示談に警察は介入しない?|交通事故を警察に届けないで示談すると危険?
ある事件をおこして警察介入に発展してしまったので、示談で解決したいけど…
今度は「警察は民事問題に介入しません」といわれた?
警察介入と示談との関係について解説していきたいと思います。
- 警察の介入と示談について
- 刑事事件「示談」のタイミングは警察介入前?後?
- 交通事故は警察に届けないうちに示談すると危険?
示談についての知識を深めていきましょう。
法律面の解説には、アトム法律事務所の弁護士に監修をお願いしています。
目次
警察介入と示談の関係
示談の基本
警察介入と示談の関係性を探っていく前に…。
そもそも、示談とはどのようなことをいうのでしょうか。
示談というとお金を支払うようなイメージがありますが、何のためにお金を払うのでしょうか。
示談とは
ある民事上のトラブルの当事者同士の合意をもって、民事上のトラブルを終了させること
民事上のトラブルを終わらせる合意のことをさして示談といいます。
- 喧嘩
- 交通事故
- 痴漢
など…
日常におけるさまざまな問題を、当事者同士の話し合いによって解決することが示談です。
刑事事件における示談では、
- 被害回復の実現またはその見込み
- 被害者の許し
- 清算条項
- 告訴取消(親告罪の場合)
このような項目をふくんだ示談をおこなうことが重要になります。
示談は、当事者双方が納得した内容で合意できるように話し合っていくことが大切です。
話し合いの内容は、合意のための条件とその金額を決めます。
警察は示談に介入しない?
民事不介入の原則とは
事故や事件がおきたら警察が介入してくるのが一般的です。
ですが、それは「刑事事件」の刑事上の側面に介入しているにすぎません。
警察は、民事上の問題である示談には介入しません。
民事不介入とはいったい何のことなのでしょうか。
法律の用語辞典を確認してみます。
民事の法律関係には警察権は関与してはならないとする原則。
警察公共の原則の1つで、民事の法律関係不干渉の原則とも呼ばれる。
出典:有斐閣 法律学小辞典 第5版
民事事件は個人間の紛争問題です。
犯罪とは関係のない民事事件には警察は関わらないという原則があります。
一つの事件に、刑事的な問題と民事的な問題がはらんでいる場合、警察は民事面に関しては介入しないことになります。
刑事事件は、「国」と「個人」の争いです。
警察は国としての捜査機関であり、公共の安全と秩序を維持することが責務です。
「個人」と「個人」の争いである民事事件に警察が介入すると、どちらかの味方になってしまうような事態となることも考えられます。
そのような事態を回避するためにも、警察は民事事件には介入しないという原則をもって活動しています。
示談交渉に警察が介入してくることは、原則としてありません。
示談交渉は警察ではなく「弁護士」に依頼
警察は、個人同士の話し合いである示談には介入してきません。
でも、示談をしたことがなければ誰かのアドバイスなく示談をすすめるのは不安だと思います。
そんな時は、警察ではなく「弁護士」に相談してみましょう。
法律的なリスクを回避した示談交渉をおこなうことが大切です。
法律の専門家である弁護士であれば、示談後の蒸し返しをふせぐ示談を締結することが可能です。
弁護士というと、裁判のイメージが強いかもしれません。
実際は、裁判よりも示談交渉の業務のほうが多いそうです。
弁護士に依頼すれば、示談交渉のことから刑事事件の今後の流れまでを総合的に相談することができます。
刑事事件をおこして困ったら、弁護士に早めに相談することが大切です。
刑事事件の示談は警察介入「前」も「後」も大切
示談できる犯罪とは?
刑事事件といっても、犯罪の種類は幅が広いですが、大きく二つに分けることができます。
- 被害者のいない刑事事件
- 被害者のいる刑事事件
刑事事件において示談が重要になるのは…
示談がポイントになる事件
被害者のいる刑事事件
示談成立が、刑事事件の行方を左右することは十分にあるようです。
では、被害者がいる犯罪とは具体的にはどのような刑事事件なのでしょうか。
被害者がいる刑事事件
✔窃盗事件 ✔器物損壊事件 ✔暴行事件 ✔傷害事件 ✔盗撮事件 ✔痴漢事件 ✔詐欺事件 ✔強制わいせつ事件 など |
このような被害者のいる事件では、示談の有無が刑事手続きに影響を与える可能性があります。
器物損壊・窃盗・傷害など刑事事件の示談のタイミング
器物損壊、窃盗、傷害など…
犯罪の種類はさまざまです。
警察が介入すると、刑事事件として捜査がすすめられることになります。
では、示談はどのタイミングでおこなうのが最適なのでしょうか。
刑事事件をおこしてしまったら、警察が介入する「前」でも「後」でも重要になってきます。
警察介入前と警察介入後のタイミングに分けて、示談がもたらす影響について確認していきたいと思います。
警察介入前
まずは、警察介入前のタイミングで示談をおこなった場合の影響について解説していきます。
刑事事件化しない可能性が高まる
警察介入前のタイミングで示談が成立すれば、刑事事件化しない可能性が大きくなります。
警察は、被害者から提出された被害届を端緒として犯罪捜査を開始します。
被害者から事件の相談をうけた警察に被害届が受理される前に、迅速に対応してくれる弁護士に相談することがポイントです。
被害者の告訴がなければ刑事事件としてあつかえない親告罪では、警察介入前の示談が特に重要になってきます。
非親告罪であっても警察介入前の示談は大切ですが、刑事事件化しないとは言い切れません。
警察介入後
つぎに、警察介入後のタイミングで示談をおこなった場合の影響について解説します。
- 逮捕されていれば釈放がのぞめる
- 不起訴がのぞめる
- 刑罰が軽くなる可能性がでる
逮捕・勾留となれば、最長で23日間も留置場で生活を送ることになります。
このような期間、会社や学校を休むことになったら今までの日常生活に影響がおよぶことになります。
早期の釈放となれば、社会復帰もスムーズです。
不起訴処分を獲得するためには、警察の介入後でも起訴される前までに示談を成立させることが重要です。
不起訴処分となれば、前科がつくことはありません。
このほかにも、示談が成立すれば、
- 保釈が認められやすくなる
- 執行猶予がつくかもしれない
など、示談によって刑事手続きに与える可能性の幅が広がります。
以上が刑事事件の示談に関するおおまかな説明となります。
もっと示談について知りたい!という方は、下記のリンクをご覧ください。
刑事事件の示談について知りたい方はこちら
交通事故は警察に届けない前に示談すると危険?
警察を呼ばない段階で示談すると後々こまる交通事故
交通事故は警察に報告義務がある
交通事故を起こしてしまうと、突然の出来事に対応できずパニックにおちいってしまうでしょう。
その場から逃げてしまいたいという気持ちも分かりますが、逃走してしまえば罪に問われることになります。
救護が必要な人がいるのに救護しなかったり、警察に事故を報告しなかったりすれば、
- 救護措置義務違反
- 事故報告義務違反
など、このような罪に問われることになります。
交通事故をおこしたら、つぎのような対応をすみやかにおこなうことが大切です。
警察が到着したら、実況見分という捜査がおこなわれます。
この捜査であつめられた事実関係は、裁判などで重要な証拠としてあつかわれます。
このほかにも…
- 謝罪や賠償をおこなうために被害者の連絡先を聞く
- 証人となるような事件の目撃者の連絡先を聞く
このような人たちの連絡先を聞いておくようにしましょう。
示談は、示談書を作成しなくても口約束でも成立させることができます。
ただ…
口約束での示談
注意ポイント
「言った言わない」のトラブルへと発展することが予想される |
交通事故の現場で、警察を呼ばないで当事者同士での口約束的な示談はリスクがともないます。
いったん、その場の示談で事件が解決したかのように見えても…
後日、被害者から「後遺症が残るような怪我を負った」など追加の損害賠償を請求される可能性があります。
交通事故をおこしたら、まずは警察を呼んで事故の状況を整理してから示談交渉をはじめることをおすすめします。
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最後に一言アドバイス
最後に一言、弁護士からアドバイスをいただきます。
示談交渉に慣れている弁護士が間に入れば、謝罪の方法や日程調整、示談金の適正な金額など示談にかかわる対応をすべて請け負ってくれます。
示談に関する手続きを法律トラブルのないように弁護士は対応してくれます。
警察の介入前でも介入後でも、示談は遅いことはありません。
ただ、不起訴を獲得するには起訴される前までに示談を成立させる必要があります。
困ったと思ったら、今すぐ弁護士に相談することが大切です。