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迷惑防止条例違反の刑罰とは?つきまとい行為や痴漢、盗撮で逮捕される?違反の件数も紹介

  • 迷惑防止条例違反

迷惑防止条例違反の刑罰とは?つきまとい行為や痴漢、盗撮で逮捕される?違反の件数も紹介

迷惑防止条例違反ってなに?」

「どんな行為をしたら迷惑防止条例違反になるの?」

このような疑問をお持ちの方はいませんか?

迷惑防止条例は、多くはテレビで痴漢犯罪の特集が組まれたときなどに、耳にする機会があるかと思います。

今回は、

  • 迷惑防止条例違反となる代表的な行為「痴漢」「盗撮」「つきまとい」
  • 迷惑防止条例違反による後日逮捕の可能性や時効年数

などについて徹底解説していきます。

なお、専門的な解説は刑事事件を数多くとり扱い、迷惑防止条例違反についてもくわしいアトム法律事務所の弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

迷惑防止条例は各都道府県が制定している条例です。

条例、とは言っても刑事罰がきちんと規定されており、違反すれば刑事責任を問われ、有罪となれば前科がつきます。

この記事で迷惑防止条例においてどのような行為が違反となるのか、きちんと確認していってください。

迷惑防止条例違反の内容や刑罰①痴漢

迷惑防止条例違反の内容や刑罰①痴漢

注意

迷惑防止条例は各都道府県それぞれ制定している法令です。

おおむねどの都道府県も禁止している事項は共通しているのですが、細かい部分で差異がある場合もあります。

以下、特別なただし書きがない場合、東京都の迷惑防止条例を参照しているものとお考え下さい。

東京都の迷惑防止条例、正式名称は、

「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」

と言います。

迷惑防止条例では、痴漢行為を禁じています。

迷惑防止条例違反となる「痴漢行為」の内容

迷惑防止条例違反となる痴漢行為の内容について、実際に条文を見てみましょう。

何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。

一 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。

  • 公共の場所や公共の乗り物において
  • 人の身体に触れる

迷惑防止条例違反となります。

東京都の統計データを見てみると、電車内駅構内で犯行におよぶケースが多いようです。

都内の迷惑防止条例(痴漢)の発生場所(H29)
場所割合
電車51.3
駅構内20.0
店舗内11.5
路上7.8
商業施設2.6
バス0.8
その他5.9

出典:警視庁公式HPより(https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/koramu2/koramu8.html) 都内における性犯罪(強制性交等・強制わいせつ・痴漢)の発生状況(平成29年中)

なお公共の場所、公共の乗り物内における痴漢行為について、犯行態様の悪質なものは強制わいせつ罪に問われる可能性もあります。

強制わいせつは

「暴行または脅迫を用いて」

わいせつな行為をおこなった場合に問われます。

「暴行または脅迫を用いて」

というのは、判例上、必ずしも字義通りの意味ではなく

「相手の抵抗がいちじるしく困難になる程度で足りる」

とされています。

強制わいせつとなる一例①

たとえば電車内の痴漢行為について、実務上は、

  • 着衣の上から触った場合は迷惑防止条例に問い
  • 着衣の下に手を入れて触った場合は強制わいせつに問う

といった運用がなされています。

強制わいせつとなる一例②

また、迷惑防止条例は公共の場所公共の乗り物における痴漢行為について禁じています。

公共の場所以外、たとえば

  • 家の中
  • 会社内
  • 自家用車の中

などで痴漢をはたらいた場合には、強制わいせつ罪に問われる可能性が高いでしょう。

結論

一般に、

  • 公共の場所、公共の乗り物内で
  • 着衣のうえから触った場合など、比較的に犯行態様の悪質ではない痴漢行為をはたらいたとき

迷惑防止条例に問われる可能性がある

なお、迷惑防止条例と強制わいせつの違いについてより詳しく知りたい方はこちらの記事をごらんください。

触らなくても痴漢になり得る

迷惑防止条例5条1項の条文では、

「人の身体に触れること」

をもって罪に問うと明記されています。

しかし、人の身体に触れなくても痴漢として迷惑防止条例違反になるケースもあります。

迷惑防止条例においては、公共の場所や公共の乗り物内で、人に対して「卑わいな言動」をすることも禁じています。

条文を引用してみましょう。

前二号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。

この「卑わいな言動」ですが、判例上の定義は以下の通りです。

卑わいな言動の定義

社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言語または動作

この定義にあてはまりさえすれば、たとえ人の身体に触れなくても迷惑防止条例違反となって有罪となる可能性はあるのです。

この卑わいな言動をしたとして検挙された痴漢行為の実例を紹介してみましょう。

実際の事例
  • 市職員が路上で女子高生に「ハグさせて。性欲処理したいよ」などと声をかけた
  • 男子大学生がマンション敷地内で、女子中学生のスカートをめくった
  • 警部補が電車内で約20分間にわたり女性の目の前で服の上から自身の股間付近を触った

これらの行為について、卑わいな言動をしたとして実際に検挙が行われ、ニュース報道もされました。

痴漢行為に対する罰則|罰金は50万?100万?懲役は何年?

  • 公共の場所や公共の乗り物において人の身体に触れた
  • 公共の場所や公共の乗り物において卑わいな言動をした

こういった行為によって迷惑防止条例違反の罪に問われて有罪となったときには、

  • 6か月以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 常習の場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰金

に処されます。

迷惑防止条例(痴漢)*1
 迷惑防止条例(痴漢)
内容①・公共の場所や公共の乗り物において人の身体に触れる*2
内容②・公共の場所や公共の乗り物内で、人に対して「卑わいな言動」ととられる痴漢行為をする
罰則6か月以下の懲役または50万円以下の罰金
・常習:1年以下の懲役または100万円以下の罰金

*1東京都の条例を参照 *2強制わいせつ罪に問われる罪を除く

迷惑防止条例違反の内容や刑罰②盗撮

迷惑防止条例違反の内容や刑罰②盗撮

つづいて、盗撮について解説していきましょう。

迷惑防止条例においては、盗撮行為も禁止しています。

迷惑防止条例違反となる盗撮についてくわしく見ていきましょう。

迷惑防止条例違反となる「盗撮行為」の内容

迷惑防止条例では、

  • 特定の場所において
  • 衣服で隠されている下着や身体を
  • 撮影したり、撮影する目的でカメラなどを差し向けたり設置したりする

といった行為を禁じています。

何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。

(略)

二 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。

(略)

条文内では、

「通常衣服で隠されている下着または身体」

を撮影する行為について禁じています。

ですが服の上からの盗撮行為であっても、場合によっては迷惑防止条例違反となる場合があります。

着衣の上からでも違反になり得る

さきほど、痴漢の項でも触れましたが、迷惑防止条例は「卑わいな言動」をすることも禁じています。

前二号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。

卑わいな言動の定義は、

社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言語または動作

です。

服の上からの盗撮でも、この定義にあてはまれば迷惑防止条例違反として罪の問われる可能性はあります。

  • ショッピングセンターにおいて
  • 女性客の後ろを執ようにつけねらい
  • 携帯でズボン越しの臀部を近い距離から複数回にわたり撮影した行為

について、卑わいな言動にあたるとした最高裁判所の判例などもあります。

着衣のうえからの盗撮でも、場合によっては刑事罪に問われ得るわけです。

盗撮の規制場所拡大|都条例の改正

さて、迷惑防止条例では「特定の場所における盗撮行為」について禁じています。

とくに東京都の迷惑防止条例は一部改正が行われ、盗撮の規制場所の範囲を拡大しました。

改正後の規制場所

改正された迷惑防止条例は平成30年7月1日より施行されています。

改正後の規制場所は以下の通りです。

改正後の規制場所
  • 住居、便所、浴場、更衣室など、人がふつう衣服の全部または一部を着けない状態でいるような場所
  • 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーなど、不特定または多数の人が利用したり、出入りしたりする場所や乗物

この改正により、おおむねどんな場所の盗撮であっても、迷惑防止条例違反で罪に問われることになりました。

従来の規制場所

従来の規制では、

公共の場所、公共の乗物、公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室、公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所

について禁じるばかりでした。

盗撮行為があっても、犯行態様によっては迷惑防止条例に問えないケースもありました。

  • 自分の所有する店舗内の更衣室を盗撮
  • 自分の勤務先の学校のトイレを盗撮

こういった態様の事件について、軽犯罪法違反建造物侵入でしか罪に問えない場合もありました。

法改正によって、そういった状況に対応した形となります。

なお、都道府県によっては迷惑防止条例の盗撮にかかわる部分について、いまだに改正が行われていなかったり改正の内容が異なっていたりします。

自身の住む都道府県についてどうなのか知りたい方は、各都道府県が公開している迷惑防止条例の条文をご確認ください。

盗撮行為に対する罰則|罰則は痴漢と同内容?

盗撮に対する罰則の規定は

  • 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 常習の場合2年以下の懲役または100万円以下の罰金

となります。

迷惑防止条例(盗撮)
 迷惑防止条例(盗撮)
内容①・特定の場所でふつう衣服で隠されている下着や身体について撮影
・またカメラを差し向けたりカメラを設置したりする
内容②・公共の場所や公共の乗り物内で、人に対して「卑わいな言動」ととられる盗撮をする
罰則1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・常習:2年以下の懲役または100万円以下の罰金

*東京都の条例を参照

迷惑防止条例違反の内容や刑罰③つきまとい行為

迷惑防止条例違反の内容や刑罰③つきまとい行為

迷惑防止条例ではつきまとい行為等についても禁止しています。

一般に、つきまとい行為を禁止する法律というと、ストーカー規制法を思い浮かべる方が大多数かと思います。

ですが、迷惑防止条例においても、独自の目的でつきまとい行為を禁止しています。

ここでくわしく解説していきましょう。

迷惑防止条例違反となる「つきまとい」の内容

ストーカー規制法では、恋愛感情やそれが満たされなかったことによる怨恨を理由としたつきまとい行為を禁止しています。

迷惑防止条例では、それ以外の、ねたみや恨みなどの悪意の感情によるつきまといを禁止しています。

なおこれらの法律に該当するのは「反復して」つきまとい行為を行った場合のみで、つきまとい行為を行った回数が1回だけの場合には、軽犯罪法違反に問われます。

つきまとい行為の比較
 迷惑防止条例(つきまとい行為等の禁止)*ストーカー規制法軽犯罪法128
内容反復したつきまとい行為を禁止単一のつきまとい行為を禁止
対象ねたみや恨みなどの悪意の感情によるつきまとい恋愛感情やそれが満たされなかったことによる怨恨を理由としたつきまとい

*東京都の条例を参照

迷惑防止条例において規制の対象となるつきまとい行為等は、具体的には以下の7つに分類されます。

つきまとい行為等の定義
①つきまとい
つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居などの付近において見張りをしたり、押し掛けたり、みだりにうろつく
②監視
「行動を監視されてる」と思わせるようなことを言ったり、行動を監視していると知り得る状況にする
③粗野、乱暴な言動
いちじるしく粗野、乱暴な言動をする
④電話機などによる嫌がらせ
連続して無言電話をかけたり、断られたのに連続して電話をかけたり、FAXを送信したり、電子メールの送信などをする
⑤送付
汚物や動物の死体など、いちじるしく不快になるような物を送付する、または送付したことを知り得る状況にする
⑥名誉棄損
名誉を害することを言ったり、またはそれを知り得る状況にする
⑦性的嫌がらせ
性的羞恥心を害することを言ったり、性的羞恥心を害する文書、図画、データなどを送付したり送信したりする、またそれを知り得る状況にする

*東京都の条例を参照

これらについて、ねたみや恨みなど悪意の感情によって反復して行うと、迷惑防止条例違反となります。

都条例改正で類型追加

盗撮の項で迷惑防止条例の改正について触れましたが、このつきまとい行為についても同時に改正が行われています。

上記の②、⑥、⑦はその改正によって追加された条項です。

さらに①の「みだりにうろつく」、④の「電子メールの送信」も改正によって追加された文言です。

この改正は、電子メールやSNSが日常生活に欠かせない通信手段として普及したことを背景に行われました。

改正前の迷惑防止条例では対応できなかった、電子メール、SNSの送信行為などについても規制の対象としたわけです。

なお、これらつきまとい行為等の禁止について条文には、「ただし書き」的な条項も盛り込まれています。

本条の規定の適用に当たつては、都民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない。

つきまとい行為等の禁止は、とくに個人の権利を侵害するおそれもあります。

捜査機関などがみだりに濫用できないように、釘をさしているわけです。

つきまとい行為に対する罰則|改正都条例により厳罰化

迷惑防止条例において規定された「つきまとい行為等」に違反した場合、

  • 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
  • 常習の場合には2年以下の懲役又は100万円以下の罰金

に処されます。

改正前は

  • 6月以下の懲役又は50万円以下の罰金
  • 常習の場合には1年以下の懲役又は100万円以下の罰金

とされていました。

条例改正によって厳罰化された形となります。

では今一度迷惑防止条例のつきまとい行為等の禁止についてまとめてみましょう。

まとめ
 迷惑防止条例(つきまとい行為等の禁止)
内容・ねたみや恨みなどの悪意の感情によって
・規定されたつきまとい行為を
・反復して行う
罰則1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
・常習:2年以下の懲役又は100万円以下の罰金

*東京都の条例を参照

その他の嫌がらせ|騒音などの嫌がらせは迷惑防止条例違反になる?

「つきまとい行為に類する嫌がらせ」ということで、

騒音問題

について、迷惑防止条例にあてはまるのかどうかについても触れておきましょう。

騒音問題に罰則はある?

結論から言うと、騒音問題はおおかた民事上の問題であり、一般に刑事責任を問われることはありません。

原則的に、騒音について刑事責任が発生することはない!

ただ、たとえば室内においてブラスバンド用の太鼓などをたたき、同室内の人に脳貧血を起こさせたりや意識朦朧とさせたりした場合

暴行罪

が成立すると判示された裁判例などがあります。

刑法二〇八条にいう暴行とは人の身体に対し不法な攻撃を加えることをいうのである。

(略)

ブラスバンド用の大太鼓、鉦等を連打し(略)頭脳の感覚鈍り意識朦朧たる気分を与え又は脳貧血を起さしめ息詰る如き程度に達せしめたときは(略)暴行と解すべきである

(略)

また、いわゆる「騒音おばさん事件」として世に知られている騒音トラブルでは、傷害罪が適用されています。

この事件は、ラジカセ等を使って大音量の音楽を流し続けて、近所の女性に睡眠障害などを負わせたという事件です。

また、垣根をほうきで激しくたたき、大きな音を立てる嫌がらせを繰り返したということで、迷惑防止条例違反で逮捕が行われた事例もあります。

(略)

シャッターを開け閉めする音がうるさいと隣人に因縁をつけ、プラスチック製の垣根をほうきで激しくたたき大きな音を立てる嫌がらせを繰り返したとして、警視庁生活安全総務課は30日までに、(略)東京都迷惑防止条例違反容疑で逮捕した。

(略)

一般に、騒音問題で刑事事件化する例は少ないです。

しかし犯行態様が悪質であったり、被害者が何らかの傷害を負った事例では刑事責任を追及されるケースもあるようです。

迷惑防止条例違反で後日逮捕はされる?時効は5年?10年?逮捕後にすべき対応とは

迷惑防止条例違反で後日逮捕はされる?時効は5年?10年?逮捕後にすべき対応とは

さて、ここからは迷惑防止条例全体について、より包括的に見ていくことにしましょう。

具体的には、

  • 迷惑防止条例違反の件数
  • 迷惑防止条例違反の後日逮捕の可能性や不起訴獲得の可能性
  • 迷惑防止条例違反の時効

について確認します。

迷惑防止条例違反の件数

迷惑防止条例違反の全体をとりまとめている統計データは確認できなかったのですが、

痴漢盗撮にかかる迷惑防止条例

については、統計データが確認できました。

平成26年における痴漢と盗撮の検挙件数を参照してみましょう。

検挙件数(H26)
 検挙件数
痴漢3,439
盗撮3,265

*平成27年版犯罪白書 第6編第2章第1節の1を参照

こちらは検挙件数、つまりは警察が事件を把握して被疑者の身柄を特定、確保した件数です。

実際に事件として発生している件数は、暗数ふくめてさらに多いものと推定されます。

後日逮捕はされない?示談金を納めれば不起訴になる?

「最近、迷惑防止条例に違反した覚えがある…」

記事をご覧になっている方の中には、自身のひっ迫した問題として、後日逮捕が行われるか不安に思っている方もいらっしゃることでしょう。

まず後日逮捕の可能性について考えてみましょう。

迷惑防止条例違反の後日逮捕の可能性

警察官が後日逮捕を行うためには、逮捕状が必須となります。

逮捕状の請求・発布の流れ

誤解されがちなことなのですが、警察が把握したすべての刑事事件について、必ず逮捕が行われるというわけではありません。

逮捕は、被疑者について犯行を行ったという合理的な嫌疑がかかっている状況で、

逮捕の必要性があるとき

にのみ行われます。

逮捕の必要性の要件
  • 被疑者について、逃亡するおそれがある
  • 被疑者が証拠隠滅するおそれがある

このどちらかの要件にあてはまっていないと逮捕は行われません。

実は統計上、逮捕が行われる刑事事件よりも、逮捕が行われず在宅のまま手続きが進んでいく刑事事件のほうが、数としては多いのです。

結論

一般的に、よほど悪質な態様の事件を引き起こしていない限りは、迷惑防止条例で後日逮捕が行われる可能性は低いとみていいでしょう。

逮捕について、また盗撮や痴漢の後日逮捕についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

示談締結で不起訴処分の獲得をめざす

迷惑防止条例で検挙されてしまったときには、弁護士に依頼して被害者との示談締結を目指すのがよいでしょう。

示談の締結は、民事上の責任を解消するにとどまらず、刑事責任の軽減さえも見込めるのです。

刑事事件は、以下のイラストのような流れとなっています。

刑事事件の流れ

刑事事件の流れについて、より詳しく知りたい方はこちらの記事をごらんください。

刑事事件においては、起訴されるか、不起訴となるかがもっとも重要と言えるでしょう。

不起訴となれば、

  • 刑事手続きは終了
  • 当然、裁判が開かれることもない
  • 刑事罰も科せられない
  • 前科もつかない

のです。

たとえ犯行事実を認めている態様の事件であっても、

  • 犯人の性格年齢境遇
  • 犯罪の軽重情状
  • 犯罪後の情況

に応じ、検察官が「今回は勘弁してやろう」と判断すれば、起訴猶予として不起訴処分を獲得できる場合もあります。

統計上は、検察に送致された事件の半数以上の事件について起訴猶予で不起訴になっています。

  • 初犯で
  • 示談締結などによって賠償が尽くされている場合

起訴猶予で不起訴になる可能性はかなり高いです。

迷惑防止条例違反の時効

「そういえば大昔、迷惑防止条例に違反するようなことをした覚えがある…」

そういった事情で、迷惑防止条例の時効について気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

時効は色々な種類があるのですが、今回は公訴時効について、その年数を見ていくことにしましょう。

公訴時効とは

犯行が行われた日から一定の年数が過ぎると、検察が起訴することができなくなるという時効です。

公訴時効を過ぎればかならず不起訴になるというわけです。

世間一般、マスメディアなどで刑事事件の時効というときには、たいていこの公訴時効を指します。

公訴時効の年数は、その罪の法定刑の重さによって、それぞれ段階的に年数が規定されています。

迷惑防止条例の痴漢、盗撮、つきまといの法定刑を今一度確認してみましょう。

迷惑防止条例の法定刑:痴漢
  • 6か月以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 常習:1年以下の懲役または100万円以下の罰金
迷惑防止条例の法定刑:盗撮
  • 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
  • 常習:2年以下の懲役又は100万円以下の罰金
迷惑防止条例の法定刑:つきまとい
  • 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
  • 常習:2年以下の懲役又は100万円以下の罰金

これらの法定刑について、公訴時効年数に言及している刑事訴訟法の条文を引用します。

時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。

(略)

六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年

(略)

迷惑防止条例の公訴時効は、犯行が行われたその日から数えて3年です。

迷惑防止条例違反についてお悩みなら弁護士に相談

迷惑防止条例違反についてお悩みなら弁護士に相談

ここまでアトム法律事務所の弁護士とともにお送りしました。

迷惑防止条例違反について、かなり深いところまで知ることができたのではないでしょうか?

この記事をご覧になっている方の中には、自分の事件に即して具体的なアドバイスが欲しい! という方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、ここからは弁護士に相談できる様々なサービスについてご紹介します。

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掲載されているのは、当サイトの編集部が厳選した頼りになる弁護士たちです。

相談してみたい弁護士をぜひ見つけてみてください。

最後に弁護士からメッセージ

では最後に一言お願いします。

迷惑防止条例違反についてお悩みの皆さん。

迷惑防止条例違反の事案では、なるべく早く弁護士に相談していただくことで、事件を判断する検察官、裁判官に対しさまざまな働きかけをすることができます。

示談の締結や、嘆願書の入手などの活動によって

  • 逮捕の阻止
  • 勾留の阻止
  • 不起訴処分の獲得

について可能性が高まります。

少しでも気がかりなことがあれば、まずはとにかく弁護士に相談することをおすすめします。

まとめ

今回は迷惑防止条例違反について解説してきました。

迷惑防止条例違反のまとめ
  • 痴漢、盗撮、つきまといなどの行為によって迷惑防止条例違反になる可能性がある
  • 迷惑防止条例違反では、一般的に後日逮捕が行われる可能性は低い
  • 迷惑防止条例違反は示談締結などによって不起訴処分獲得がみこめる。なお、公訴時効は3年である

当サイト「刑事事件弁護士カタログ」には、他にもお役立ちコンテンツが満載です。

を活用してください。

迷惑防止条例違反についてお悩みなら、まずは頼れる弁護士を見つけましょう!

迷惑防止条例違反の刑罰とは?つきまとい行為や痴漢、盗撮で逮捕される?違反の件数も紹介

迷惑防止条例違反となる『痴漢行為』の内容は?

迷惑防止条例違反となる痴漢行為の内容は、『公共の場所や公共の乗り物において、人の身体に触れる』ということです(東京都の場合)。なお公共の場所、公共の乗り物内における痴漢行為について、犯行態様の悪質なものは強制わいせつ罪に問われる可能性もあります。 迷惑防止条例違反の内容や刑罰①痴漢

迷惑防止条例違反となる『盗撮行為』の内容は?

迷惑防止条例違反となる盗撮行為の内容は、「特定の場所において、衣服で隠されている下着や身体を撮影したり、撮影する目的でカメラなどを差し向けたり設置したりする」行為です。また、「通常衣服で隠されている下着または身体」を撮影する行為についても禁じています。ですが服の上からの盗撮行為であっても、場合によっては迷惑防止条例違反となる場合があります(東京都の場合)。 迷惑防止条例違反の内容や刑罰②盗撮

迷惑防止条例違反となる「つきまとい」の内容は?

迷惑防止条例では、ねたみや恨みなどの悪意の感情によるつきまといを禁止しています(東京都の場合)。ただし、恋愛感情やそれが満たされなかったことによる怨恨を理由としたつきまとい行為はストーカー規制法違反に区別されます。 迷惑防止条例違反の内容や刑罰③つきまとい行為

迷惑防止条例違反での後日逮捕の可能性はある?

一般的に、よほど悪質な態様の事件を引き起こしていない限りは、迷惑防止条例で後日逮捕が行われる可能性は低いとみていいでしょう。警察官が後日逮捕を行うためには、逮捕状が必須となります。逮捕は、被疑者について犯行を行ったという合理的な嫌疑がかかっている状況で、逮捕の必要性があるときにのみ行われます。 迷惑防止条例違反で後日逮捕はされる?時効は5年?10年?逮捕後にすべき対応とは