【弁護士が回答】強盗罪の意味とは|強盗罪が成立するための構成要件は?
強盗罪の意味をくわしくしりたい…
ご家族・ご友人、あるいは、ご自身が強盗事件でお困りでしょうか?
誰かに聞きたくてもデリケートな問題だから話題にしづらいですよね。
そこで!
本日は強盗罪についての疑問を、弁護士が回答する記事をお届けします。
題して…
「強盗罪の意味をくわしく知る!罪の成立条件、構成要件とは」
です。
- 強盗罪の定義・意味が知りたい
- 強盗罪の構成要件とは
- 強盗罪を弁護士に相談したい
といったギモンについて、こまかなところまで調査しました!
目次
法律的な部分の解説として、専門家をお招きしています。
テレビや雑誌でおなじみ、アトム法律事務所の弁護士です。
よろしくお願いします。
今まで、刑事事件を数多くあつかってきました。
過去に担当した実例を踏まえながら、解説していきたいと思います。
なかなか、法律の深いところまで知ることができる機会はないです。
今さら聞けないような基本的なことも聞いていきたいと思います。
みなさんが強盗についてお持ちのギモンを解消していきましょう。
強盗罪の定義・意味とは?刑法をくわしくチェック
強盗のイメージで強いのが、銀行強盗だと思います。
最近では、コンビニ強盗なんかもよく聞きますね。
「盗」という漢字が入っているだけあって、物を盗むことは分かります。
盗むという点でいうと、万引き・置き引きなんかも盗む行為としては同じです。
これらとはどのように違うのでしょうか。
みなさん、ギモンに思われているようです。
具体的にどのような行為に及べば犯罪として成立するのか、線引きがむずかしそうです。
法律では、強盗はどのように定義されているのでしょうか。
その意味から確認していきます。
強盗罪の「定義」・「意味」を教えて
強盗罪の定義や意味といわれても、法律面でいうと詳しくはむずかしいと思います。
「盗む」事件といえば、銀行強盗と万引きといったところでしょうか。
- 銀行強盗は、ナイフなど凶器で脅して金品を奪うこと
- 万引きは、本屋で文庫本を盗むこと
これらの大きな違いは、凶器があるかないかですよね。
それでは、強盗は法律にはどのように書かれているのか確認してみましょう。
1. 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
2. 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
出典:刑法第236条 (強盗)
「暴行又は脅迫を用いて」というところがポイントです。
ナイフなんかで脅すのが、まさに暴行・脅迫にあたります。
銀行強盗でいうと、強引に「お金」を奪うことですよね。
ですが、お金のような「他人の財物」を奪うだけが強盗ではありません。
強盗罪には、2種類あります。
- 条文の1.の部分:「一項強盗」
- 条文の2.の部分:「二項強盗」
と呼ばれています。
一項強盗も二項強盗も共通するのが、「暴行又は脅迫を用いて」という点です。
つまり、暴力を振るったり脅したりするということです。
一項強盗と二項強盗の違いはというと…
一項強盗
他人の財産的価値のある物を取ることです。
二項強盗
本来有償で受けるべきサービスを不法に受けたり、人に受けさせたりすることです。
金品を奪うイメージが強いと思いますが、それだけではありません。
もっと具体的にどのような行為をさすのかというと、
バットを持って銀行の窓口に押し入り、銀行員に「金を出せ」と迫る
→一項強盗
マッサージ店で施術を受けたにもかかわらず、店員を脅して代金を支払わずに店をでる
→二項強盗
これらのような行為が強盗にあたります。
強盗罪の意味についてもう少し知りたい方には、こちらの記事もオススメです。
ちなみに、万引き事件のような窃盗罪についても条文をみておきましょう。
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
出典:刑法第235条 (窃盗)
暴行や脅迫といった言葉は見当たりません。
万引きは見つからないように盗むのだから当然、暴行や脅迫は行われないですよね。
これが、強盗罪との違いです。
イメージ通りだったのではないでしょうか。
強盗罪の定義についてまとめておきましょう。
検証
強盗罪と窃盗罪
強盗罪 | 窃盗罪 | |
---|---|---|
根拠条文 | 刑法第236条 | 刑法第235条 |
構成要件 | 暴行又は脅迫を用いて、 ①他人の財物を強取した者 ②財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者 | 他人の財物を窃取した者 |
刑罰 | 5年以上の有期懲役 | 10年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
強盗罪、「保護法益」の意味を教えて
ところでみなさん。
法律は、何のために存在するのでしょうか。
法律がないと無法地帯と化してしまいます。
保護法益という言葉はご存知ですか?
保護法益とは
「法律が守ろうとしているもの」です。
つまり、法律とは…
ある特定の行為を規制することで、一定の利益を保護・実現しようとしています。
強盗罪にも、この保護法益があるということです。
強盗罪の保護法益
他人の財物
および
人の生命・身体・生活の平穏などの人格的利益
です。
強盗はたんに、お金が奪われるだけをさしません。
お金が奪われたうえに、暴力を振るわれたり脅されたりもしています。
ですから、人の平穏も脅かされているわけです。
強盗行為を犯罪として規定することで、財産・人格といった利益を守ろうとしています。
強盗罪の構成要件とは|犯罪の結果だけでは判断されない?
強盗罪の構成要件はどのように判断されるか
それでは、ここからは構成要件についてお話していきたいと思います。
構成要件とは、ある犯罪が成立するための要件(条件)のことです。
強盗罪でいうと、強盗罪が成立するための要件ということになります。
厳密には、犯罪が成立するためには、
- ① 構成要件に該当する
- ② 違法性がある
- ③ 責任が問える
この3つの条件がそろう必要があります。
強盗罪の構成要件の中身をもっと具体的に解説していきます。
構成要件該当性の有無
- ① 強盗罪の実行行為があるか
- ② 強盗罪の結果が生じたか
- ③ 強盗罪の実行行為と結果との間に因果関係が認められるか
- ④ 強盗罪の故意が認められるか
- ⑤ 不法領得の意思が認められるか
これらがあるかどうかによって判断されます。
犯罪は、起こってしまった結果・その過程など多角的な視点から判断されます。
ここからは、①~⑤それぞれくわしくみていきたいと思います。
①強盗罪の「実行行為」とは
まずは、「実行行為」について。
実行行為は、「構成要件的結果発生の現実的危険性を有する行為」と定義されます。
強取って聞きなれない単語ですよね。
普段使うことのない表現だと思います。
「暴行又は脅迫により、相手方の反抗を抑圧して、財物を自己又は第三者の占有に移すこと」です。
要するに…
殴ったり、脅したりして、他人の財産を取り上げること
これが、強盗罪の実行行為にあたります。
②強盗罪の「結果」とは
つぎは、強盗罪の結果についてです。
強盗罪の結果は、暴行・脅迫された人の財物の占有・利益が移転することです。
たとえば、銀行強盗の場合…
銀行員から現金の詰まったバックを受け取った
これが結果と考えられます。
③強盗罪の「因果関係」とは
つぎは、因果関係についてです。
因果関係とは、強盗の実行行為と強盗結果の発生が、
- 論理的に結びついている
- 無理なく説明できる
ということです。
暴行・脅迫という手段を使って他人の財産を強取し、その結果、その財産は他人の占有から自分の占有に移転したといえるかどうかがポイントになります。
「他人の財産を強取する行為」と「財産に対する占有の移転」との関係が注目されます。
④強盗罪の「故意」とは
つぎは、故意についてです。
故意とは、罪を犯す意思を持っているかどうかということです。
強盗罪の故意は、他人の財物を強取することを分かってすることです。
銀行強盗でいうなら、銀行に押し入ってお金を奪い取ろうという「気持ち」があったということです。
⑤「不法領得の意思」とは
最後に、不法領得の意思についてです。
ある判例では、強盗罪が成立するためには、故意のほかに不法領得の意思が必要であるとしています。
不法領得の意思とは…
「権利者を排除して他人の物を自己の所有物とし、その経済的用法に従って利用し又は処分する意思」です。
強盗罪の成立には、単に強盗の故意があるだけでは足りません。
強取した財物を、自分のものとして自由に扱おうとする意思
が必要ということになります。
たんに奪い取るだけでなく、それを自分で好きに使おうという意思まであって、強盗罪になるようです。
では、強盗の構成要件をまとめておきましょう。
まとめ
強盗罪の構成要件
構成要件 | 内容 | |
---|---|---|
① | 実行行為 | 他人の財物を強取すること |
② | 結果 | 被害者が財物を強取されること(占有の移転) |
③ | 因果関係 | 実行行為と結果の関係が無理なく説明できること |
④ | 故意 | 他人の財物を強取する意思があること |
⑤ | 不法領得の意思 | 強取した財物を、自分で自由に扱おうとする意思があること |
強盗で逮捕されたときにどうしたらいいのか、についてのレポートもあわせて紹介しておきましょう。
強盗罪で悩んだら、弁護士に相談すべし!
ここまで、強盗罪の意味や構成要件について解説してきました。
強盗がどのようなものなのか、お分かりいただけたと思いますが…
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最後に弁護士からメッセージ
強盗罪の意味について、深く探ってきました。
では最後に、先生から一言メッセージをいただきたいと思います。
ご家族・ご友人、あるいは、ご自身が、強盗事件の加害者となってしまったら…
いったいこれからの人生はどうなってしまうのかと不安だらけだと思います。
加害者という立場がはじめてなら、弁護士とかかわるのもはじめてかもしれませんね。
それだと、弁護士とのやりとりはむずかしいと感じられている方も多いと思います。
強盗のような刑事事件において重要なことは、スピードとタイミングです。
弁護士に相談することが遅れれば、その後、得られる選択肢の幅が狭まることになります。
できるだけ、早い段階で弁護士に相談するようにしましょう。