【最新コラム】「のぞき」の意味とは?軽犯罪法違反と住居侵入罪との関係
「のぞき」よく耳にする犯罪ですよね。
しかし、いざ「のぞき」について説明しようと思うと…難しいですね。
のぞき行為は犯罪ですが、「のぞき罪」という罪名は存在しません。
犯罪としての「のぞき」を少し考えると様々な疑問が浮かんできます。
- 「のぞき」はどんな意味?
- のぞき行為は何罪になるの?
- そもそもどんな行為を「のぞき」というの?
などなど…キリがありません。
そこで今回は上記のような疑問を詳しく調査しました!
こちらの記事で「のぞき」の疑問をスッキリさせましょう!
法律的な部分の解説は、テレビや雑誌でおなじみのアトム法律事務所の弁護士にお願いしています。
目次
「のぞき」が犯罪だという認識はありますよね。
しかし、具体的に「のぞき」はどんな法律に違反し、何罪なのでしょう。
まずはこちらの記事をご覧ください。
乳がん検診や健康診断で女性の裸をスマートフォンで隠し撮りしたとして、大阪府警は6日、同府松原市の医師の男(49)を軽犯罪法違反(のぞき見)の疑いで書類送検し、発表した。
「仕事のストレスや性欲を解消するためにやった」と容疑を認めているという。(略)
出典:朝日新聞デジタル 2017年9月6日19時46分
こちらには「軽犯罪法違反(のぞき見)の疑い」と書かれていますね。
すべての「のぞき」がこちらに当てはまるのでしょうか?
こんなつぶやきもありました。
よく考えるとわからなくなってきますよね。
疑問に思う方も多いと思います。
この記事では、のぞきがどんな犯罪かという点から順番に解説していきます。
「のぞき」の意味は?定義とは?
①のぞきの定義
ではのぞきの定義からみていきましょう。
「のぞき」とは、一般的に、建物の内部などプライバシー性が高い場所を外部から覗き見ることをいうようです。
のぞき行為は
- 軽犯罪法違反(窃視)
- 刑法の住居侵入罪
になる犯罪行為です。
それぞれの条文を見てみましょう。
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
(略)
正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
出典:軽犯罪法 第1条23号
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
出典:刑法 第130条
つまり、人の住宅敷地内に立ち入って、風呂場をのぞいた場合には、二つの罪を構成することになります。
②のぞきの保護法益
次に「保護法益」という言葉を聞いたことはありますか?
「保護法益」はのぞきについて説明する上でたいへん重要なポイントとなります。
法律は、ある特定の行為を規制することにより、一定の利益を保護・実現しようとしています。
保護法益とは、この法律が罰則を定めてまで守ろうとしているもののことです。
軽犯罪法第1条23号にいう窃視の罪は、人の個人的秘密を侵す抽象的危険性のある行為を禁止しています。
これにより、国民の性的風紀を守ろうとしているのが本号の趣旨です。
また、住居侵入罪については、住居等の事実上の平穏が保護法益であると判例は示しています。
「のぞき」というとなんだか軽く感じてしまいますが、「つい出来心で…」では許されません。
「のぞき」の構成要件、ポイントを一気に整理する
「構成要件」という言葉をご存じでしょうか。
構成要件とは、犯罪が成立するための要件のことをいいます。
ここからは、条文をひとつひとつ読み解いていきたいと思います。
ポイントを一気に整理していきますよ。
①「正当な理由がなくて」の意味
条文中の「正当な理由がなくて」という言葉は、どのように読み取るべきなのでしょうか。
「正当な理由がなくて」とは、「違法に」という意味です。
犯罪捜査の必要があるなどの特別な場合をのぞいては、のぞき行為が正当化されることはないでしょう。
ひそかにのぞき見る行為自体が違法性のある行為です。
②のぞきにおける「人が通常衣服をつけないでいるような場所」
条文中の「人が通常衣服をつけないでいるような場所」の意味はどうでしょうか。
軽犯罪法違反(のぞき行為)のポイントを整理します。
条文中の「その他人が通常衣服をつけないでいるような場所」は、具体的には次の場所が想定されます。
- 病院の診察室や処置室
- キャンプ場におけるテント
- 船舶の寝室
「衣服をつけないでいる」とは、人が通常隠している体の一部でも露出していることをいいます。
必ずしも全裸や半裸でいる必要はないということになります。
また、その場所に現に人がいることも問うものではありません。
現にその場に人がいなくても、「衣服をつけないでいる」人がいる可能性がある場所なのかが問題です。
③のぞきにおける「ひそかにのぞき見る」
では「ひそかにのぞき見る」の意味はどうでしょうか。
「ひそかにのぞき見る」とは、物陰や隙間などからこっそり見ることです。
のぞき見ようとする意思がなかったのに、自然に見えてしまう場合には「のぞき見る」行為だとはいえません。
また、カメラ、ビデオ、スマホなどの機材を用いても「のぞき見」行為には変わりありません。
遠隔操作による録画行為でも「のぞき見」行為に含まれます。
ニュースでもこのような事例を聞くことがありますね。
- 職場の更衣室にカメラが仕掛けられていた。
- 病院のトイレから隠しカメラが発見された。
④のぞきにおける「侵入」行為
今度は侵入という行為についてみていきます。
入浴中の女性をのぞこうと民家の敷地内に侵入したとして、兵庫県警飾磨署は5日、住居侵入容疑で(略)逮捕した。
逮捕容疑は4日午後11時20分ごろ、同市内の男性会社員(55)宅の敷地に無断で立ち入ったとしている。「のぞき目的で敷地に入った」と容疑を認めている。(略)
出典:産経WEST 2017.9.5 11:01
「住居侵入」にあたるかは、わかりやすく言うと、住んでいる人が立入りを許可するかどうか、ということになります。
住んでいる人が許可しない場所へ立ち入ると犯罪になってしまいます。
判例は住居侵入罪の保護法益を「住居等の事実上の平穏」としています。
住居というのは、人の起臥寝食に使用される場所をさしています。
ですので、船の客室やハウストレーラーも住居侵入罪の客体になります。
一時的にでもある程度継続的に利用している場合も、利用者の住居となります。
ホテルや旅館の客室がその例です。
住居は、一戸建ての家やマンション、アパートの部屋だけをさすのではありません。
では、のぞきという犯罪を表でまとめておきましょう。
まとめ
「のぞき」という犯罪
軽犯罪法違反 | 住居侵入 | |
---|---|---|
構成要件 | 「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見」る行為 | 「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入」する行為 |
法定刑 | 拘留又は科料 | 三年以下の懲役又は十万円以下の罰金 |
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