盗撮で逮捕されたら実名報道される?|不起訴や略式起訴の場合は?
2023年7月13日以降の事件は「撮影罪」に問われます。
ネットのニュースや新聞でも見かけることの多い盗撮事件。
もし、ご自身の息子さんが盗撮事件の加害者になり、後日逮捕されてしまったら…
たいへん不安になってしまいますよね。
その中でも特に気になるのが「実名報道」ではないでしょうか。
今回は「盗撮事件の後日逮捕と、実名報道」についてレポートしたいと思います!
専門的な部分は弁護士の先生に解説をお願いします。
身近な方が盗撮の容疑で逮捕された場合、実名報道されてしまうかは非常に心配だと思います。
今回は盗撮と実名報道について詳しく解説していきます。
よろしくお願いします。
盗撮が実名報道される基準とは?
テレビやネットのニュースで何気なく目にしている盗撮事件のニュース。
もし、ご自身や身近な方が盗撮で後日逮捕され、実名報道されてしまったら…
これからの実生活に大きく影響しそうですよね。
また、盗撮と実名報道の基準・関係についても疑問の声をよく聞きます。
ネットでも実名報道に関して様々な意見がありますね。
実際のところ、盗撮事件と実名報道の関係はどうなっているのでしょうか。
マスコミに実名報道される基準とは?
実名報道されるのはどのような場合なのでしょうか。
事件の種類などできまっているわけではないのでしょうか。
盗撮事件においても、実名報道されている場合とされていない場合がありますよね。
法的に明確な基準はありません。
ですが、「重要な事件、社会問題になっているような事件」は実名報道される可能性が高まります。
それらの事件は、特に公共性の高い事実といえるためです。
他にも「振り込め詐欺」「児童買春」など、社会問題になっている事件は名前が公表されるケースが多いようです。
盗撮で後日逮捕!逮捕の種類によって、実名報道の可能性は変わる?
そもそも、盗撮の逮捕には
- ① 現に罪を行っている者又は行い終わった者が逮捕される「現行犯逮捕」
- ② 盗撮からしばらくした後に逮捕される「後日逮捕」(法律的には「通常逮捕」といいます)
の二つのパターンが考えられます。
盗撮は犯行後、被害者や目撃者からその場で現行犯逮捕されることが一般的です。
しかし、後日逮捕されないわけではありません。
上記のような2つのパターンで逮捕後、実名報道される可能性はあるのでしょうか。
盗撮で逮捕された際、実名報道される可能性はあるということですね。
ですが、「勝手に実名報道されるのは『名誉棄損』じゃないの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
犯罪に関する報道は、一般的に「公益の目的にもとづく公共の利害に関する事実」の報道と考えられています。
なお、刑法第230条の2第2項では、
「公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす」
と規定されています。
そのため、盗撮で逮捕された事実を実名で報道しても名誉棄損が成立しないことが多いです。
「逮捕の種類」や、「加害者側の意思」に関係なく実名報道される可能性があるということですね。
公務員は盗撮で実名報道されやすい?会社員との違いは?
ところで、盗撮事件を起こした際に「公務員」と「会社員」では報道の基準に違いはあるのでしょうか。
盗撮事件のニュースでよく教師が実名報道されているのを目にする気はしますが…
被疑者の職業が公的な側面を有している場合は報道される可能性が高いです。
例えば、公務員、教師、医師、大手会社員などが挙げられます。
盗撮や盗撮などの比較的小さな条例違反でも、マスコミに報道されるケースが多いです。
やはり公務員など、公的な職業は実名報道されやすくなるのですね。
【Q&A】盗撮と実名報道の関係|盗撮で後日逮捕された!報道されるタイミングは…
Q1.盗撮で逮捕!報道されるタイミングは?
「盗撮で逮捕されてしまった…」
そんな場合、いつ実名逮捕されるのかに怯えながら過ごすことになってしまいそうです。
もし、盗撮事件が実名報道される場合、どのタイミングで報道されるのでしょうか。
事件が報道されるタイミングは、逮捕された翌日・翌々日、または起訴された直後が多いです。
捜査機関の担当者からマスコミに事件情報がリークされ、実名報道に至るケースが一般的です。
逮捕された翌日や翌々日に実名報道されることがあるのですね。
起訴される前の実名報道は、少し早い気もしますが…
Q2.初犯の盗撮でも報道される?
初犯の盗撮事件でも、すぐにテレビや新聞で実名報道されてしまうのでしょうか。
初犯は実名報道されにくい、という可能性はないのでしょうか。
明確な基準がない以上、初犯であっても実名報道される可能性はあります。
ですが、盗撮被害者と示談を成立させた場合、初犯であれば逮捕されないケースも多いです。
そもそも逮捕されなければ、実名報道の可能性は大きく低下します。
また逮捕された場合でも、示談成立を捜査機関に伝えることで、マスコミに情報が流れない可能性があります。
さらに、初犯で示談も成立していれば、不起訴として事件が終結することも多いです。
不起訴になれば、その後に実名報道される可能性はさらに低下するでしょう。
初犯でも実名報道の可能性はあるのですね。
ですが、初犯ならその可能性が下がる場合もあることが分かりました。
Q3.略式起訴でも報道される?
盗撮事件で「略式起訴」された場合、実名報道との関係はどのようなものでしょうか。
そもそも略式起訴をご存じですか?
「略式起訴」とは、
- ① 100万円以下の罰金または科料に処せられる場合に、
- ② 公判を開かず、書面審理のみによって
- ③ 略式命令が発せられる簡易な手続き
です。
略式起訴では公開の法廷に立たないので、世間の目にさらされることなく事件を終えられます。
身柄拘束をされていても、略式起訴の場合は罰金を支払って即時に釈放されるため、釈放の時期が早まります。
もっとも、略式起訴では法廷で自分の言い分を述べることができません。
そのため、もし公訴事実を争いたい場合は略式起訴されないことが大切です。
略式起訴をするためには、「本人が略式起訴の手続きに異議がないこと」が必要です。
具体的には、「本人が略式起訴に異議がない旨の書面」にサインした場合に限り、略式起訴は行なわれます。
略式起訴をされないためには、サインをしないことが大切です。
では、このサインをして略式起訴された場合、実名報道される可能性はあるのでしょうか。
こちらのニュースをご覧ください。
電車内で女子高校生のスカート内をカメラ機能付きタブレット端末で盗撮したとして県迷惑防止条例違反で逮捕された医師、(略)容疑者(46)=袖ケ浦市=について、木更津区検は27日、同条例違反の罪で木更津簡裁に略式起訴した。
起訴状などによると、13日午前8時5分ごろ、JR内房線姉ケ崎-長浦駅間を走行中の下り快速電車内で、高校3年の女子生徒(18)のスカート内を盗撮したとしている。
(略)被告は袖ケ浦市内の病院で常勤医として内科、精神科を担当していたが、退職した。
出典:千葉日報 2017年12月28日 05:00
こちらのニュースでは略式起訴になりましたが、実名報道されています。
略式起訴でも実名報道されることがあるのですね
もう一つニュースをみてみましょう。
水戸地検は15日、電車内で女性のスカートの中を盗撮したとして、地検土浦支部の(略)検察事務官(42)を停職2カ月の懲戒処分とした。
(略)事務官は同日付で辞職。県迷惑防止条例違反罪で水戸区検に略式起訴され、水戸簡裁から罰金50万円の略式命令を受けた。罰金は即日納付された。(略)
出典:産経ニュース 2017.12.16 12:57
こちらも略式起訴にも関わらず、実名報道がされていました。
略式起訴は否かは、実名報道に影響しないことがわかります。
Q4.不起訴でも報道される?
不起訴とは、検察官が「今回の事件を起訴しない」と 決める処分のことをいいます。
つまり、裁判は行われず、前科はつきません。
盗撮容疑で逮捕されても、まだ「被疑者」です。
盗撮したと確定したわけではありません。
しかし、「逮捕=犯罪者」と考えている方も一般には多いようです。
被疑者の時点で実名報道してしまうのは理不尽な気もします。
まだ、刑事裁判で有罪判決がくだされた訳ではありません。
しかも不起訴になれば、有罪判決が言い渡されることはありません。
このような不起訴の場合に実名報道がされることはあるのでしょうか。
ニュースになってしまったタイミングによるのでしょうか。
実名報道されるタイミングとして多いのが、逮捕された翌日・翌々日、起訴された直後です。
逮捕の翌日などに実名報道された場合は、不起訴になっても名前はインターネットに残ったままになってしまいます。
不起訴になっても、報道を見ていた知人から、盗撮犯のレッテルをはられてしまうかもしれませんね。
また、明確な基準がありませんから、不起訴後に初めて実名報道される可能性も否定はできません。
もっとも、不起訴処分で事件が終結するので、起訴された場合に比べれば、その可能性は低いといえるでしょう.
Q5.盗撮で実名報道された…解雇や再就職はどうなる?社会復帰できる?
事件が実名報道されると、会社にも発覚する可能性があります。
その場合、解雇されることはあるのでしょうか。
また、解雇された後に、再就職で不利益を負うこともあるのでしょうか。
無事に社会復帰できるかどうか非常に心配になりますよね。
盗撮事件が実名報道されると、会社に発覚する可能性は高まります。
さらに会社名も報道された場合、会社の社会的信用が損なわれる場合もあります。
就業規則にもよりますが、そのような事態を招いたことを理由に、解雇される可能性もあります。
さらに現在の就職活動では、応募者の名前をインターネットで検索することも多いようです。
実名報道によって、再就職で事実上の不利益を負うこともあるでしょう。
社会復帰という点からも、なるべく実名報道を避けるべきなことが分かります。
なお、盗撮をした場合の懲戒解雇の可能性については『盗撮で懲戒解雇?|会社の懲戒処分の相場を実例をもとに解説』で詳しく解説しているので、興味がある方はご覧ください!
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最後に一言アドバイス
盗撮事件で実名報道されてしまうかどうかはたいへん大きな問題ですよね。
そこで、最後に一言アドバイスをお願いします。
盗撮で逮捕された場合、実名報道されるかどうかの明確な基準はありません。
ですが、盗撮事件が実名報道されれば、社会復帰やその後の名誉回復で非常に苦労する場合もあります。
刑事手続きが進行する前に弁護士に依頼し、弁護活動を受けましょう。
弁護士なら、逮捕回避や不起訴獲得によって実名報道の可能性を下げることができます。
刑事事件はスピードが重要です。
お一人で悩む前に盗撮に強い弁護士に相談してみましょう。
まとめ
今回は「盗撮事件で実名報道される?」というテーマでお送りしました。
みなさんの疑問や不安は解消されたでしょうか?
もし、ご自身や身近な方が盗撮で逮捕されてしまったら…
事件後の対応が今後の人生を左右することもあります。
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