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窃盗と器物損壊の分かれ目!刑法ではどうなっている?法定刑や罪数を解説!

  • 窃盗,器物損壊

窃盗と器物損壊の分かれ目!刑法ではどうなっている?法定刑や罪数を解説!

  • 窃盗と、器物損壊って同時に成立する?
  • 盗んだ物を壊すと、どんな罪に問われる?

そんな疑問を持っている方のために、窃盗と器物損壊について詳しく解説していきます!

  • 窃盗罪と器物損壊罪の刑法上の法定刑
  • 二つ成立する場合がある?その場合の罪数は?吸収?併合?その違いは?
  • 不可罰的事後行為ってなに?

など、窃盗と器物損壊で重要な点を全てお伝えしていきますよ。

法的な解説は、窃盗事件の解決経験豊富なアトム法律事務所の弁護士にお願いしていきます。

よろしくお願いします。

物を「盗む」、「壊す」はどちらも他人の財物に対する侵害行為です。

ですが、その態様によって成立する罪と、法定刑が変わってきます。

刑法上、どのように考えられているのかをしっかりと解説していきます。

窃盗罪ってどんな犯罪?法定刑は?

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二つの関係をみる前提として、それぞれの犯罪について刑法上の定めを見ていきましょう。

法定刑も同時にチェックしますよ。

窃盗罪を刑法から確認

窃盗罪については、刑法235条に定められています。

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

ここから分かる、窃盗罪の「構成要件」は何なのでしょうか。

構成要件とは

「構成要件」とは、犯罪が成立するための要件

窃盗罪では、以下の5つが構成要件と考えられています。

窃盗罪の構成要件
  1. 他人の財物
  2. 窃取したこと
  3. ③ 故意があること
  4. 不法領得の意思があること

まず、窃盗罪における「財物」とは

不動産以外の有体物(固体・液体・気体)」

と考えられています。

さらに、有体物ではありませんが、「電気」も刑法上特別に「財物」とみなされています。

よって、

  • 現金(固体)
  • 灯油(液体)
  • プロパンガス(気体)
  • 電気

などを勝手に盗むと、窃盗罪で刑罰が科せられます。

次に、「窃取」とは、「他人の占有する財物を、占有者の意思に反して、自己または第三者の占有に移転させること」です。

占有を勝手に移転させることですね。

なお「占有」とは、財物を事実上の支配していることをいいます。

離れた場所にある倉庫に保管していても、鍵などをかけていれば「事実上支配している」といえるでしょう。

また、故意は

「他人の財物を窃取すること」の認識認容です。

簡単にいえば、自分の行為が「他人の財物の窃取」と知ったうえで、あえて行うということですね。

そのため、自分の物と間違えて持って行った場合には、窃盗罪は成立しません。

最後に「不法領得の意思」が必要です。

不法領得の意思とは、「権利者を排除し、他人の物を自己の所有物と同様に、その経済的用法に従い利用・処分する意思」のことです。

簡単にいうと、

  1. 権利者を排除し、自分だけが使うという意思(権利者排除意思)
  2. ② 実際に利用・処分する意思(利用処分意思)

の2つが必要だということです。

日本では、「勝手に借りて返す」という使用窃盗は処罰されていません。

その使用窃盗と区別するために、「①実際の権利者を排除する意思」が必要とされています。

② の利用処分意思については、後で詳細にお伝えします。

以上、窃盗罪の構成要件についてお伝えしました。

窃盗罪の法定刑

では次に、窃盗罪の法定刑をチェックしましょう。

条文を見てみると・・・

窃盗罪の法定刑

10年以下の懲役か、

50万円以下の罰金

と刑法で定められています。

懲役」とは、刑事施設に拘置され、刑務作業を行う刑罰です。

「懲役」には無期と有期とがあります。

「有期懲役」は、原則として1月以上20年以下とされています。

一方、「罰金 」は一定額の金銭を納付させる刑罰です。

罰金は、1万円以上とされています。

罰金も懲役も、これが原則的な法定刑であり、再犯加重や、情状酌量による減軽がされる可能性があります。

これらのことから窃盗罪の法定刑における上限下限を表にしてみました。

窃盗罪の刑罰
懲役罰金
刑罰の性質自由を制限金銭を納付
上限・下限1月以上、10年以下1万円以上、50万円以下
※刑の加重や減軽により、上限下限は変動する。

原則として、以上の法定刑の範囲内で実際の刑が宣告されることになります。

器物損壊罪ってどんな犯罪?法定刑は?

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では次に、器物損壊罪について見てみましょう。

器物損壊罪を刑法から確認

器物損壊罪は刑法261条に規定されています。

前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

ここでの「損壊」とは、「財物の効用を害する一切の行為」をいいます。

単に物理的に壊した場合のみならず、その物を実質的に使用できなくすればよいとされています。

損壊とされた裁判例を簡単に見てみましょう。

損壊にあたるとされた裁判例
事例①
養殖池の鯉を流出させた。
事例②
競売物件の記録を持ち出して隠匿した。
事例③
食器に放尿した。

隠す行為も、「損壊」とされる点が重要です。

なお、同条にある「傷害」はペットなど、他人の生物を傷付けた場合に成立します。

器物損壊罪の法定刑

そして損壊・傷害した場合は、3年以下の懲役、または30万円以下の罰金・科料となっています。

科料」とは、一定額の納付を命じられる刑罰で、原則として1000円以上1万円未満とされています。

これをもとに器物損壊罪の法定刑を表にしてみました。

器物損壊罪の法定刑
懲役罰金科料
刑罰の性質自由を制限金銭を納付金銭を納付
上限・下限1月以上、3年以下1万円以上、30万円以下1000円以上1万円未満
※刑の加重や減軽により、上限下限は変動する。

以上、器物損壊罪とその法定刑についてお伝えしました。

窃盗罪と器物損壊罪は同時に成立する?吸収・併合など、罪数は!?不可罰的事後行為とは?

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では、いよいよ窃盗罪器物損壊罪の関係・違いについて見ていきましょう。

不法領得の意思にいう、「利用処分する意思」とは?

まず、先ほどの「不法領得の意思」を構成する、「利用処分意思」についてです。

これは財物から生じる何らかの効用を享受する意思だと考えられています。

この意思が必要とされる理由が窃盗罪と器物損壊罪の関係にあるのです。

二つの法定刑を見比べてみましょう。

窃盗罪と器物損壊罪の法定刑比較
窃盗罪器物損壊罪
懲役1月以上、10以下1月以上、3以下
罰金1万円以上、50万円以下1万円以上、30万円以下
科料なし1000円以上1万円未満
※刑の加重や減軽により、上限下限は変動する。

見比べてみると、窃盗罪の方が刑が重いことがわかります。

これは、窃盗罪は財物を利用しようという動機・目的がある点で、より強い非難に値することが考慮された結果と考えられています。

また、財物を利用処分できる点が魅力的であり、犯罪への誘惑が強いため、特に抑制する必要がある点も考慮されています。

窃盗罪は「財物の利用処分」という点から、器物損壊罪より重く処罰されている。

ここから考えると、単に壊すために盗んだ場合を窃盗として重く罰することはできません。

そこで、利用処分する意思が必要とされたのです。

なお、「処分」とは売却することで、捨てることはここには入りません。

「窃盗・器物損壊」両方が成立する場合の罪数。併合・吸収・不可罰的事後行為などを解説!

次に、2つの罪の関係を見ていく前に、罪が複数成立した場合の刑罰についてチェックしておきましょう。

重要なものとして以下の関係があります。

複数の罪の関係
  1. 吸収関係
  2. 牽連犯
  3. 併合罪
吸収関係

① 「吸収関係」とは、複数の罪が成立しうるが、一方に吸収され、一つの罪しか成立しないことをいいます。

その一例が「不可罰的事後行為」です。

「不可罰的事後行為」とは、「ある犯罪終了後の行為で、それだけで別罪を構成するようにみえても、元の犯罪の違法評価に包含されているため一罪として処罰されるもの」をいいます。

複数の罪が成立しうるが、「最初の罪で後の行為がすでに評価されている」ということです。

牽連犯

つぎに、②「牽連犯」(けんれんぱん)というものもあります。

牽連犯とは、2個以上の、本来独立に犯罪を構成する行為があって、それらが手段・目的又は原因・結果の関係にある犯罪です。

この場合、複数の罪のうち、最も重い刑で処罰されることになります。

たとえば、空き巣と住居侵入は通常「目的・手段」の関係にあります。

よって窃盗罪と住居侵入罪が成立し、最も重い窃盗罪の刑罰で処断されることになります。

「牽連犯」は、もっとも重い刑で処罰される。

併合罪

最後に③「併合罪」とは、確定裁判を経ていない二個以上の罪のことを言います。

この場合は、刑法46~52条に従って刑が科せられます。

たとえば、「有期懲役にあたる刑を2つ以上犯した」場合、

その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする

と決められています。

以上

重要な罪数についてお伝えしました。

では、窃盗罪と器物損壊罪はどのような関係にあり、どのような罪数処理がされるのでしょう。

他人の財物を「その場で」勝手に壊した場合

他人の財物を「その場で勝手に壊した」場合はどうなるでしょう。

▼事例①
▼喧嘩になり、相手の持っている骨董品を故意をもって叩き割った。

この場合は利用処分する意思がありませんよね。

単に「壊してやる!」と思って壊しているだけですから、窃盗罪は成立しません。

器物損壊罪のみが成立します。

他人の財物を勝手に隠した場合

続いて、「他人の財物を勝手に隠した」場合はどうなるでしょう。

▼事例②
▼他人の骨董品を、嫌がらせのために隠した。

これも利用処分する意思がないので、窃盗罪は成立しません。

隠す行為も「損壊」にあたりましたから、

器物損壊罪のみが成立します。

利用処分意思なく隠す場合は、器物損壊罪

もっとも、次の場合には注意が必要です。

▼事例③
▼他人の骨董品を自分の物にすべく、一時的に隠した。

この場合、その後自分の物にするという「利用処分意思」が認められます。

発覚しない場所に隠せば、実質的に占有が移ったといえ、窃盗罪になるでしょう。

嫌がらせで隠した場合とは異なる点が重要です。

利用処分意思をもって隠すと、窃盗罪が成立する可能性もある!

この場合、器物損壊罪と窃盗罪は吸収関係にたち、窃盗罪のみが成立します。

他人の財物を後で壊すつもりで、勝手に移動させた場合

では、「後で壊すつもりで、移動させた」場合はどうでしょうか。

占有の移転があるので、窃盗罪になってしまうのでしょうか。

▼事例④
▼相手の骨董品を嫌がらせで壊してやろうと思い、まずは自分の家に移動させた。

「壊すつもり」ですので、「利用処分する」意思がありません。

よって窃盗罪は成立しません。

移動させた段階で、器物損壊罪のみが成立する。

他人の財物を使うつもりで持って帰ったが、後日発覚をおそれて壊した場合。

最後に、他人の財物を使うつもりで持って返し、後日壊した場合を考えましょう。

▼事例⑤
▼相手の骨董品を自分で鑑賞しようと家に持って帰ったが、後日発覚を恐れて叩き割った。

他人の財物を使うつもりで勝手に持って帰った場合、その時点で窃盗罪が成立しています。

その後に壊したとしても、「他人の占有」という利益が害されたことは、すでに窃盗罪で「悪いこと」として評価されています。

よって、不可罰的事後行為として壊したことは器物損壊罪にはなりません。

窃盗をした後に壊しても、器物損壊罪は成立しない!

窃盗罪と器物損壊罪について、弁護士に相談!

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いかがでしたか。

窃盗と器物損壊の関係・違いについて詳しくお伝えしました。

ですが、具体的な事案でどうなるのかを知りたい方もいらっしゃるでしょう。

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いかがでしたでしょうか。

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窃盗と器物損壊では、法定刑が異なるため、どちらが成立するかが重要な問題です。

「利用処分意思」の有無は、判断に専門的な知識が必要です。

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各罪に対応した適切な弁護活動を早く始められれば、迅速に事件を終結できる可能性があるでしょう。

窃盗と器物損壊でお悩みの方は、ぜひ弁護士にご相談ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

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窃盗・器物損壊に関するご不安が、一日でも早く解消されるよう祈っています。