傷害事件の示談金の相場はいくら?|被害別に実例を紹介
傷害事件の示談とは、傷害トラブルの賠償問題を当事者間の話し合いによって解決することです。傷害事件の示談金の相場は、ケガの重さによって様々です。示談金10万円程度で収まるケースもあれば、後遺障害などが残っているケースでは、示談金1,000万円を超えても収まらないこともあります。
加害者側からみた示談のメリットは、刑事処分や刑事処罰が軽くなることです。他方で、示談のデメリットは、早期解決のため多めの示談金を支払う必要があることです。一方、多めの示談金を支払っても刑事処分を軽くしたい人は、積極的に示談を進めることをお勧めします。
被害者側からみた示談のメリットは、裁判などせずに損害賠償を上回る(可能性の高い)示談金をもらえる点です。他方で、示談のデメリットは、加害者に対する刑事処分が軽くなる点です。加害者に対する刑事処分に興味・関心がない場合は、賠償と紛争の早期解決の観点から、示談金を受け取っておくことをお勧めします。
傷害事件の示談とは?
ところで、示談、示談、っていうけれど、示談っていったいどういう意味?って思いますよね〜。 まずは基本に立ち返って、示談の意味を調べてみました。ちなみに、示談は「じだん」って読みます!
傷害罪の示談とは、傷害罪によって生じた賠償金をめぐるトラブルを、傷害罪の加害者と被害者の合意をもって解決することをいいます。 示談書の作成は、示談の成立の必要条件ではありません。 しかし、その後のトラブル(示談が成立した、しないの言い合い)を防ぐためにも、示談書を作成することが大切です。
要は、示談って二人で仲直りするってことですね。
まとめ
傷害罪の示談とは
示談書ありの示談 | 示談書なしの示談 | |
---|---|---|
意味 | 賠償金をめぐるトラブルが加害者と被害者の合意をもって解決した | 賠償金をめぐるトラブルが加害者と被害者の合意をもって解決した |
有効性 | 有効に成立 | 有効に成立 →ただしトラブル再発防止の観点から危険 |
示談成立の効果は?
で、示談が成立したらどうなるかは気になるところですよね。 示談が成立して全部なかったことになるなら、傷害罪は意味がなくなりますよね。実際のところはどうなんでしょう。
傷害罪の示談が成立したということは、傷害罪によって生じた賠償金のトラブルが当事者間の合意によって解決したということを意味します。 示談が成立すれば、傷害罪の加害者は、被害者に対して、示談金を支払い、その他の示談の条件を履行する義務を負います。 傷害罪の被害者は、加害者が示談の条件を履行しない場合は、成立した示談書を証拠として、その後の民事手続きを有利に進めることができます。
なるほど。そういうことなんですね。
まとめ
示談成立の効果は?
加害者側 | 被害者側 | |
---|---|---|
意味 | 賠償金のトラブルが当事者間の合意によって解決した | 賠償金のトラブルが当事者間の合意によって解決した |
示談金 | 支払い義務が生じる | 受け取る権利が生じる |
示談条件 | 履行する義務が生じる | 履行を強制する権利が生じる |
加害者側の示談のメリットは?
これを読んでるあなたは、傷害罪の加害者ですか?被害者ですか? まずは傷害罪の加害者側のメリットから見てみましょう。 傷害罪の示談にはどんな効果があるのか。加害者の人にとっては、思わず期待してしまうところですよね。
傷害罪の示談が成立すれば、傷害罪の加害者は、その後の刑事手続きにおいて、示談が成立しなかった場合と比べて有利に取り扱われます。 具体的には、刑事裁判にならない可能性や、不起訴で前科がつかない可能性が高まります。 示談が成立したことで、軽微な傷害事件であれば不起訴になることも多く、傷害罪の前科がつかないメリットは大きいです。
やっぱり、示談の成立は加害者にとって有利になるということなんですね。 刑事裁判にならなかったり、前科がつかなかったりすれば、いろいろと安心できますよね。 特に、加害者本人もそうですが、ご家族の方が安心できるのではないでしょうか。
まとめ
加害者側の示談のメリットは?
加害者側のメリット | |
---|---|
刑事裁判への影響 | 刑事裁判で加害者側に有利に考慮される |
前科との関係 | 不起訴になり、前科がつかない可能性もある |
賠償金との関係 | 示談金の支払いで賠償義務を免れる |
被害者側の示談のメリットは?
では、被害者側のメリットはなんなんでしょう。 お金を受け取れるとしても、示談の方が示談金が高くなるとうことがあるのかな。 でも、普通は裁判をした方が示談金が高くなりそうですよね。
傷害罪の示談が成立すれば、傷害罪の被害者は、民事裁判などの面倒な手続きを経ることなく、賠償金を受け取ることができます。 もっとも、示談の成立と同時に賠償金を受け取らなければ、その後に加害者に逃げられてしまうリスクもあるため、注意が必要です。 加害者に逃げられてしまった場合は、賠償金を受け取るためには、示談書を証拠として民事裁判などの手続きを取る必要が出てきます。
そっかー。示談金が高くなる、安くなるというよりも、面倒な手続きが不要で示談金を受け取れるという点でメリットがあるわけなんですねー。 示談金をしても加害者に逃げられてしまうリスクがあるというのは驚きです。 民事裁判をするときは示談書が重要になるようなので、みなさん、示談書はしっかりと保管するようにしましょう。
まとめ
被害者側の示談のメリットは?
被害者側のメリット | |
---|---|
刑事裁判への影響 | なし |
前科との関係 | なし |
賠償金との関係 | 早期かつ確実に賠償金を回収することができる |
傷害事件の示談金の内訳と決まり方
示談金の内訳は損害賠償と慰謝料
示談の意味やメリットがわかったところで、示談金には何が含まれるのでしょうか。
慰謝料っていうのは聞いたことがあるけど、示談金とは何が違うんだろう…疑問はつきません
示談金の内訳は、大きく分けて慰謝料と損害賠償で構成されます。
慰謝料とは、事件によって受けた精神的苦痛に対して支払われるものです。
これに対して、損害賠償とは、事件によって受けた損害を補うために支払われるものです。例えば、傷害事件による怪我の治療費や、怪我によって働けなくなったことに伴う休業補償が考えられます。
損害賠償は実際に生じた金額を支払い、それに加えて被害者が納得する金額を慰謝料として支払うことで、示談金の総額となります。
なるほどなるほど。示談金の内訳は、慰謝料と損害賠償だったんですね。
だんだんとイメージがわいてきました!
それでは一番気になっている結局示談金はどのように決まるのか?という疑問を解消していきたいと思います。
示談金相場の決まり方
では、示談金の相場はどのように決まるのでしょうか。相場感って専門的な性格が強いというか、その取引をよく知っている人でないとわからないことなので、アトム法律事務所の弁護士に詳しく解説してもらいましょう!
傷害罪の示談金の相場は、ケースによってさまざまです。傷害罪によって生じた結果の大小や、被害者の処罰感情によって金額が左右されることが多いです。
傷害罪の被害がそれほど重たくない場合は、10万〜30万円程度の示談金でまとまるケースも多いです。 傷害罪の被害者の側としても、実際に治療に要した金額に加えて、一定の慰謝料を貰えれば、誠意が伝わったとして満足するケースが多いからです。
これに対して、傷害罪によって生じた損害が重たい案件に関しては、示談金が100万円を超えることも珍しくありません。 後遺障害が残るようなケースだと、実際に民事裁判になれば数千万円から一億円以上の損害賠償が認められることもあります。 そのため、当事者の話し合いでまとまる示談においても、示談金の金額が高くなる傾向にあります。 刑事事件としての傷害罪の場合は、加害者が刑務所に入ってしまえば、いくら民事裁判で損害賠償が認められたとしても、実際に賠償金を回収するのは困難です。 賠償金の回収を重視する被害者の方は、民事裁判で認定される可能性がある賠償金の金額よりも安い金額で示談してしまうのも一つです。 示談であれば、「示談金を実際に受け取ってから示談書を作成する」という前払いの方式を取ることが可能で、お金が回収できないリスクを回避することができるからです。
おおおおお。示談金の相場はいろいろですが、100万円を超えることもあるっていうのは驚きですよね。 ただ、実際に重たい傷害を負った被害者の方からすれば、100万円であっても示談金としては足りない、というのが心情ですよね。 一億円などの賠償金になった場合はどうするのでしょうか。 裁判でなく、示談で解決できるのであれば、示談で解決した方が良さそうですよね。
まとめ
傷害罪の示談金の相場は
軽微な傷害罪 | 重大な傷害罪 | |
---|---|---|
示談金の基準 | ①傷害結果の大小 ②被害者の処罰感情 | ①傷害結果の大小 ②被害者の処罰感情 |
示談金の相場 | 10万〜30万円程度が多い | 100万円を超えることもある |
傷害事件の示談金の相場
傷害事件の示談金のおおまかな算定方法はわかりましたね。
さて、そろそろ傷害罪の示談金相場に関する実際の事例を見せてくれますよね?
先生が実際に取り扱ってきた生の事件のデータを、はやく見せて欲しいです!
お待たせしました。
私の事務所で過去に実際に取り扱った事件から、いくつかの傷害事件をケガの内容別に持ってきました。
これらはすべて、実際にあった事件で、示談金もすべて加害者が被害者に実際に支払った金額です。
参考にしてください。
さあ皆さん、ついにお披露目です!
全治1週間のケガから骨折・重傷まで、ケガの程度別に見て行きましょう。
ちなみに、どの表も示談金の金額が低いものから順に、だんだんと高くなっていきますので、しっかりご覧ください。
全治1週間の傷害の示談金相場をチェック
事件の概要 | 示談金の金額 |
---|---|
深夜のナイトクラブで、客として来ていた被害者と体が接触して揉めた際、被害者の顔面を手拳で殴打し全治1週間の怪我を負わせた事件。 | 10万円 |
深夜のクラブイベントにおいて、被害者とトラブルになり、顔面を手拳で殴打し暴行を加え、全治1週間を要する怪我を負わせた事件。 | 20万円 |
ハローワーク内において、被害者夫婦に対し、顔面を手拳で数回殴打するなどの暴行を加え、全治1週間を要する怪我を負わせた事件。 | 32万209円 |
信号で停車した際に、被害者が運転する車両に近づき、被害者の胸を両手で突き飛ばし、更に被害者の顔面を手拳で数回殴打した上、爪でひっかくなどの暴行を加え、全治1週間を要する怪我を負わせた事件。 | 40万円 |
公衆トイレで用便中の被害者女性に対し、隣のトイレから壁面を超えて個室に侵入し、同女を押し倒してわいせつな行為をしたところ、その際の暴行により被害者に全治1週間程度の右膝関節打撲症の傷害を負わせた事件。 | 50万円 |
駅のホーム先頭付近において、50代男性と口論になりその男性のマフラーを掴んで下に叩きつけた上、後方の線路に落とす等暴行を加え、全治約1週間を要する頭部挫創の傷害を負わせた事件。 | 100万円 |
電車内において、左隣りの座席に座っていた被害者に「鞄が膝にあたっている」と注意されたことで腹を立て、持っていた腕時計を右手に巻きつけたうえで被害者の顔面を殴打し全治1週間程度の怪我を負わせた事件。 | 70万円 |
通行中の被害者の後方から近づき、被害者の後頭部を凶器で殴打して転倒させ、被害者が所有していた現金約2万円等の入ったバッグをひったくって強取し、被害者に全治1週間程度の左後頭部挫創の傷害を負わせた事件。 | 150万円 |
全治2週間の傷害の示談金相場をチェック
事件の概要 | 示談金の相場 |
---|---|
公園内において、当時17歳の被害者に対し、その顔面などを自転車のサドルなどで殴打する暴行を加え、全治2週間程度の怪我を負わせた事件。 | 10万円 |
会社の元従業員に対し、その後頭部をノコギリ(刃カバー付)で殴打し全治2週間程度の怪我を負わせた事件。 | 25万円 |
路上に停車したタクシーと走行進路について言い争いとなり、被害者であるタクシー運転手の首元及び腕を掴んで押さえつける等の暴行を加え、全治2週間程度の怪我を負わせた事件。 | 30万円 |
公園内において、当時14歳の少年に対し、手拳で顔面を殴打し、顔面を膝蹴りする等の暴行を加え、更に共犯者が腹部を足蹴りにする等の暴行を加え、全治2週間程度の怪我を負わせた事件。 | 30万円 |
飲食店の男子トイレにおいて、飲食店店長である被害者の両腕を掴み、被害者の首筋を右手で掴むなどの暴行を加え、全治2週間程度の怪我を負わせた事件。 | 40万円 |
駅構内において、60代男性と体が接触し、立腹のあまりその男性を足で数回蹴り、頭突きをするなどの暴行を加え、全治2週間を要する怪我を負わせた事件。 | 50万円 |
階段において、当時19歳の被害者女性に対し痴漢行為をし、逃走する際、自転車後部荷台にしがみついた被害者をその場に転倒させ、数メートルにわたり引きずるなどの暴行を加え、全治2週間程度の怪我を負わせた事件。 | 50万円 |
駅構内のエスカレーターにおいて、その横を通り抜けようとした男性被害者とぶつかったことでトラブルになり、男性に対し蹴るなどの暴行を加え、全治2週間程度の怪我を負わせた事件。 | 100万円 |
路上で、被害者の自転車の運転に腹を立て、文句を言うために自転車の前に立ちはだかり、自転車に乗っていた被害者と子供を自転車もろとも転倒させ、2人に対し全治2週間の怪我を負わせた事件。 | 130万円 |
風俗店事務所内において、風俗店従業員である女性被害者が無断で他店に勤務したことに憤慨し、被害者の顔面を数回殴打し、さらには頭髪を切除する等の暴行を加え、全治2週間程度の怪我を負わせた事件。 | 130万円 |
骨折(傷害)の示談金相場をチェック
事件の概要 | 示談金の相場 |
---|---|
中学生が、男子トイレ内に被害者を連れ込み、頭部を殴打し、両手で首を絞めつけ、胸部に膝蹴りする等の暴行を加え、全治約4週間を要する頭部打撲、頚椎ねんざ、左肋骨骨折の傷害を負わせた事件。 | 15万円 |
当時15歳の被害者に対し因縁を付け、被害者を地面に倒し、顔面を足蹴りし、右手拳で殴打して鼻を骨折させる傷害を負わせた事件。 | 28万3295円 |
中学生が、共犯者とともに、被害者である同級生に対し、手拳で顔面を殴打、腹部を足蹴りする等の暴行を加え、被害者に加療約68日間を要する顔面打撲、右眼窩底骨折、複視の傷害を負わせた事件。 | 41万円 |
深夜、スナック店内で被害者に抱き着いて押し倒す暴行を加え、よって後頭部を縫う怪我および肋骨骨折などの傷害を負わせた事件。 | 46万円 |
職場の店舗において、被害者である40代上司と仕事上のトラブルから口論となり激高し、同人に左脇腹を右手拳で1回殴打する暴行を加え、同人に3週間の加療を要する左助骨多発骨折の傷害を負わせた事件。 | 50万円 |
商業施設において、仕事上のトラブルから店長代理と口論になり、左脇腹を右手拳で1回殴打する暴行を加え、左助骨多発骨折を負わせた事件。 | 50万円 |
自宅アパート居室内において、同居していた未成年の女性被害者に対して、顔面を手拳で数発殴るなどの暴行を加え、頬骨を骨折させる傷害を負わせた事件。 | 59万365円 |
体育館倉庫内において、被害者である70代の同僚と口論になり、顔面を殴打し、眉間や鼻を骨折させる傷害を負わせた事件。 | 110万円 |
電車内において、口論となり、被害者の顔面を殴打するなどの暴行を加え、鼻を骨折させる傷害を負わせた事件。 | 143万5850円 |
深夜、路上において、喧嘩を止めに入った友人に対し、その顔面を拳で殴る暴行を加え、同人に入院加療16日間を要する下顎正中部・左側下顎角部骨折の傷害を負わせた事件。 | 176万円 |
重症(傷害)の示談金相場をチェック
事件の概要 | 示談金の相場 |
---|---|
中学生が、共犯者とともに、被害者である同級生に対し、手拳で頭部を殴打し、両手で首を絞めつけ、さらに胸部に膝蹴りする等の暴行を加え、全治約4週間の頭部打撲、頚椎捻挫、左肋骨骨折の傷害を負わせた事件。 | 15万円 |
駅構内で、盗撮をしているところを周囲の男性に目撃され逃走を図るも、その男性に追いつかれ、腕を振り払ったときに加療約3週間を要する左手首靭帯損傷の傷害を負わせた事件。 | 25万円 |
深夜、自宅アパートの一室内において、同居していた交際相手の顔面を手拳で数発殴るなどの暴行を加え、頬骨骨折等全治4週間の重症を負わせた事件。 | 59万円 |
交通トラブルをおこし、被害者に対し、顔面を3発殴る等の暴行を加え、全治約3週間の傷害を負わせた事件。 | 75万円 |
飲食店の客である被害者Aと口論の末、手拳で殴打する等の暴行を加え、それを制止しようとした被害者Bに対しても暴行を加え、被害者Aには全治1ヶ月の鼻骨骨折、被害者Bには全治3日の左顎打撲の傷害を負わせた事件。 | 75万円 |
新幹線内において、前方の座席に座っていた被害者に対し、座席を数回蹴るなどの暴行を加え、休業約3週間を要する頚部挫傷,頭部打撲傷等の傷害を負わせた事件。 | 179万7405円 |
これはすごいっ!
これだけ数と種類があれば、自分の事件もどれかしらに当てはめて、示談金の相場を把握できそうですね。
傷害事件の示談金の相場は、10万円~150万円超えということでした。
高額なケースだと、180万円近いのもありましたね。
同じ傷害でも、ケガの程度によって、示談金の金額にはずいぶんと開きがあるようです。
なお、その他の示談金の相場はこちらからかんたんに確認できるようにしておきました。
傷害事件の示談交渉の流れ
示談の流れは、今まで示談とかしたことがない一般人にとっては気になるところですよね。 示談の流れが間違ってしまうと、相手といろいろトラブルになりそうじゃないですか。 スムーズに示談を成立させるためにも、示談の流れと示談の方法は押さえておきたいところですよね。
傷害罪の示談の流れは、通常の事件の示談の流れと同様です。 傷害罪の加害者が被害者の連絡先を知っている場合は、当事者同士で示談の話し合いを進めることができます。 示談成立の流れとしては、
①話し合い
②示談条件の確定
③示談書の作成
④示談金の支払い
⑤示談書にサイン という流れを経ることが多いです。
これに対して、傷害罪の加害者が被害者の連絡先を知らない場合は、傷害罪の示談を進めるためには、弁護士を選任する必要があります。 弁護士を選任すれば、警察官や検察官から被害者の連絡先を聞くことができるケースが多いからです。 弁護士を選任した後の示談の流れとしては、弁護士が被害者と話し合って、示談が成立することになります。
連絡先を知っている場合と知らない場合とで、いろいろと異なる部分があるんですね。 連絡先を知らない場合は弁護士を立てる必要があるようなので、早めによい弁護士を見つけたいところですよね。
なお、傷害事件の示談の流れについては『傷害事件の示談の流れを徹底解説!|示談書の書き方まで紹介』でもっと詳しく解説しています。
また、『傷害事件の加害者となったときの流れ。逃げたら逮捕?示談締結は家族がするべき?』では、加害者側にスポットを当てて手続きの流れを丁寧に解説しているので、興味がある方は是非ご覧ください!
まとめ
傷害罪の示談の流れや示談の方法は?
加害者側 | 被害者側 | |
---|---|---|
相手の連絡先を知っている | 自分で示談を進めることが可能 | 自分で示談を進めることが可能(※) |
相手の連絡先を知らない | 弁護士を選任する必要がある | 弁護士を選任する必要がある |
傷害事件の示談に関するQ&A
ここまで傷害事件の示談に関する基本的な理解を深めてきました。だいぶ傷害事件の示談というものがわかってきたのではないのでしょうか。
ここからは、傷害事件の示談金に関する細かい疑問について徹底的に解説していきたいと思います!
相手が傷害事件の示談に応じてくれない場合は?
示談を申し入れたのに示談に応じてもらえないなんて、不安な気持ちになりそうですね。 そういう場合、どうなるのかしっかりと把握しておく必要がありそうです。普通の人はそんなこと知らないですもんね。そこで、加害者が応じてくれない場合と、被害者が応じてくれない場合に分けて解説して頂きましょう!
傷害罪の加害者が示談に応じない場合、被害者としては、自らが傷害罪で被った損害を取り戻すためには、自らで法的な手段を取る必要があります。 まずは、傷害罪の加害者に対して、内容証明郵便で傷害罪にもとづく損害賠償を請求してみるなど、何らかのアクションを起こしてみましょう。 もし加害者がそれでも示談を拒否する場合は、傷害罪で被害を被ったことを理由とした民事裁判や民事調停を起こすことも可能です。 ただし、たとえ傷害罪で被害を被った場合であっても、民事の手続きで弁護士を立てる場合は、自らで弁護士費用の大半を負担する必要が出てきます。
傷害罪の被害者が示談に応じない場合、加害者としては、刑事手続において刑罰が重たくなるリスクを負います。 具体的には、示談が成立すれば不起訴になったのに示談が不成立だったから罰金や刑事裁判になるリスクがあります。 また、示談が成立すれば執行猶予になったのに示談が不成立だったから実刑になるリスクを負うことになります。 また、傷害罪の被害者が示談に応じない場合、加害者は、刑事手続が終わった後も、傷害罪により損害を与えたことを理由とする民事の損害賠償責任を負い続けることになります。
思ったよりも厳しい結果ですよね! 被害者としては、相手が示談に応じないのであれば、なかなか大変なことになりそうです。 加害者としても、刑罰が重たくなる可能性があるので大変ですよね。 これを読む限りは、加害者も被害者も示談をした方が良さそうな気がしますよね。
まとめ
示談拒否で、傷害罪の示談に応じない場合は?
加害者 | 被害者 | |
---|---|---|
取り得る手段 | 特になし | ①内容証明郵便で請求 ②民事裁判 ③民事調停 |
メリット | 特になし | 加害者に対して厳罰を求めることができる |
デメリット | ①刑罰が重たくなるリスクを負う ②民事の損害賠償責任を負い続ける | 早期に賠償金を得られない |
傷害事件は示談すれば必ず不起訴になる?
示談が成立したら、不起訴になるのか、それでも起訴されるのかは、特に気になるポイントですよね。 特に傷害罪の加害者側の人は、この点がすごく気になるのではないでしょうか。実際のところはどうなんでしょう。
傷害罪は親告罪ではないので、傷害罪の示談が成立したからといって、必ず不起訴になるわけではないという点をまず理解する必要があります。 もっとも、傷害罪の被害がそれほど重たくない場合は、傷害罪の被害者と示談が成立すれば、起訴猶予による不起訴の可能性が高まります。 被害者と示談が成立すれば、加害者を起訴する必要性が低くなるからです。 これに対して、示談しても起訴されるケースというは、傷害罪の被害が重たい場合や、凶器などを使っていて行為が悪質な場合などです。
ポイントは、傷害罪は親告罪じゃないので、起訴される場合も、不起訴になる場合もあるという点みたいですね。 親告罪っていうのは、示談が成立したら不起訴になる罪のようです。 この解説を読む限りは、何とかして起訴されたくない、不起訴にしたいのであれば、示談するしかないという感じですね。
まとめ
傷害罪は示談すれば不起訴になる?示談しても起訴される?
示談が成立 | |
---|---|
加害者のメリット | ①賠償責任を免れる ②不起訴の可能性が高まる |
加害者のデメリット | 特になし |
被害者のメリット | 早期に賠償金を得られる |
被害者のデメリット | 加害者に対する刑事処罰が軽くなる |
傷害事件の示談をするタイミングは?
示談をすることが大切なのはわかったのですが、どのタイミングで示談をすればよいのでしょうか。
あまりに早すぎても相手に怒られそうだし、遅すぎても示談の意味がなくなっちゃうような…
示談の成立は、基本的には早い方がよいです。
そもそも逮捕を防止できたり、早期釈放の可能性が高まるからです。
もっとも、事件の内容によっては示談のタイミングを慎重に判断すべき場合もあります。事件直後は
被害者の被害感情が大きいため、早い段階で示談交渉を持ち掛けることが被害感情の悪化を招くことがあるからです。
例えば、被害者に重大な傷害を与えた事例や後遺症が残る場合、被害者の被害感情が強いことが考えられるため、示談のタイミングは慎重に考えるべきです。
不適切なタイミングで示談交渉を持ち掛けることで、成立するはずだった示談が不成立となってしまうおそれがあります。
そこで、ご自身で判断なさらずに、示談経験が豊富な弁護士にご相談されることが賢明です。
そうなんですね。
確かに被害者がどういった気持ちでいるかは、かなり想像力を働かせないとわからないですよね。
当事者の判断で示談を持ち掛けて失敗するよりかは、経験豊富な弁護士にお願いする方が安心かもしれませんね。
示談金が高すぎて支払うことができない場合はどうすればいいの?
やったー!示談が成立したぞ!と安心したのに、冷静に考えたら示談金が高すぎて払うことができない…なんてことも考えられますよね。
示談金を支払わなかったら、せっかく成立した示談の意味も無くなってしまうのでしょうか。そんなのもったいないです…
まとまった額の示談金をすぐには払えない場合、分割払いを申し出る方法があります。
被害者側が合意してくれれば、示談書に分割払いの期日と金額を明記して示談することも可能です。
分割払いの場合、まずは自分の資力がないことを被害者にしっかりと説明することが大切です。
その上で、分割払いでも被害回復を実現する見込みがあると捜査機関や裁判所に認識してもらう必要があります。
安定した収入がある、担保や保証人が付いている、などの事由があれば、一括払いの場合の様に、刑事の面でのメリットが望みやすくなります。
なるほどなるほど、その手があったか!
分割払いが長期間になってしまっても、しっかりと罪を反省し、支払う意思があることを示すことが大切なんですね。
示談のメリットを受けることができるのならば、分割払いを使わない手はないですね。
傷害事件の示談書の書き方は?
示談書の書き方なんて、普通は知らないですよね。 示談書があるかないかは重要みたいなので、傷害罪の示談書の書き方については、しっかりと勉強しておきたいところです。
傷害罪の示談書の書き方は、通常の示談書の書き方と同様です。 示談書の冒頭で、傷害事件が起こった日時・場所、傷害罪の加害者と被害者の氏名などを記載して、事件の内容を特定することになります。 また、傷害罪の示談書には、示談金の金額やその支払い方法を記載します。 示談書の作成は、加害者と被害者の双方がサインをすることで完了します。 示談金の一括払いが難しい場合は、示談金の分割払いの合意を結ぶことも可能です。 傷害罪の示談書に、「被害者は加害者のことを許す」旨の宥恕条項(ゆうじょじょうこう)を設けた場合は、その後の刑事手続きで、加害者に有利に考慮されます。
なるほど。事件を特定したり、金額や支払い方法をしっかりと書くことが大切なんですね。 相手にそんな書類を見せるのはやりづらいけど、だからこそ大切ってことなんですよね、きっと。すごくストレスがかかる作業っぽいので、合わない人は弁護士さんに依頼した方がいいのかも笑。
まとめ
傷害罪の示談書の書き方は?
書き方 | 要否 | |
---|---|---|
事件の特定 | 傷害事件が起こった日時・場所、傷害罪の加害者と被害者の氏名などを記載する | 示談書の必要条件 |
示談金の記載 | 示談金の金額と支払い方法を明記する | 示談書の必要条件 |
署名 | 被害者と加害者が双方サインする | 示談書の必要条件 |
宥恕条項 | 加害者を許す旨の文言を書く | 任意 |
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ここまで、傷害の示談について、弁護士の解説と共にお送りしました。
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傷害の示談でお困りの皆さん。
今後のことを考えると、不安な気持ちになるでしょう。
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まずはとにかく、弁護士に積極的にご相談ください。
まとめ
今回は傷害罪と示談の関係について、専門家の先生からお話を伺いました。
傷害事件を起こしたとき、示談ってすごく重要なことなんですね。
まだまだ傷害罪のことで知らないことがありそう。
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総まとめ
示談が成立 | 示談が不成立 | |
---|---|---|
加害者のメリット | ①賠償責任を免れる ②不起訴の可能性が高まる | 特になし |
加害者のデメリット | 特になし | ①賠償責任を負い続ける ②刑事処罰が軽くならない |
被害者のメリット | 早期に賠償金を得られる | 加害者に対して厳罰を求めることができる |
被害者のデメリット | 加害者に対する刑事処罰が軽くなる | 早期に賠償金を得られない |