国選弁護士と私選弁護士の違い|費用、報酬、やる気に違いはある?
刑事弁護士には、私選弁護士と国選弁護士があります。私選弁護は、自分で選ぶ弁護士のことを言い、国選弁護士は国が選ぶ弁護士です。どちらも同じ弁護士で、権限の範囲も同じです。ただ、弁護費用のほか、選べるタイミングや刑事弁護の経験に違いがあり、刑事事件の結果を左右することもあります。
私選弁護士を選ぶメリットとして、逮捕前でも刑事弁護に精通した弁護士を選べることがあります。国選弁護士は勾留後、在宅事件の場合は起訴後しか付かず、名簿順なので自分で選べません。早いタイミングで刑事事件に強い私選弁護士に依頼すれば、示談等によって刑事事件化や逮捕を阻止できる可能性があります。
私選弁護士の選び方は、刑事弁護の経験があり動きが早いこと、弁護費用が明瞭であることがポイントです。ホームページ等で刑事事件の解説や実績の説明があるか、費用が明確か確認しましょう。また、刑事事件はスピードが命なので、早急に相談できる弁護士に法律相談をしてアドバイスを受けることが重要です。
目次
専門的な部分は、専門家に聞いていきましょう。
刑事弁護のプロフェッショナル、アトム法律事務所の弁護士です。
よろしくお願いします。
多くの人が弁護士との接点がなく、弁護士のことについて知る機会が少ないと思います。
分かりやすい内容になるよう、解説していきます。
国選弁護士と私選弁護士、制度の違いアレコレQA3選
国選弁護士と私選弁護士は、よく検証の対象になります。
ことばそのままの意味にとらえると…
国が選ぶか、自分で選ぶか、ということですよね。
これらの違いは選ぶ主体の差だけではないはずです。
具体的にどういった違いがあるのか、3つ選出して解説していきます。
Q1.国選弁護士の権限、違いはどこにある?
弁護活動において、国選弁護士の場合はなにか権限の違いでもあるのでしょうか?
国選は、ある一定の条件をクリアしないとなれないとか…
国選と私選では、なにが違うのでしょうか。
権限は、国選も私選も同じです。
弁護士資格を有する者
弁護士会に弁護士登録している者
通常の弁護士としての活動をしているのなら、国選も私選も全く同じ権限を持っています。
国選弁護士制度は刑事手続き上、被告人(被疑者)のために設けられた制度です。
弁護士資格に加えて、特別な試験を通過したからなれる制度というわけではありません。
制度の違いであり、どちらも弁護士である以上、権限の点ではみな同じです。
Q2.費用・報酬の違いは?
国選弁護士に弁護される人は、弁護士から費用を請求されることはありません。
国がその費用を負担してくれます。
弁護士が受け取る国選弁護の報酬は、裁判所によって決められています。
一方で、私選弁護士は弁護士費用を自由に決めることができるので、費用体系がバラバラです。
もしかしたら、無償のようなイメージを持っていた方もいるかもしれません。
弁護士にとっては、国選か私選かで費用・報酬の請求先が違います。
私選弁護士は、料金設定が自由です。
ですからその分、仕事へのモチベーションを高める一つの要因となっているかもしれません。
Q3.刑事事件、民事事件、扱える事件に違いは?
国選弁護士ってどんな事件でも選任できる?
国選弁護士は、刑事事件の場合のみに選任することができます。
刑事事件の場合といっても、条件があります。
日本弁護士連合会の公式ホームページでは、以下のように説明されています。
国選弁護制度とは、刑事事件の被告人(起訴された人)及び被疑者(刑事事件で勾留された人)が、貧困等の理由で自ら弁護人を選任できない場合に、本人の請求又は法律の規定により、裁判所、裁判長又は裁判官が弁護人を選任する制度です。
出典:日本弁護士連合会 公式ホームページ
貧困とは、具体的に預貯金や不動産で判断されます。
民事事件について相談したいときは、すべて私選弁護士を選任することになります。
国選弁護士の制度を利用する場合は、弁護士をご自身で選ぶことはできません。
日本司法支援センター法テラスがもつ弁護士リストをもとに、裁判所が選任するのが国選弁護士の制度です。
日本司法支援センター法テラスとは…
国によって設立された法的トラブル解決のための「総合案内所」です。
出典:日本司法支援センター法テラス 公式ホームページ
どのような事件でも、だれでも自由に国選弁護士を選任できるわけではありません。
逮捕される前でも国選弁護士が選任される…は、ウソ?ホント?
逮捕される前でも、国選弁護士を付けることができるという噂があるそうです。
しかし、これはウソです。
逮捕される前に弁護士をつけるなら、私選弁護士である必要があります。
国選弁護士は大きく2つのパターンに分かれます。
被疑者国選
被告人国選
前者は起訴される前で、後者は起訴された後という意味です。
警察などの捜査機関に事件が知られる前の早い段階から、動き出したい…
早期に事件を解決したいのなら、私選弁護士を選任しましょう。
「やる気」が違う?国選弁護士と私選弁護士
やる気の違いは制度の違い?報酬の違い?
国選弁護士を語るうえで、避けられない話題が「やる気」についてです。
ほんとうに、国選弁護士はやる気のない弁護士なのでしょうか。
みなさんどのような意見をお持ちなのか、見ていってみましょう。
やる気のない国選弁護士の苦情は何処に言えばいいのですか?
父が傷害事件で逮捕されました。
(略)
こちらが「父はやっていないと言っているのにどうして弁護してくれないのですか?」と言うと「気に入らないのであれば私選弁護士を雇ってください」と逆キレする始末です。
出典:『Yahoo!知恵袋』Q:やる気のない国選弁護士の苦情は何処に言えばいいのですか? 投稿者:ken_aki_kanoさん 投稿日:2009/7/3005:48:47
もし、このような弁護士に当たってしまったら…
資力がないから国選を選任しているのに困りますよね。
もうお一方の意見をみてみましょう。
私の先輩が詐欺で逮捕され裁判になりました。オークション詐欺です。先輩は色々と調べてもらいたい、主張してもらいたいことがあるのですが、国選弁護士がこれは難しいと言って何もしてくれません。
(略)
出典:『OKWAVE』Q:国選弁護士が何もしてくれない(質問No.1667910) 投稿者:reinosuke 投稿日:2005-09-23 14:07:21
ほんとうに弁護がむずかしくて、このような発言にいたったのでしょうか。
はなからやる気がなくて、突き放す言い方をしてしまったのでしょうか。
真相は不明ですが、納得のいく弁護活動を受けられなかったことは事実のようですね。
それではつぎに、なぜこのような意見が生まれるのかということに焦点をあてていきたいと思います。
【裏事情】なぜ国選弁護士と私選弁護士に違いが生まれるの?
弁護士であれば、国選でも私選でも権限は同じです。
では、なぜこんなにも違いが生まれるのか…謎です。
原因はいったいどこにあるのでしょうか。
ここからは国選弁護士の裏事情について見ていきたいと思います。
①弁護士費用・報酬に大きな差!?
国選弁護士が得る報酬の一例をご紹介しましょう。
国選弁護士の報酬例
窃盗事件(万引き)
約20万円
性犯罪事件
約20万円
薬物事件
約30万円
※交通費などの実費は含まれていません。
得られる報酬は、国選と私選では金額に差があります。
私選弁護士は報酬基準が自由に決められます。
したがって、一般的に私選のほうが報酬が高いでしょう。
それでも、国選弁護士としての活動にやりがいをもつ弁護士もたくさんいます。
イメージとしては、私立と公立の学費の違いのようなものでしょうか。
一般的に私立の学費のほうが高いです。
その分、私立ならではの特色を売りにしていると思います。
だからといって、公立の進学率が悪いというわけではありませんよね。
弁護士も同じです。
それぞれの弁護士が持つ強みを売りにして、その対価として料金を設定しています。
もう一度、国選と私選の報酬体系についてまとめておきましょう。
国選弁護士 | 私選弁護士 | |
---|---|---|
弁護士自身が弁護士費用を決めうるか | 不可 | 可 |
誰に対して請求するか | 法テラス | 依頼者 |
たとえ報酬額が低かったとしても、仕事に対してその価値以上に頑張る弁護士もいるでしょう。
しかしながら、報酬が弁護士の「やる気」に少なからずつながっているのも事実だと思います。
②国選弁護士は示談交渉の方法がわからない?
法律の専門家である以上、法律問題に詳しいのは当然だと考えるのは普通のことだと思います。
しかし「専門性」という点についてみてみましょう。
よく、例として出されるのが医者です。
外科、内科、皮膚科、消化器科…
ここには書ききれないくらい、分野が分かれています。
弁護士の世界も同じで、細かく分野が分かれています。
六法というワードはは聞いたことありますよね。
日本における法律の主要な6つの法律ですが、ここですでに6つに分類分けされています。
そこから、実際の人の生活に当てはめていけばいろんなジャンルの問題が発生します。
弁護士はそれぞれ得意とする専門分野を持っています。
遺産・相続問題を得意とする弁護士
労働問題を多くあつかう弁護士
薬物事件の実績がある弁護士
そのため、分野によっては各個人の経験値や力の差が見えることになります。
国選弁護士の場合、その弁護士にとって初めて経験するケースであることも少なくはありません。
国選弁護士は、国が選任します。
そのため、必ずしもあなたがお困りの事件を得意分野とする弁護士にあたるとは限りません。
弁護士歴がたとえ長くても、その事件においてはビギナーである可能性は大きいのです。
③国選弁護士は示談交渉で失敗する?
弁護士には得意分野があることを先ほどお話ししました。
得意分野であれば、それなりに経験値が積まれていきます。
この経験値の差がもろに影響するのが、示談交渉であると言えるでしょう。
示談交渉は、絶妙な駆け引きで成り立つ側面を持っています。
また、被害者に対しての細かな配慮ができるかどうかも重要になります。
示談交渉は、弁護士の交渉術が必要です。
しかし、被害者に対して親身な対応をしているかどうかが重要です。
示談交渉はデリケートに行う必要があります。
経験値が少なかったとしても、被害者に対する接し方には関係ありません。
被害者に対して細やかな対応ができるかどうかがカギとなります。
教科書からではなく、実体験に基づく経験からでしか積むことのできない経験値は、弁護士の強みとなります。
その反面、経験がなければ弁護士の弱みにもなり得ます。
この弱みが、示談が決裂する結果につながってしまうことになるのです。
ちょっと待って!弁護士を変更する前に考えたい3つのこと
国選弁護士の裏事情を見てきました。
裏事情を知ったことで、今ついてもらってる国選弁護士を変更したい…!
とお考えでしょうか。
ちょっと待ってください!
変更する前に、考えてもらいたい3つのポイントがあります。
すこし、冷静になって考えていきましょう。
あらためて、国選・私選の種類の違いをまとめておきましたので確認してください。
国選弁護士 | 私選弁護士 | |
---|---|---|
選任する人 | 裁判所 | 個人 |
選任するタイミング | 原則は起訴後* | いつでも可 |
そもそも、国選から私選に切り替えるともう戻れない?
3つのポイントを説明する前に、大事なことを一つお話します。
私選弁護士に変更したあとは、国選弁護士の制度を再度利用することはできない
このことは、頭の片隅において忘れないようにしてください。
①家族ができること
国選弁護士の進める弁護プランに不明点がある…
そう思ったとき、ご家族ができる「かんたんなこと」があります。
ご家族から積極的に弁護士へコンタクトをとる
いくら弁護業において優れた弁護士であっても、接客の面でも優れているとは限りません。
コミュニケーションがあまりうまくない弁護士も、もちろんいます。
弁護士とのやりとりはむずかしそう…
などと思わず、積極的にコンタクトをとってみてください。
分からないことは、そのままにせずに聞いてください。
費用を負担していないから言いにくいかもしれません。
ですが、どんどん疑問点は投げかけてみてください。
②セカンドオピニオンで不安を解消しよう
弁護プランを聞いたけど、それが本当に最良の結果に結びつくのだろうか…
人生を左右するような機会ですから、不安だと思います。
他の弁護士の意見も聞いてみたいと思われる方も当然いらっしゃいます。
最近では、弁護士のセカンドオピニオンがスタンダードになってきています。
無料相談を行う弁護士も、数多く存在します。
複数の弁護士に意見を求めるために、このような機会も有効に活用していきましょう。
③「初回接見」の活用法とは?
初回接見とは、逮捕・勾留された方のもとへ弁護士が出張で出向き、法律相談にのるサービスのことです。
取り調べのときの注意点などアドバイスを与えてくれます。
初回接見は、初回1回のみの契約となります。
このサービスを利用して、セカンドオピニオンを求める方も多くいるようです。
私選弁護士を検討しているのなら、まずはこのサービスからはじめてみるのも一つの手です。
初回接見を利用したら、必ずしもその弁護士に依頼をしなければいけないわけではありません。
国選弁護士が付いている場合でも利用できます。
初回接見を使った後、国選を継続することも可能です。
初回接見のサービスの有無は法律事務所によって異なりますので、各法律事務所にお問い合わせください。
3つのポイントを紹介しましたが、国選と私選の特徴についておさらいしましょう。
国選弁護士 | 私選弁護士 | |
---|---|---|
弁護士費用の負担 | なし | あり |
弁護士を選ぶことができる | 不可 | 可 |
弁護士の変更 | 不可* | 可 |
国選弁護士のことでお悩みなら、弁護士無料相談が絶対オススメ!
ご自身にピッタリの弁護士に弁護活動をお願いしたい…!
それなら、さっそく私選弁護士を探していきましょう!
①今すぐ相談予約!24時間受付の無料相談窓口
こちらの弁護士事務所は、刑事事件の無料相談を24時間365日受け付ける窓口を設置しています。
いつでも専属のスタッフから無料相談の案内を受けることができるので、緊急の時も安心です。
来所相談は、土日や祝日も可能とのことです。
急を要する刑事事件の相談ができるので、頼りになりますね。
刑事事件でお困りの方へ
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24時間365日いつでも全国対応
※無料相談の対象は警察が介入した刑事事件加害者側のみです。警察未介入のご相談は有料となります。
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代表岡野武志(第二東京弁護士会)
ちなみに問合せは、全国対応で受け付けているとのこと。
誰にも知られずに、お悩み解決に近づけるのが魅力的ですね。
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弁護士がどんな人か確認してから選任したい。
それなら、弁護士に会ってみてから決めましょう!
実際に会うなら、地元のほうが便利です。
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最後にひとこと
それでは最後にひとこと、アトム法律事務所の弁護士からいただきたいと思います。
国選弁護士でも、私選弁護士でも、弁護活動はスピーディに対応してくれることが重要です。
刑事手続きは、うかうかしている間にも進んでいきます。
事件早期の段階から手を打っておくことで、弁護活動の選択肢が広がります。
事件の早期解決に向けて、信頼できる弁護士を探して相談しましょう。