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前科があると就職できない?前科者の就職支援からみる前科持ちの未来

  • 前科者,就職

もしも前科者になってしまったら、今後の人生はどうなってしまうのでしょうか。

とくに、一人暮らしや一家の大黒柱である人にとっては、深刻な問題です。

就職の問題は生活に直結しています。

そこで今回は、

  • 前科者への就職支援の制度とは?
  • 前科者の就職率が気になる
  • 前科者は就職できないことが多い?

これらのギモンに迫っていきたいと思います。

法律の解説は、アトム法律事務所の弁護士です。

ご相談内容の中でも、

  • そもそも自分が前科者になってしまうのか
  • 前科者にとって就職はやはり困難なのか

というご質問は非常に多いです。

弁護士として得た経験から前科者の就職について解説していきたいと思います。

前科者の就職支援制度を知る

前科者に対する就職支援、セミナー

前科者に対する社会の目は、厳しいのが実情といえるかもしれません。

前科者がなぜ社会で就職困難になるのでしょうか。

  • 就労意欲がそもそもないのか
  • 就職先が確保できなかったのか

その事情は個人個人で違います。

ですが、犯罪と就職先の有無は大きく関係しているようです。

法務省の「犯罪白書」では、前科者の多くが無職であるとのデータがあります。

初犯・再犯ともに無職である割合が高くなっているそうです。

そんな前科者が、社会復帰を目指し、社会生活を営むためには…

仕事就職の確保が重要です。

とはいえ、一人で就職活動をするのにも限界があります。

ここからは、前科者に対して実施される就職支援セミナーなどについて紹介していきたいと思います。

まずは、こちらの記事をごらんください。

再犯防止対策に力を入れている法務省が、矯正施設である刑務所・少年院に収容されている受刑者らの職歴や資格、出所時期や帰住予定地などの情報を一括管理する矯正就労支援情報センター室(通称・コレワーク)をさいたま市と大阪市に開設した。

雇用条件にあった受刑者らのいる刑務所・少年院を企業などに紹介することで、出所後のすみやかな就労に結びつける狙いがある。(略)

コレワーク(矯正就労支援情報センター)」が設置されたというニュースです。

刑務所・少年院と連携して雇用条件のあった受刑者を企業に紹介する取り組みをおこなうのが、コレワークです。

コレワークの利用実績はつぎのとおりです。

●コレワークの利用実績(平成29年12月末現在)

 相談848件

 内定126件

内定数が100件を超えています。

就職支援の取り組みによって、内定実績を伸ばしているようですね。

このほかにも政府による就職支援がおこなわれています。

平成18年度から法務省と厚生労働省が連携し、前科者(刑務所出所者)などに対して就労支援を実施するようになりました。

具体的な就職支援の内容は…

就職支援の内容
  • 職業相談・職業紹介
  • トライアル雇用
  • 就労支援セミナー
  • 事業所見学
  • 職場体験講習

このように、さまざまな取り組みが行われています。

団塊世代の大量退職や少子化などによって、就職状況は売り手市場ともいわれています。

求人募集をかける企業にとっても、人材確保は重要な課題だと思います。

ハローワークは無料で登録できるので、企業にとっては利用しやすい媒体だと思います。

このようにハローワークと連携することで、前科者の雇用を拡大する取り組みがおこなわれています。

前科者への就職支援…求人はあるの?

前科者への就職支援の一つに、「職親プロジェクト」というものがあります。

これは、日本財団再犯防止プロジェクトがおこなう取り組みの一つです。

職親プロジェクト

企業と連携し、刑務所出所者などに就労体験の機会を提供。

就労体験を通して刑務所出所者などの正規雇用につながるようサポートをおこなう。

このプロジェクトにかぎらず、実際に前科者などを雇用する事業所は少しずつ増加しているようです。

前科者であったとしても社会復帰や更生に積極的ならば、必ず理解してくれる就職先は見つかるはずです。

就職支援をうまく活用して、ご縁のある就職先を見つけましょう。

前科者の就職率はどのくらい?

前科者などに対する就職支援の内容についてみてきましたが、就職率はどのくらいなのでしょうか。

「犯罪白書」で、就職支援制度を利用した前科者の就職率について調査されています。

就職件数は2000件超(平成28年)にのぼります。

就職件数は、就職支援制度が開始してから増加傾向にあるようです。

また、就職先は建設業が一番多く、次いでサービス業が多いようです。

しかしながら、業種は多岐にわたるようです。

前科者はバレると就職できないのか

前科がもつ意味とは

就職支援制度について解説してきました。

とはいえ、すべての前科者に対して平等に支援の手が差し伸べられていないのが実情のようです。

就職支援制度を介さずに、自身のチカラのみで就職活動をするときに前科という過去はどのように影響するのでしょうか。

そもそも、前科とはどういう意味をさしていうのでしょうか。

前科とは

刑事裁判において有罪判決をうけた履歴のこと

前科は一般的な用語として使用されるもので、法律の専門用語ではありません。

意味としては有罪判決をうけた履歴をさして前科といっています。

有罪判決を言い渡すのは、裁判所です。

有罪判決の種類には次のようなものがあります。

  • 死刑
  • 懲役
  • 禁錮
  • 罰金
  • 拘留
  • 科料

このような判決のみならず、

  • 刑の免除
  • 刑の執行免除

も前科がつく要素となります。

交通違反の「反則金」は、前科とはなりません。

ドラマで見るような法廷で有罪判決を言い渡されると前科者になります。

前科は就職先に申告義務があるのか

就職先に前科のことを伝えるべきかどうかという問題は、前科者の方にとって大きな悩みだと思います。

  • 前科について正直に話す
  • 前科を隠し通す

どちらがいいのかは「企業によって対応が異なる」というのが正直なところです。

面接で前科の有無を質問されたのなら誠実に申告すべきでしょう。

実際には、ストレートに前科の有無を面接で聞かれるケースはほとんどありません。

前科者であるという事実が消えることはありません。

しかし、前科には法的な効力が発生している期間があります。

この一定期間がたてば、前科の法的効果は消滅します。

前科が影響力をもつ期間
  • 禁錮以上:10年
  • 罰金以下:5年
  • 刑の免除:2年

この期間が渡過すれば、履歴書の賞罰欄には堂々と「なし」と記載することができます。

履歴書に前科を書くと就職できない?

民間企業への就職活動は、履歴書を持参して面接を受けるのが基本だと思います。

氏名・年齢・住所などにくわえて、学歴・職歴を記入します。

では、前科は書かなければならないのでしょうか。

「前科あり」を履歴書に書くと、就職できないのではないか不安になります。

「賞罰欄」がある履歴書は、前科を記載する必要がある。

→虚偽の記載はNG

賞罰の罰とは、刑事罰を受けた履歴のことです。

つまり、前科を記載しなければなりません。

履歴書に賞罰欄があるのに、「なし」とウソの記載をすれば不実記載となります。

賞罰欄がある履歴書の場合は、前科の有無を明記する必要があります。

ただ、履歴書のすべてに、賞罰欄がもうけられているとは限りません。

ハローワーク推奨の履歴書には賞罰欄がありません。

このような書式が公開されています。

このように、賞罰欄がなければ前科をかならず書く必要はありません。

履歴書作成のポイント

賞罰欄のない履歴書を選べば、前科を書かなくてもよい

つまり、前科者だと書きたくなければ賞罰欄のない履歴書を使用すればいいのです。

ただ…

企業によっては、賞罰欄がある履歴書を指定される場合もあります。

履歴書にもとづいて、採用担当者と面接することがほとんどです。

懲役刑となり、刑務所で数年過ごしたとします。

すると履歴書の経歴欄に、空白の期間が生じることになります。

空白期間があると採用担当者に指摘されて、理由を確認されるケースが考えられます。

刑事罰に関してとくに質問されなければ、あえて自分から答える必要はありません。

前科がないなどと嘘をつくと経歴詐称になってしまいます。

質問された場合には、嘘なく前科を申告しなければなりません。

前科者が就職できない仕事とは

公務員、警察官…前科者が制限される就職先はある?

前科者の社会復帰の実現を目指すために、まずは就職を果たさなくてはいけません。

前科があると就けない職もあります。

また、資格を取得する上でも足かせになることがあります。

前科が影響をおよぼす職業について、職業別に詳しくみていきたいと思います。

まずは、地方公務員の規定を確認していきたいと思います。

次の各号の一に該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。

二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者

地方公務員資格の欠格事由はこのように規定されています。

つぎは、国家公務員の規定を確認していきたいと思います。

次の各号のいずれかに該当する者は、人事院規則の定める場合を除くほか、官職に就く能力を有しない。

二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者

国家務員資格の欠格事由はこのように規定されています。

つぎは、弁護士の規定を確認していきたいと思います。

次に掲げる者は、第四条、第五条及び前条の規定にかかわらず、弁護士となる資格を有しない。

一 禁錮以上の刑に処せられた者

弁護士資格の欠格事由はこのように規定されています。

さいごに、医師の規定を確認していきたいと思います。

次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。

三 罰金以上の刑に処せられた者

医師免許は与えられない可能性があると、このように規定されています。

医師の場合は「医道審議会」で審議にかけられ、最終処分が決定されます。

交通事故(スピード違反)の前科があると就職に影響する職業

職業によっては、前科の内容がダイレクトに影響することがあります。

「業務を遂行するうえで、前科の内容が不信感を持たれてしまう」ような場合です。

たとえば、交通事故スピード違反を起こしたようなケースでは、次の職種の方は大きなダメージを受けます。

  • 運送会社のトラック運転手
  • バス会社の運転手
  • タクシー会社の運転手

このように、業務に直結するような内容で前科を持つ場合には、そもそも就職が極めて困難です。

前科者の就職について相談するなら弁護士へ

スマホから前科者の就職について弁護士に相談する

前科者になるかもしれない状況になったとき、頼りになるのが弁護士です。

ただ、「弁護士」と聞くと、こんなことを考える方もおられます。

  • 敷居が高く、気が引ける…
  • 相談料が高そう…

など。

そんなとき、スマホで気軽に無料相談できるとうれしいですよね。

あります、その窓口。

こちらです。

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  2. LINE相談窓口:気軽にLINEで問い合わせできます。

あなたが利用しやすい窓口をお選びください。

前科がつくことで、仕事・就職はどうなるのか気になる方は弁護士に聞いてみましょう。

地元の弁護士に前科の就職について相談する

前科者になる前に弁護士に依頼したい!

でも、気軽に相談できるような話題ではないし信頼できる弁護士がいい…

弁護士相談のポイントは、弁護士探しからです。

  • 地元の弁護士を簡単に探したい
  • 利用者の口コミ・感想をみたい

弁護士探しで気になるポイントをおさえた検索方法です。

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前科のこともふくめて、事件を解決する第一歩は弁護士相談からです。

あなたの味方になってくれる弁護士が見つかるはずです。

悩みは一人でかかえずに、法律の専門家に相談してみましょう。

さいごに一言

さいごに弁護士から一言いただきたいと思います。

被害者がいる犯罪をおかしてしまった場合、被害者との示談がカギをにぎることになります。

示談によって前科を回避できる可能性が高まります。

「前科者になることは避けたい」という方は、早い段階で弁護士に相談しましょう。

示談の具体的な方法や、必要となる示談金の目安なども教えてくれるでしょう。

無料相談を実施する法律事務所もあるので、費用面でも安心です。

気軽に気になることを相談してみましょう。

まとめ

前科者の就職について焦点をあててきました。

就職支援制度や雇用に積極的な企業があることも分かりました。

ハローワークや支援団体に問い合わせることも大切ですが…

前科がつくかもしれない!

という方は弁護士に相談することがポイントです。

これらを使って弁護士を探し、相談してみましょう。

なお、前科について知っておきたい情報は『前科をつけずにトラブル解決!逮捕されても諦めないで不起訴を目指す』にまとめているので、興味がある方はご覧ください。

また、関連記事では、前科などについての記事を用意しています。

あわせてチェックしてみてください!

前科者の就職状況についてのQ&A

前科者への就職支援や求人はあるの?

前科者への就職支援の一つに、「職親プロジェクト」というものがあります。これは、日本財団再犯防止プロジェクトがおこなう取り組みの一つです。このプロジェクトにかぎらず、実際に前科者などを雇用する事業所は少しずつ増加しているようです。 前科者への就職支援

前科者の就職率はどのくらい?

「犯罪白書」で、就職支援制度を利用した前科者の就職率について調査されています。就職件数は2000件超(平成28年)にのぼります。就職件数は、就職支援制度が開始してから増加傾向にあるようです。また、就職先は建設業が一番多く、次いでサービス業が多いようです。しかしながら、業種は多岐にわたるようです。 前科者の就職率

前科は就職先に申告義務がある?

就職先に前科のことを伝えるべきかどうかという問題は、前科者の方にとって大きな悩みだと思います。面接で前科の有無を質問された場合、誠実に申告すべきでしょう。実際には、ストレートに前科の有無を面接で聞かれるケースはほとんどありません。前科者であるという事実が消えることはありません。しかし、前科には法的な効力が発生している期間があります。この一定期間がたてば、前科の法的効果は消滅します。 前科が影響力をもつ期間

履歴書に前科は書かなければいけない?

「賞罰欄」がある履歴書は、前科を記載する必要があります。賞罰の罰とは、刑事罰を受けた履歴のことです。ただ、履歴書のすべてに、賞罰欄がもうけられているとは限りません。ハローワーク推奨の履歴書には賞罰欄がありません。前科者だと書きたくなければ賞罰欄のない履歴書を使用すればいいのです。ただ、企業によっては、賞罰欄がある履歴書を指定される場合もあります。 「賞罰欄」がある履歴書

交通関係の前科があると就職に影響する?

交通事故やスピード違反を起こしたようなケースでは、「運送会社のトラック運転手」「バス会社の運転手」「タクシー会社の運転手」への就職において大きなダメージを受けます。このように、業務に直結するような内容で前科を持つ場合には、そもそも就職が極めて困難です。 交通事故(スピード違反)の前科があると就職に影響する職業