傷害罪の時効|公訴時効・告訴期間・被害届の提出期間・慰謝料の時効とは?
傷害事件に巻き込まれてしまった…
傷害罪の時効は何年?
時効には刑事の時効と民事の時効がある?
傷害事件の被害届が出される期間にリミットはある?
いきなり刑事とか民事とか言われても、よく分からないですよね。
大丈夫!
ここではアトム法律事務所の弁護士と一緒に、傷害罪の時効についてしっかり掘り下げていきます。
難しい法律用語も出てきますが、先生にわかりやすく説明してもらうので安心してください。
目次
傷害罪と時効の関係
傷害罪を犯してしまった…
でも時効まで逃げ切れば大丈夫…
そんな刑事ドラマのような展開、続きが気になりますよね。
傷害罪の時効。
普段は聞けないこんな話題を、今日は弁護士の先生に直接インタビューしてみました!
先生!傷害罪の時効ってなにですか?
傷害罪の時効は、刑事の時効と民事の時効に分けることができます。
傷害罪の刑事の時効とは、いわゆる公訴時効のことです。
公訴時効とは、検察官の公訴する権限を消滅させる時効のことです。公訴時効が成立すれば、検察官は事件を起訴することができなくなります。
また相談者によっては告訴期間のことをさして「刑事の時効」と表現される方もいます。
告訴期間とは、親告罪の告訴をできる期間のことです。刑事訴訟法235条は「親告罪の告訴は、犯人を知った日から6か月を経過したときは、これをすることができない」と定めています。
傷害罪の民事の時効とは、いわゆる損害賠償請求権の消滅時効のことです。
民法724条の規定により、「損害および加害者を知った時」から3年間権利を行使しないときには、その権利は消滅するとされています。
なんと!なんと!
傷害罪の時効っていっても、こんなにいろいろあるんですね!
・刑事の公訴時効
・刑事の告訴期間
・民事の消滅時効
この三つが特に問題になりそうです。
難しい〜
もっと詳しく掘り下げてみましょう。
まとめ
傷害罪と時効の関係
公訴時効 | 告訴期間 | 消滅時効 | |
---|---|---|---|
分類 | 刑事 | 刑事 | 民事 |
意味 | 検察官の公訴する権限を消滅させる時効 | 親告罪の告訴をできる期間 | 損害賠償請求権の消滅時効 |
期間 | 傷害罪は10年 | 傷害罪は無関係 | 3年 |
傷害罪の時効に関するQA
傷害罪の公訴時効の時効期間は何年?いつから進行する?
まずは公訴時効について。
コウソジコウ・・・そんな言葉聞いたことありません!笑
時効は時効でも「公訴(コウソ)」が付くと意味が変わるのかなぁ。
一体これは何なのでしょうか?
傷害罪の公訴時効は10年です。公訴時効は犯罪行為が終わった時から進行します。
傷害罪が終わった時から10年が経過した後は、検察官は傷害事件を起訴することができないということになります。
お~!衝撃の事実!
傷害罪は10年たつと裁判にならないってことですよね。
逆にいうと、10年よりも前に起こした傷害事件なら、起訴されることはないってことになりますね。
まとめ
傷害罪の公訴時効の時効期間は何年?いつから進行する?
公訴時効 | |
---|---|
分類 | 刑事 |
意味 | 検察官の公訴する権限を消滅させる時効 |
起算点 | 犯罪行為が終わった時から進行 |
期間 | 傷害罪は10年 |
効果 | 検察官は起訴できない |
傷害罪の告訴期間は何年?|いつから進行するの?
じゃあ次は告訴期間。
告訴は聞いたことある!最近は法廷ドラマもあるし、刑事さんが出てくるドラマでも「告訴する」って言葉はよく耳にするから馴染みはあるね。
でも、これに「期間」があるって、どういうこと?
親告罪の告訴期間は犯人を知った日から進行し、告訴ができる期間は6か月と定められています。
しかし、傷害罪は親告罪ではないので、6か月の告訴期間の規定は適用されません。
傷害罪の被害者は、犯人を知った日から6か月が経過した後も、傷害罪の加害者を告訴することができます。
なるほど~じゃあ、結局、傷害罪を起こしたらどれだけ時間がたっても告訴されることはあるってことなんですね。
そういえば、ある法律事務所の先生が言ってたけど、1年前の傷害事件のことで法律相談に来る人もけっこういるそうだね。
告訴にリミットがあったりなかったりするなんて、全然知らなかったなぁ。
なお、傷害事件と告訴の関係については『傷害事件で告訴されたらどうなる?|告訴後の流れや告訴状についても解説』をご覧ください。
まとめ
傷害罪の告訴期間は何年?いつから進行する?
告訴期間 | |
---|---|
分類 | 刑事 |
意味 | 親告罪の告訴をできる期間 |
起算点 | 犯人を知った日から進行 |
期間 | 6か月(※傷害罪は非親告罪なので無関係) |
効果 | 被害者は告訴できない |
被害届の提出期限はいつまで?
傷害罪に告訴の提出期限がないことを確認したところで、続いては被害届の提出期限を確認しましょう。
傷害事件を起こしてしまって被害届が提出されるか不安な方は気になるところですよね。
実を言うと、被害届には提出期限はありません。
被害者は好きなタイミングで被害届を捜査期間に提出することができます。
ただし、先に見た通り、傷害罪には公訴時効があります。
公訴時効が完成すれば、事件を起訴することもできなくなるため、被害届が提出されたとしても、捜査がされることはありません。
要するに、公訴時効が完成するまでは被害届が提出されるリスクはあるということになります。
結局、被害届の提出に怯えなくて済むのは公訴時効が完成した後なんですね。
非常にためになりました。
傷害罪の民事の時効期間は何年?
時効の中でもけっこう気になるのが民事の問題ですよね。
刑事の問題は刑事さんにお任せ!って感じだけど、被害者からすると怪我をした分のダメージを回復させてほしいって思うもんね。
でも、被害者が加害者に損害賠償を求めるきにも時効ってあるのかな?
いつからいつまでの間に請求しなきゃいけないってルールはあるの?
傷害罪の民事の賠償請求権の時効期間は3年です。
損害賠償請求権の消滅時効は損害および加害者を知った時から進行します。
傷害罪の被害者は、損害および加害者を知った時から3年以内であれば、傷害罪の加害者に対して損害賠償を請求できるということになります。
これに対して、傷害罪の加害者は、傷害罪の被害者が損害および加害者を知ったのち3年が経過すれば、損害賠償の請求を受けないということになります。
そうなんだ!
これって、みんなきっと知らないよね 笑
3年なんてすぐだから、気づいたら「時効過ぎてる!」なんてこともありそう・・・
やっぱり専門家の先生に聞いておくのが一番だね!
ちなみに2020年4月1日施行の民法改正で時効に変更があったとの噂を小耳にはさみました。
どのような変更があったのか、簡単に説明してください!
新民法では、人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効期間は3年間から5年間と変更されています(新民法724条の2)。
例えば、傷害事件や交通死亡事故の損害賠償請求権は、被害者が損害および加害者を知った時から5年間行使しないときは、時効で消滅することになります。
なるほど、交通事故で人的損害と物的損害が生じた場合、人的損害の時効は5年で、物的損害の時効は3年ということになるんですね。
被害者からすればありがたい改正じゃないですか!
ちなみに、傷害罪の民事上の責任については『傷害事件で損害賠償請求されたら|相場や示談の有効性を解説』を見てみてくださいね。
まとめ
傷害罪の民事の時効期間は何年?いつから進行する?
消滅時効 | |
---|---|
分類 | 民事 |
意味 | 損害賠償請求権の消滅時効 |
起算点 | 損害および加害者を知った時から進行 |
期間 | 3年(改正後は、生命・身体に対する侵害は5年) |
効果 | 被害者は損害賠償請求できない |
傷害罪の慰謝料の時効期間は何年?
それと、慰謝料の問題もあるよね。
これって、時間の経過に関係なくいつでも加害者は被害者から請求されるんじゃないのかなぁ?
そんなイメージあるけど、ホントのところはどうなんだろう。
弁護士先生、慰謝料の請求にも時効って関係あるんですか??
そうなんですか!?
これはびっくり!3年たてば被害者は加害者に慰謝料を請求できなくなるってことですよね。
慰謝料にも時効が関係あったなんて知らなったな~
傷害の時効の相談なら弁護士にお任せ!
ここまで、傷害の時効について、弁護士の解説と共にお送りしました。
これで一般的なことはカバーできました。
でもできれば、自分の事件に即した具体的なアドバイスも欲しいですよね?
…ということで、以下では、弁護士に無料で相談できるサービスをご紹介します。
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では先生、最後にひとことメッセージをお願いします。
傷害の時効でお困りの皆さん。
今後のことを考えると、不安な気持ちになるでしょう。
しかし、刑事事件の解決はスピードとタイミングが勝負です。
落ち込んでいる暇はありません。
早い段階でご相談いただくことで、弁護士としてもやれることが増えます。
まずはとにかく、弁護士に積極的にご相談ください。
まとめ
傷害罪の時効って、こんなに奥が深いんですね。
こんなに種類があるなんて知らなかったな~
でも、時効の話を知らなかったら、加害者でも被害者でも大変なことになるかもしれないから絶対知っておくべき!て思いました。
本記事以外で、傷害事件に関して知っておきたい情報は『傷害事件で逮捕・前科を回避するための正しい対処法』にまとめているので、興味がある方はご覧くださいね。
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総まとめ
公訴時効 | 告訴期間 | 消滅時効 | |
---|---|---|---|
分類 | 刑事 | 刑事 | 民事 |
意味 | 検察官の公訴する権限を消滅させる時効 | 親告罪の告訴をできる期間 | 損害賠償請求権の消滅時効 |
起算点 | 犯罪行為が終わった時から進行 | 犯人を知った日から進行 | 損害および加害者を知った時から進行 |
期間 | 傷害罪は10年 | 6か月(※傷害罪は非親告罪なので無関係) | 3年 |
効果 | 検察官は起訴できない | 被害者は告訴できない | 被害者は損害賠償請求できない |
傷害罪の時効に関するQ&A
傷害罪の時効って?
傷害罪の時効は、刑事の時効と民事の時効に分けられます。刑事の時効とは、公訴時効のことです。公訴時効は、検察官の公訴する権限を消滅させる時効のことで、成立すれば、検察官は事件を起訴することができません。傷害罪の民事の時効とは、損害賠償請求権の消滅時効のことです。民法724条の規定により、「損害および加害者を知った時」から3年間権利を行使しないときには、その権利は消滅するとされています。 傷害罪の時効について
傷害事件の時効期間は?
傷害罪の公訴時効は10年です。公訴時効は犯罪行為が終わった時から進行します。傷害罪が終わった時から10年が経過した後は、検察官は傷害事件を起訴することができません。傷害罪の民事の賠償請求権の時効期間は3年です。損害賠償請求権の消滅時効は損害および加害者を知った時から進行します。傷害罪の慰謝料請求権の時効期間も3年です。慰謝料請求権の消滅時効は、被害者が損害および加害者を知った時から進行します。 傷害罪の時効について詳しく知る