮捕、勾留、起訴、と順番に見てきました。
起訴されると、裁判を受けることになります。
ここからは裁判から刑務所に収容されるまでの流れをみてみましょう。
第一審の刑事裁判を簡潔にいうと、
① 冒頭手続
↓
② 証拠調べ手続
↓
③ 論告・求刑/弁論
↓
④ 判決
という流れで行われます。
判決では裁判長から、無罪や有罪(懲役〇年執行猶予〇年など)という結論と、その理由について詳しく説明されます。
また、一審の地方裁判所の判決に対して納得できない場合には、高等裁判所に控訴することができます。
④刑務所に入所時の流れ
最後に、刑が確定したあとの入所後の流れもみていきたいと思います。
「拘置所」で刑が確定されると、通常は刑務所に移送されます。
刑の確定後、
- 刑期の長さ
- 犯罪傾向の度合い
- 治療の必要性
- 性別
- 国籍等
などの調査が行われ、その結果が考慮されて服役先の刑務所が決められます。
ここまで、段階別に逮捕~刑務所までの流れを解説しました。
こちらに簡単に全貌をまとめた図がありますのでもう一度おさらいしておきましょう。
今見てきた流れをもっとくわしく知りたい!という方はこちらの記事もお読みください。
詐欺罪、酒気帯び運転、DV、万引きなど様々な罪名の逮捕の流れを確認できます。
〇〇で逮捕!刑務所に入る可能性は…
刑事事件を起こし、一度の犯行で懲役実刑になり、刑務所に収容されることもあれば、2、3回犯行を繰り返して実刑というケースもあります。
また、全ての犯罪が懲役実刑になるわけではありません。
まず、懲役実刑に処されるような犯罪は刑事裁判になることが必須です。
刑事裁判において有罪判決がでた際に懲役実刑に処されます。
刑事事件は様々な種類がありますが、重大な犯罪であればあるほど懲役実刑の可能性は高くなります。
今回はその中でも横領罪で逮捕されると刑務所に収容されるのかどうかをみていきましょう。
横領罪で逮捕!刑務所に入る可能性は?
「横領罪で逮捕されてしまった…」
横領罪で逮捕された場合、刑務所に収容される可能性はあるのでしょうか。
最近でもこんなニュースがありました。
勤務していた商社が保管していた収入印紙を売り、代金を横領したとして、仙台中央署は8日、業務上横領の疑いで、(略)容疑者(49)を逮捕した。
同署によると「間違いない」と容疑を認めている。
(略)容疑者はすでに解雇されているが、同社では約3億円の使途不明金があり、同署で関連を調べている。(略)
同署などによると、同社では平成19年ごろから使途不明金が約3億円あり、そのうち少なくとも約1億7千万円分について、(略)容疑者が横領したとみている。
出典:産経ニュース 2017.11.9 12:03
「業務上横領」など、ニュースでもよく耳にする言葉ですよね。
横領罪の事件の流れはどんなものなのでしょうか。
横領事件の逮捕は、後日逮捕(通常逮捕)が基本です。
横領事件は証拠関係が非常に複雑で、現行犯逮捕することが困難だからです。
横領事件の証拠としては
- 被害者の供述
- 同僚や上司、部下など関係者の供述
なども重要になってきます。
警察に被害届が受理された後、強制捜査の必要性があると判断された場合、家宅捜索のみならず逮捕までされる可能性が高まります。
「業務上横領」で有罪の場合は、10年以下の懲役刑が下されます。
刑罰の内容は懲役刑のみなのですね…
もし、事件が起訴され、懲役実刑になれば刑務所に収容される可能性があります。
横領罪については刑法の38章に記載されています。
条文で確認しておきましょう。
(横領)
第二百五十二条 自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。
2 自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も、前項と同様とする。
(業務上横領)
第二百五十三条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。
(遺失物等横領)
第二百五十四条 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
出典:刑法 第三十八章 横領の罪
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最後にひとこと
ここまで「逮捕されたら刑務所に入るの?」というテーマでお送りしました。
最後に、アトム法律事務所の弁護士からひとことお願いします。
逮捕から刑務所に収容される流れを理解できたと思います。
懲役実刑の判決を受け、刑務所に収容されると今まで通りの生活はできなくなります。
もし、実際に刑事事件の当事者になってしまったら…
弁護士に相談し、サポートを受けることで、刑務所に入らずに済むケースもあります。
刑事事件は時間の経過と共に進展するので、弁護士相談のタイミングは早めがベストです。
まずは、お近くの弁護士事務所までご相談ください。
まとめ
逮捕から刑務所収容までの流れがよくわかりましたね!
もし、実際にご自身やご家族が刑事事件の当事者になってしまったら…
を利用して迅速に対応しましょう。
早期の対処が事件解決につながります。
他にも関連記事がありますので参考にご覧ください。
逮捕後から刑務所に入所までのQ&A
逮捕されてから勾留までの流れは?
犯罪を犯し、加害者を警察が逮捕すると、その後に警察署で取り調べが行われます。その日の夜は「留置場」で一泊し、翌日か翌々日に検察庁へ「送致」されることになります。送致のあとに釈放されることもあれば、そのまま勾留が続くこともあります。関係者の事情聴取がまだ終わっていないなど、やむを得ない理由で捜査が終わらない場合には、10日間の勾留のあと、さらに最大10日間の勾留の延長が行われることがあります。 警察に逮捕されたらどうなる
勾留期間は何日?
最初の勾留期間は10日間です。しかしその後、勾留を継続したまま捜査を続ける必要性がある場合は、最大10日間延長され、最長で合計20日間勾留されることがあります。勾留が決定された場合は、身柄事件として捜査が続行し、勾留が決定されなかった場合は、在宅事件として捜査が続行されます。捜査が終了した時点で、検察官は事件を起訴するか・しないかを決定します。 勾留から起訴までの流れ
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「拘置所」で刑が確定されると、通常は刑務所に移送されます。服役先の刑務所は、刑期の長さ、犯罪傾向の度合い、治療の必要性、性別、国籍等の調査が行われ、その結果が考慮された上で決まります。 刑務所に入所時の流れ
横領罪はどのように逮捕される?
横領事件の逮捕は、後日逮捕(通常逮捕)が基本です。横領事件は証拠関係が非常に複雑で、現行犯逮捕することが困難だからです。横領事件の証拠としては、被害者の供述、同僚や上司、部下など関係者の供述なども重要になってきます。なお、「業務上横領」で有罪の場合は、10年以下の懲役刑が下されます。 横領罪で逮捕!刑務所行き?