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刑事告発されたらどうなる?|刑事告発の意味、流れ、刑事告発されたらかかる費用は?

  • 刑事告発されたら

刑事告発されたらどうなる?|刑事告発の意味、流れ、刑事告発されたらかかる費用は?

刑事告発されたらどうなるのか

そのような不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。

そこで、今回は、「刑事告発されたらどうなる?」と題して、

  • 刑事告発の意味
  • 刑事告発された後の流れ
  • 刑事告発されたらかかる費用

などについて、レポートしていきます。

刑事告発や、その後の流れについての解説は、アトム法律事務所の弁護士にお願いします。

よろしくお願いします。

実務の視点から、「刑事告発」に関する気になる点を分かりやすく説明していきます。

刑事告発とは何?|刑事告発の意味を確認

刑事告発とは?

刑事告発されたら必ず逮捕されてしまうのか

そんな不安にさいなまれている人もいるかもしれません。

刑事告発とは、一体どのようなものなのでしょうか。

刑事告発とは、犯人及び告訴権者以外の第三者が、捜査機関に対し犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示のことをいいます。

刑事告発されたからといって、必ず逮捕されるとは限りません。

刑事告発は、捜査のきっかけになるにすぎません。

刑事告発について規定した刑事訴訟法の条文を挙げておきます。

第二百三十九条 何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。

○2 官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。

公務員の場合、職務上、犯罪があると考えた場合には、告発義務があるようです。

公務員に告発されるケースとしては、

生活保護の不正受給などで、市から告発される場合

などが、考えられます。

収入がないと偽り、生活保護費約105万円を不正受給したとして、(略)署は2日、詐欺容疑で(略)アルバイト従業員の男(60)を逮捕した。容疑を認めているという。

逮捕容疑は、(略)収入があったにもかかわらず、区役所に無収入だとする申告書を提出。平成26年8月~27年5月の間、10回にわたり生活保護費計約105万円をだまし取ったとしている。

同署によると、男はこの間、多い月で20万円以上の収入があった。市が返還を求めたが応じず、刑事告発していた。

さて、刑事告発と似ているものとして、

刑事告訴

というものがあります。

告発と告訴を混同している人もいるので、次の項目では、「刑事告訴」の意味について確認しておきましょう。

刑事告発と刑事告訴の違い

告発と告訴は、一字違いで紛らわしいですよね。

刑事告訴」とは、どのようなものなのでしょうか。

刑事告訴は、犯罪の被害者その他の告訴権者から、捜査機関に対し、犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示のことです。

告訴の場合は、法定の告訴権者からのみ告訴されます。

告発の場合は、犯人及び告訴権者以外の者ならば、誰からでも告発される可能性があります。

告訴権者には、どのような人がいるのでしょうか。

告訴権者には、被害者のほか、被害者の法定代理人などが含まれます。

被害者の一定の親族も、一定の条件の下、告訴権者とされています。

告訴権者の範囲としては、

被害者

のほか、

被害者の親族など被害者と密接な関係性のある人

が、規定されているようです。

このような告訴人や告発人の違い等のほか、刑事告訴と刑事告発の違いを表にまとめました。

刑事告訴と刑事告発の相違点
刑事告訴刑事告発
意味捜査機関に対し犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示捜査機関に対し犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示
主体告訴権者犯人及び告訴権者以外の第三者
期間の制限親告罪の場合、告訴期間ありなし
起訴後取り消し禁止規定ありなし
取り消し後の再度届け出禁止規定ありなし

さて、告訴と告発の違いが分かったところで、次に「被害届」について見ていきましょう。

刑事告発と被害届の違い

また、刑事告発と混同されやすいものとして、

被害届

が、挙げられます。

この「被害届」とは一体どのようなものなのでしょうか。

「被害届」とは、犯罪により被害を受けた者が、被害を受けた事実を捜査機関に申告するため作成する書面のことをいいます。

この被害届の定義からもわかるように、被害届は、

犯罪事実の申告

をする書面です。

刑事告発との違いは、以下の2点です。

まずは、①書面の意味する内容です。

刑事告発は、告発状において、

犯罪事実の申告

とともに、

犯人処罰の意思表示

が、されます。

被害届の場合には、犯人処罰の意思表示は含まれていません。

次に、②提出の主体が違います。

被害届は、被害者によって提出されることになります。

しかし、刑事告発は、被害者によって告発されることはありません。

刑事告発と被害届の違い
刑事告発被害届
意味犯罪事実の申告

犯人の処罰を求める意思表示
犯罪事実の申告のみ
主体犯人及び告訴権者以外の第三者犯罪により被害を受けた者(ただし、代書可能)

さて、刑事告発、刑事告訴、被害届の違いがわかったところで、刑事告発の典型的なケースもついでに確認しておきましょう。

刑事告発はどんな時される?|脱税の刑事告発、その実態とは?

刑事告発といえば、脱税事件が思い浮かぶ方もいるかもしれません。

国税庁では、「査察事情」いわゆる「マルサ白書」を公開しています。

また、ホームページ上では、告発された刑事事件1件当たりの脱税額が紹介されています。

○ 着手・処理・告発件数、告発率

 平成28年度において査察調査に着手した件数は、57件でした。

 平成28年度以前に調査着手した査察事案について、平成28年度中に処理(検察庁への告発の可否を判断)した件数は66件、そのうち検察庁に告発した件数は41件であり、告発率は62.1%でした。

○ 脱税額

 平成28年度に処理した査察事案に係る脱税額は総額で50億円、そのうち告発分は35億円でした。

告発した事案1件当たりの脱税額は8,500万円でした。

このように、脱税事件関連で、告発されることが多いイメージがあります。

しかし、たとえば、

老人ホームの入所者に対して虐待があった場合で、告訴権者がいないとき

などのケースでは、第三者によって告発されるというケースもあるでしょう。

刑事告発されたらどうなる?逮捕・起訴など流れを解説

刑事告発の方法|刑事告発状の書式、受理手続き、時効

刑事事件の告発状が受理される

まず、刑事事件の告発は書面又は口頭によって、捜査機関に対してされることになります。

告訴又は告発は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員にこれをしなければならない。

告発が書面でされる場合、告発状が提出されることになります。

警察などが刑事事件として捜査開始

告発状が警察に受理されたとします。

その場合、警察から検察官に刑事事件に関する書面や証拠が送付されます。

司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。

書類が送付されるだけでなく、告発があった事件については、特にすみやかに捜査が行われます。

告訴または告発があつた事件については、特にすみやかに捜査を行うように努めるとともに、次に掲げる事項に注意しなければならない。

一 ぶ告、中傷を目的とする虚偽または著しい誇張によるものでないかどうか。

二 当該事件の犯罪事実以外の犯罪がないかどうか。

刑事事件で告発されたその後は、次のような流れが想定できます。

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出典:https://atomfirm.com/wp-content/uploads/keijinonagare_1.png

さて、次に、逮捕手続について見ていきましょう。

刑事告発された人が逮捕される

刑事事件を起こした後、逃走してしまったとします。

その後、刑事事件で告発されたら、捜査が開始されます。

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出典:https://atomfirm.com/wp-content/uploads/taihononagare-2.png

その後、捜査が進展して後日逮捕されることになります。

さて、後日逮捕とはどのような逮捕手続なのでしょうか。

後日逮捕は、刑事訴訟法上、「通常逮捕」と呼ばれる逮捕手続です。

事前に発行された逮捕状にもとづく逮捕です。

  • 嫌疑の相当性
  • 逮捕の必要性

がある場合に、後日逮捕されることになります。

後日逮捕についてもっと知りたいという方は以下のリンクもご覧ください。

さて、逮捕された後はどうなるのでしょうか?

次の項目で、後日逮捕されたその後流れを見ていきましょう。

逮捕手続きから起訴までの流れ

逮捕から起訴までの流れ

逮捕後、「もっと留置する必要がある」と警察によって判断される場合もあります。

その場合、身体を拘束されてから、48時間以内に、検察官に送致されます。

そして、「さらに継続して留置の必要がある」と検察官に判断される場合があります。

その場合、「勾留」手続が採られることになります。

勾留請求されるかどうかは、検察官が被疑者を受け取った時から24時間以内に決まります。

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出典:https://atomfirm.com/wp-content/uploads/nagare.png

勾留期間は延長されることもあるため、逮捕から最長23日間、家に帰れないこともあります。

起訴後、裁判の流れ

いよいよ刑事事件で起訴されてしまったとします。

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出典:https://atomfirm.com/wp-content/uploads/keijinonagare_5.png

刑事裁判にかかる日数は、その刑事事件の複雑さ加減にもよります。

刑事告発で有罪判決が出る確率は?

刑事裁判の有罪率は、99.9%ともいわれていますよね!?

実際のところ、どうなのでしょうか。

脱税について起訴された刑事事件の有罪になった件数について言及した記事があります。

少し、読んでみましょう。

28年度中に告発事案で裁判が開かれ一審判決が言い渡されたのは100件。基本的に脱税に関して十分立証ができているものを起訴していることから、今回もすべてが有罪判決で14人(前年度2人)に実刑判決が下された。

この記事によると、刑事告発された後、起訴された刑事事件では、すべてが有罪判決になっているとのことです。

刑事告発されたらかかる費用とは

刑事告発されたらかかる弁護士費用はいくら?

さて、刑事告発されたら弁護士に刑事事件の弁護を頼むことになります。

そこで、気になるのが「弁護士費用」ですよね!

弁護士費用には、

  1. ① 相談料
  2. ② 着手金
  3. ③ 成功報酬
  4. ④ 弁護士の実費・日当

などがあります。

これから、これらの弁護士費用について説明していきます。

①相談料

相談料は、弁護士に法律相談をする際にかかる費用です。

  • 初回無料
  • 初回1時間無料
  • 30分5000円
  • 1時間1万円

などなど。

法律相談は、比較的安価で受けられるようです。

②着手金

着手金は、弁護士に事件を依頼した段階で支払うものです。

着手金の一例を表にまとめました。

着手金の一例
弁護活動金額
特に簡単な事件40万円
普通の事件60万円

着手金は、事件の難易度によって異なるのが一般的です。

③成功報酬

成功報酬は、事件の解決(結果)に対する報酬として支払われるものです。

不起訴処分で解決した事案と、公判請求されたけれど量刑は軽減されたというような事案では、成功報酬の金額は異なってきます。

どのような結果の場合、どのくらいの成功報酬になるのか?

というようなことに気を付けましょう。

告発された刑事事件の弁護を依頼するときに、よく確かめておくことが必要です。

④弁護士の実費・日当

実費は、事件処理のために実際に出費されるものです。

刑事事件の場合には、示談交渉をした喫茶店の喫茶代や、事件記録の謄写に要した費用が実費になります。

また、出張が必要な事件だと、交通費、宿泊費等の日当がかかります。

日当は、最低でも1日1万円

と、考えておきましょう。

まとめ:無料相談窓口

こうやって見てくると、刑事告発されたら何かと弁護士費用がかさんでしまいますよね。

せめて法律相談だけは無料で済ませたい

そんなふうにお思いの方もいることでしょう。

そのような方は、刑事事件の無料相談窓口に関する次の記事もチェックしてみて下さい。

刑事告発されたら罰金刑?|刑事告発事案の結末とは

刑事告発された刑事事件について、起訴されて有罪となってしまった場合、どのような刑罰が待っているのでしょうか?

まずは、関税法違反で刑事告訴された事件を見てみましょう。

刑事告発された刑事事件その①

▼事案

指定薬物ラッシュの輸入未遂で、関税法違反として刑事告発された事案。

▼刑罰

 懲役1年6月(執行猶予3年)

この事件では、懲役刑が出されています。

次の刑事事件は、業務上横領で告発された事件です。

刑事告発された刑事事件その②

▼事案

公益財団法人の職員として、経理全般に従事していた者が、現金約11万円を着服して業務上横領として告発された事件。

▼示談

 成立

▼示談金

 350万円

▼結論

 不起訴

この事件では、被害者である公益財団法人との示談が成立し、不起訴となっています。

このように、告発されたといっても、不起訴になるケースもあります。

示談と不起訴の関係について知りたい方は、次の記事もご覧ください。

さて、

ご自分の刑事事件に関して、どのような刑罰が科されるのか

という心配をお持ちの方は、無料相談なども活用して、弁護士に相談してみるのもよいかもしれません。

刑事告発されたら、まずは「弁護士に相談」しよう!

さて、

刑事事件で告発されたらどうしよう・・・

と、ハラハラしながら毎日をお過ごしの方もいますよね!?

これから、弁護士に簡単に相談できる方法をお教えいたします。

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※無料相談の対象は警察が介入した刑事事件加害者側のみです。警察未介入のご相談は有料となります。

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さいごに

今回は、「刑事事件の告発」についてレポートしてきました。

刑事告発の意味や、刑事告発された後の流れについて、理解することができました。

被害届の提出ではなく、刑事告発された場合には、すみやかに捜査が進められる傾向にあります。

そのため、早い段階での任意の事情聴取なども想定できます。

刑事告発された刑事事件の取調べについて、不利な発言をしないよう助言することも可能です。

刑事告発でお悩みの方は、今すぐ弁護士にご相談いただければと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「刑事事件の告訴」について理解を深めていただけたら幸いです。

ぜひご活用ください!

もっと刑事事件の手続について知りたいという方は、関連記事もチェックしてみてくださいね。