窃盗罪で逮捕!会社・アルバイト先はクビになる?|懲戒解雇・退学の可能性は?
窃盗事件を起こすと会社をクビになってしまうのでしょうか。
また、会社員だけでなく、高校生などのアルバイトも同様の処分を受けるのでしょうか。
もちろん、人の物を盗むことは犯罪です。
許される事ではありません。
しかし、会社を懲戒解雇されてしまうとこれからの生活に大きな支障がでますよね。
また、高校生などの学生で退学処分になればこれからの進学・就職に大きく響きそうです。
今回は「窃盗で逮捕されると会社・アルバイト先はクビになる?」という疑問を中心にお送りしたいと思います!
目次
窃盗で警察に逮捕されてしまった…会社はクビ?
窃盗で逮捕!会社はクビ(懲戒解雇)になる?
「つい魔がさして窃盗行為をしてしまった…」
窃盗は身近に潜んでいる犯罪です。
ある日突然、ご家族が窃盗の容疑で逮捕!なんてこともあるかもしれません。
もし、窃盗事件の加害者になってしまい、それが会社に伝わるとクビにされるのでしょうか…
窃盗事件で会社を解雇されるか否かは、各企業の就業規則によります。
「逮捕」や「起訴」=有罪ではありません。
なので、逮捕され、起訴されたことを解雇事由としている会社は少数派であると思われます。
しかし、社内での窃盗で逮捕された場合は事実上、勤務を続けることが難しいかもしれません。
また、窃盗事件で解雇されるかどうかは、民間企業の会社員か公務員かでも異なります。
以下では、民間企業に勤めている場合と公務員の場合をそれぞれ解説します。
①民間企業の会社員の場合、解雇される?
「普段の会社のストレスで万引きしてしまった…」
万引きも「窃盗罪」に当たる犯罪です。
民間企業の会社員は窃盗事件を起こすと解雇されるのでしょうか。
このご時世、万引きで解雇されたとなると次の就職先を探すのに非常に苦労しそうです…
民間企業で働いている会社員の場合、解雇の基準は各会社の就業規則に基づいて処分が決定されます。
一般的には「有罪判決を受けたこと」を解雇理由とする就業規則を設けている会社が多いです。
窃盗事件が不起訴で終われば「有罪判決を受けたこと」にはなりません。
よって、一概には言えませんが懲戒解雇を回避できるケースもあります。
上場企業など対外的な信用が特に重視される会社では、状況が異なる場合もあります。
有罪判決が確定しない段階でも、自主的に退職するよう勧奨されることがあります。
有罪判決をうけているかどうかが肝になる場合が多いのですね。
初犯なら、犯行がよほど悪質でなければ不起訴になるケースも多いです。
会社を解雇されないためにはまず「不起訴処分」を獲得することが大切といえますね。
②公務員の場合、懲戒免職になる?
民間企業の会社員の場合、解雇になるかどうかは各会社の就業規則によるとのことでした。
公務員の場合はどうでしょうか。
国や地方自治体、国際機関等の公務を執行している立場として基準が厳しい気もします。
最近、こんなニュースもありました。
兵庫県警丹波署は23日、器物損壊と窃盗の疑いで、丹波市職員の男(43)=同市山南町=を逮捕した。(略)
職員の男は8月1日夜にも、同市内のスーパーでざるそば1個を盗んだとして、同署に現行犯逮捕されていた。丹波市は8月の逮捕を受け、職員の男を9月1日付で停職3カ月の懲戒処分にしていた。
出典:神戸新聞NEXT 2017/9/23 22:15
こちらは器物損壊と窃盗の疑いで逮捕されたというニュースですね。
以前の万引きでは「停職3ヶ月」の懲戒処分を受けていたようです。
一度の万引きでは懲戒免職にはなっていないようですね。
公務員が刑事事件を起こしたケースでは、民間企業に勤めている会社員より厳しい処分になることが予想されます。
裁判になって懲役刑の判決を受けると、執行猶予が付いていても職を失うことになります。
これは国家公務員法の76条と38条2項で定められています。
罰金刑に処された場合でも「有罪判決を受けた」ことにより懲戒処分を受ける可能性があります。
しかし、不起訴処分で事件が終了すれば職場での処分は軽くなる場合もあります。
公務員がどのような懲戒処分を受けるかは、国家公務員の場合は人事院がガイドラインを公表しています。
地方公務員の場合なども自治体で懲戒の指針が公表されていることもあります。
上記にでてきた国家公務員法の条文を確認しておきましょう。
第三八条 次の各号のいずれかに該当する者は、人事院規則の定める場合を除くほか、官職に就く能力を有しない。(略)
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終るまで又は執行を受けることがなくなるまでの者(略)
出典:国家公務員法 第38条2項
第七六条 職員が第三十八条各号の一に該当するに至つたときは、人事院規則の定める場合を除いては、当然失職する。
出典:国家公務員法 第76条
公務員に関しては法律で明確に懲戒処分の定義が定められています。
民間企業の会社員と公務員の処分を表にまとめましたのでご覧ください。
まとめ
会社員と公務員の処分
会社員 | 公務員 | |
---|---|---|
処分 | 解雇の基準は会社によって異なる | 懲役刑だと執行猶予付きでも懲戒免職 罰金でも懲戒処分になる可能性がある |
処分の根拠 | 各就業規則 | 国家公務員法 |
会社の物を持ち帰り、私用に使うのも窃盗罪?
会社の備品などを勝手に持ち帰り、私用につかう行為は窃盗に当たるのでしょうか?
会社の備品などを盗み、私用に使う行為は窃盗行為です!
会社からの処分だけではなく、刑罰を受ける可能性もあります。
場合によっては業務上横領の罪に問われるケースも考えられます。
業務上横領の条文を確認しておきましょう。
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。
出典:刑法第253条
当たり前ですが、文具や備品など、会社の物を盗んではいけません。
軽い気持ちで行った行為が、後に厳しい処分を受ける場合もあります。
窃盗で会社から解雇されないためには…
窃盗事件を起こすと、解雇される可能性があるとわかりました。
窃盗事件を起こした場合、解雇を回避する方法はあるのでしょうか。
窃盗事件で解雇されてしまうと、再就職する会社をみつけるのも非常に苦労しそうです。
解雇処分を回避したいのであれば、刑事処分をできるだけ軽くすることが大切です。
刑事処分が軽ければ、社長や上司の理解を得られることもあります。
不起訴処分になれば、窃盗の当事者に前科がつかなかったということで職場に復帰できるケースもあります。
刑事処分を軽くするには以下のような条件が必要です。
- 被害者側への被害弁償が済んでいる
- 被害者側と示談が成立している
万が一、事件が起訴された場合も以上の内容が揃っていれば不起訴処分になることも多いです。
特に、被害者がいる事件では相手からの許しが不起訴処分獲得において重要です。
示談については以下の記事をご覧ください。
窃盗罪の示談・示談書についての記事はこちら
【学生の窃盗事件】高校生が窃盗事件を起こすと退学になる?
高校生のアルバイト先で窃盗をしたらクビ?退学の可能性もある?
高校生でもアルバイトをしている学生がいますよね。
軽い気持ちでアルバイト先の備品などを盗んでしまった場合はどうなるのでしょう。
もし、窃盗の事実が伝わると退学になってしまう可能性もあるのでしょうか。
高校生でも窃盗事件を起こせば当然逮捕されることになります。
このように窃盗事件で逮捕されるとクビになってしまうかもしれないですよね。
やはり高校は義務教育ではないので、退学処分の判断基準は厳しいのでしょうか。
高校生も窃盗事件を起こすと退学処分になる可能性は十分あります。
例えば、私立の高校で学校の規則が厳格である場合は退学処分になるケースもあります。
学生を退学処分にするか否かは、私立高校の裁量に委ねられます。
窃盗事件で退学処分になることもあるかもしれないのですね。
高校は中等教育機関に分類されており、犯罪行為自体が少年法の対象になります。
そのため、退学処分は、よほど重大な犯罪行為や、少年院送致等になる事件に限られるのが一般的ではあるようです。
窃盗事件の当事者に…大学受験や入学に影響はある?
窃盗事件事件の当事者になったら大学受験や入学に影響はあるのでしょうか。
万引きはもちろん許されることではありません。
被害弁償なども済み非常に反省し、改めようと思っている少年の将来の道が閉ざされるとなると…
いたたまれませんよね。
警察がわざわざ受験・入学予定の大学に報告をすることはありません。
しかし、逮捕や観護措置によって警察署や鑑別所に収容された場合は受験・進学に影響がある場合があります。
そのような場合を除き、基本的には窃盗事件の事実が受験・入学先予定の大学に知られることはありません。
窃盗事件を起こした事実をわざわざ大学側に言われることはなさそうですね。
しかし、窃盗の被害状況が大きく、刑事施設に収容されるなどした場合は影響があるケースもあります。
大学生が窃盗で退学処分になることはある?
高校生が窃盗事件を起こした場合、退学になるかは学校側の裁量とのことでした。
次に、窃盗事件の加害者が大学生だった場合をみてみましょう。
高校のように、学校側の規則が厳格であればすぐに退学させられる可能性もあるのでしょうか…
窃盗による明確な退学の基準が決まっているのでしょうか。
大学も高校と同様に、窃盗事件を起こした学生を退学処分にするか否かは大学側の裁量に委ねられます。
大学生は高校生とは違い、成人している学生もいます。
20歳以上の成人は少年法の対象からは外れているので、裁判で有罪になれば刑罰を受ける可能性もあります。
よって、高校に比べると退学処分の基準が厳格な場合もあります。
大学の指針で、犯罪が軽微で「退学処分にまでする必要はない」と判断されたら退学処分はくだされません。
一方、
- 被害が重大である窃盗事件
- 学生自身が犯罪の事実を認めている窃盗事件
などは、退学処分がくだされる可能性があるようです。
なるほど、大学生は20歳以上の成人の学生もいるので審査基準が厳しい場合もあるのですね。
事件が進行し、刑事裁判で有罪になると学生であっても刑罰を科される場合もあります。
高校生と大学生の退学処分の判断基準を表にしましたのでご覧ください。
まとめ
学生の退学処分の判断傾向
20歳未満 | 20歳以上 | |
---|---|---|
大学 | 比較的厳しい | 厳しい |
高校 | 比較的緩やかな場合もある | - |
なお、万引きと退学については『【万引き事件】中学・高校生が万引きで逮捕…私立中学や私立高校で退学処分になる?』でも詳しく解説しているので、興味がある方はご覧ください!
【弁護士相談窓口】窃盗で解雇されそう…回避する方法は
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最後に一言アドバイス
今回は「窃盗で逮捕されると会社はクビになる?」というテーマでお送りしました。
窃盗事件で必ずクビになるわけではありませんが、解雇の危険が高いことがわかりました。
窃盗事件は刑罰が「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と定められています。
決して軽い犯罪ではありません。
会社をクビになるだけでなく、事件が進み、刑事裁判になれば刑事責任を負う可能性もあります。
もし、ご自身やご家族が窃盗事件を起こしてしまったら…
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