【実例公開】殺人罪の慰謝料の金額相場は?|遺族との示談について知る
今回のテーマは殺人事件についてです。
その中でも慰謝料・示談金についてレポートしたいと思います。
慰謝料・示談金の支払いは、被害者やご遺族に対し誠実に謝罪の気持ちを表す方法の一つです。
もちろん、殺人の罪が金銭賠償によってすべて解決するわけでは決してありません。
殺人事件は民事の側面と刑事の側面、両側面で責任を負うことになります。
その点もふまえて、殺人罪の慰謝料・示談金についてみていきたいと思います。
目次
「殺人罪の慰謝料・示談金の相場」をテーマにお送りします。
殺人罪の慰謝料・示談金の意味とは
過去の示談の実例
殺人罪の慰謝料・示談金の相場
このような内容を軸に進めていきます。
法律部分のくわしい解説を、刑事弁護の専門家にお願いしています。
テレビなどで刑事事件の解説をしているアトム法律事務所の弁護士です。
ここで出てくる実例は他では聞けません。
殺人罪の「慰謝料・示談金」の意味を基礎から知る
慰謝料の意味と示談金の意味
加害者が遺族に対して謝罪の意思を伝えるため支払うお金として
示談金
慰謝料
があります。
このような言葉を聞いたことある方、いらっしゃると思います。
「いずれも加害者が被害者に支払うもの」という認識はお持ちだと思います。
ですが、この2つの正確な違いについては、あいまいなのではないでしょうか。
ここからは、示談金と慰謝料の意味の違いをおさえていきたいと思います。
まずは、「示談」の意味について説明しておきます。
示談とは
当事者間の話し合いにより事件の賠償問題を解決することをいいます。
示談そのものの意味について、もっとくわしく知りたい方はコチラもあわせてご覧ください。
示談金は、示談成立のために支払われるお金です。
慰謝料も示談のときに支払われるものですが、それぞれ正確な意味を知る人は少ないのではないでしょうか。
慰謝料は、いくつかある示談金の構成要素のうちの一つと考えられています。
たとえば、被害者が事件により引越しせざるを得なくなった場合を考えてみましょう。
示談の内容として、その引越し代も加害者が負担する合意をした場合、その引越し代は示談金の一部だといえます。
慰謝料も同じく、示談金に含まれていると考えることができます。
示談金
→示談の際に支払われるお金の全体を指します。
慰謝料
→示談金のうち、被害者の精神的苦痛に対して支払われるお金を指します。
殺人罪を犯し、被害者の遺族に「金銭的な損害」を与えた場合、普通加害者は被害者の遺族から損害賠償請求を受けます。
具体的には次のような内容が考えられます。
損害賠償の内訳
慰謝料
葬儀費用
逸失利益
などが考えられます。
逸失利益とは簡単にいうと、事件の被害を受けなければ本来得られたであろう利益や収入のことです。
殺人事件は、人の生命を奪うという重大な事件です。
したがって、慰謝料の金額は高額になります。
示談とは、当事者間の話し合いによって、事件の賠償問題を解決することをいいます。
殺人罪の場合は、遺族の処罰感情が峻烈で、示談が成立しないケースが多いです。
また、そもそも、謝罪の申し入れや連絡を取ること自体も拒否されることが多いです。
殺人罪では、被害者側が大きな恐怖を感じているケースが多いです。
そのような場合は、示談に応じてもらえない可能性が高くなります。
たとえ示談に応じてもらえたとしても、示談金の額は高額になるケースが多いです。
ポイント
殺人罪の慰謝料と示談金まとめ
慰謝料 | 示談金 | |
---|---|---|
性質 | 加害者が被害者側に支払う金銭 | 加害者が被害者側に支払う金銭 |
意味 | 殺人事件による精神的損害に対する損害賠償金 | 殺人事件の示談の際に支払われるお金の全体 |
実録|殺人事件で成立した示談金の金額
ここで、1件事例を紹介したいと思います。
ある殺人未遂事件の示談です。
この事件は、示談金820万円で示談が成立したようです。
被告人(18歳男性)は、交際相手である16歳の被害女性に対し、殺意をもって、洋包丁(刃体の長さ16.2cm)でその左鼠径部(そけいぶ)及び左背部を刺したが、入院加療42日間を要する左鼠径部(そけいぶ)刺創、背部刺創の傷害を負わせたにとどまった。
出典:『量刑調査報告集Ⅳ』(第一東京弁護士会、平成27年3月)
被害者の命を奪おうとする殺人罪は、示談金の金額が相当高額になると考えられます。
被害者が死に至らなかった場合で、怪我を負っている場合を考えてみます。
この場合、被害回復に必要な費用として治療費も相当程度必要になることがよくあります。
こうした通院治療費についても通常は示談金に盛り込まれます。
まとめ
判決の宣告:平成20年12月
前科:なし
事件の概要:殺意をもってナイフで人を刺した殺人未遂事件
示談金の金額:820万円
示談金の金額は事件の内容によってさまざまです。
ですので、この820万円という示談金は、あくまでこの事件の場合に出てきた金額です。
それを念頭におきながら、暴行事件や傷害事件の実例を参考にしてみてください。
下のボタンをタップすると様々な事件の示談金を参照することができます。
ここでは事件ごとに、示談金の相場がまとめられています。
ほかにも、刑事事件の示談についてはコチラを参照してください。
殺人事件の「示談書」書式(参考)
殺人罪で示談をお考えなら、示談書の作成についても考える必要があります。
示談の成立には、必ず示談書(書面)が必要とされるわけではありません。
しかし、何も書面がないと、あとで言った言わないの争いが生じることがあります。
トラブル回避のために示談書の作成はとても大切です。
示談書のひな型を公開しているページがあります。
示談書とはどのようなものか、イメージをつかむためにも是非ご覧ください。
殺人事件の「謝罪文」雛形(参考)
さて、示談交渉に入る前に、もうひとつ知っておきたいことがあります。
それが、被害者やご遺族に対する謝罪文の作成です。
示談の前に、まずは真摯に謝罪する意思があることを伝える必要があります。
こちらで謝罪文のフォーマットも公開しています。
あなた自身の言葉で、誠実な謝罪の意を表すことが大切です。
殺人罪についての相談|弁護士を見つける方法
殺人罪の慰謝料・示談金についてくわしく見てきました。
実際に示談交渉をしたいとお考えなら、弁護士から直接アドバイスが欲しいところです。
そこで、弁護士に相談できる方法をいくつかご紹介します。
24時間受付の弁護士相談窓口
こちらの弁護士事務所は、刑事事件の無料相談を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。
いつでも専属のスタッフから無料相談の案内を受けることができるので、緊急の時も安心です。
急を要する刑事事件の相談ができるので、頼りになりますね。
刑事事件でお困りの方へ
ご希望される方はこちら
24時間365日いつでも全国対応
※無料相談の対象は警察が介入した刑事事件加害者側のみです。警察未介入のご相談は有料となります。
広告主:アトム法律事務所弁護士法人
代表岡野武志(第二東京弁護士会)
47都道府県から弁護士を選ぶ|地域で弁護士を探す方法
家族や親友にも話しづらい内容でも、弁護士なら相談できるかもしれません。
弁護士に直接会って相談したい場合もあります。
そんなとき、弁護士選びはとても重要です。
ただ、弁護士「探し」に時間をかけているわけにはいきません。
刑事事件はどんどん進行していきます。
そこで、こちらをご活用ください。
全国47都道府県すべての地域から、地域別に弁護士を厳選し掲載しています。
直接会いに行くなら、地元の弁護士がおすすめです。
近くにはどんな弁護士がいるのか、お住いの地域をタップしてご確認ください。
「刑事事件に注力する地元の弁護士」を簡単に探すことができます。
最後に弁護士から一言
殺人罪の慰謝料をくわしく見てきました。
最後に、アトム法律事務所の弁護士から一言お願いします。
殺人罪の慰謝料でお悩みなら、今すぐ弁護士に相談することが重要です。
事件の早い段階でどのような行動をとるかが、その後の展開に影響します。
弁護士に相談すれば、弁護士としての豊富な経験からアドバイスをもらえるでしょう。
弁護士はあなたの味方です。
一人で悩みは抱えずに、弁護士に相談するようにしましょう。