【示談書のウラ側】被害届の取下げで釈放・不起訴になる?

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示談書の内容によって、加害者の刑事処分に影響が及ぶことがあります。

「被害届取り下げで釈放・不起訴になる」

とはどのような意味なのでしょうか。

  • 示談書にどのような条項を設けるとよいのか?
  • 被害届取り下げと告訴取消は何が違うのか?
  • 示談金を支払ったのに被害届が取り下げられなかったらどうなるのか?

など、知れば知るほどたくさん疑問が生まれますね。

被害届取り下げについて最近ではこんなニュースもありました。

顔見知りの少年に暴行を加えけがをさせたとして、警視庁少年事件課は、傷害の疑いで、いずれも東京都足立区に住む17~18歳のとび職の少年ら3人を逮捕した。
(略)
3人は監禁致傷容疑で逮捕され、今回逮捕された3人は「被害者が被害届を出して仲間が捕まったので腹が立った。被害届を取り下げさせようと思った」などと供述し、容疑を認めているという。

自分の身近にも起こり得る事件ですよね。

自分が事件の当事者になり、

  • 示談で解決する
  • 被害届取り下げをしてもらいたい

となった時、あなたは冷静に判断する事ができるでしょうか。

何も知らない状態では不利益を被る可能性もあります。

今回の特集で「示談」や「被害届取り下げ」についてしっかり学びましょう。

専門的な部分は弁護士の解説を交えていきます。

弁護士の岡野です。

本日は示談書が起訴・不起訴にどのように関係するのかなどを中心にみなさんの疑問にお答えします。

【示談QAトップ10】示談書に宥恕条項が記載されていると…?

【示談QAトップ10】示談書に宥恕条項が記載されていると...?

Q1.示談書にどのような条項を設けると加害者は有利になりますか?

「被害者が加害者を許す」旨の条項を設けると、加害者は有利になります。

被害者が加害者を許すことを宥恕といいます。

示談は、基本的には、私法上の争いごとを解決金により和解するということです。

簡単に言えば、解決金によって事件を終了させるというものです。

これは、民事だけを考えれば、それでも大丈夫です。

しかし、刑事事件への影響を考える必要があります。

刑事事件は、国家が犯罪行為に対して刑罰を適用するかどうかという問題です。

民事事件は、当事者同士が紛争解決に同意するかどうかという問題です。

したがって、この2つの事件は、基本的には別問題なのです。

ですが、刑事事件への影響を考えた示談では、「宥恕」が重要になってきます。

そのため、示談ができたときに、被害者が同意してくれるのであれば、宥恕条項を示談書に入れます。

これにより、被害者が許したことを書面に残すことができ、加害者にとって有利に働く証拠になります。

被害者が加害者を本心で許してくれたことが大切です。

たとえば、被害者が示談内容をよく理解しないままハンコを押させたり、無理に示談させたりするのはやめましょう。

このような事情は、後に検察官に判明し、かえって不利になることがあります。

被害者からの宥恕は加害者の刑事処分に大きく影響します。

まずは示談書の書き方を知りたい、という方はこちらの記事もご覧ください。

こちらの第5条が「宥恕条項」にあたります。

Q2.示談書に宥恕条項が入ってないと意味がありませんか?

被害者の許し」に関する条項が入っている示談書と比べると効果は小さいです。

しかし、入っていないとしても効果はあります。

示談できたことにより、刑罰が軽くなるケースもあるからです。

当事者間で紛争が解決したことが重視され、刑罰が科されないケースもあります。

どちらにしても示談が成立する事は裁判において大きな意味合いがあります。

刑事事件の「示談書」について詳しく書いている記事がありますので、あわせてご覧ください。

Q3.示談書に宥恕条項が入っていると必ず不起訴になりますか?

宥恕付き示談が成立すると、窃盗罪や詐欺罪などの財産犯では高い確率で不起訴になります。

痴漢や盗撮などの性犯罪も、初犯であれば不起訴になることがほとんどです。

もっとも、必ず不起訴になるわけではないので注意が必要です。

宥恕付き示談は量刑事情に大きく関わってきます。

ですが、それだけで起訴・不起訴が決まるわけではありません。

  • 被害回復の実現がなされたのか
  • 加害者の反省の程度
  • 犯罪の悪質性
  • 前科の有無

など、さまざまなことが起訴・不起訴に影響します。

宥恕条項が入っていたとしても必ずしも不起訴になるわけではありません。

他の様々な要素も考慮され、起訴・不起訴に影響します。

Q4.被害届を取り下げてもらう旨を示談書に書いた場合はどうですか?

被害届取り下げを示談書に書いた場合も、起訴・不起訴の判断に大きな影響を与えます。

被害届の取下げにより、被害者の処罰感情が緩和されたと判断されるからです。

示談書に被害者の加害者への許しを示すことを宥恕条項といいます。

通常、この宥恕条項を書く場合は、あわせて被害者が被害届を取り下げることを書きます。

被害届けを取り下げてもらう旨を被害者に書いてもらうのは最終的な刑事処分に大きく影響します。

Q5.被害届取り下げと告訴取消は同じではないのですか?違いは何ですか?

被害届取り下げ告訴取消は別のものです。

被害届と告訴の法的効力が異なるからです。

被害届とは、被害者が、警察・検察等に対し、犯罪にあった事実を申告することです。

告訴とは、被害者や親などの告訴権者が、警察・検察等に対し、犯罪にあった事実を申告することです。

さらに、犯人の処罰を求めることをいいます。

どちらも、捜査開始のきっかけになります。

また、被害者は、被害届の提出・告訴のどちらも行うことができます。

被害届と告訴の一番の違いは、器物損壊罪などの親告罪において、告訴がなければ起訴できないという点です。

ですので、親告罪では、起訴前に告訴取消を含む示談ができれば、必ず不起訴になります。

また、逮捕・勾留中であれば、すぐに釈放されます。

なお、告訴の取消しは起訴後にはできません。

起訴後の示談で、告訴取消しを合意しても、法的な効力はありません。

刑事裁判は続いていくのでご注意ください。

被害届取り下げ告訴取消は全く別のものだとわかりました。

告訴取消は起訴前でないと意味がないのですね。

Q6.示談金を払ったのに被害届を取り下げてもらえません。どうなりますか?

示談書に被害届を取り下げると書いてあるなら、基本的に、示談の効果に違いはありません。

示談金支払い後、被害者が被害届を取り下げないとしてもです。

被害者が、被害届取り下げには合意しています。

そのため示談書だけでも、被害者の処罰感情が緩和されたと見て取ることができます。

検察官に対し、示談書や示談金の支払い・受け取りを証明する領収書などを示し、事情を説明することが肝心です。

示談の経緯や結果を検察官に正確に報告することも大切なことです。

示談書や領収書などの書類も検察官に見せましょう。

Q7.示談金を払ったのに刑事告訴を取り消してもらえません。どうなりますか?

刑事告訴の取り消しの場合は、被害届取り下げの場合とは話が変わります。

示談書に「告訴を取り消す」ことが記載されていると、被害者の処罰感情が緩和されたことがわかります。

しかし、親告罪のケースでは必ず不起訴になるという保証を得ることにはなりません。

告訴取消し書は、加害者側で書式を用意し、準備を整えましょう。

示談金を支払う時に、被害者から告訴取消し書に署名・押印をもらうとよいです。

親告罪における告訴取消しは重大な問題です。

示談でも慎重に対応することが求められます。

Q8.告訴取消と示談について注意すべきことは?

告訴取消とは、告訴を撤回することです。

告訴取消をすると、二度と告訴を行なうことはできません。

親告罪の告訴取消の示談に関して、注意すべきことがいくつかあります。

告訴取消は、検察官の公訴の提起(起訴)前でなければ行うことができない

刑事訴訟法237条1項で定められています。

たとえば、加害者が被害者との間で示談を成立させ、被害者に告訴取消書を提出してもらったとします。

しかし、示談前に、すでに検察官が起訴していれば、告訴取消の効果はありません。

その結果、刑事裁判は開始し、加害者には懲役刑などの刑事処分が下ることになります。

器物損壊罪のような親告罪の示談交渉にあたっては、起訴される前に告訴取消が必要です。

告訴権者が複数いて、複数名が告訴している場合、その全員から告訴取消を得る必要がある

刑事訴訟法230条、231条1項で定められています。

被害者が未成年者の場合、告訴権者は被害者本人と法定代理人です。

法定代理人は、通常、親権者である両親となります。

両親のどちらかだけでも有効に告訴を行なうことができます。

そして、被害者本人と法定代理人の両方が告訴を行なっていれば、その両方から告訴を取消してもらう必要があります。

どちらか一方から告訴取消があっても、連動して、全ての告訴が取り消される訳ではありません。

注意点はまだあります。

事前の告訴取消、つまり、告訴権の放棄は刑事訴訟法上認められない

加害者が、被害者本人と示談交渉し、被害者本人と「告訴をしない」という示談が成立したとします。

しかし、後日、被害者本人が告訴を行なった場合、告訴は有効となり、検察官から起訴される可能性は残ります。

親告罪の取り扱いは誤ると大変なことになります。

専門家に相談をしながら示談を進めるべきでしょう。

Q9.告訴されている場合、どのような形で示談したら良いですか?

示談の形はさまざまですが、おさえていただきたい点がいくつかあります。

検察官の起訴時までに、告訴取消を含む示談を成立させる

時期的な点にはなりますが、いつ示談が成立するのかは重要です。

告訴している全ての方から告訴取消を得る必要がある

告訴しているのが誰なのかを確認しましょう。

被害者本人が未成年者の場合

被害者本人が未成年者の場合、示談交渉は、被害者の法定代理人である親権者と行う必要があります

民法824条で定められています。

示談交渉は、損害賠償という財産権に関する話が中心となりますので、主に民事事件の面があります。

ただし、注意点があります。

告訴は、刑事訴訟法上の話なので、法定代理という民事の話と異なってくる点もあります。

つまり、被害者本人が未成年者の場合でも、被害者本人が告訴すれば、被害者本人から告訴取消を得る必要があります。

これは、刑事訴訟法の解釈上、原則になります。

損害賠償という財産権に関する示談交渉は、法定代理人と行います。

ですので、告訴取消に限ってズレてきます。

もっとも、被害者本人が告訴しているケースで、加害者が、被害者本人と告訴取消について直接交渉するのは被害者の両親も嫌がるでしょう。

そこで、このようなケースは、被害者の両親に、被害者本人から、別途、告訴取消の委任を受けてもらいます。

それから、被害者の両親と告訴取消について示談交渉すれば良いでしょう。

法定代理人が、被害者本人から告訴取消の委任を受けているか確認する必要があります。

告訴取消の委任状を見せてもらうなどの方法をとりましょう。

その際、後日の証拠のため、コピーをもらうと良いでしょう。

契約書の書き方などは工夫もできます。

被害者側も対応しやすい、一番良い形式の告訴取消・示談成立で事件を終了させましょう。

弁護士に相談・依頼すれば、後で問題が残らないように対応してくれます。

示談成立にむけて気を付けるポイントがいくつもあります。

信頼のおける弁護士に一任するのが賢明かもしれませんね。

Q10.告訴されていない場合、示談して告訴放棄してもらっても意味ないですか?

事前の告訴放棄に法的な効力はありません。

しかし、告訴放棄の合意しておくことで、事実上、後日告訴されることを防ぐ効果はあります。

被害者が未成年者の場合など告訴権者が複数いる場合には、できれば、告訴権者全員と合意しておくと良いでしょう。

なお、「告訴しない」と合意をしたにもかかわらず、被害者が告訴する場合があるかもしれません。

原因としては、加害者側に不誠実な行為があったケースなどが考えられます。

たとえば、加害者が示談金を支払わない場合などです。

そのため、「告訴しない」と合意をした後も、当然ながら、誠実に対応する必要があります。

また、加害者が誠実に対応しても、約束を破られて告訴されるケースもない訳ではありません。

事案にもよりますが、「告訴しない」となり、示談金も支払われているのであれば、検察官が起訴猶予にする可能性は高くなります。

検察官が判断材料にすること
  • 処罰感情が不明確である
  • 訴権の濫用に近いものがある
  • 被害回復がなされている事実

このようなことから、検察官も、起訴事案相当だと判断しづらいと考えられるでしょう。

示談は民事事件の話で、告訴取消は刑事事件の話です。

この2つは別物になるので、告訴取消に関する示談は法律的にもむずかしいところがあります。

弁護士に相談・依頼することで、適切な示談金の算定が期待できるでしょう。

刑事弁護の経験値がある弁護士なら、安心して任せられると思います。

加害者は被害者に対して、まず誠実に対応することが大切です。

それを踏まえて、謝罪の方法や示談の進め方を弁護士に相談するようにしましょう。

【示談金を見極める】実例から示談金の相場を検討してみよう

【示談金を見極める】実例から示談金の相場を検討してみよう

示談金には相場がある?ない?

示談書と被害届取り下げについて、よくわかりましたね。

ところで、示談金には相場があるのでしょうか?

自分が巻き込まれている事件の示談金の相場を知りたい場合はこちらをチェックしてみてください。

いかがですか?

こちらに表示された示談金は、すべて実例です。

示談金の相場は事件の種類・内容によって異なることがわかります。

「スマホ無料相談」の活用で弁護士にアクセスできる

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急を要する刑事事件の相談ができるので、頼りになりますね。

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他の弁護士と検証しながら、自分にあった弁護士を選ぶのが一番納得がいくと思います。

急ぎだからこそ、落ち着いて冷静に選んでいただきたいと思います。

最後にひとこと

今回は「示談書の効力」や「被害届取り下げ」について特集しました。

気を付けるべきポイントがたくさんありましたね。

では、最後に一言アドバイスをお願いします。

事件解決の鍵は、「スピード対応」と「適切な選択」です。

無理に自分で解決しようとすると、かえって冷静な判断ができなくなるかもしれません。

まずは弁護士へご相談いただくことが早期解決への近道といえます。

まとめ

色々な窓口をご覧いただきました。

弁護士探しは全国弁護士検索でキマリです!

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示談は慎重を要することです。

他にも関連記事に示談特集がありますので、ぜひご覧ください。

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