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窃盗は親告罪か?家族・親族間なら?非親告罪・告訴の意味や、種類一覧も徹底解説。

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窃盗親告罪という人もいれば、違うという人もいる、どっちだろう?

そんなお悩みを持つ方のために、この記事では窃盗罪と親告罪の関係を徹底解説します。

  • そもそも親告罪・非親告罪の「意味」と「種類」とは?
  • 窃盗は親告罪
  • 家族・親族間でした場合に影響がある?
  • 被害届や時効、告訴やその取り下げってどんな関係?

といった疑問に迫っていきます。

また、刑法上の親告罪についても一覧でご紹介していきます。

法的な解説は窃盗事件の解決経験豊富な弁護士、岡野武志先生にお願いしていきます。

よろしくお願いします。

親告罪か否かについて、窃盗罪は少し特殊な構造をしています。

窃盗で不安を抱える方は、具体的ケースで親告罪となるのか気になるところでしょう。

親告罪の意味も含め、丁寧に解説していきたいと思います。

親告罪とは?意味や種類、告訴について解説!

親告罪とは?意味や種類、告訴について解説!

親告罪・非親告罪とはどんな犯罪?

そもそも親告罪という言葉に聞き覚えがない方もいらっしゃるでしょう。

親告罪」とは「告訴がなければ起訴されない犯罪」のことを指します。

検察官が起訴するのに、告訴が必須ということですね。

実は検察官の「起訴」については、刑事訴訟法に以下のような規定があります。

犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。

この条文をみると、警察官は各事情から自由に起訴するか否かを決めることができることがわかります。

これを…

起訴便宜主義

といいます。

ですが

親告罪では、この検察官の権利が制限されます。

告訴がないと起訴できないのですから、起訴便宜主義の例外ということができるでしょう。

因みに、起訴しないと検察官に判断されることを「不起訴処分」といいます。

不起訴処分になれば、

  1. 前科が絶対につかない。
  2. 逮捕されていても釈放される。

といったメリットがあります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ちなみに、親告罪には「相対的親告罪」と「絶対的親告罪」があります。

「相対的親告罪」とは、「犯人と被害者の間に、一定の関係がある場合に限って親告罪となるもの」をいいます。

逆に、関係性や状況に関係なく親告罪とされている犯罪を「絶対的親告罪」といいます。

窃盗罪が親告罪なのか、親告罪としてどちらの種類になるのか、などは後で詳しくお伝えします。

親告罪の種類
  相対的親告罪 絶対的親告罪
意味 犯人と被害者の間に一定の関係がある場合のみ、親告罪となる。 関係性・条件に関係なく常に親告罪。
犯罪の例 窃盗罪など。 過失傷害罪など。

窃盗事件で「告訴」とは何なのか?取り下げの効果、被害届との違いをチェック!

窃盗事件でされる「告訴」とは?

親告罪で起訴をするために必要とされた「告訴」。

一体どんな意味なのでしょうか。

告訴」とは、犯罪の被害者その他の告訴権者から、捜査機関に対し、犯罪事実を申告して犯人の処罰を求められることをいいます。

窃盗罪でいえば、被害者に窃盗事件の発生と、犯人を処罰して欲しい旨を表示されることが代表例です。

警察に書面で提出される場合もありますし、口頭で伝えられることもあります。

告訴は、「告訴権者」でなければできません。

  1. ① まず「被害者」が告訴権者の代表例です。
  2. ② また「被害者の法定代理人」も告訴権者とされています。
  3. ③ さらに「被害者が死亡した場合」は「配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹」も告訴権者となります。
  4. ④ 加えて、「死者の名誉を毀損した場合」は「死者の親族又は子孫」も告訴することができるとされています。

親は上の②にある「法定代理人」にあたります。

そして「法定代理人が被疑者(加害者と疑われている者)であるときは、被害者の親族が告訴をすることができるとされています。

なぜなら

親告罪は告訴がなければ起訴されません。

そのため、不当に告訴がされない事態を回避する目的で、告訴権者が定められているのです。

告訴取り下げ

このような告訴権者がする「告訴」ですが、実は取り下げることも認められています。

告訴は、公訴の提起があるまでこれを取り消すことができる。

法律上「取り消し」とされていますが、一般的に取り下げということが多いため、同様に記載していきます。

この取り下げ、大変重要な効果があります。

それが…

重要

告訴が取り下げられると、親告罪は絶対に起訴されなくなる。

親告罪では、起訴に告訴が必要です。

その告訴が取り下げによりなくなってしまうのですから、起訴もできないことになります。

そのため、親告罪で検挙された場合は「示談」によって、告訴の取り下げを狙っていくことになります。

もっとも条文にあるように、「起訴されるまで」しか取り消せないため、ご注意下さい。

因みに「示談」とは、「トラブルの賠償問題を当事者間の話し合いで解決すること」をいいます。

示談金の支払いをはじめ、さまざまな条項を合意することでトラブルを解決するものです。

その条項の一つとして、告訴取り下げを合意できる場合があるのです。

さらに

法律上、一度告訴を取り下げると、再び告訴することができません

告訴の取消をした者は、更に告訴をすることができない。

そのため、示談による告訴取り下げが大変重要になってくるのです。

他にも

告訴の重要な特徴をあげておきましょう。

他の特徴
  1. 共犯者がいる場合、その一人に対して告訴をすると他の共犯者も告訴されたことになる。
  2. ② その後共犯者の一人について告訴を取り下げると、他の共犯者も取り下げられる。
  3. ③ 告訴は代理人がすることもできる。

痴漢の被害届は告訴と違う?

さて、犯罪発生を警察に報告するといえば「被害届」を思いつく方もいらっしゃるのではないでしょうか。

被害届と告訴は同じことなのでしょうか。

被害届」とは、犯罪により被害を受けた者から、被害を受けた事実を捜査機関に申告される際に作成される書面をいいます。

「処罰を求める意思」は必ずしも必要ではなく、被害について申告だけで足ります。

「処罰を求める意思」が必要かどうかで、被害届と告訴は違うのですね。

いくら被害届を出しても、それだけでは親告罪が起訴されることはないということですね。

もっとも

被害届も告訴も、「犯罪捜査のきっかけになる」という点では同じ効果を持ちます。

告訴と被害届のまとめ
  告訴 被害届
相違点 処罰を求める必要あり。 処罰を求める必要なし。
共通点 犯罪捜査のきっかけになる。

告訴期間とは時効と違うもの?

このような告訴ですが、実は告訴が認められるのは一定の期間内とされています。

それが「告訴期間」です。

「告訴期間」とは、「親告罪について、告訴が有効にされる期間」のことをいいます。

一定の場合を除いて「告訴権者に犯人が知られた日から6か月」が告訴期間とされています。

この期間を過ぎてしまうと、有効な告訴はされず、親告罪で起訴されることはなくなります。

刑事訴訟法の規定を見てみましょう。

親告罪の告訴は、犯人を知つた日から六箇月を経過したときは、これをすることができない。ただし、刑法第二百三十二条第二項の規定により外国の代表者が行う告訴及び日本国に派遣された外国の使節に対する同法第二百三十条又は第二百三十一条の罪につきその使節が行う告訴については、この限りでない。

例外はありますが、原則、犯人を知った日から6か月以内に告訴されなければ、親告罪は起訴されません。

この点をとらえて、「時効」と誤認してしまう方もいるようです。

ですが、実は告訴期間と時効は別の制度です。

法的には「公訴時効」というのが正確な単語です。

公訴時効は「犯罪後一定期間が経過することにより刑事訴追がされなくなる制度」をいいます。

時間が経つことで起訴されなくなるという点では同じですが、期間の長さや対象となる犯罪に差があります。

公訴時効の規定をみてみましょう。

1 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの(死刑に当たるものを除く。)については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。

一 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については三十年

二 長期二十年の懲役又は禁錮に当たる罪については二十年

三 前二号に掲げる罪以外の罪については十年

2 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。

一 死刑に当たる罪については二十五年

二 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年

三 長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年

四 長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年

五 長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年

六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年

七 拘留又は科料に当たる罪については一年

殺人罪や強盗致死罪など、「人を死亡させ、かつ死刑にあたる犯罪」には公訴時効がありません。

ですがそれ以外の刑罰にあたる犯罪には、全て公訴時効が存在します。

親告罪はその旨が法律で定められた一部の犯罪のみを指しますので、全く違う制度であることにご注意ください。

これらをまとめると…

親告罪と時効
  1. ① 「親告罪」で「告訴」があっても、「時効」が完成すれば起訴はされない。
  2. ③ 「親告罪」で「告訴」がなければ、「時効」が未完成でも起訴されない。
  3. ③ 「非親告罪」でも、「時効」が完成すれば起訴されることはない。

ということができますね。

以上が告訴期間と時効の違いでした。

親告罪における、告訴と時効の関係
告訴 時効 起訴の可能性
あり 成立 可能性なし
不成立 可能性あり
なし 成立 可能性なし
不成立

窃盗罪は親告罪?家族・親族間でないと非親告罪?

窃盗罪は親告罪?家族・親族間でないと非親告罪?

では窃盗罪が親告罪かどうかを見ていきましょう。

結論から言いますと…

最重要

窃盗罪は、相対的親告罪

そう、窃盗罪は相対的親告罪になるのです!

「相対的親告罪」とは、「犯人と被害者の間に、一定の関係がある場合に限って親告罪となるもの」でしたね。

では、どのような関係がある場合に親告罪となるのでしょう。

刑法の条文を見てみましょう。

  1. ① 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
  2. ② 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

窃盗罪は235条に規定されていますので、この244条1項、2項の場合にあたります。

まずは244条の1項から見ていきましょう。

驚くことに…

「配偶者や直系血族、同居の親族」のあいだで窃盗をしても、刑が免除される。

ことになっているのです。

裁判をしても刑を免除されるのですから、検察官はもとより起訴をしません。

これは家族・親族間のトラブルは、その中で解決すべきであるという考え方によるものです。

そして親告罪にとって重要なのが2項です。

1項に書かれた親族「以外の親族」との間でした窃盗は親告罪

とされています。

そこで、「親族」の範囲を見てみましょう。

親族の定義は民法725条から、「「6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族」とされています。

これを図にすると、下の範囲が「親族」となります。

244条1項にある「配偶者」は、夫や妻のことですね。

また「直系血族」とは上の図の赤い部分に属する、白丸で示された人達です。

さらに、この図に書かれている人々で同居している親族も、244条1項による刑の免除の対象とされています。

そして

親族のうち、これらの人を除いた人々とのあいだでされた窃盗が「親告罪」となるのです。

まとめ

244条1項の親族「以外の」親族とのあいだでした窃盗は「親告罪」になる。

なお、盗まれた物の「所有者」も同様に親族関係にある必要があります。

たとえば、「同居していない従弟が他人から借りた」本を盗んだとしても、親告罪にはなりません。

「同居していない従弟」から「その従弟の」本を盗んだ場合に親告罪となるのです。

誤解しやすいところですので、ご注意ください。

窃盗罪で逮捕されたら、どんな弁護活動をすべき?告訴取り下げを求める?

窃盗罪で逮捕されたら、どんな弁護活動をすべき?告訴取り下げを求める?

ではこのような窃盗をして検挙された場合、どのような活動をしていけばよいのでしょうか。

特定の家族・親族間で窃盗をしたとき。

244条2項の親族間で盗んでしまった場合、親告罪となります。

そのため、告訴取り下げをしてもらえるよう働きかけていくことになるでしょう。

そのためには先ほども述べたように、「示談」が重要。

とはいえ、仮に逮捕された場合にはご自分では交渉できませんよね。

逮捕されていなくとも、示談交渉をどうやったらいいか分からないもの。

そんなときは専門家である弁護士に依頼してみましょう。

示談交渉の経験豊富な弁護士なら、親族関係にも留意しながら丁寧・確実に示談交渉を進めてくれるかもしれません。

示談金による被害弁償や、反省文再発防止策などをしっかり提示し、告訴を取り下げてもらえるよう活動していきましょう。

非親告罪になるとき。

では、非親告罪となるときは示談交渉の意味はないのでしょうか。

いえ、そんなことはありません。

起訴の判断において検察官は「被害者の処罰感情」も考慮しています。

告訴取り下げは処罰感情の低下を示します。

示談によって告訴を取り下げてもらうことは、起訴や量刑の判断において良い影響力を持つでしょう。

重要

非親告罪でも、告訴の有無や取り下げは起訴の判断に影響する。

よって、親族間ではない窃盗罪においても、示談が成立させられるよう活動していきましょう。

他の親告罪について

他の親告罪について

親告罪の種類「一覧表」

以上、窃盗罪と親告罪についてお伝えしてきました。

ここで他にもどんな犯罪が親告罪なのか、親告罪を一覧にしてご紹介していきます。

刑法に規定される親告罪

まず、刑法に規定される絶対的親告罪の一覧です。

どんな事情、場合であっても親告罪となります。

絶対的親告罪の一覧
親告罪とする条文 罪名と条文
135 信書開封:133
秘密漏示:134
209 過失傷害罪:209
229 未成年者略取・誘拐:224
未成年者略取等の幇助としての、被略取者引渡し等罪:2271
上記二つの未遂罪:228
232 名誉棄損罪:230
侮辱罪:231
264 使用文書等毀棄罪:259
器物損壊等:261
信書隠匿:263

※2018年2月現在

つづいて、相対的親告罪を見ていきましょう。

刑法犯においては、先ほどみた244条2項が全て準用されています。

以下の犯罪も、先ほど述べた親族とのあいだで犯した場合に、親告罪となります。

相対的親告罪の一覧
親告罪とする条文 罪名と条文
2442 窃盗罪235
不動産侵奪罪:235条の2
上記2つの未遂罪:243
251条で2442項を準用 詐欺罪:246
電子計算機使用詐欺:246条の2
背任罪:247
準詐欺罪:248
恐喝罪:249
上記5つの未遂罪:250
255条で2442項を準用 横領罪252
業務上横領253
遺失物横領罪:254

※2018年2月現在

以上、親告罪を一覧にしてお届けしました。

暴行・脅迫・傷害・有印私文書偽造など、親告罪と間違えそうな犯罪も多いですので、誤解がないようにご注意ください。

著作権や強姦(強制性交等罪)など気になる犯罪と親告罪の関係

ところで、昨今親告罪について大きな改正がありました。

そこで、最後に非親告罪化について見ていきましょう。

たとえば、強姦罪強制わいせつ罪かつて親告罪でした。

しかし世の中の価値観が変化し、非親告罪に改正されました。

この2罪の改正は大変重要ですので、詳細に記載した記事をご紹介します。

ぜひご覧ください。

また、ストーカー規制法で処罰される「ストーカー行為」も非親告罪となりました。

また、違法ダウンロードなど著作権関連も非親告罪化が話題になっています。

これから先も、世論や価値観の変化により改正の可能性があります。

改正された場合には、またしっかりとお伝えしていきたいと思います。

窃盗と告訴について、弁護士に相談

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以上、「窃盗罪」は被害者との関係性によって親告罪か否かが変わることをお伝えしてきました。

そしてどちらの場合でも、示談による告訴の取り下げが重要であると併せてお伝えしました。

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最後に一言アドバイス

いかがでしたでしょうか。

最後に岡野先生からひと言アドバイスをお願いします。

窃盗罪は場合によっては親告罪になるため、被害者への対応を臨機応変に行う必要があります。

事件後すぐに交渉を始めれば、採れる選択肢の多さから、示談交渉もスムーズに進む可能性があります。

また経験豊富な弁護士であれば、親族という難しい関係性があっても、適切な交渉が期待できます。

窃盗事件で不安を感じた場合は、弁護士にぜひご相談ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

窃盗と親告罪について考えてきました。

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