刑事事件で起訴されたらどうなる?起訴、不起訴の意味を解説!起訴後の流れとは?

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刑事事件で起訴されたらどうなる?起訴、不起訴の意味を解説!起訴後の流れとは?

刑事事件起訴不起訴ってどういう意味?」

「刑事事件で起訴されるとどうなるの?その後の流れは?」

このような疑問、お悩みをお持ちの方はいませんか?

刑事手続きにおいては、検察官による起訴、不起訴の判断がいわば一つの山場となります。

今回は、

刑事事件における起訴、不起訴の意味

刑事事件における起訴後の流れ

刑事事件の起訴に至るまでの期間、また起訴後の期間

について解説していきます。

なお専門的な解説は刑事事件を数多く取り扱い、刑事手続きについても詳しい岡野弁護士にお願いしています。

弁護士の岡野です。

よろしくお願いします。

日本においては、「逮捕される=有罪となる」といった誤解が巷に蔓延しています。

この記事で、刑事手続きにおける起訴、不起訴の意味を確認して、刑事手続きの正しい知識を身につけてください。

刑事事件における起訴、不起訴の意味とは?

刑事事件における起訴、不起訴の意味とは?

まずは、刑事事件における起訴と不起訴の意味について確認していきましょう。

巷では、逮捕されることと有罪となることが強く結びついてしまい、起訴の意味について理解の妨げになっているケースもあるようです。

ですが、日本の刑事手続きにおいては、逮捕されることは有罪を意味しません。

逮捕ではなく起訴されると、(ほとんどの確率で)有罪となります。

詳しく見ていきましょう。

起訴の意味|起訴されたら前科がつく?

「犯罪の被疑者を裁判にかけたいと思います。裁判を開いてください」

という訴えのことを「公訴」と言います。

公訴を行うことを、専門用語では「公訴の提起」などと言います。

この「公訴の提起」について、一般には「起訴」と呼ばれています。

日本においては、犯罪の被疑者について一から十まで全員裁判にかけるわけではありません。

検察官の判断で、

裁判にかける者

裁判にかけず刑事罰を負わせない者

を仕分けします。

こういった仕組みについて、「起訴便宜主義」と呼ばれたりもします。

「犯罪の容疑がかかったならとりあえず全員裁判にかけるべき!」

といった感想をお持ちになった方もいらっしゃるかもしれません。

実際ドイツでは、犯罪の被疑者は一部の例外を除いて全員起訴されて、裁判にかけられる仕組みになっているそうです。

ただ、起訴便宜主義にも以下のようなメリットがあります。

起訴便宜主義のメリット

刑事手続きが早く済むので、被疑者の社会復帰が容易となる

裁判所や裁判官の数には限りがある。裁判を開く回数が減るので、こういった人的、物的資源への負担が減る

日本においてはこういったメリットが重視されて、検察官によって起訴するかどうか判断を行うという仕組みになっているのです。

不起訴の意味|嫌疑なし、嫌疑不十分、起訴猶予

検察官が公訴の提起をすることを「起訴」と言います。

反対に、検察官が公訴の提起をしないことを「不起訴」と言います。

不起訴について

不起訴となればそこで刑事手続きは終了し、裁判にかけられることもない

裁判にかけられることもない、ということは有罪判決をうけることもない

有罪判決をうけることもない、ということは刑事罰が科せられることもない

前科もつかない

つまり不起訴は、「お咎めなし」ということです。

この不起訴処分とする基準は、刑事訴訟法や法務省の事件事務規定によって細かく定められています。

今回は、不起訴理由としてより一般的な、「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「起訴猶予」について解説します。

嫌疑なし

事件を調べた結果、被疑者が犯人でないことが明白となったり、証拠の無いことが明白となったりしたときは「嫌疑なし」として不起訴になります。

法務省の事件事務規定では以下のように定められています。

嫌疑なし 被疑事実につき,被疑者がその行為者でないことが明白なとき,又は犯罪の成否を認定すべき証拠のないことが明白なとき。

犯人ではない、証拠がないということは要するに冤罪というわけですから、不起訴になるのも当然です。

嫌疑不十分

事件を調べた結果、被疑者を犯人とする証拠が不十分であるときは「嫌疑不十分」として不起訴になります。

事件事務規定を参照してみましょう。

嫌疑不十分 被疑事実につき,犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分なとき。

「嫌疑なし」との違いですが、

「嫌疑なし」はあくまで証拠がないということ

「嫌疑不十分」は被疑者が犯人であるという証拠が不十分であること

を指します。

日本の刑事手続きでは、推定無罪の原則が適用されています。

社会的常識に照らし合わせて、被疑者が犯人であるということに「合理的な疑い」が残る場合には、罪に問うことはできません。

この推定無罪の原則は、「疑わしきは罰せず」とも表現されます。

嫌疑不十分は、被疑者を犯人とする証拠について、合理的な疑いが残ってしまうような状況で適用されます。

起訴猶予

被疑者について、事件の犯人であると十分疑われるけれども「今回は勘弁してやろう」と検察官が判断したときには、「起訴猶予」として不起訴になります。

こちらも事件事務規定を参照してみましょう。

起訴猶予 被疑事実が明白な場合において,被疑者の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないとき。

ご覧の通り

犯人の性格年齢境遇

犯罪の軽重情状

犯罪後の情況

などが勘案されることになっています。

一般に、痴漢や窃盗、盗撮や暴行傷害などについて

犯行態様がそれほど悪質ではなく

初犯で

被害者と示談を結んでいる

といった場合には、起訴猶予で不起訴になる可能性は高いと言えます。

不起訴になる理由について、表でまとめてみましょう。

不起訴となる理由
嫌疑なし 嫌疑不十分 起訴猶予
意味 ・被疑者が犯人ではない
・証拠が無い
・被疑者を犯人とするには証拠不十分 ・犯人の境遇、犯罪の情況により起訴する必要がない

刑事事件の起訴率、有罪率はどれくらい?

「日本の司法において、罪を犯したら有罪となる率は高い」

学校の授業やテレビなどで、こういった言説をよく耳にします。

ただこれは少し表現が不足していて、正確には「起訴された事件について有罪となる率は高い」となります。

起訴率有罪率の統計データをここで見ていきましょう。

日本の刑事事件の起訴率

法務省が編纂している「犯罪白書」においては、刑事事件のあらゆる統計データを見ることができます。

平成29年版犯罪白書から、平成28年、検察に送致された事件の起訴率を見ていきます。

H28年の起訴率
人数
総数 1124,506
起訴 352,669
起訴率 31.4

*平成29年版犯罪白書第2章第3節 被疑事件の処理より

検察に送致された事件の起訴率は31.4%です。

ここ10年、起訴率が40%を上回ったことはありません。

では、起訴された事件の有罪率はどれくらいなのでしょうか?

H28年の有罪率
人数
確定裁判の総数 32488
有罪人数 32384
無罪人数 104
有罪率 99.9%以上

*平成29年版犯罪白書第3章第1節 確定裁判より

平成28年、無罪判決が確定した人数は僅か104人です。

起訴率、有罪率のまとめ

起訴率は4割を下回るが、有罪率は99.9%以上。

検察に送致された事件について、およそ6割がお咎めなしとなっている。

刑事事件における起訴後の流れ|裁判が開かれる?略式起訴とは?

刑事事件における起訴後の流れ|裁判が開かれる?略式起訴とは?

ここからは起訴されてしまった後の話、起訴後の流れについて確認していきます。

刑事事件で起訴されると、

公判請求

略式手続

の2通りの流れが想定されます。

起訴後の流れ|略式起訴

まずは略式手続について解説していきましょう。

略式起訴とは?

略式手続は、通常よりも簡略化された裁判を行う手続きのことを言います。

略式手続を行うことを略式起訴と言い、略式手続の結果、裁判所から下される命令のことを略式命令と言います。

略式手続が行われるのは、以下の条件が重なったときです。

略式命令が行われる条件
①検察官の判断
事件を担当する検察官が、略式手続を行うのが相当であると判断していること
②裁判官の判断
事件を担当する裁判官が、検察官からの略式手続の要請について相当であると判断していること
③被疑者の判断
被疑者が略式手続を行うことに同意すること
④裁判所
簡易裁判所の管轄となる事件であること
⑤罪
100万円以下の罰金または科料が見込まれる事件であること

略式手続では、正式に裁判が開かれることはありません。

裁判所が過去の判例などを参考に適切な金額を算定し、罰金もしくは科料を科します。

ですから、無罪を争うような事案の場合、略式手続が行われることはありません。

略式起訴の流れ

略式起訴は在宅事件それ以外の事件で流れが違います。

起訴が行われるまでの刑事事件の流れや、在宅事件の意味などについて知りたい方はこちらの記事を参照してください。

略式起訴のそれぞれの流れを確認していきましょう。

在宅事件の場合

① 書類送検が行われた後、しばらくすると検察庁へ呼び出されます。

② 呼び出された先で、担当検察官から略式手続の意味や流れについて説明を受け、同意と必要書類への署名押印を求められます。

③ 約2週間後、簡易裁判所から略式命令の書類が届きます。

④ それから約1週間後、検察庁から罰金の納付書が届きます。期限までに罰金を納付します。

逮捕、勾留が行われた事件の場合

① 勾留の最終日、もしくはその直前に検察庁連行されます。

② 連行された先で、担当検察官から略式手続の意味や流れについて説明を受け、同意と必要書類への署名押印を求められます。

③ 何時間か待った後、裁判所連行されて略式命令を受けます。略式命令書も渡されます。

④ 略式命令書を受け取ったらすぐに釈放されます。期限までに罰金を納付します。

起訴後の流れ|公判請求

続いて公判請求について解説していきます。

公判請求とは?

公判請求とは、正式裁判を開くよう要請することを言います。

略式手続では済まないような事件について、正式に裁判を開いて事件を審理することになります。

裁判の流れ

正式裁判の流れは以下のイラストのような形になります。

刑事裁判の流れ

逮捕、勾留を受けた末に起訴されたとき、多くのケースではそのまま被告人勾留を受けることになります。

つまり裁判が終わるまで、留置場などに身体拘束を受けたままとなります。

事実に争いがなければ公判回数は2回、ないしは3回に収まることが多く、事実に争いがあると公判回数はどんどん増えます。

より詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

起訴状一本主義とは?

起訴状一本主義」という言葉を聞いたことがある方はいらっしゃいますか?

起訴状一本主義は、正式裁判における重要な原則であり、司法の裁判に対する考え方がよく表れているものでもあるので、ここで触れておきましょう。

起訴が行われるにあたっては、担当検察官によって起訴状が作成されます。

起訴状には「被告人の氏名」「公訴事実(事件の容疑)」「罪名」が書かれます。

また刑事訴訟法上、起訴状には、裁判官に予断を生じさせるおそれのあるものを添付、引用してはならないと定められています。

条文を確認してみましょう。

起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添附し、又はその内容を引用してはならない。

要するに、裁判官

「あっ、これは有罪だな」

と内心思ってしまうおそれがあるので、起訴状には必要最低限のことしか書いてはならないというわけです。

証拠の提示や検証は、すべて裁判所で行わなければなりません。

起訴状に証拠書類等を添付したり引用してはならないということを「起訴状一本主義」と言います。

刑事事件の起訴までの期間、起訴後の期間

刑事事件の起訴までの期間、起訴後の期間

刑事事件の被疑者となってしまったとき、もっとも気になるのは「時間」です。

起訴されるまで何日、何か月かかるのか

起訴された後、裁判が結審するまでは何日、何か月かかるのか

時間の大小によって社会復帰の難易度も違ってきます。

ここで確認しておきましょう。

刑事事件の期間|起訴されるまで

まず、起訴されるまでの流れ期間について見ていきます。

起訴されるまでの流れ

刑事事件の流れは以下のイラストのようになっています。

刑事事件の流れ

在宅事件の場合、自宅にいながら刑事手続きが進んでいきます。

時折、警察署に呼び出されて取り調べを受けたりしながら、検察の起訴、不起訴の判断を待つことになります。

逮捕勾留が行われた場合には、起訴、不起訴の判断が行われるまで、多くは警察署内の留置場に拘束を受けることになります。

刑事事件の流れについて、より詳しく知りたい方はこちらの記事を参照してください。

起訴されるまでの期間

逮捕が行われた場合は、

逮捕が行われてから48時間以内に事件が検察に送致され

送致から24時間以内に勾留請求するかしないかの判断が行われます。

勾留請求されてそれが認容された場合、起訴されるまで原則として最大20日間、留置場に収監されてしまいます。

逮捕の流れ

逮捕から勾留満了までの最大23日間に、捜査が進められ、起訴不起訴の判断が行われるわけです。

なお、在宅事件の場合、法的に期限が定められているわけではないので、起訴不起訴の判断がいつになるかは全く予想できません。

より詳しく知りたい方はこちらの記事を参照してください。

刑事事件の期間|起訴後

起訴後、刑事手続きが完全に完了するまでの期間についても見ていきます。

略式起訴の場合

略式起訴では、

在宅事件の場合、起訴されてから3週間ほど

逮捕、勾留が行われていた場合、起訴判断が行われたその日のうち

罰金の納付が命令されます。

期限までに罰金を納付すれば、それですべての刑事手続きが終了となります。

公判請求の場合

平成28年のデータでは、第一審の平均審理期間は、3.2か月です。

起訴されてから第一回公判までの平均期間は1.7か月、第一回公判から第一審終局までの平均期間は1.5か月です。

審理期間の分布をみると、全体の7割ほどの事件について、3か月以内に終わっているようです。

これらのデータは事実を認めている事件、否認事件すべて合わせた統計となります。

一般に否認事件では平均よりも長く、事実を認めている事件では平均よりも短くなると考えてください。

勾留とは何か|被疑者勾留、被告人勾留

刑事事件においては、警察の留置場などに身体拘束される「勾留」という処分を受けることがあります。

勾留が行われると、長期間、外との接触が断たれたままとなってしまう場合もあります。

精神的、肉体的負担という観点からも勾留が行われるかどうかは重要です。

ここで触れておきましょう。

被疑者勾留とは?

起訴前の段階での勾留を被疑者勾留といいます。

被疑者勾留が認められると被疑者は起訴されるまで最大20日間、留置場に拘束されたままになります。

被疑者勾留では、勾留決定に不服申し立てする準抗告勾留取消請求などによって釈放が叶う場合があります。

証拠隠滅や、逃亡のおそれがないことを示し、勾留の必要性のないことをあらためて立証するわけです。

被告人勾留とは?|保釈の意味

起訴後、裁判が確定するまでの段階の勾留を被告人勾留といいます。

被告人勾留では裁判が確定するまで、最初に2か月間身体拘束を受け、その後必要があれば1か月ごとに勾留期間延長の申請が行われます。

被告人勾留では、保釈制度によって釈放が叶う場合もあります。

保釈制度とは、人質ならぬ物質として一定の金額のお金を保釈金として裁判所に預け、代わりに身体拘束が解かれるという制度です。

保釈についてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

刑事事件で起訴についてお悩みな方は弁護士に相談!

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ここまで岡野弁護士とともにお送りしました。

刑事事件における起訴の意味や流れについて、かなり深いところまで知ることができたのではないでしょうか?

この記事をご覧になっている方の中には、自分の事件に即して具体的なアドバイスが欲しい! という方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、ここからは弁護士に相談できる様々なサービスについてご紹介します。

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最後に弁護士からメッセージ

では岡野弁護士、最後に一言お願いします。

刑事事件の起訴についてお悩みの皆さん。

起訴前の段階であれば、弁護士に依頼していただくことで、

示談の締結

裁判官や検察官への働きかけ

などの弁護活動によって、不起訴処分獲得の可能性をあげることができます。

起訴後であっても、保釈認容、量刑軽減の働きかけをすることで、その後の社会復帰への影響を最小限に抑えられる可能性もあります。

起訴について少しでもお悩みのことがあるなら、まずは弁護士に相談だけでもしてみてください。

まとめ

今回は刑事事件における起訴について解説してきました。

刑事事件における起訴のまとめ

刑事事件においては、検察官によって裁判にかける(起訴)か、お咎めなしとする(不起訴)かが判断される

ここ10年間、日本において起訴率は4割を下回り続けている

起訴後には略式手続か公判請求が行われる。略式手続となれば刑事手続き終了までの期間は短くて済む

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