盗撮は「非親告罪」?その意味と時効との違い、親告罪の種類一覧も大公開!

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弁護士事務所の掲載順と弁護士の力量とは無関係です。相性を考慮して、ご自身に合った弁護士をお探しください。

盗撮って親告罪だと聞いたことがあるけど、逮捕や起訴はされないの?

そんな疑問にお答えすべく、親告罪と盗撮の関係を解説していきます。

親告罪の意味と、「非親告罪」になる犯罪の種類。

告訴・告訴期間被害届・時効とは違うのか。

盗撮と迷惑防止条例の関係。

他にも刑法で非親告罪とされる全ての犯罪例も一覧にしてお届けします。

法的な解説については、盗撮事件の解決経験豊富な弁護士、岡野武志先生にお願いしていきます。

よろしくお願いします。

親告罪か否かは被害者・加害者ともに、大変重要な意味を持ちます。

盗撮と親告罪の関係について、しっかりと解説していきます。

盗撮って親告罪?その前提として、親告罪の意味や、種類、告訴についても解説!

盗撮って親告罪?その前提として、親告罪の意味や、種類、告訴についても解説!

親告罪とは?非親告罪との違い。

そもそも「親告罪」とはどのような意味なのでしょうか。

親告罪の正確な意味からみていきましょう。

親告罪」とは、告訴がなければ起訴されない犯罪のことをいいます。

起訴されなければそもそも裁判にならないので、親告罪においては告訴の有無が重要になります。

非親告罪」は、逆に「告訴の有無に関係なく検察官が起訴できる犯罪」ということです。

そもそも

起訴」とは「検察官が刑事事件について裁判所の裁判を求める申立てを行うこと」を指します。

起訴について、刑事訴訟法にはこのような規定があります。

犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。

この条文によれば、検察官は、起訴するか否かを様々な事情から自由に決めることができるとされています。

この原則を「起訴便宜主義」といいます。

一方

親告罪では、告訴がなければ検察官は起訴をすることができません。

親告罪は起訴便宜主義の例外だということができるでしょう。

重要

親告罪は、告訴がなければ絶対に起訴されない!

また、親告罪には「相対的親告罪」と「絶対的親告罪」があります。

「相対的親告罪」とは、「犯人と被害者の間に、一定の関係がある場合に限って親告罪となるもの」をいいます。

逆に、関係性や状況に関係なく親告罪とされている犯罪を「絶対的親告罪」といいます。

この2つの具体例については、後で一覧にしてお伝えします。

親告罪の種類
相対的親告罪 絶対的親告罪
意味 犯人と被害者の間に一定の関係がある場合のみ、親告罪となる。 関係性・条件に関係なく常に親告罪。
犯罪の例 窃盗罪など。 過失傷害罪など。

ところで、この「起訴しない」と検察官に決められることを「不起訴処分」といいます。

ここで盗撮事件と不起訴について、詳細な記事をご紹介します。

こちらもぜひご覧ください。

盗撮における告訴とは?被害届との違い、告訴取り下げの効果。

盗撮における告訴の意味に迫る。

では、ここにいう「告訴」とは一体なんでしょうか。

「告訴」とは、犯罪の被害者その他の告訴権者から、捜査機関に対し、犯罪事実を申告して犯人の処罰を求められることをいいます。

告訴は口頭か、または書面の提出でされることがあります。

告訴権者」は「被害者」だけに限られません。

「被害者の法定代理人」も告訴が可能です。

たとえば被害者が未成年である場合、親も告訴できるということですね。

また

「被害者が死亡」した場合、「配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹」も告訴をすることができます。

もっとも、被害者が告訴しない旨を明示していた場合には、これに逆らうことはできません。

盗撮をした場合、被害に遭った方が警察に行き、「盗撮されました。捕まえて処罰してください」と申告することが「告訴」になります。

盗撮の被害届は告訴と違う?

これと似た届け出として、「被害届」があります。

被害届とは、被害者が捜査機関に対して、犯罪の事実を届け出ることを指します。

処罰を求める意思までは必要とされない点で、被害届と告訴には違いがあります。

ですが、被害届も告訴も捜査開始のきっかけとなる点では同じ効果があります。

盗撮でいえば

「盗撮をされました」と捜査機関に申し出れば、被害届にはなります。

ですが告訴となるには、加えて「処罰してください」という意思表示が必用です。

告訴と被害届のまとめ
告訴 被害届
相違点 処罰を求める必要あり。 処罰を求める必要なし。
共通点 捜査開始のきっかけになる。

告訴取り下げ

また、告訴は取り下げることができます。

刑事訴訟法ではこう記載されています。

告訴は、公訴の提起があるまでこれを取り消すことができる。

実は法律上は条文にあるように「取り消し」が正しい用語です。

ですが一般的に「取り下げ」と言われることも多いため、ここでは同じように表記します。

さて

告訴取り下げは「公訴の提起まで」とされていることが重要です。

公訴の提起とは「起訴」のことですから、起訴されるまでは被害者などに告訴を取り下げてもらうことができます。

そして、そんな告訴取り下げが大変大切なのには理由があります。

それが…

重要

親告罪の告訴が取り下げられると、絶対に起訴されなくなる。

一度「告訴」されると、起訴するか否かを判断するために警察や検察による取り調べが始まります。

ですが、その途中で親告罪の告訴が取り下げられれば、告訴が存在しなくなるため起訴はできなくなります。

そのため

親告罪では被害者と示談を成立させ、告訴を取り下げてもらうことが特に重要になってきます。

なお「示談」とは「トラブルの賠償問題を当事者間の話し合いで解決すること」をいいます。

示談金の支払いに着目されることが多いですが、場合によっては告訴取り下げを条項に入れることもあります。

それ以外にも、告訴及びその取り下げで重要な点はこちらです。

共犯者がいる場合、その一人に対して告訴をすると他の共犯者も告訴されたことになる。

② その後共犯者の一人について告訴を取り下げると、他の共犯者も取り下げられる。

③ 告訴は代理人がすることもできる。

以上、告訴についてお伝えしてきました。

では続いて、告訴期間についてお伝えしましょう。

告訴期間とは?時効とは違う?

告訴期間」というのをご存知ですか?

「告訴期間」とは、「親告罪について、告訴が有効にされる期間」のことをいいます。

侮辱罪や名誉棄損罪における外国の代表者などが行う告訴など一定の場合を除き、告訴権者が「犯人を知った日から6か月」が告訴期間となっています。

告訴期間の条文を見てみましょう。

親告罪の告訴は、犯人を知つた日から六箇月を経過したときは、これをすることができない。ただし、刑法第二百三十二条第二項の規定により外国の代表者が行う告訴及び日本国に派遣された外国の使節に対する同法第二百三十条又は第二百三十一条の罪につきその使節が行う告訴については、この限りでない。

例外はありますが、この告訴期間内に告訴がされなければ、親告罪は起訴されません。

この点から、告訴期間が時効とは違うのか疑問に思う方もいらっしゃるようです。

ですが、実は告訴期間と時効は違うものなのです!

間違えられやすいこの時効、正確には「公訴時効」といいます。

公訴時効とは「犯罪後一定期間が経過することにより刑事訴追が許されなくなる制度」をいいます。

この対象は親告罪に限られません。

公訴時効については、刑事訴訟法に規定があります。

1 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの(死刑に当たるものを除く。)については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。

一 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については三十年

二 長期二十年の懲役又は禁錮に当たる罪については二十年

三 前二号に掲げる罪以外の罪については十年

2 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。

一 死刑に当たる罪については二十五年

二 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年

三 長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年

四 長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年

五 長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年

六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年

七 拘留又は科料に当たる罪については一年

規定をみると、犯罪の刑罰によって時効が定められていますね。

「犯罪行為が終わってから」、これらの期間が経過すると、検察官は起訴をすることができません。

ちなみに

殺人や強盗致死など、人を死亡させて死刑にあたるものには、公訴時効がありません。

何年経っても、起訴され、刑罰を科される可能性があるということですね。

これらをまとめると、

親告罪と時効

① 「親告罪」で「告訴」があっても、「時効」が完成すれば起訴はされない。

③ 「親告罪」で「告訴」がなければ、「時効」が未完成でも起訴されない。

③ 「非親告罪」でも、「時効」が完成すれば起訴されることはない。

ということができますね。

以上が告訴期間と時効の違いでした。

親告罪における、告訴と時効の関係
告訴 時効 起訴の可能性
あり 成立 可能性なし
あり 不成立 可能性あり
なし 成立 可能性なし
なし 不成立 可能性なし

盗撮はどんな犯罪として逮捕される?

盗撮はどんな犯罪として逮捕される?

では、盗撮親告罪にあたるのかを考えていきましょう。

その前提として、盗撮とは何罪なのでしょう?

結論から言いますと、盗撮が当たりうる罪には3種類のものがあります。

盗撮をした場合、盗撮の方法や場所によって

迷惑防止条例違反

刑法の住居等侵入罪

軽犯罪法違反

のいずれかにあたる可能性があります。

ではそれぞれ簡単に見ていきましょう。

迷惑防止条例

まず各都道府県は独自に条例を制定しています。

公共の場所で盗撮をした場合、この条例違反になる可能性があります。

例として、東京都の条例で有罪になると、懲役、または罰金が課されます。

電車内で女性のスカートの中を盗撮したとして(略)、迷惑防止条例違反罪で水戸区検に略式起訴され(略)た。

刑法違反

また、盗撮をするために他人の自宅・マンションなどに不法侵入した場合、刑法の住居等侵入罪が同時に成立することがあります。

この罪も有罪となることで、懲役か罰金が科されることになります。

盗撮目的で(略)中学校に侵入したとして(略)建造物侵入の疑いで(略)地検に書類送致していた

軽犯罪法

最後に、「軽犯罪法」でも盗撮を禁止しています。

家のトイレや更衣室など、他人のプライベート空間を密かに覗き見ただけで、罪が成立します。

こちらは拘留か科料に処せられる可能性があります。

健康診断で女性の裸をスマートフォンで隠し撮りしたとして、大阪府警は(略)軽犯罪法違反(のぞき見)の疑いで書類送検し(略)た。

これをまとめると、以下のようになります。

盗撮を犯罪とする法律のまとめ
適用法令 条例(東京都の場合) 刑法 軽犯罪法
態様 公的場所での盗撮行為 住居や建造物に侵入する行為 私的空間ののぞき見行為
刑罰 1年以下の懲役か、100万円以下の罰金(常習は別) 3年以下の懲役か、10万円以下の罰金 拘留または科料

盗撮が何罪になり、どんな刑罰が処せられるのかは、以下の記事でも詳しくお伝えしています。

興味ある方はぜひご覧ください。

盗撮に関する迷惑防止条例違反、住居等侵入罪、軽犯罪法違反は親告罪なのか。

盗撮に関する迷惑防止条例違反、住居等侵入罪、軽犯罪法違反は親告罪なのか。

今見たように、盗撮は3つの罪にあたる可能性があります。

ですが、

① 迷惑防止条例違反

② 住居等侵入罪、

③ 軽犯罪法

の全てについて、親告罪の規定はありません。

よって

盗撮は親告罪ではありません

盗撮をしてしまった場合、告訴がなくとも起訴される可能性がある!

非親告罪でも、盗撮後に示談など、被害者対応をすることは大切!

非親告罪でも、盗撮後に示談など、被害者対応をすることは大切!

とはいえ、「告訴」は被害者の処罰を求める意思も含んでいました。

検察官が起訴の判断をする場合、被害者の処罰感情も考慮しています。

よって、「告訴」をされることで起訴される可能性は高まりますし、場合によっては刑の軽重に影響を及ぼす場合もあるでしょう。

重要

被害者の処罰感情も、刑事処分では重要な要素。

そのため、仮に告訴されてしまった場合は、示談をし告訴取り下げを狙う意味は依然として存在します。

確実に不起訴になるとはいえませんが、不起訴の可能性を高め、量刑にも影響を及ぼす可能性があると思われます。

他の親告罪について。

他の親告罪について。

親告罪の種類「一覧表」

盗撮は親告罪ではないということを知っていただけたと思います。

ではどんな犯罪が親告罪なのか?

刑法犯における親告罪一覧をご紹介します。

刑法に規定される親告罪

まず、刑法に規定される絶対的親告罪の一覧です。

絶対的親告罪の一覧
親告罪とする条文 罪名と条文
135 信書開封:133
秘密漏示:134
209 過失傷害罪:209
229 未成年者略取・誘拐:224
未成年者略取等の幇助としての、被略取者引渡し等罪:2271
上記二つの未遂罪:228
232 名誉棄損罪:230
侮辱罪:231
264 使用文書等毀棄罪:259
器物損壊等:261
信書隠匿:263

※2018年2月現在

つづいて、相対的親告罪を見ていきましょう。

ところで

「相対的親告罪」は犯人と被害者の間に一定の関係が必要とされています。

刑法では

相対的親告罪は、犯人と被害者が「配偶者、直系血族又は同居の親族」以外の親族の関係にある場合に親告罪とされる。

日本では民法725条で「親族」を「6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族」としています。

その中で、「配偶者、直系血族又は同居の親族」を除いた関係にあれば、親告罪となるのです。

参考に、日本における親族の表を掲載しておきます。

同居していない自分のいとこが被害者であれば親告罪ですが、配偶者のいとこが被害者であれば非親告罪になるということです。

では

このような相対的親告罪には、どのようなものがあるのでしょうか。

一覧にしてみましたので、ご覧ください。

相対的親告罪の一覧
親告罪とする条文 罪名と条文
2442 窃盗罪:235
不動産侵奪罪:235条の2
上記2つの未遂罪:243
251条で2442項を準用 詐欺罪:246
電子計算機使用詐欺:246条の2
背任罪:247
準詐欺罪:248
恐喝罪:249
上記5つの未遂罪:250
255条で2442項を準用 横領罪252
業務上横領253
遺失物横領罪:254

※2018年2月現在

財産犯が中心になっていますね。

以上が親告罪の一覧でした。

暴行・脅迫・傷害・有印私文書偽造など、親告罪と間違えそうな犯罪も多いですので、誤解がないようにご注意ください。

著作権や暴行、傷害強姦(強制性交等罪)など気になる犯罪と親告罪の関係。

なお、親告罪は昨今大きな変更がありました。

そこで、最後に非親告罪化についてお伝えしましょう。

たとえば、強姦罪強制わいせつ罪かつて親告罪でした。

しかし法改正により非親告罪となりました。

被害者が、告訴という重要な決断を迫られる負担

加害者からの報復をおそれ、公訴できず、凶悪な事件が不起訴になる。

といった点が考慮されたのです。

この2つの罪の非親告罪化については、以下の記事に詳細がありますので、ぜひご覧ください。

また、違法ダウンロードなど著作権関連も非親告罪化が話題になっています。

親告罪だと思っていても、ある日を境に非親告罪になることも。

そもそも犯罪を犯すべきではありませんが、非親告罪化のこれからにも注目していく必要があるでしょう。

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以上、盗撮と親告罪について見てきました。

盗撮は親告罪ではありませんでした。

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最後に一言アドバイス

いかがでしたでしょうか。

最後に岡野先生からひと言アドバイスをお願いします。

盗撮親告罪ではありませんが、示談による告訴の取り下げには意味があります。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

盗撮親告罪について考えてきました。

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それ以外にも関連記事をご用意いたしましたので、ぜひご覧になってみてください。

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