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強制わいせつの判例変更まとめ’17最新版|性的意図は不要?【弁護士監修】

  • 強制わいせつ,判例
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2017年11月29日、最高裁で強制わいせつ罪に関する47年ぶりの判例変更がありました。

同時期に力士の暴行問題や北朝鮮のミサイル問題が世間を賑わせた影響で、そこまで大きなニュース扱いをされてはいませんが、「気になる!」って方もモチロンいますよね。

そもそも強制わいせつの何が変わったの?これからどう変わるの?という方の疑問を解消したい!

そう考えて調査していく内に、↓のような疑問を持った方が多いことが分かりました。

  • 性的意図が無くても強制わいせつ罪が成立する?
  • 今後の裁判での刑罰量刑が変わる?
  • 最高裁判決ってそんなに影響力ある?
  • 自分や家族が強制わいせつで逮捕された時、誰に相談すればいいの?

このような内容について、当カタログ編集部が調査した内容を、弁護士監修のもとでまとめてみました。

調査の過程で、弁護士無料法律相談できる窓口も色々見つかりましたので、このページの後の方で皆さんにもお知らせしちゃいますね。

なお、このページの監修は、刑事事件メインの弁護士事務所で代表を務める、岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

私の事務所でも強制わいせつの事件は、非常に多く取り扱っています。

まさに今最新の動向を、法律相談で実際によくされる質問や、実務現場の実情も絡めて、解説していきます。

ネット上でも様々な反応があるようで、「共感する、当然の内容だ」という支持の声や…

「強制わいせつの対象が無闇に広げられないか」といった心配の声が見られるようです。

ではまず、裁判の対象となった『強制わいせつ』事件と、実際の判決について、整理していきましょう。

【判例変更①】何が変わった?/これからどう変わる?

【判例変更①】何が変わった?/これからどう変わる?

今回の事件の概要はこちらです。

被告の甲府市の男(39)は平成27年1月に13歳未満の女児の体を触り、裸を撮影したとして、強制わいせつと児童買春・ポルノ禁止法違反罪に問われた。被告は、知人から金を借りる条件としてわいせつな行為を撮影した画像を送るよう要求されただけで、性的な意図はなかったと主張した。

こちらのニュースは、今回の判決が出る以前の内容です。

「女児の体を触り」としか書かれていませんが、実際は被告の性器を女児にくわえさせるなどの行為があったようです。

  • 男性が女児の体を触り、裸を撮影する
  • その画像を知人に送った(送ろうとした?)
  • その画像と引き換えに、知人から金を借りた(借りようとした?)

というのが事実関係のようですね。

これらを踏まえた上で、2017年11月29日の最高裁判決は、このように報道されています。

強制わいせつ罪の成立に「性欲を満たす意図」が必要かどうかが争われた刑事裁判の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は29日、性的意図がなくても罪が成立するとの判断を示した。

一律に意図が必要とした判例を、47年ぶりに変更した。裁判官15人全員一致の意見。

『強制わいせつ罪の成立に「性欲を満たす意図」が必要かどうか』ですか。

逆に言うと『「性欲を満たす意図」が無ければ強制わいせつ罪ではない』ということですかね?

う~ん、そうと言われればそうのような気もしますし、何かひっかかる気もします。

従来の判決(いわゆる昭和45年判決)では、強制わいせつ罪の成立要件として

  • 性的意図を一律必要であるとしたのが3人
  • 性的意図を一律必要ではないとしたのが2人

と、僅差で分かれていました。

今回の最高裁大法廷において、裁判官15人全員一致というのは、以前とかなり対照的です。

「性的意図が不要」という判決の意味

今回の判決では、従来の『強制わいせつ罪の成立に「性欲を満たす意図」が必要』という考えが覆されたんですね。

判決文を詳しく見てみると…

原判決は,自己の性欲を刺激興奮させ,満足させる意図はなく,金銭目的であったという被告人の弁解が排斥できず,被告人に性的意図があったと認定するには合理的な疑いが残るとした第1審判決の事実認定を是認した上で,客観的に被害者の性的自由を侵害する行為がなされ,行為者がその旨認識していれば,強制わいせつ罪が成立し,行為者の性的意図の有無は同罪の成立に影響を及ぼすものではないとして,昭和45年判例を現時点において維持するのは相当でないと説示し,上記第1の1の犯罪事実を認定した第1審判決を是認した。

全部読むのは頭がイタいので、要点だけピックアップします…

”行為者の性的意図の有無は同罪の成立に影響を及ぼすものではない”

影響を及ぼすものではない、つまり、有っても無くても関係ない、ときっぱり書かれていますね!

『性的意図が無くても強制わいせつ罪は成立する』ということが言われているようです。

行為者の性的意図の有無が、強制わいせつ罪の成立に影響を及ぼさないようになった。

以下に強制わいせつ罪の条文である刑法176条を引用します。

もともと、条文には「行為者の性的意図」など一言も書かれていないようですね…

強制わいせつ罪

13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

ところが注意点がひとつ…

一律不要という判決ではない

変更前は『強制わいせつ罪の成立に「性欲を満たす意図」が必要』という判例でした。

それが変わったという事は、どのような場合においても、『性的意図が無くても強制わいせつ罪は成立する』ことになったのでしょうか?

実はそうではないようです、判決文の中では…

そのような個別具体的な事情の一つとして,行為者の目的等の主観的事情を判断要素として考慮すべき場合があり得ることは否定し難い。

しかし,そのような場合があるとしても,故意以外の行為者の性的意図を一律に強制わいせつ罪の成立要件とすることは相当でなく,昭和45年判例の解釈は変更されるべきである。

これまた難しい文章だ…

”行為者の目的等の主観的事情を判断要素として考慮すべき場合があり得ることは否定し難い。”

主観的事情を判断要素として考慮、つまり、性的意図が有ったかどうかを判断材料にする、という場合もあるということですか。

『場合によっては、性的意図が有ったかどうかを、強制わいせつ罪成立の判断材料にすることもある』という話ですかね。

でもそれってどんな場合?というのは誰しも抱く疑問です。

同判決文によると…

当該行為そのものが持つ性的性質が明確な行為であるから,その他の事情を考慮するまでもなく,性的な意味の強い行為として,客観的にわいせつな行為であることが明らかであり,強制わいせつ罪の成立を認めた第1審判決を是認した原判決の結論は相当である。

なるほど~、これは分かるかも。

”性的な意味の強い行為として,客観的にわいせつな行為であることが明らか”

つまり、『客観的に見て明らかにわいせつ行為であれば、性的意図が有ったかどうかに関係なく、強制わいせつ罪が成立する』可能性があるということですね。

客観的にわいせつな行為であることが明らかであれば、性的意図の有無に関係なく、強制わいせつ罪が成立する可能性がある。

今回の判例変更については、結論として強制わいせつ罪が成立したのは妥当だけど、判決文の内容にはやや不満、という意見も見受けられますね。

やはり47年ぶりの判例変更ともなると、慎重な判決文になるのは仕方ないのでしょうか。

強制わいせつ罪の成立要件について、最高裁が性的意図を一律に求める47年前の判例を変更した。結論は妥当だが、歯切れの悪さも気になる。

ざっくりまとめると、このような内容です。

  • 客観的に見て明らかにわいせつ行為なら、行為者に性的意図が有ったかどうかは関係なく強制わいせつ罪が成立する可能性あり
  • 明らかなわいせつ行為と言えない場合は、行為者に性的意図が有ったかどうかを判断する必要がある
  • 明らかなわいせつ行為とは?→・・・

一方、弁護人をつとめた奥村徹弁護士は「『性的意図は不要だ』と言い切ればいいものを『この事件については不要だ』として、有罪を維持した。これまでの判例だと無罪なのに、(被告人が)実刑に服することになった。ふんぎりが悪い判決で納得しがたい」と批判する。

今回の事件の弁護を担当した奥村弁護士は、『ふんぎりが悪い判決』と評しているようです。

変更点を、下の表にまとめてみました。

性的意図の有無と強制わいせつ罪成立の関係
  判例変更前 判例変更後
強制わいせつ罪 性的意図必要 性的意図不要な場合と必要な場合の2種類あり
強要罪など 性的意図不要 性的意図不要

量刑・刑罰は重くなるのか

判例がどう変わったのか、についてはもうバッチリですね。

ここからは、今後の裁判犯罪捜査の場面で、何がどう変わるのか、といった点を見ていきましょう。

罰金刑なしの強制わいせつと罰金刑ありの迷惑防止条例違反

今回の判例変更で、今までよりも強制わいせつ罪が成立しやすくなるのでしょうか?

量刑や刑罰に影響はあるのでしょうか?

わいせつ行為の代表例、痴漢の場合、都道府県の迷惑防止条例か刑法176条の強制わいせつ罪のどちらかで処罰されます。

具体的には…

東京都の場合、行為態様に応じて、強制わいせつ罪、または東京都公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例第5条1項1号違反(一般的には、「迷惑防止条例違反」といいます)に該当するとされています。

強制わいせつ罪は、6カ月以上10年以下の懲役が刑罰として定められており、迷惑防止条例違反は、6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金が刑罰として定められていますから、迷惑防止条例違反の方が刑は軽いです。

痴漢で起訴され有罪判決が出た場合、条例違反であれば罰金刑で済む可能性がありますが、強制わいせつ罪だと必ず懲役刑になってしまいます。

また、懲役刑だった場合も条例違反より強制わいせつ罪の方が刑期が長くなります。

もし強制わいせつ罪が成立しやすくなってしまったら、今まで条例違反の罰金刑で済んでいた痴漢が、より重い強制わいせつ罪になってしまうんでしょうか…?

そもそも最高裁の判例変更とは

「そもそも判例変更ってなに?」「法律が決まってるのに判例ってそんなに重要なの?」

そんな疑問も湧いてきますね。

今までと違う判決が出るってそんなにスゴイことなんでしょうか?

判例変更の一般論

判例変更があるときに関する決まり事が、裁判所法の中に定められているので参照してみましょう。

(大法廷及び小法廷の審判) 事件を大法廷又は小法廷のいずれで取り扱うかについては、最高裁判所の定めるところによる。但し、左の場合においては、小法廷では裁判をすることができない。

一(略)

二(略)

三 憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき。

ちなみに小法廷は5人の裁判官で、大法廷は15人の裁判官で行われます。

わざわざ裁判所法の中に、判例変更がある時は必ず大法廷で慎重に判断すること、と決められてるんですね。

判例そのものが法的拘束力を持っているわけではありませんが、最高裁判例は、後の下級審と最高裁の判断を強く拘束します。

最高裁の判例が変更されれば、今後、下級審から最高裁に至るまで、新たな判例に従って判決を出すのが通常です。

過去の事件や余罪への影響は?

「過去にわいせつ事件を起こしてしまった!」「盗撮や児童ポルノで捕まったけど、わいせつ事件の余罪もある…」

このような過去の事件余罪についても今回の判例変更が影響を与えるのでしょうか?

刑法が改正されても、昔の行為までさかのぼって有罪になることはない、というのは耳にしたことがあるんですけど…

無罪判決が確定している事件が、また蒸し返されるということは無いので安心してください。

大事なことなので、もう一度まとめます!

既に無罪判決確定で終了している事件には、判例変更の影響なし

今までの裁判では無罪→これからは有罪に?

『強制わいせつ罪の成立要件に性的意図が必ずしも必要ではなくなった』

これはつまり

『今まで、性的意図がないことを理由に無罪だった事件でも、今後は有罪になりうる』

ということでしょうか?

従来のいわゆる昭和45年判例では

以前の判例では、なぜ「性的意図が無ければ強制わいせつ罪は成立せず」となってたのでしょうか?

刑法176条前段のいわゆる強制わいせつ罪が成立するためには,その行為が犯人の性欲を刺戟興奮させまたは満足させるという性的意図のもとに行なわれることを要し,婦女を脅迫し裸にして撮影する行為であっても,これが専らその婦女に報復し,または,これを侮辱し,虐待する目的に出たときは,強要罪その他の罪を構成するのは格別,強制わいせつの罪は成立しないものというべきである

なるほど、『性的意図が無ければ、強制わいせつ罪ではなくて、強要罪などに当たる』という話だったんですね。

たしかに、行為者本人に性的意図が無くても、他人を無理やり裸にして撮影する行為が、何の罪にも当たらないはずはないですよね。

強制わいせつは無罪でも強要罪は有罪

「性的意図が無ければ全く無罪放免」というわけではないことが分かりましたね。

では、なぜ性的意図の有無で犯罪名の種類を区別しているのでしょうか?

具体的に、強制わいせつ罪強要罪の条文を見比べてみましょう。

強制わいせつ罪

13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

強要罪

 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。

2 (略)

3 (略)

強制わいせつ罪の刑罰は6月以上10年以下の懲役、強要罪の刑罰は3年以下の懲役、となっています。

ようするに、被害者からすれば同じわいせつ行為であっても、行為者(加害者)に性的意図が有ったかどうかによって、刑罰の重さが違っていたんですね。

性的意図が有る方がより重い罪になる、というのは一理あるようにも思えますが、被害者からすれば「そんなの関係ない」という話にも思えます…

以前は、性的意図の有無によって、より重い強制わいせつ罪か、より軽い強要罪か、などと刑罰が変わることがあった。

逮捕後の流れと捜査への影響

判例変更により、強制わいせつ罪の成立要件に性的意図は不要、という考えが今後のスタンダードになると思われます。

では、強制わいせつで実際に警察に逮捕された場合や、捜査機関に犯行を疑われている場合、何か変化はあるのでしょうか?

性的意図の自白が不要に?

元検察官の方のFacebookの書き込みを引用させていただくと、このように書かれていました。

借金の条件として、知人の要求に従い、7歳女児に性的虐待を加えて撮影、送信したという特異な事案ですが、強制わいせつ罪につき性的意図必要説に立てば無罪、不要説に立てば有罪になります(どちらも児童ポルノ製造・提供罪では有罪)。ただし、必要説に立った47年前の最高裁判例ですら、裁判官5名のうち2名が反対し、3対2のギリギリの結論でした。

今回、最高裁は、性犯罪に対する厳罰化などの流れにつき、社会の受け止め方の変化を反映したものだと指摘した上で、被害者の受けた被害内容や程度に目を向けるべきだと判断し、性的意図一律必要説を捨て去りました。確かに、刑法の規定を見ても、どこにも性的意図が必要だとは書いておらず、妥当な結論と言えるでしょう。

今回の判例変更は、大法廷15名の裁判官全員一致の意見です。ほとんどの事案で性的意図に関する自白を無理に得る必要もなくなるわけで、捜査実務に与える影響も大でしょう。

(11月29日 12:44 投稿)

性的意図の自白が不要になる」という点は大きなポイントですね。

従来であれば「性的意図が有ったことを認めると罪が重くなる」のだから、取り調べを受ける側はそう簡単には自白しないでしょうし、対する捜査機関の取り調べも過酷なものになっていたでしょう。

無理やり自白を得る必要が無くなったなら、取り調べは以前よりも楽になるかもしれません。

ただし、これらの話は、取り調べを受ける側としては、むしろ警戒しなければいけません。

無理して自白を得る必要が無くなった、とはつまり、今までより少ない証拠で強制わいせつ罪という重い罪が科せられる可能性がある、ということですから。

性的意図に関する自白なしでも、強制わいせつ罪で起訴され有罪になる可能性がある。

強制わいせつ罪で処罰されているほぼ全ての事案がこうしたパターンなので、捜査当局が被疑者から性的意図に関する自白を無理に取る必要がなくなる上、たとえその点を否認されても起訴、有罪に持ち込めることとなり、今後の捜査公判に与える影響は大きい。

同じ方が書いている通り、被疑者が性的意図を認めなくても、検察が強制わいせつ罪で起訴しやすくなる、という可能性は十分考えられますね。

性的意図の自白
  判例変更前 判例変更後
強制わいせつ罪で起訴 必要 不要
強制わいせつ罪で有罪 必要 不要

 

【判例変更②】なぜ判例が変更された?

【判例変更②】なぜ判例が変更された?

最高裁の判例が変更される、というのはかなりのおおごとなんですね。

では、なんで今回、昭和45年以来の判例変更にいたったのでしょうか?

ここまで読んでいただいた方なら、うすうすお気づきかもしれませんが、以前の判例で問題視されていた点や、最近の情勢をみながら確認してみましょう。

以前から賛否両論

昭和45年の判例でも5人の裁判官の間で、賛成と反対に分かれていた、という話がありましたね。

法学者の間でも長年意見が分かれていたようで、判例に肯定的な必要説と、判例に否定的な不要説で、議論が行われていました。

非親告罪化など性犯罪の厳罰化

新しい判例では、『昭和45年の判例は、性的意図が必要とする理由の説明がない』として、否定的な評価をしています。

これに対し,昭和45年判例は,強制わいせつ罪の成立に性的意図を要するとし,性的意図がない場合には,強要罪等の成立があり得る旨判示しているところ,性的意図の有無によって,強制わいせつ罪(当時の法定刑は6月以上7年以下の懲役)が成立するか,法定刑の軽い強要罪(法定刑は3年以下の懲役)等が成立するにとどまるかの結論を異にすべき理由を明らかにしていない。

また,同判例は,強制わいせつ罪の加重類型と解される強姦罪の成立には故意以外の行為者の主観的事情を要しないと一貫して解されてきたこととの整合性に関する説明も特段付していない。

『強姦罪(刑法改正後は強制性交等罪)の成立には性的意図が不要なのに、強制わいせつ罪には必要、というのは一貫性がない』とも言っていますね。

いずれにせよ、

”性的意図が必要という根拠はない(不十分)”

との結論を出しています。

その上で、最近の刑法改正による性犯罪厳罰化などの流れを受けて…

こうした立法の動きは,性的な被害に係る犯罪規定がその時代の各国における性的な被害の実態とそれに対する社会の意識の変化に対応していることを示すものといえる。

今日では,強制わいせつ罪の成立要件の解釈をするに当たっては,被害者の受けた性的な被害の有無やその内容,程度にこそ目を向けるべきであって,行為者の性的意図を同罪の成立要件とする昭和45年判例の解釈は,その正当性を支える実質的な根拠を見いだすことが一層難しくなっているといわざるを得ず,もはや維持し難い。

昭和45年当時よりも、社会の意識は性犯罪厳罰化を求める方向に変化している。

性犯罪を裁くに当たっては、被害者の受けた被害に目を向けるべきである、より被害者の心情に寄り添った判断をすべきである、という方向性が示されています。

判決の根拠

性的意図が必要とする根拠は不十分であり古いので、今の社会意識に合わせて被害の実態被害者の心情を重視する(=行為者の性的意図は重視しない)。

性犯罪厳罰化を目的とした刑法改正で強制わいせつ罪が非親告罪化しました。

これにより、告訴を取り消されたからと言って必ず不起訴になるわけではなくなりました。

しかしなお、被害者に誠実に謝罪をして、示談を結び告訴を取り消してもらうことには、重要な意味があります。

詳しくは後半で説明します。

強制わいせつで逮捕されたらどうする?

強制わいせつで逮捕されたらどうする?

ここまで強制わいせつ罪の判例変更について、駆け足で見てきました。

ここからは、実際に役立つ話をしていきます。

  • 夫が、息子が、強制わいせつで逮捕されてしまった…
  • 警察から呼び出されたが、そのまま刑務所行きで前科持ちになってしまうのか…

このようなお悩みの解決策を、一緒に見ていきましょう!

釈放を目指す

逮捕の流れ

こちらの図にもありますが、逮捕されてしまうと最長で23日間身柄を拘束されてしまいます。

その間、仕事や学校に行けないのはもちろんのこと、家族や恋人・友人との連絡も満足にはできません。

当然、拘束が長引くほど仕事をクビになったり退学させられるリスクは上がります。

スムーズな社会復帰を果たすためには、1日も早く釈放されることを目指す必要があります。

不起訴を目指す

起訴の流れ

刑事事件で有罪になり前科がつく場合、「捜査→起訴→裁判」という流れに沿って手続きが進みます。

逆に言うと、裁判所の判断を経なければ前科はつきませんし、起訴されなければ裁判は開かれないので、この場合も前科がつきません。

ただし、一度事件が起訴されて裁判が開かれてしまうと99%有罪になってしまいます。

一方で、事件が起訴される率は3~4割程度となっており、実に半数以上の事件は不起訴で終了していることになります。

前科をつけないためには、不起訴処分を獲得することが現実的な方法と言えます。

被害者と示談

示談の流れ

強制わいせつのように、被害者がいる事件では、被害者から許しをえて示談をしてもらうことが非常に重要になります。

刑事裁判は、加害者と国の捜査機関との間で行われるものであり、被害者は直接の相手方ではありません。

しかし、「被害者が加害者を許している」ということが示談で証明できれば、刑事裁判においても加害者に有利な事情として扱われます。

検察が事件を起訴するかどうか決める際に、示談しているかどうかを考慮する場合が多いので、示談できればそれだけ不起訴の可能性が高まります。

被害者との示談で不起訴を目指すのであれば、検察が起訴を決める前スピーディーに行わなければなりません。

一度起訴されたら、その後に被害者と示談できたとしても、「やっぱり不起訴」とはならないからです。

ただ、起訴されてしまった場合でも、被害者と示談できていれば、執行猶予がついて実刑を回避できたり、処分が軽くなる可能性は上がりますので、決して無意味ではありません。

強制わいせつ罪の示談については、こちらの記事でより詳しく解説されていますので、興味ある方はぜひぜひチェックしてみて下さい。

弁護士に相談

加害者が考えるべき「釈放を目指す」「不起訴を目指す」「被害者と示談」、これらの活動は誰でもできるというものではありません。

釈放や不起訴は、おっかない警察や、一般人にはなじみない検察を相手に働きかけていかなければなりません。

被害者との示談では、加害者が直接示談交渉しようとしても、被害者側の恐怖や怒りから、連絡先すら教えて貰えないことがほとんどです。

そのような時に、加害者の味方となり捜査機関への働きかけや、被害者との示談交渉を行えるのは弁護士しかいません。

刑事事件ではスピードが肝心です。

  • 会社にバレる前に釈放される
  • 検察が起訴を決める前に、不起訴を認めてもらう
  • 起訴される前に、あるいは判決が出る前に、被害者と示談する

これらの活動を、同時並行で的確かつスピーディーに行うためには、刑事事件の経験が豊富な弁護士がベストです。

弁護士ありの場合となしの場合
  弁護士あり 弁護士なし
釈放 スピーディーに対応 捜査機関次第…
不起訴 専門的で的確な対応 検察次第…
示談交渉 交渉しやすくなる 難しい…
まとめ
  • 1日も早く釈放されてスムーズに社会復帰
  • 不起訴処分を獲得して、前科を回避
  • 示談不起訴実刑回避
  • 弁護士なら警察対応から示談交渉までお任せ

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誰にも知られずに、お悩み解決に近づけるのが魅力的ですね。

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最後に弁護士からアドバイス

ここまで読んでくれた皆さんに向けて、最後に、岡野弁護士からメッセージがあるそうです。

強制わいせつ事件では、被害者と示談を結び赦しを得ているか、という点が検察の起訴の判断に強く影響します。

検察が起訴を決めてしまう前に、被害者と示談を結べるよう、迅速な活動が重要です。

 

弁護士への相談が早いほど、弁護士がその後の対応で取れる手段の幅も広がります。

最近では、無料相談に対応している事務所も多く、弁護士への法律相談へのハードルは、一昔前に比べてかなり低くなっています。

 

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連絡が早いほど、弁護士相談のメリットも大きくなります。

弁護士へ連絡をするべきタイミングは、正に今この瞬間です!

まとめ

いかがでしたか。

このページでは、

  • 強制わいせつ罪の判例変更の内容は?
  • 判例変更による今後への影響は?
  • なぜ判例変更された?
  • 強制わいせつ罪に問われたら弁護士に相談!

これらの内容をみてきました。

 

2017年7月13日の刑法改正、そして2017年11月29日の判例変更と、性犯罪厳罰化の傾向にあります。

言い換えると、これまでより強制わいせつなどの性犯罪が成立しやすくなり、処罰範囲が拡大される可能性があります。

少しでも不安があるなら、事前に弁護士に相談して早めに対応策を検討しておきたいですね。

 

今まさにお悩みを抱えている方は、

これらのツールを試してみてくださいね。

また、このサイト内には、強制わいせつ罪についてのコンテンツがたくさんあります。

本記事以外で、強制わいせつ罪に関して知っておきたい情報は『強制わいせつで前科をつけずに解決するための対処法と手続きの流れ』にまとめているので、興味がある方はご覧ください。

さらに、関連記事も要チェックです!