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起訴猶予は前歴が付く?他の不起訴処分との違いとは|履歴書の空白期間はどうする?

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起訴猶予は前歴が付く?他の不起訴処分との違いとは|履歴書の空白期間はどうする?

起訴猶予前歴がつくの?」

そんな疑問をお持ちの方に、起訴猶予について徹底的に調査しました。

ポイント
  • 起訴猶予とは…不起訴との関係は?
  • 起訴猶予は前歴と前科、どちらと関係がある?
  • 起訴猶予になるまでの期間はどのくらい?

法的な解説について、刑事事件を多数あつかってきた専門家にお願いしています。

アトム法律事務所の弁護士です。

起訴猶予が獲得できるかは、とても重要な点です。

前歴との関係についても明らかにしていきたいと思います。

よろしくお願いします。

起訴猶予とは?不起訴処分の意味を知る

起訴猶予とはいったいどういう意味かご存知でしょうか。

起訴猶予は、不起訴処分の一部です。

ちょっと、こちらの記事をごらんください。

名古屋地検は12日までに、偽の旧1万円札100枚を密輸しようとしたとして、関税法違反(禁制品輸入未遂)の疑いで逮捕された愛知県一宮市の男性(66)を不起訴処分とした。(略)

偽札を密輸しようとして逮捕されたが不起訴処分となったという記事です。

そもそも、不起訴とはどんな意味なんでしょうか。

聞いたことはあっても、くわしく勉強したり知る機会はなかなかなかったと思います。

もし、事件を起こしてしまい逮捕されたとしたらこの「不起訴」や「起訴猶予」が重要なポイントになります。

しっかりと意味をおさえておきましょう。

起訴猶予は不起訴処分の一部

起訴猶予の意味を知る前に、不起訴の意味から確認しましょう。

不起訴

刑事事件を起訴しないと検察官が判断すること

日本の刑事司法において、起訴する権利を持っているのは検察官のみです。

こちらの条文をごらんください。

公訴は、検察官がこれを行う。

公訴とは、検察官が刑事裁判をするよう裁判所に求めることです。

いわゆる「起訴」のことです。

検察官が公訴を提起しないことを不起訴といいます。

不起訴には、いくつか種類があります。

処分としては、大きく「不起訴処分」としてくくられますが、内容は様々です。

不起訴の種類
  • 起訴猶予
  • 嫌疑不十分
  • 嫌疑なし

起訴されると、そのうちの約99.9%有罪になるといわれています。

言い換えれば、有罪となり得る事件のみを起訴しているためとも言えます。

刑事裁判で無罪を獲得するよりも、「不起訴処分」を獲得するほうが確率はずっと高いです。

ではここで、不起訴の内容についてひとつひとつ見ていきましょう。

起訴猶予

まずは「起訴猶予」から解説をはじめます。

起訴猶予

事件を捜査した結果、有罪が証明されるだけの証拠が十分にあっても、検察官が不起訴の判断をすること

明らかな犯罪の証拠があっても、起訴されないケースがあります。

さまざまな事情を考慮して判断されます。

起訴猶予は、起訴することもできるけれど、様々な事情を考慮してあえて起訴しないという処分のことです。

考慮される事情とは、たとえば次のようなことです。

  • 性格・年齢・境遇
  • 犯罪の軽重・情状
  • 犯罪後の情況

検察官はこのような内容を考慮して、起訴猶予にするかを決めます。

とくに、「犯罪後の状況」が何を指すかというと、

  • 反省・被害者への謝罪がおこなわれたか
  • 被害者との示談が成立しているか
  • 被害弁償がおこなわれたか

ということです。

被害者に対して誠意ある対応をしたかどうか、ということです。

嫌疑不十分

つぎは「嫌疑十分」についてです。

嫌疑不十分

事件を捜査した結果、有罪が証明されるだけの証拠が不十分であること

裁判所(裁判官)による事実の認定は、証拠にもとづかなければならない原則があります。

刑事訴訟法にて定められています。

事実の認定は、証拠による。

裁判は、犯罪の事実を証明する証拠に基づいてすすめられます。

このような証拠がなければ、罪に問われることがなくなります。

嫌疑不十分となるためには、いくつかポイントがあります。

例えば、

  • 証拠の数が少ない
  • 証拠能力がない
  • 客観性のない証拠である

これらの点で、検察官が有罪の証明が難しいと考えれば、嫌疑不十分として不起訴処分になります。

検察官は、公判を維持できないと思った場合には、無理に起訴に持ち込むことはしません。

嫌疑なし

最後は「嫌疑なし」についての解説です。

嫌疑なし

事件を捜査した結果、別に真犯人がいることが判明するなどして犯罪の疑いが晴れること

無実であっても、逮捕される可能性は誰にでもあります。

  • 誤認逮捕
  • 冤罪(えん罪)

映画やTVドラマの中の話だけではありません。

嫌疑なしの判断を得るために必要なこととしては、

  • 他に真犯人がいること
  • 犯行時のアリバイが証明できること

などがあげられます。

こうした点を検察官に理解してもらうことができれば、嫌疑なしの不起訴を得ることが可能です。

検察官は、冤罪を未然に防ぐのも役割として持っています。

総括

不起訴の種類

起訴猶予嫌疑不十分嫌疑なし
意味犯罪の証拠はあるが、起訴する必要性が低い犯罪の証拠が不十分犯罪の疑いが晴れた
効果前科がつかない前科がつかない前科がつかない

起訴猶予は前歴or前科がつく?違いを知る

起訴猶予が不起訴処分の一部であるということでした。

では、不起訴になったら前歴がつくのでしょうか?

前科はついてしまうのでしょうか?

前歴も前科も見た目は似ていますが、意味が大きく異なります。

起訴猶予で前歴がつくのか、前科がつくのか。

まずは、前歴と前科の違いを理解しておきましょう。

前歴と前科の違い

前歴とは

まずは、「前歴」について解説します。

前歴ってどういう意味なんでしょうか。

前歴

警察など捜査機関から犯罪の捜査をうけた履歴

前歴は、一般用語として広い意味でつかわれることも多いと思います。

刑事事件における前歴は一般的に、ある事件の被疑者として犯罪の捜査を受けた過去を意味します。

具体的に、犯罪の捜査を受けた過去とは

  • 逮捕歴
  • 検挙歴

などのことです。

20歳未満の少年事件において、保護観察といった処分を受けた過去も「前歴」です。

前科とは

つぎは、「前科」についてです。

前科ってどういう意味なんでしょうか。

前科

刑事裁判において有罪判決の言い渡しを受けた履歴

刑事裁判が開かれなければ、前科がつくことはないということです。

有罪判決とは具体的には、

前科にあたる有罪判決
  • 死刑
  • 懲役
  • 禁錮
  • 罰金
  • 拘留
  • 科料

このような判決はもちろん、

  • 刑の免除
  • 刑の執行免除

このような言い渡しもふくみます。

ちなみに、交通違反の「反則金」は前科ではありません。

前歴と前科の意味についてくわしくはこちらの記事をごらんください。

【結論】起訴猶予には前歴がつく

前歴と前科の違いについてお分かりいただけたと思います。

結論をのべるなら…

結論

起訴猶予は「前歴あり」となるが、「前科あり」とはならない。

起訴猶予は、前歴になるということでした。

前科は、刑事裁判で有罪判決を言い渡された履歴をさします。

起訴猶予は裁判を開く必要がないと判断されるものです。

つまり、前科がつかないということになります。

警察や検察といった捜査機関の内部資料として前歴は残ります。

逮捕勾留を経ての起訴猶予…履歴書の中の空白期間をどう説明する?

逮捕・勾留されることになれば、最大で23日間も留置場で生活を強いられることになります。

会社勤めの社会人にとって、長期間におよぶ欠勤は大きなダメージとなります。

たとえ起訴猶予など不起訴処分となり、釈放されたとしても、すぐにリカバーできるものではありません。

想定されるリスク
  • 欠勤が続いたことを理由に解雇される
  • 事件が周囲に知られて人間関係に問題が生じる
  • 信頼してもらえなくなり仕事がしにくくなる

このような可能性も十分あるのが実情ともいえます。

そうなった時、転職活動・就職活動を考えなければならないでしょう。

そこで、履歴書には起訴猶予の前歴を書く必要があるのかがギモンに浮びます。

起訴猶予(前歴)は履歴書に書く必要はない

履歴書には、起訴猶予や前歴を書く必要があるのか気になります。

みなさん、どうされているのでしょうか。

通常、履歴書はこんな風に経歴を書きますよね。

経歴の記載例
経歴
20x141日〇〇株式会社 入社
20x6731日〇〇株式会社 退職

解雇・退職によって、経歴に空白期間ができてしまったとします。

この空白期間がある理由として、起訴猶予の事実を記載しなければならないのでしょうか。

ポイントをまとめると、こうなります。

  • 履歴書の「賞罰欄」には、「前歴」を書く必要はない
  • 記載しなければならないのは、「前科

賞罰欄の罰は、刑事罰のことを意味します。

つまり裁判で有罪判決を受けた過去をさす前科ということになります。

前歴は刑事罰ではありませんので、履歴書に書く必要はありません。

前科があるのに賞罰欄に「なし」と嘘を書いてはいけません。

しかしながら、すべての履歴書に賞罰欄があるわけではありません。

ハローワークが推奨する履歴書には賞罰欄がありません。

前歴については、賞罰欄があっても記載する必要はありません。

さいごに一言

さいごに弁護士から一言いただきたいと思います。

起訴猶予は、検察官によって起訴される前までの活動がポイントとなります。

とくに逮捕・勾留されている場合は、厳格な時間制限との闘いがあります。

限られた時間の中での活動を強いられるため、弁護士による対応は早い段階からが重要です。

  • 刑事事件に注力する弁護士
  • 土日祝でも対応しているような弁護士
  • フットワークのよい弁護士

このような弁護士なら、万一状況が急変しても親身に対応してくれることでしょう。

早めのご相談をお勧めします。

まとめ

起訴猶予の意味について解説してきました。

起訴猶予は前科ではなく、前歴となることもお分かりいただけたと思います。

いかがでしたでしょうか。

起訴猶予など不起訴を獲得するには、弁護士相談がポイントです。

なお、本記事に記載したこと以外で逮捕後に知っておきたい情報は『逮捕されても人生終了じゃない!早期釈放と前科・クビ回避の方法』にまとめているので、興味がある方はご覧ください。

また、関連記事では、不起訴についての記事などを用意しています。

こちらもあわせてごらんください。