【万引きで逮捕】会社から解雇される?|会社に連絡は行く?どんな処分を受ける?
「日々の仕事のストレスでつい万引きしてしまった…」
会社員や公務員でも万引き事件の加害者になることがあります。
もし、万引き事件を起こしてしまったら…
- 会社から解雇されてしまうのか
- 会社に連絡は行くのか
- どんな処分を受けるのか
などなど、万引き事件のその後を考えると不安になりますよね。
今回は「万引き事件で解雇される?」をテーマに万引きと会社解雇の関係について考えていきます。
法律などのくわしい解説は弁護士の先生にお願いします。
会社員が起こす万引き事件も珍しい話ではありません。
もし、万引きの当事者になってしまったら会社から解雇されてしまうのかを解説していきます。
よろしくお願いします。
目次
万引き事件を起こし、解雇になったこんなニュースがありました。
広島県教委は14日、スーパーマーケットで酒を万引したとして窃盗容疑で現行犯逮捕され、罰金の略式命令を受けた(略)非常勤講師の女性(43)を懲戒解雇したと発表した。「仕事で成果があがらず精神的ストレスが大きくなった」と話しているという。
県教委によると、昨年11月に焼酎1本を万引したとして現行犯逮捕され、同じスーパーで別に焼酎と梅酒を1本ずつ盗んでいたことも判明。尾道区検に同月、同罪で略式起訴され、尾道簡裁から罰金20万円の略式命令を受けた。
出典:産経WEST 2017.3.15 10:28
こちらは会社員ではなく、非常勤講師の犯行でしたね。
被害額は大きくないですが、懲戒解雇の処分になっています。
一般の会社員であっても、万引きをすると懲戒解雇になってしまうのでしょうか…
Q&A形式で万引きと解雇についてみていきましょう。
【Q&A】万引きで会社から解雇される可能性を探る
Q1.初犯の万引きでも会社から解雇される可能性はある?
万引きは犯罪である、というのはお分かりだと思います。
万引きは窃盗罪に当たり、決して軽い犯罪ではありません。
しかし、
「日々の仕事のストレスで万引きをしてしまった…」
万引き事件がニュースになったときよく聞くセリフですよね。
もしかすると、ご自身やご家族が万引きの当事者になってしまう場合があるかもしれません。
初犯の万引きで、被害弁償もして、大いに反省していたとしても解雇されるのでしょうか。
一度の万引きで即解雇の可能性もあるのでしょうか。
万引きで会社を解雇されるかどうかは、各会社の就業規則の解雇事由によります。
一般的には「一度の万引きで即解雇」というケースは稀でしょう。
初犯の万引きは、起訴猶予処分で終わることも多く、就業規則の解雇事由を満たさないことが多いからです。
また、刑事事件を起こしてしまった場合、勤め先が民間企業か公務員かでも解雇の基準が異なります。
以下では民間企業に勤めている場合と公務員の場合をそれぞれ解説します。
①民間企業の会社員の場合、解雇される?
民間企業の会社員は万引き事件で解雇されることはあるのでしょうか。
万引きで解雇されるかは、各会社の就業規則の定められ方によります。
就業規則で「罰金の有罪判決を受けた場合は懲戒解雇」等と定められていた場合は、当然、万引きで罰金判決を受ければ、懲戒解雇されるリスクが出てきます。
もっとも、一般的には、一度の万引きで直ちに懲戒解雇というケースは稀と言えます。
万引きは、有罪判決を受けず、不起訴処分で終わることも多いです。
不起訴処分で終われば、有罪判決を受けた場合と比べて、懲戒解雇のリスクは格段に低くなります。
なるほど、有罪判決をうけているかどうかが肝になる場合が多いのですね。
初犯なら、犯行がよほど悪質でなければ不起訴になる可能性があります。
解雇にならなくても会社に万引きがばれてしまうと働きにくくなるでしょう。
②公務員の場合、懲戒免職になる?
民間企業の会社員の場合、解雇になるかどうかは各会社の就業規則によるとのことでした。
公務員の場合はどうでしょうか。
やはり、国および地方自治体、国際機関等の公務に従事している立場して基準が厳しいのでしょうか。
最近、こんなニュースもありました。
兵庫県警丹波署は23日、器物損壊と窃盗の疑いで、丹波市職員の男(43)=同市山南町=を逮捕した。
逮捕容疑は、5月4日午後6時半ごろから7時40分ごろまでの間に、同市氷上町石生の商業施設で、店のTシャツ6枚に傷を付けて損壊したほか、別のTシャツ6枚(販売価格計1万9242円)を盗んだ疑い。同署によると、容疑を認めず、黙秘しているという。
職員の男は8月1日夜にも、同市内のスーパーでざるそば1個を盗んだとして、同署に現行犯逮捕されていた。丹波市は8月の逮捕を受け、職員の男を9月1日付で停職3カ月の懲戒処分にしていた。
出典:2017/9/23 22:15 神戸新聞NEXT
こちらは器物損壊と窃盗の疑いで逮捕されたというニュースですね。
以前の万引きでは「停職3ヶ月」の懲戒処分を受けていたようです。
一度の万引きでは懲戒免職にはなっていないようですね。
万引き事件の場合は、
- ① 初犯だと起訴猶予処分(不起訴処分)
- ② 数回目以降は罰金の有罪判決
- ③ 罰金判決後に万引きを繰り返した場合は懲役の有罪判決
と、刑事処罰が段階的に重くなるのが一般的です。
公務員の場合は、①②のケースでいきなり懲戒解雇になることは、基本的に考えられません。
もっとも、自主退職を促され、実質的に解雇に近い形で職場を追いやられるケースは考えられます。
公務員がどのような懲戒処分を受けるかは、国家公務員の場合は人事院がガイドラインを公表しています。
また、地方公務員の場合なども自治体で懲戒の指針が公表されていることもあります。
国家公務員法の条文を確認しておきましょう。
第三八条 次の各号のいずれかに該当する者は、人事院規則の定める場合を除くほか、官職に就く能力を有しない。(略)
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終るまで又は執行を受けることがなくなるまでの者(略)
出典:国家公務員法 第38条2項
第七六条 職員が第三十八条各号の一に該当するに至つたときは、人事院規則の定める場合を除いては、当然失職する。
出典:国家公務員法 第76条
公務員に関しては法律で定められているのですね。
民間企業の会社員と公務員の処分を表にまとめましたのでご覧ください。
まとめ
会社員と公務員の処分の違い
会社員 | 公務員 | |
---|---|---|
職場での処分 | 処分の基準・種類は会社によって異なる | ・懲役刑だと執行猶予付きでも懲戒免職 ・罰金でも懲戒処分になる可能性がある |
処分の基準 | 就業規則 | 国家公務員法 |
Q2.万引き事件で会社から解雇されないためには?
上記では解雇される可能性について記述しました。
では、もし万引き事件を起こしてしまった場合、解雇を回避することは不可能なのかを見ていきます。
万引き事件で逮捕されてしまった際、会社から解雇されないためにはどうしたらよいのでしょうか。
解雇処分を回避したいのであれば、刑事処分をできるだけ軽くすることが大切です。
刑事処分が軽ければ、社長や上司の理解を得られることもあります。
刑事処分を軽くする方法としては、
- 被害者側への謝罪と被害弁償を行う
- 被害者側との示談成立(被害者の許しが明示されれば尚よい)
などが重要となります。
万が一、事件が起訴された場合も以上の内容が揃っていれば不起訴処分になることも多いです。
不起訴処分になれば、万引きの当事者に前科がつかなかったということで職場に復帰できるケースもあります。
Q3.万引き事件が会社に連絡されることはある?
もし、万引き事件の当事者になってしまったら…
万引き事件が会社に連絡されてしまうのかどうか不安になりますよね。
民間企業の会社員の場合、基本的には会社に連絡はいきません。
例外として挙げられるのは万引きで逮捕され、身柄を拘束されてしまった場合です。
しかも、会社に連絡が行くケースとしては
- 逮捕の原因となった事件が会社に関連している
- 会社の同僚を取り調べる必要がある場合
などです。
単に刑事事件というだけで会社に連絡がいくことはないでしょう。
早期に釈放されれば、会社に逮捕されたことを知られずに済むこともあります。
逮捕が長引き、さらに勾留決定がついてしまう場合には会社を欠勤せざるを得ません。
ご家族などから会社を休む理由を説明しなければならず、そのときには会社に事実が知られてしまうことがあります。
また、逮捕がマスコミ報道されれば、会社に事件のことが知られてしまう可能性が一気に高まります。
逮捕され、身動きが取れなくなった際、どのように会社に連絡を入れればよいでしょうか。
万引き事件で逮捕されてしまった場合、逮捕されている本人は会社に欠勤連絡を入れることはできません。
そのため、多くの場合、家族が対応をすることになります。
家族は会社に欠勤の理由を伝える前に、まず本人と面会をするべきでしょう。
「会社にどう伝えてほしいか」を本人に確認してから連絡を入れましょう。
会社に伝える欠勤理由については一般的には「体調不良」などが多いですが。
しかし、逮捕・勾留され拘束が長引いた際は、事件のことが発覚するリスクがあります。
一度本人に面会して今後の意向を確認するべきだといえます。
ところで、被疑者が留置場にいる際の面会の仕方はご存知ですか?
こちらに一般面会の流れをまとめた動画がありますのでご覧ください。
Q4.万引きで逮捕されました…報道される可能性はある?
万引き事件を起こした際にテレビや新聞で報道されてしまうことはあるのでしょうか。
もし、テレビなどで報道されてしまうと…確実に会社にバレてしまいますよね。
さらに、会社名まで報道されたりしたら解雇は免れなさそうな気がします。
一般の会社員の軽微な万引きに関しては、報道される可能性は限りなく低いといえるでしょう。
刑事事件で逮捕された際、報道されるか否かはその事件の公共性や重大性、話題性などによります。
例え、万引き事件であっても
- 当事者や関係者が著名な人物であった場合
- 被害が非常に大きい
- 悪質な犯罪だった
などの場合は報道されることも無いとは言い切れません。
先程ご紹介したニュースでも教師による万引きが報道されていましよね。
一般の会社員の場合、報道される可能性はほとんどないといえます。
しかし、万引きの当事者が有名人であったり、警察官などの公務員であった場合は無いとはいえません。
万引きとは窃盗罪のこと|万引きで解雇になる理由
万引きは窃盗罪?
「万引き」というと軽微な犯罪に感じるかもしれませんが、決して軽い犯罪ではありません。
成人が起こした万引きも、未成年が起こした万引きも窃盗罪に当たります。
なので、逮捕される場合は「窃盗罪」での逮捕ということになります。
窃盗罪の条文を確認しておきましょう。
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
出典:刑法 第235条
10年以下の懲役または50万円以下の罰金となっていますね。
刑事裁判で有罪になった場合、かなり重い刑罰が科されます。
万引きの刑罰などについてもっと知りたい方は以下の記事もご覧ください。
万引きについてさらにくわしくかかれた記事はこちら
補足:刑罰の内容
万引き行為は刑法235条で規定される「窃盗罪」に該当します。
刑法235条に10年以下の懲役、50万円以下の罰金と法定刑の上限が書かれていますが下限が書いていないので説明しておきましょう。
万引き=窃盗罪の懲役の下限は1ヶ月、罰金の下限は1万円です。
万引きについてもっと知りたい方は以下の記事を参照してください。
万引きについてもっとくわしく知りたい方はコチラ!
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最後に一言アドバイス
会社から解雇されるかどうかは会社の就業規則によりましたね。
万引き事件の当事者になってしまった方は今回の記事を参考にしてみてください。
万引きは軽微な犯罪と考えられがちです。
万引きは窃盗罪に当たる犯罪です。
被害額や事件の悪質性によっては解雇の処分を受けることもあり得ます。
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