【事件別】逮捕後の流れを大解剖。弁護士に聞く逮捕後の警察・勾留ウラ事情
ある日突然警察がきて逮捕されたら・・・?
あり得ないことではありません。
ここでは、そんな場合に備えて、逮捕のその後について見ていきましょう。
法律的な解説は、アトム法律事務所の弁護士にお願いします。
逮捕から裁判までの流れとは?
警察が逮捕した後の流れは?逮捕する側とされる側の構図とは?
そもそも逮捕された直後って、どうなるんですか?
警察は、容疑者を逮捕したあと、その身柄を警察署に連行します。
まずは警察署の取り調べ室で簡単な取り調べをしたのち、留置場に収監する手続きがとられます。
逮捕する側とされる側の構図は、捜査する側と捜査される側、または国家権力側と一般市民側という構図でとらえることができます。
逮捕する側には強大な権力が認められています。これに対抗するために、逮捕される側には黙秘権や署名押印拒否権といった権利が認められています。
逮捕されたら、まずは留置場に行くんですね。
黙秘したり拒否する権利も、ちゃんと認められているんですね。
逮捕から送検・起訴・裁判にいたるまでの流れは?
逮捕されたあとの流れって、どんな感じなのでしょう?
警察が来るところまではわかるけど、その後は全然イメージがつかないですよね。
逮捕から送検・起訴・裁判にいたるまでの流れは、以下のとおりです。
①逮捕から送検の流れ
容疑者が逮捕されたあとは、その日の夜は留置場で一泊し、翌日か翌々日に送検されることになります。
送検とは、逮捕された人から見れば、警察のバスに乗って検察庁に連れて行かれることをいいます。
送検のあとに釈放されることもあれば、そのまま勾留が続くこともあります。
※釈放・勾留の有無に関わらず、捜査はそのまま続行するのが通常です。
②送検から起訴の流れ
逮捕案件が送検されたあとは、検察官は勾留の必要性を判断します。
勾留が必要と判断された場合は、検察官が勾留を請求し、裁判官が勾留を決定します。
勾留が決定された場合は、身柄事件として捜査が続行し、勾留が決定されなかった場合は、在宅事件として捜査が続行されます。
捜査が終了した時点で、検察官は事件を起訴するか・しないかを決定します。
③起訴から裁判の流れ
事件が起訴されたあとは、特に争いのない場合は、約1か月後に刑事裁判の第一回公判が行われます。
容疑を認めている場合は、第一回公判の約10日後の第二回公判で有罪判決がくだされ、刑事裁判が終了することも多いです。
ええと・・
逮捕されたあとは、検察に行く人と行かない人といるんですね。
その後も裁判になる人、ならない人がいるということですね。
逮捕から起訴されるまでの期間はどのくらい?
ところで、逮捕から起訴されるまでって、どれくらいかかるんですかね?
逮捕されたら会社にも行けなくなるし、どうなっちゃうのか心配です・・
逮捕から起訴されるまでの期間は、事件によってさまざまです。
①逮捕から2〜3日で起訴されるパターン
逮捕から新件送致された段階で、事実関係に争いがなく、十分な証拠がそろっている場合は、逮捕から2〜3日で略式起訴されることがあります。
公然わいせつ罪など、事実関係が明白で罰金が相当なケースでは、このような流れを経ることがあります。
②逮捕から12日前後で起訴されるパターン
逮捕から勾留が決定され、最初の10日間の勾留で十分な証拠がそろった場合は、逮捕から12日前後で起訴されることがあります。
痴漢や盗撮などのケースでは、このような流れを経ることがあります。
示談による不起訴を希望する場合は、最初の10日間の勾留の間に示談を成立させる必要があるため、スピーディーな弁護活動が求められます。
③逮捕から22日前後で起訴されるパターン
逮捕から10日間の勾留が決定され、さらに勾留が10日間延長された場合、逮捕から22日前後で起訴されることがあります。
逮捕と勾留が決定された事件では、これが一番オーソドックスな流れです。
④なかなか起訴されないパターン
逮捕から釈放されたり、勾留の満期に処分保留で釈放された場合は、事件は在宅事件に切り替わります。
このようなケースにおいては、原則的に、捜査に時間の制限はないため、数か月ほどゆっくり捜査が進んだ上で、起訴されることがあります。
※なお、公訴時効が成立した場合は、事件が起訴されることはありません。
ええっ!思ったよりかかるなあ。
一番長いと22日もかかるんですね。。
逮捕後、起訴・不起訴はいつ決まる?
逮捕されたあと、起訴されたら裁判になります。
起訴か不起訴か決まるのは、いつごろなのでしょうか?
逮捕後、事件は検察官に送致されます。
事件の送致を受けた検察官は、被疑事実に対する捜査を尽くした上で、事件を起訴するか不起訴にするかを決定します。
逮捕後、勾留が決定された場合
勾留が決定された場合は、勾留の期間は最大20日間です。
検察官は、この最大20日間の間に捜査を尽くして、事件を起訴するか不起訴にするかを決定します。
※なお、証拠が十分に集まらなかった場合は、一度処分保留で釈放したあと、補充捜査をして事件を起訴することもあります。
逮捕後、釈放された場合
勾留なく釈放された場合は、捜査の時間制限はありません。
在宅事件として捜査を実行し、公訴時効が満了する前までに証拠が集まれば、検察官は事件を起訴することになります。
※なお、公訴時効が満了する前であっても、証拠の収集が難しいと判断した場合は、検察官は事件を不起訴にすることがあります。
なるほど。
その20日間で、検察は起訴するかどうか決めるんですね。
知っておきたい事件別逮捕の流れ
万引き事件の逮捕の流れは?
具体的な事件を見ていきましょう。
まずは万引き事件から。
先生、万引き事件の逮捕の流れはどんな感じですか?
万引き事件の逮捕の流れは、大きく、①現行犯逮捕の場合と②後日逮捕(通常逮捕)の場合とに分けられます。
万引き事件の現行犯逮捕の流れ
万引き事件の場合は、店員やお客といった目撃者によって現行犯逮捕されることが多いです。
現行犯逮捕されたあとは、店舗内の事務室で店長らから簡単な質問が行われ、その後に警察官に引き渡されることになります。
警察官に引き渡されたあとは、留置場に入れる必要があるかが検討され、留置の必要性がなければ釈放され、留置の必要性があると判断されれば留置場に収監されることになります。
万引き事件の後日逮捕の流れ
防犯カメラなどに証拠が残っていた場合は、万引き事件でも後日逮捕される可能性があります。
ただ、万引き事件は全犯罪の中では比較的軽微な犯罪といえるので、よほど悪質な万引きでない限り、後日逮捕されることは珍しいです。
店舗荒らしに類する万引きや、不法侵入を伴う万引きは、悪質な万引きと判断される傾向にあります。
フムフム。
現行犯逮捕と後日逮捕、両方ありうるんですね。
大麻事件の逮捕の流れは?
では、大麻事件はどうでしょう?
薬物事件の逮捕って、どんな感じで進むんですかね?
大麻事件の逮捕の流れは、大きく、①現行犯逮捕の場合と②後日逮捕(通常逮捕)の場合とに分けられます。
大麻事件の現行犯逮捕の流れ
大麻事件の場合は、職務質問や家宅捜索などによって、大麻を所持していたことが発覚し、現行犯逮捕されるケースがほとんどです。
大麻の場合、覚醒剤と異なり使用は罪にならないので、大麻の使用で現行犯逮捕されることはありません。
現行犯逮捕されたあとは、警察署の取り調べ室で簡単な取り調べを受け、そのまま留置場に収監されることになります。
大麻事件の場合は、比較的罪が重く、勾留の必要性が高いと判断されるからです。
大麻事件の後日逮捕の流れ
大麻の売買に関連して、取引の関係者らから供述証拠が集まれば、大麻の譲り渡しや譲り受けの罪で後日逮捕されることがあります。
大麻の後日逮捕は、関係者の供述にもとづくことが多いです。
警察官が逮捕状を自宅まで持ってきて、後日逮捕されるのが一般的です。
たしかに!
薬物事件て、まずは職質されて、その後逮捕ってイメージあります。
詐欺罪の逮捕の流れは?
最近、振り込め詐欺とかよく聞きますよね。
詐欺罪の逮捕は、どんな流れになるのでしょうか。
詐欺事件の逮捕の流れは、他の犯罪と異なり、後日逮捕(通常逮捕)が一般的です。
詐欺事件の場合は、証拠関係が複雑で、逮捕の準備をするのに時間を要するケースが多いからです。
逮捕に至るまでの流れとしては、被害者の取り調べや関係者の取り調べが何度も行われ、十分な証拠が集まってから逮捕されることになります。
誤認逮捕することになれば、捜査機関としてもマスコミなどから批判を受けるリスクがあるからです。
振り込め詐欺などの場合は、銀行の防犯カメラなどが有力な証拠になることもあります。
なるほど~
詐欺は後日逮捕が多いんですね。
犯罪の内容によって、現行犯逮捕が多いものや、後日逮捕のほうが多いものとに分かれてますね。
DV事件の逮捕の流れは?
DV事件の犯人が逮捕されるときは、どんな流れになると思いますか?
家庭内の事件だから、警察に気付かれにくい気がするんですが・・・
DV事件の逮捕の流れは、大きく、①現行犯逮捕の場合と②後日逮捕(通常逮捕)の場合とに分けられます。
DV事件の現行犯逮捕の流れ
DV事件の被害者が、相手方・配偶者の暴行を110番通報し、現場にかけつけた警察官によって現行犯逮捕されるケースが多いです。
もっとも、警察は夫婦間のトラブルに介入するべきか否かを慎重に判断します。
そのため、警察官が駆けつけたケースでも、その場の話し合いで解決したとして、逮捕にまで至らないケースも多いです。
包丁などの凶器を使った・振り回した、というような場合は、現行犯逮捕の可能性が高まります。
DV事件の後日逮捕の流れ
凶器を使うなどした悪質なDV事件で、現行犯逮捕の必要性があったにもかかわらず、加害者側が逃走したような場合は、後日逮捕される可能性があります。
特に、反復継続性が認められるDV事件や、ストーカー行為に類似するDV事件の場合は、後日逮捕の必要性が高いと判断される傾向にあります。
そっか、被害者からの通報があれば、確かに現行犯逮捕もあり得ますね。
やっぱり具体例出してもらえると、イメージがわきますね。
盗撮事件の逮捕の流れは?
次は盗撮です。
盗撮の逮捕は、現行犯?
後日逮捕ってこともあるんですかね?
盗撮事件の逮捕の流れは、大きく、①現行犯逮捕の場合と②後日逮捕(通常逮捕)の場合とに分けられます。
盗撮事件の現行犯逮捕の流れ
電車やデパートでの盗撮事件の場合は、被害者や他のお客らの目撃者によって現行犯逮捕されるケースが多いです。
実際に写真や動画を撮っていなくても、スカートの中にカメラを差し入れた時点で盗撮の罪は成立します。
また、社会的に見て卑わいな方法で撮影していた場合は、下着などが写っていなくても盗撮の罪で現行犯逮捕される可能性があります。
現行犯逮捕されたあとは、警察署の取調室で簡単な取り調べを受け、留置場に収監されることになります。
盗撮事件の後日逮捕の流れ
盗撮事件は現行犯逮捕が基本ですが、トイレや更衣室などへの不法侵入を伴う場合は、悪質な盗撮事件として後日逮捕される可能性があります。
この場合は、防犯カメラの映像などが重要な証拠になります。
へえ、悪質だと後日逮捕もあるんですね。
無免許運転事件の逮捕の流れは?
無免許運転はどうでしょう?
運転していたら無免許がバレて、その場で捕まったらどうなるの?!
無免許事件の逮捕の流れは、現行犯逮捕が基本になります。
自動車検問などで無免許運転が発覚した場合は、同種の前科などが調べられ、悪質な無免許運転の場合は現行犯逮捕される可能性があります。
免許の期限切れや不携帯だけでは、余罪や同種前科がない限り、基本的には現行犯逮捕まで至ることはありません。
なるほど!
現行犯逮捕されるのは、よほどの場合なんですね。
酒気帯び運転の逮捕の流れは?
酒気帯び運転で逮捕される時は、どんな感じなのでしょう?
先生、具体例と一緒に教えてください!
酒気帯び運転の逮捕の流れは、大きく、①現行犯逮捕の場合と②後日逮捕(通常逮捕)の場合とに分けられます。
酒気帯び運転の現行犯逮捕の流れ
自動車検問などで酒気帯び運転が発覚した場合は、現行犯逮捕される可能性があります。
現行犯逮捕されたあとは、警察署に連れて行かれ、取り調べ室で簡単な取り調べを受けることになります。
酒気帯び運転の場合は、証拠が明白で捜査の必要性がそれほど高くないため、留置場に入らず釈放されるケースが多いでしょう。
また、酒気帯びの程度が酷くない場合は、現行犯逮捕されず、任意捜査として取り扱われることも多いです。
酒気帯び運転の後日逮捕の流れ
自動車検問の現場から逃走した場合や、酒気帯び運転で事故を起こした様なケースだと、後日逮捕される可能性があります。
自動車のナンバープレートなどから本人が特定され、その上で裁判官から逮捕状が発行されて後日逮捕に至ることになります。
へえ、現行犯逮捕はわかるけど、後日逮捕もあるなんて。
その場ではなく、後から警察がきて逮捕されることもあるんですね。
傷害事件の逮捕の流れは?
傷害事件の逮捕の流れも気になりますね。
ケンカがひどくなって、事件になってしまった場合など、どうなるのでしょうか。
傷害事件の逮捕の流れは、大きく、①現行犯逮捕の場合と②後日逮捕(通常逮捕)の場合とに分けられます。
傷害事件の現行犯逮捕の流れ
傷害事件の場合、110番通報を受けて現場に駆けつけた警察官によって現行犯逮捕されるケースが多いです。
また、被害者の仲間や目撃者、店員や駅員によって現行犯逮捕されるケースもあります。
現行犯逮捕されたあとは、警察署に連行され取り調べを受けることになります。
留置場での生活が続くかは傷害の程度にもよりますが、悪質な事件の場合や、容疑を否認している場合は、逮捕に続く勾留の可能性が高まります。
傷害事件の後日逮捕の流れ
刑事裁判が予定されるような悪質な傷害事件の場合は、裁判官から逮捕状が発行され、後日逮捕になる可能性が高いです。
例えば、傷害の結果が重大な場合や、傷害の行為が凶器を用いるなど凶悪な場合は、悪質な傷害事件として後日逮捕されやすくなる傾向にあります。
なるほど。通報されて警察が飛んでくるのが一つ。
あとは、後から警察が逮捕状を持って、やってくるパターンですね。
交通事故事件の逮捕の流れは?
交通事故で逮捕されることってあるの??
先生、それはどんな場合ですか?
交通事故の逮捕の流れは、大きく、①現行犯逮捕の場合と②後日逮捕(通常逮捕)の場合とに分けられます。
交通事故の現行犯逮捕の流れ
死亡事故や歩道に車を突っ込んだ暴走事故のような重大な交通事故の場合は、110番通報で駆けつけた警察官によって現行犯逮捕されることがあります。
重大な交通事故の場合は、その後に刑事裁判になる可能性が高く、捜査の観点から逮捕の必要性が高いと判断されることが多いからです。
もっとも、事実関係が複雑でない死亡事故の場合は、強制捜査による証拠収集の必要性がそれほど高くないとして、実況見分のあとに帰宅できるケースもあります。
交通事故の後日逮捕の流れ
事故現場から逃げた場合などは、交通事故であっても後日逮捕されることがあります。
交通事故を起こして逃げた場合は、ひき逃げの罪が成立し、刑事裁判と捜査の観点から逮捕の必要性が高いと判断されることが多いからです。
事故現場から逃げたとしても、車のナンバープレートや目撃者の供述をもとに犯人が特定されれば、裁判官から逮捕状が発行され後日逮捕されることになります。
そっか、ひき逃げとか死亡事故の場合は、逮捕になるんですね。
脱税事件の逮捕の流れは?
脱税はどうですか?
逮捕されるとしたら、どんな流れになるのでしょう。
脱税事件の逮捕の流れは、後日逮捕(通常逮捕)が基本です。
脱税事件の場合は、証拠関係が複雑で、現行犯逮捕に馴染まないからです。
脱税事件で後日逮捕されるケースは、基本的に、税務署からの告発にもとづいて、警察や検察で捜査が進められ、十分な証拠がそろってから逮捕となることが多いです。
従業員や関係者の供述が、逮捕のための重要な証拠になります。
なるほど、確かに脱税で現行犯って考えにくいですよね。
証拠がかたまってから、警察が逮捕しに来るんですね。
横領事件の逮捕の流れは?
では、次は横領事件です。
先生、横領事件の逮捕の流れを教えてください!
横領事件の逮捕の流れに関しても、後日逮捕(通常逮捕)が基本です。
脱税の場合と同様、横領事件の場合も証拠関係が複雑で、現行犯逮捕に馴染まないからです。
横領事件の逮捕では、被害者の供述はもちろんのこと、同僚や上司、部下といった関係者の供述も重要な証拠になります。
警察に被害届が受理されたのち、強制捜査の必要性があると判断された場合は、家宅捜索のみならず逮捕までされる可能性が高まります。
うーん、こちらも後日逮捕が中心ですね。
犯罪によって、逮捕の形態も変わりますね。
恐喝事件の逮捕の流れは?
恐喝罪の逮捕の流れも見ていきましょう。
先生、恐喝の場合はどうでしょうか?
恐喝事件の逮捕の流れは、後日逮捕(通常逮捕)が基本です。
恐喝の被害者が犯人を現行犯逮捕することが考え難く、また目撃者による現行犯逮捕も期待できないからです。
恐喝事件の後日逮捕の流れ
まずは、被害者から警察署に被害届が提出され、被害届が受理されてから捜査がスタートすることになります。
捜査の結果、犯人が特定され、十分な証拠が収集された場合は、逮捕の必要性を考慮し、後日逮捕の実施が検討されることになります。
後日逮捕は逮捕状にもとづく逮捕です。
逮捕状は、捜査機関が裁判官に請求して、裁判官により発行される流れになります。
はい。恐喝も、証拠をそろえるのに時間がかかるからでしょうか。
後日逮捕が多いですね。
薬物事件の逮捕の流れは?
では、次は薬物事件です。
薬物事件の逮捕の流れを教えていただきましょう!
薬物事件の逮捕の流れは、大きく、①現行犯逮捕の場合と②後日逮捕(通常逮捕)の場合とに分けられます。
薬物事件の現行犯逮捕の流れ
職務質問や所持品検査の結果、薬物の所持が発覚して、そのまま現行犯逮捕になるケースが多いです。
また、尿の簡易検査の結果、薬物の使用が発覚して、現行犯逮捕されるケースもあります。
薬物事件の後日逮捕の流れ
薬物の入手経路などを捜査した結果、関係者の供述が証拠となり、薬物の譲り受けや譲り渡しで後日逮捕されることがあります。
この場合、後日逮捕の流れとしては、警察官数名が自宅などにやって来て、逮捕が執行されることになります。
逮捕現場になった自宅では、そのまま家宅捜索などが行われるのが通常です。
薬物は、職質からの逮捕の流れですね。
後から自宅に逮捕に来ることもあるんですね。
脅迫罪の逮捕の流れは?
脅迫罪はどうでしょう。
脅迫罪で逮捕されるときはどんな流れになりますか?
脅迫事件の逮捕の流れは、後日逮捕(通常逮捕)が基本です。
脅迫事件の後日逮捕の流れ
まずは、被害者から警察署に被害届が提出され、被害届が受理されてから捜査がスタートすることになります。
捜査の結果、犯人が特定され、十分な証拠が収集された場合は、逮捕の必要性を考慮し、後日逮捕の実施が検討されることになります。
後日逮捕は逮捕状にもとづく逮捕です。
逮捕状は、捜査機関が裁判官に請求して、発行される流れになります。
被害者が被害届を出すことで、捜査が始まるんですね。
脅迫も、現行犯逮捕よりは後日逮捕されることが多いようです。
器物損壊事件の逮捕の流れは?
器物損壊。モノを壊してしまう犯罪ですね。
この逮捕の流れはどうなっているのでしょうか?
器物損壊事件の逮捕の流れは、大きく、①現行犯逮捕の場合と②後日逮捕(通常逮捕)の場合とに分けられます。
器物損壊事件の現行犯逮捕の流れ
単に他人の物を壊しただけで直ちに現行犯逮捕されることはありません。
しかし、物の破壊が一見して悪質な場合は、110番通報で現場に駆けつけた警察官によって現行犯逮捕される可能性があります。
また、普段からの近所トラブルやストーカー行為にもとづく常習的な器物損壊事件の場合も、現行犯逮捕の可能性が高まります。
器物損壊事件の後日逮捕の流れ
悪質な器物損壊事件、例えば、店の物を破壊・毀損してその様子をインターネットで公開する、などのケースでは、後日逮捕の可能性が高まります。
警察としても、社会的影響力を考えれば、この種の事件を放置するわけにはいかないからです。
この場合、インターネット上に残った各種履歴・痕跡が、逮捕のための重要な証拠になります。
なるほど。
基本的には後日逮捕だけれども、まれに犯行のその時その場で逮捕されることもあるということですね。
公務執行妨害事件の逮捕の流れは?
公務執行妨害って、警察の仕事を邪魔するとか、そういうやつですよね?
逮捕の流れはどんな感じになるんでしょうか。
公務執行妨害の場合は、妨害の現場で現行犯逮捕されることが多いです。
典型例は、職務質問の現場での現行犯逮捕です。
警察官から職務質問を受けている時に、警察官に暴行したり、パトカーを蹴飛ばして器物損壊したりした結果、現行犯逮捕されるケースです。
この種のケースでは、現行犯逮捕はされるものの、余罪や前科がなければ、罰金相当の比較的軽微な案件として、その後に釈放されることもあります。
なるほど。
犯行のその時その場で逮捕される感じなんですね。
殺人事件の逮捕の流れは?
殺人事件の逮捕は、どんな流れになりますか?
刑事ドラマで見るイメージですかね?
殺人事件は重大犯罪なので、犯人の証拠が固まれば、直ちに逮捕されることが多いです。
殺人の点について証拠が固まらない場合でも、犯人が特定されれば死体遺棄や傷害致死の容疑で逮捕されることになります。
最初は傷害致死の容疑で逮捕されても、殺意の点について証拠が固まれば、のちに殺人罪の容疑に切り替わります。
なるほど。
証拠さえかたまれば、直ちに逮捕しようということですね。
ストーカーの逮捕の流れは?
ストーカー事件はどうでしょう。
逮捕される時の流れはどんな感じですか?
ストーカー自体は単なる迷惑行為との線引きが難しいトラブルです。
そのため、ストーカーは段階的に刑事事件化する運用となっています。
具体的には、最初は逮捕されることなく警察に呼び出され、ストーカー的な迷惑行為について注意を受けることになります。
また、迷惑の程度がひどいケースでは、警察から正式に警告を受けることになります。
この警察からの警告を無視してストーカー行為を続けた場合は、逮捕の可能性が高まります。
もっとも、警告を受けていない段階であっても、暴行や脅迫、業務妨害などの罪が別途成立する場合は、これらの罪で逮捕される可能性があります。
ストーカーで一度罰金や懲役などの有罪判決を受けた後に、引き続きストーカー行為を行っている場合は、捜査の必要性から極めて高い確率で逮捕されることになります。
なるほど。
一口にストーカーといっても、色々ありますね。
名誉棄損事件の逮捕の流れは?
よくネットに書き込んだ言葉で、名誉毀損で訴えるぞ、とか聞きますが・・・
実際に名誉毀損で逮捕される時ってどんな流れになりますか?
インターネットなどで名誉毀損的な書き込みを行っても、それだけで逮捕されることは珍しいです。
軽微な名誉毀損であれば、日常的に行われていることが多く、逮捕までは必要ないと考えられることが多いからです。
もっとも、ストーカーが発展した名誉毀損や、業務妨害に類似する名誉毀損など、重大な被害が生じるおそれがあるケースでは、逮捕の可能性が高まります。
そうなんですね!
あまり心配しすぎる必要はないんですかね・・
逮捕から裁判までの流れに関するQA
執行猶予中の逮捕でも保釈はとおる?
執行猶予中に逮捕されてしまうこともありますよね。
そういう時でも、保釈にしてもらえるんでしょうか?
執行猶予中に逮捕されたケースでも、事件の内容次第では保釈がとおる場合があります。
保釈の決定は、罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれを考慮して決められます。
執行猶予中の逮捕の場合でも、保釈が認められるケースがあるので、まずは担当の弁護士によく相談してみましょう。
そっか、場合によっては保釈にしてもらえるんですね。
一般の人でも逮捕できるって、ホント?
一般人でも逮捕できるって聞いたことあるんですけど・・
ホントですか?!
刑事訴訟法213条は、「現行犯人は、何人(なんぴと)でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。」と定めています。
また、刑事訴訟法214条は、「検察官、検察事務官及び司法警察職員以外の者は、現行犯人を逮捕したときは、直ちにこれを地方検察庁若しくは区検察庁の検察官又は司法警察職員に引き渡さなければならない。」と定めています。
ここから、現行犯逮捕は、一般の人でも可能ということが読み取れます。
現行犯逮捕とは、現に犯罪が行われた現場で犯人を逮捕することです。
この場合は、被害者や目撃者という警察官以外の一般の人でも、犯人を逮捕することができるのです。
ただし、現行犯逮捕したあとは、犯人を必ず警察に引き渡さなければなりません。
へえ~!本当に一般人でも逮捕できるんだ。
現行犯逮捕っていうんですね。
逮捕後、釈放までの期間はどのくらい?逮捕から保釈までの流れやタイミングは?
逮捕されてから釈放されるまで、どれくらいかかるものなのでしょう。
逮捕されたままだと学校や会社にも行けないし、心配です・・
逮捕されてから釈放までの期間は、釈放のタイミングによってさまざまです。
①勾留請求なく釈放
逮捕から1〜2日程度で釈放されることになります。
②勾留決定なく釈放
逮捕から2〜3日で釈放されることになります。
③勾留決定が取り消されて釈放
勾留決定が出ても、その後に勾留が取り消されれば、その段階で釈放されることになります。
勾留決定に対する準抗告が認められて釈放される場合は、逮捕から数日後の釈放になるケースが多いです。
④略式罰金で釈放
勾留満期日に略式罰金になれば、その段階で釈放されることになります。
逮捕から12〜23日での釈放になるケースが多いです。
⑤保釈で釈放
勾留が決定され事件が起訴されても、保釈が許可されれば、保釈金を納付した段階で釈放されます。
起訴直後の保釈が認められる場合は、逮捕から約1か月後の釈放になります。
⑥執行猶予で釈放
事件が起訴されたあとに保釈が認められなかった場合でも、刑事裁判で執行猶予になればその段階で釈放されます。
判決の言い渡しを受けた法廷で釈放され、そのまま自宅に帰ることができます。
※荷物が拘置所にある場合は、拘置所まで一度戻ることも可能です。
⑦一度も釈放されないケース
勾留が決定された後に事件が起訴され、刑事裁判中に保釈も認められず、実刑判決を受けた場合は、逮捕から一度も釈放されないまま刑務所に収監されることになります。
ええ~長い場合は本当に長いですね。
一番長いと1ヶ月もかかるんですか。
でも全く釈放されずにそのまま刑務所行き、ってこともあるんですもんね・・・
逮捕後の流れで気になる、面会ができるタイミングとは?
逮捕された後、家族や友だちが面会に行くことはできますか?
どんなタイミングで行けばいいんでしょうか。
逮捕された人と面会ができるタイミングは、①ご家族らによる一般面会と②弁護士による弁護士面会の場合とで異なります。
ご家族らの一般面会の場合
一般面会の場合、面会ができるタイミングは勾留が決まったあとに限られます。
逮捕の直後は面会ができず、逮捕から約3日間が経過したあとに面会ができるようになります。
もっとも、勾留が決まったあとでも接見禁止の場合は面会できないので、面会に向かう前に警察署に電話し、接見禁止の有無を確かめるのがよいでしょう。
弁護士による弁護士面会の場合
これに対して、弁護士面会の場合は、逮捕の直後から面会可能な点に特徴があります。
また、弁護士であれば接見禁止の場合でも面会できるので、接見禁止中の方に連絡を取りたい場合は、弁護士に面会の代行を依頼する必要があります。
なんと!弁護士さんの面会っていうのもあるんですね。
逮捕直後の面会は、弁護士さんにお願いするしかないですね。
告発後、逮捕までの流れは?その後の勾留から刑務所に入るまでの流れは?
犯罪が告発されてから逮捕されるまでって、どういう流れになっているのでしょう。
改めて考えてみると、全然わからないですよね。
先生!犯罪発覚から刑務所に入れられるまでの流れを整理したいです!
捜査機関が告発を受理してから、実際に容疑者を逮捕するまでの流れは、事件の内容や性質によって異なります。
告発を受理したあとに容疑者を逮捕するためには、逮捕状にもとづく後日逮捕による必要があります。
そのため、逮捕状を請求するに足りる証拠を収集する期間が必要になってきます。
1か月で証拠が十分な証拠が集まることもあれば、1年以上捜査したのち十分な証拠が集まることもあります。
このあたりは事件によって異なるので、一般的な回答は難しいです。
逮捕・勾留から刑務所に入るまでの流れ
逮捕・勾留のあとに取り調べが行われ、事件が起訴されれば刑事裁判が開かれます。
この刑事裁判で執行猶予がつかない実刑判決を受ければ、刑務所に収監されることになります。
流れとしては、以下のような感じになります。
①捜査機関が告発を受理
↓
②容疑者を逮捕
↓
③勾留決定
↓
④容疑者を起訴
↓
⑤刑事裁判で実刑判決
↓
⑥容疑者(被告人)を刑務所に収監
おお、よくわかりました。
でもかかる時間ていうのは、事件によって本当に違うんですね。
逮捕の流れの相談なら弁護士にお任せ!
ここまで、逮捕の流れについて、弁護士の解説と共にお送りしました。
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では先生、最後にひとことメッセージをお願いします。
逮捕の流れでお困りの皆さん。
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しかし、刑事事件の解決はスピードとタイミングが勝負です。
落ち込んでいる暇はありません。
早い段階でご相談いただくことで、弁護士としてもやれることが増えます。
まずはとにかく、弁護士に積極的にご相談ください。
まとめ
総まとめ
逮捕する側 | 逮捕される側 | |
人 | 捜査機関 | 容疑者 |
捜査 | 捜査する | 捜査される |
構図 | 国家権力 | 一般市民 |
権力 | 強制捜査権限 | 黙秘権、署名押印拒否権 |
いかがでしたか?逮捕の流れについて、編集部の徹底調査の結果をお届けしてまいりました。
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事件を起こしてしまったことは、深く反省しなくてはなりません。
しかしあなたやご家族の人生は、今後も続いていきます。
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