【全員注目】刑法・強姦罪改正で強制性交等罪の運用始まります!

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弁護士事務所の掲載順と弁護士の力量とは無関係です。相性を考慮して、ご自身に合った弁護士をお探しください。

みなさん、驚きの大ニュースです。

なんと明治時代から100年以上使われてきた刑法の性犯罪規定が、改正されました

変更があるのは、旧強姦罪とその周辺の規定です。

今回、私たちカタログ編集部は、

旧強姦罪から強制性交等罪

これからは男性も被害者

強制性交等罪も強制わいせつ罪も非親告罪

強制性交等罪は原則執行猶予がつかない

の4点を中心に、従来の規定と新規定の違いについて、緊急レポートします。

法律的な部分の解説は、性犯罪に詳しい弁護士の岡野武志先生にお願いしました。

弁護士の岡野です。よろしくお願いします。

加害者にとって重要な変更点を中心に、メリットデメリットがはっきり伝わるような解説を心がけます。

2017年6月16日に成立し、6月23日に公布された改正刑法。

施行はもう少し先かと思っていましたが、7月13日に施行されるようです。

長年議論はされてきましたが、ここへきて急展開ですね。

では、さっそく見ていきましょう。

【ポイント1】旧強姦罪→強制性交等罪に!

【ポイント1】旧強姦罪→強制性交等罪に!

【改正前】被害者になるのは女性だけだった

今回の改正では、罪名が旧強姦罪から強制性交等罪に変更されます。

まずは従来の旧強姦罪の規定を見てみましょう。

旧強姦罪:
暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

条文を見るとわかるように、従来、旧強姦罪の被害者は女性に限定されていました。

旧強姦罪の実行行為である「姦淫」が、「男性器の女性器への一部挿入」と解釈されており(大審院大正2年11月19日判決以後確定した判例実務)、そもそも男性は被害者になり得なかったのです。

また、被害者が女性でも、肛門性交や口腔性交は旧強姦罪の適用対象外でした

改正前の旧強姦罪の意味について詳しく読んでみたい方には、以下の記事がおすすめです。

【改正後】男性も被害者に

今回の刑法改正では、

① 加害者=男性、被害者=女性

② 肛門性交・口腔性交は処罰の対象外

という従来の旧強姦罪の構図が、大きく変わることになります。

改正後の規定は、以下のようになります↓

強制性交等罪:
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

改正後は、男性も被害者になり得ます。

また、従来は処罰の対象外だった肛門性交や口腔性交も、処罰対象になります。

つまり、旧強姦罪から強制性交等罪に変わることで、処罰規定が広がったのです。

従来、肛門性交や口腔性交は、強姦よりも刑の軽い強制わいせつとされてきました。

しかし、行為の悪質性・重大性から、こうした行為も、強姦同様重く処罰されるべきだと言われるようになったのです。

新規定における「性交等」には、加害者が

被害者の膣・肛門・口の中に、自分や他人のペニスを入れる行為

自分や他人の膣・肛門・口の中に、被害者のペニスを入れる行為

が含まれます。

男性器の女性器への挿入が処罰対象とされていた旧強姦罪に比べ、処罰対象となる行為の幅がぐんと広がりましたね。

改正後の強制性交等罪では、男女問わず、他人に対して

① 性交

② 肛門性交

③口腔性交

をした場合に、処罰されることになるようです。

重要
旧強姦罪と強制性交等罪の表
旧強姦罪 強制性交等罪
根拠条文 刑法177条
加害者 男性 男女問わない
被害者 女性
性交 処罰対象 処罰対象
肛門性交 処罰対象外
口腔性交

【ポイント2】親告罪ではなくなる!

【ポイント2】親告罪ではなくなる!

【改正前】旧強姦罪は親告罪だった

旧強姦罪から強制性交等罪に変更されたことで変わったのは、加害者・被害者や処罰対象となる行為だけではありません。

そもそも旧強姦罪は、親告罪です。

改正前の条文を見てみましょう。

第176 条から第178 条までの罪(強制わいせつ罪、旧強姦罪、準強制わいせつ罪及び準旧強姦罪)及びこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

親告罪というのは、上の条文にもあるとおり、告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪

つまり、 従来の旧強姦罪の規定では、被害者が「Aに強姦されました。罰してください。」といわない限り、事件を裁判にかけることはできなかったのです。

旧強姦罪が親告罪とされていたのは、事件が表沙汰になることで、被害者の名誉やプライバシーが侵害されてしまうという点が配慮されていたからです。

たしかに、被害者の方にしてみたら、事件のことを思い出すのもつらいでしょう。

被害者本人による処罰希望の意思表示を待つ、という従来の規定には、一理ありますね。

【改正後】強制性交等罪も強制わいせつ罪も非親告罪に

しかし改正後の規定では、この点が大きく変わります。

上で紹介した、旧強姦罪などを親告罪とする条文は削除されます。

改正後の旧強姦罪である強制性交等罪だけでなく、強制わいせつ罪も非親告罪となるのです

親告罪の規定には、批判も多くありました。

親告罪となっていることで、かえって被害者に精神的な負担をかけているとの声が次第に強くなったのです。

たしかに、親告罪だと、被害者としては

告訴するかどうかの判断を迫られているようだ…

告訴したら加害者から報復を受けるんじゃないか…?

こんな風に不安を感じてしまいそうです。

非親告罪となったことには、いい面もありそうですね。

そうですね。ただ、

被害者のプライバシー保護

被害者の処罰を望まないという意思の尊重

には、十分に気をつけていく必要があります。

慎重な捜査や、公判における被害者の精神的負担軽減のための工夫が望まれるところです。

非親告罪化の意味

以上、主に被害者の視点から、非親告罪化について見てきました。

以下では、非親告罪になるということが、加害者にとってどう影響するのかを見ていきます。

旧強姦罪や強制わいせつ罪が親告罪だった従来は、示談により告訴が取り消されると、事件は必ず不起訴になりました。

しかし、これらの罪が非親告罪とされる改正後は、示談で告訴が取り消されても、起訴される可能性は残るのです。

▼改正前

親告罪だった従前は、被害者の告訴がなければ、加害者は起訴されることもありませんでした。

加害者にとって、不起訴獲得は非常にメリットの大きいことです。

なぜなら、不起訴になれば裁判で有罪判決を受けることもなく、前科もつかないからです。

▼改正後

非親告罪となる改正後は、加害者にとっての大きなメリットである不起訴獲得が遠ざかることになります。

起訴されて裁判になり、有罪判決を受けると、前科がついてしまいます。

加害者にとって、非親告罪化はデメリットといえるのです。

とはいえ、被害者が処罰を求めていない場合は、今までどおり不起訴となることが多いでしょう。

被害者の協力なしに、検察官が加害者を起訴して有罪を立証するのは難しいからです。

なるほど。非親告罪となっても、被害者が処罰を望まない場合は不起訴になることが多いのですね。

とはいえ、今回の改正は、加害者にとってはデメリットになることが多いですね。

重要
強制性交等罪も強制わいせつ罪も非親告罪に
改正前 改正後
告訴あり 公訴提起できる 公訴提起できる
告訴なし 公訴提起できない

【ポイント3】法定刑が重くなる!

【ポイント3】法定刑が重くなる!

【改正前】旧強姦罪と執行猶予

最後に、改正と執行猶予の関係について見ていきます。

ここでもう一度、冒頭で引用した改正前の旧強姦罪の規定を引用しましょう。

旧強姦罪:
暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

ここにある通り、従来、旧強姦罪の懲役は最低3年でした。

これはつまり、旧強姦罪を犯しても執行猶予がつく可能性があったということを意味します。

なぜなら、「3年以下の懲役なら、執行猶予をつけることができる」と法律で決まっているからです。

【改正後】強制性交等罪と執行猶予

ところが、改正後は法定刑が引き上げられます。

もう一度、改正後の規定を引用します↓

強制性交等罪:
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

条文を見ると、「5年以上の懲役」となっています。

改正後は、最低でも5年の懲役になるのです。

つまり、情状酌量で刑が軽くなるなどの特別な事情がない限り、執行猶予がつかないことになります。

これも、加害者にとっては大きなデメリットですね。

重要
改正と執行猶予の関係
改正前 改正後
法定刑の下限 3年 5年
執行猶予 執行猶予の可能性あり 基本的に懲役実刑

ちなみに、法改正前の旧強姦罪と執行猶予の関係について詳しく知りたい方は、以下の記事を読んでみてください。

また、法改正前の強制わいせつ罪と執行猶予の関係については、こちらの記事をどうぞ。

ギモンは弁護士に相談しよう

ギモンは弁護士に相談しよう

さて、「性犯罪規定の法改正」について、加害者にとってのメリット・デメリットを中心に、見てまいりました。

でも、今実際にご自分やご家族が性犯罪で逮捕されている方、逮捕されそうな方は、もっと具体的なアドバイスが欲しいと思います。

というわけで、最後に便利な弁護士相談窓口をご紹介します。

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最後に一言アドバイス

では先生、最後にひとことアドバイスをお願いします。

刑事事件解決のポイントは、スピードタイミングです。

早い段階でご相談いただくことで、弁護士としてもやれることが増えます。

今回の法改正は、加害者にとって不利益となる面もあります。

ご自身の今後がどうなるか不安な方は、ぜひ早めに弁護士に相談してみてください。

まとめ

いかがでしたか?

性犯罪規定の法改正について、2017年7月13日の施行を前に緊急レポートをお送りしました。

この記事をきっかけに、もっと情報をインプットしたいと思った方は、ぜひとも下の関連記事を読んでみてください。

また、性犯罪事件で逮捕されてしまい、今まさに困っている!という方は、

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