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万引きの検挙率を犯罪白書からチェック!東京は低いって本当?

  • 万引き,検挙率

万引きの検挙率を犯罪白書からチェック!東京は低いって本当?

万引き検挙率って低いのかな?

そんな疑問をお持ちの方に向けて、日本の犯罪白書から統計データをまとめました。

よく聞く万引きという犯罪。

  • どれだけの検挙数なのか、
  • 東京など大都市の検挙率はどうなのか
  • 窃盗罪全体、刑法犯全体の検挙率と比べると低いのか

など、万引きに関するデータを総ざらいしました。

法的な解説は、テレビでもおなじみのアトム法律事務所の弁護士にお願いしていきます。

よろしくお願いします。

万引きも「窃盗罪」という犯罪です。

そんな万引きがどの程度警察に検挙されているのか、お伝えしていきます。

本記事で使用した犯罪白書は発表されたばかりのもの。

最新のデータで、万引きの今に迫ります!

万引きの検挙率は〇%!犯罪白書から推移を追う!

検挙率・検挙数とはどんな意味?

そもそも検挙とはどんな意味なのでしょうか。

よく聞く逮捕とはどう違うのか、お分かりになるでしょうか。

まずは検挙の意味についてお伝えします。

検挙されるというのは、捜査機関に犯罪の行為者が特定され、被疑者とされることをいいます。

たとえば「自動車の速度超過で検挙される」場合、スピード違反をしていた被疑者が特定されるということを指します。

必ずしも逮捕を伴わない点に注意してください。

たとえば検挙といえば、こんなニュースもありますよね。

東京都内で乗用車を運転中に速度超過で検挙された(略)男性職員を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にしたと発表した。

この男性がその後逮捕されたかは分かりません。

とにかく被疑者が特定されれば、「検挙された」ということになります。

検挙や逮捕、摘発、確保の意味・違いなどについては、以下の記事をご覧ください。

また、検挙率を計算するには「認知件数」というデータも必要になります。

認知とは何なのでしょうか。

認知とは、被害の届出などによって、警察から犯罪の発生を確認されることをいいます。

警察が認知した数を指すため、認知件数といいます。

万引きでは、店が警察に通報することにより認知されることが多いでしょう。

検挙率は、この検挙数認知件数から計算をしていきます。

具体的な検挙率の計算方法がこちら!

検挙件数÷認知件数検挙率

万引きの検挙率を計算するには、

万引きが警察に認知された件数

万引きが検挙された件数

が必要ということですね。

低い?万引きの検挙率を犯罪白書から見る!

万引きの検挙率

では万引きの検挙率についてみてみましょう。

万引きはよく耳にする犯罪。

万引きの被害によって店を畳んだ書店やスーパーなどもあり、深刻な問題です。

そもそも深く考えずに万引きをしてしまう人も多いようです。

しかし、万引きとは刑法で窃盗と定められた犯罪です。

万引きの法的な意味については以下の記事をご覧ください。

そんな万引きはどの程度検挙されているのでしょうか。

まずは2016年の統計からみていきましょう。

2016年

犯罪白書によれば、万引きの認知件数は112,702件と記載されています。

そのうち、検挙数は78,131件となっています。

ここから万引きの検挙率を計算すると、下の表のようになります。

万引きの検挙率
2016年数値
認知件数112,702
検挙件数78,131
検挙率69.33%
※犯罪白書2017年版より

なんと69.33%

高い数値ですね。

3件に2件以上が検挙されている計算になります。

それでは同じように2015年の検挙率を見てみましょう。

万引きの検挙率
2015年数値
認知件数117,333
検挙件数82,557
検挙率70.36%
※犯罪白書2017年版より

こちらはなんと70%を超えています!

万引き対策が進んできたためでしょうか。

テレビでよく見る万引きGメンの活躍も、ひと役かっているのかもしれませんね。

店舗にとっても深刻な万引き事情。

警察も「従業員による声掛け」など、具体的な対策を公開して万引き抑止に積極的な動きを見せています。

万引きの検挙率は約7割と、とても高い検挙率だった!

自転車窃盗や財布・バイクまで、窃盗罪全体の検挙率推移!

では万引きを離れ、他の種類も含めた窃盗罪全体についてみていきましょう。

自転車窃盗や、バイク窃盗財布の車上荒らしなど、窃盗にはさまざまな種類があります。

これらを含めた、窃盗罪全体の検挙率を見てみましょう。

まず2016年からお伝えします。

犯罪白書によれば、窃盗罪全体の認知件数723,148件となっています。

その中で、検挙された件数208,646件

ここから窃盗罪の検挙率を計算してみました。

窃盗罪全体の検挙率
2016年数値
認知件数723,148
検挙件数208,646
検挙率28.85%
※犯罪白書2017年版より

なんと28.85%

先ほどみた、万引きの検挙率と比べると非常に低いことが分かります。

2015年も同様の水準だったのでしょうか。

窃盗罪全体の検挙率
2015年数値
認知件数807,560
検挙件数226,001
検挙率27.99%
※犯罪白書2017年版より

こちらも27.99%と、とても低い数値になっています。

万引きと比べるとあまりに違いが大きいですね。

窃盗罪全体の検挙率が一時的に下がってしまっただけの可能性もあります。

そこで、「平成における窃盗罪全体の検挙率」をすべて見てみましょう!

窃盗率全体の検挙率・平成まとめ
年号検挙率
平成元年41.74%
平成237.21%
平成332.83%
平成430.70%
平成534.93%
平成637.69%
平成737.39%
平成835.64%
平成935.22%
平成1033.39%
平成1129.37%
平成1219.11%
平成1315.71%
平成1416.99%
平成1519.41%
平成1622.61%
平成1724.87%
平成1827.13%
平成1927.64%
平成2027.53%
平成2127.67%
平成2226.67%
平成2326.54%
平成2427.06%
平成2525.97%
平成2626.25%
平成2727.99%
平成2828.85%
※犯罪白書2017年版より

なんと平成の全体を通して低いことが分かります。

平成12年では今よりさらに低い水準まで急降下していました。。

この万引き検挙率とのギャップ、実は意外なところに原因があるのです。

平成28年の統計によると、「乗り物の窃盗」が窃盗罪全体の38%と高い割合を占めています。

そして、乗り物窃盗は検挙率が8.4%と大変低いのが現状です。

数の多いこれらの類型が、窃盗罪全体の検挙率を押し下げています。

万引きの検挙率の高さは、窃盗罪の中ではむしろ例外的だったということができるでしょう。

では、都道府県ごとに検挙率は異なってくるのでしょうか。

万引きに特化したデータは見つけられませんでしたが、窃盗罪全体については発見したため、次章でお伝えします。

日本の都道府県ごと検挙率比較。東京は〇位!

まずは日本の首都である東京をみてみましょう。

なお、統計データは社会生活統計資料2017年版からひいています。

2005年、2010年、2014年の3年分のデータがそろいましたので、ここから東京の3年分のデータをご覧いただきます。

東京都における窃盗の検挙率
西暦検挙率
200528.0%
201023.3%
201419.3%
※社会生活統計指標-都道府県の指標-2017 社会生活統計指標 より

東京都における窃盗の検挙率は以上のようになりました。

全国におけるデータに比べると低い印象を受けますね。

では、東京は窃盗の検挙率ランキングで何位だったのでしょうか。

まずは検挙率の「低いランキング」を発表していきます!

検挙率の「低いランキング」(2014年)
順位都道府県検挙率
1大阪府11.8%
2東京都19.3%
3兵庫県20.9%
※社会生活統計指標-都道府県の指標-2017 社会生活統計指標 より

東京がさっそく出てきてしまいました。

このランキングは検挙率の「低いランキング」です。

上位ほど検挙率が低いということですね。

ご覧の通り、1位は大阪府となっています。

2位が東京、3位に兵庫がランクインしたことからも、大都市ほど検挙率が低くなるといえるのではないでしょうか。

では、逆に検挙率の「高いランキング」を発表していきましょう。

検挙率の「高いランキング」(2014年)
順位都道府県検挙率
1島根県61.4%
2秋田県58.0%
3福井県56.4%
※社会生活統計指標-都道府県の指標-2017 社会生活統計指標 より

1位の島根県はなんと61,4%

窃盗全体でここまで高いのであれば、万引きの検挙率はさらに高いのではないでしょうか。

その後は秋田県、福井県という順番に続きます。

どれも5割越えですね。

窃盗の検挙率ランキング、上位と下位の差は5倍以上!

以上、窃盗の検挙率における都道府県ランキングでした。

続いて…

では、次に刑法犯全体の検挙率についてみていきます。

他の検挙率と比べることで、窃盗罪の特殊性が見えてくるのではないでしょうか。

万引きの検挙率を、刑法犯全体の検挙率と比較!

刑法犯とは刑法に定められた犯罪です。

殺人や強盗、窃盗など、よくニュースで聞く犯罪が多いです。

これらの犯罪検挙率を、過去10年分にわたって見てみましょう。

刑法犯全体の検挙率まとめ
西暦検挙率
200731.7%
200831.4%
200931.8%
201031.0%
201130.8%
201231.2%
201330.0%
201430.6%
201532.5%
201633.8%
※犯罪白書2017年版より

全体を通して約30%程度ということが分かります。

しかし同時に、重要なデータも発見しました。

それが「窃盗を除く刑法犯の検挙率」データです。

窃盗を除く刑法犯の検挙率まとめ
西暦検挙率
200743.9%
200843.4%
200945.1%
201045.3%
201144.7%
201243.9%
201341.9%
201443.0%
201545.1%
201647.0%
※犯罪白書2017年版より

このデータによれば、窃盗を除いた刑法はの検挙率は約45%程度です。

窃盗罪が検挙率を大きく下げているということですね。

この点には注意する必要がありそうです。

窃盗罪は、他の犯罪に比べて検挙率が低い!

もっとも、万引きの検挙率はとても高いものでした。

刑法犯全体の検挙率よりも大幅に高い数値です。

となれば、以下のこともいえるでしょう。

まとめ

万引きに関しては、他の犯罪に比べて検挙率が高い!

万引きで不安な場合は弁護士に相談!

以上、万引き検挙率についてお伝えしてきました。

この高い検挙率を見て、不安を感じた方もいらっしゃるのはないでしょうか。

  • 魔がさして万引きをしてしまった。
  • 監視カメラを見て、後から逮捕されないだろうか。

そんな方のために、弁護士に相談できる窓口をご紹介します。

法律の専門家である弁護士に聞くことで、不安が解消するかもしれませんよ。

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最後に一言アドバイス

いかがでしたでしょうか。

最後にアトム法律事務所の弁護士からひと言アドバイスをお願いします。

万引きも窃盗罪という犯罪です。

魔がさしてしまったときには、早めに弁護士に相談することで適切な対応を採ることができるかもしれません。

迅速に店へ謝罪し、損害を賠償することで、刑事事件に発展しない可能性もあります。

対応のタイミングが早いほど、採れる手段は多いですから、不安なときはぜひ弁護士にご相談ください。

まとめ

いかがでしたか。

万引きの検挙率についてお伝えしてきました。

ですが具体的な事案について不安な方もいらっしゃるかもしれませんね。

そんな方はぜひスマホで無料相談をしてみましょう。

弁護士からためになるアドバイスをもらえるかもしれません。

対面で相談したい場合は、全国弁護士検索でお近く弁護士を探してみるのもいいでしょう。

それ以外にも関連記事をご用意しましたので、ぜひご覧下さい。

ご不安が一日でも早く解消されることを祈っています。