公然わいせつ罪で逮捕されるのはこんなケース!逮捕の流れとその後
公然わいせつ事件を起こしてしまった…!
現場では現行犯逮捕されなかったけど…
あとから警察がきて、後日逮捕される?
実際に逮捕されるのは、どんなケース?
逮捕されるとしたら、その後の流れはどんな感じ?
不安と疑問でいっぱいなことでしょう。
ご安心ください。
ここでは数多くの公然わいせつ事件を解決してこられたアトム法律事務所の弁護士をお呼びしました。
先生に聞きながら、公然わいせつ罪の逮捕について詳しく見ていきましょう。
【追記】「逮捕の流れ」が、わかりやすいように解説動画を作りました。逮捕から勾留、起訴の決定、そして裁判になった場合までの流れを解説しています。
目次
公然わいせつ罪と逮捕の関係
現行犯逮捕と後日逮捕(通常逮捕)の違いは?
公然わいせつ事件で逮捕されるケースについて、今回は考えてみたいと思います。
弁護士先生、今回は「逮捕」というのがテーマなんですが、公然わいせつ事件の逮捕って、どんなふうに行われるんですか?
公然わいせつ罪の逮捕には、大きく、①公然わいせつ罪の事件当日に逮捕される現行犯逮捕と、②公然わいせつ罪からしばらくした後に逮捕される後日逮捕(法律的には「通常逮捕」といいます)の二つのパターンがあります。
公然わいせつ罪の現行犯逮捕とは、公然わいせつ罪の当日に公然わいせつ事件の現場で逮捕されることをいいます。公然わいせつ事件が起こったその時その場所で目撃者など、現場近くにいた通行人によって逮捕されるのが一般的です。
現行犯逮捕された後は、公然わいせつ罪の行為者はそのまま警察署に連行されることになります。
これに対して、公然わいせつ罪の後日逮捕とは、公然わいせつ罪の逮捕状にもとづいて逮捕されることをいいます。公然わいせつ事件が起こった翌日以降に逮捕状をもった警察官によって逮捕されるのが一般的です。
公然わいせつ罪の逮捕状がいつ発行されるかは、公然わいせつ事件に対する捜査の進み具合によって異なります。
その場で逮捕になるときと、後日警察がやってきて逮捕になる場合があるってことなんですね。
その場で逮捕されるケースの方がイメージつきやすいですね。
まとめ
現行犯逮捕と後日逮捕(通常逮捕)の違いは?
現行犯逮捕 | 後日逮捕 | |
---|---|---|
逮捕の時期 | 犯行直後、犯行中 | 後日 |
逮捕状の要否 | 必要なし | 絶対に必要 |
逮捕者 | 主に被害者、目撃者 | 主に警察官 |
逮捕後 | 警察署に連行される | 警察署に連行される |
公然わいせつ罪で現行犯逮捕されるケースは?
どんな公然わいせつ事件が現行犯で逮捕されるんだろう。
先生、何か具体的な例はありますか?
公然わいせつ罪で現行犯逮捕されるケースは、公然わいせつ事件の目撃者が、まさに公然わいせつ事件が起こった現場で犯人を逮捕するケースが多いです。
目撃者や通行人だけでなく、現場に駆けつけた警察官によって現行犯逮捕されることも少なくありません。
また、公然わいせつ罪の行為態様として、複数回、常習的に行っている場合も、現行犯逮捕されるケースが多いです。
具体例その1
Aは下半身を露出した状態で公園内を散歩していたことで、巡回中の警察官に現行犯逮捕された。
具体例その2
Aは全裸で河川敷を歩いており,目撃者数によって現行犯逮捕された。
なるほど、そういう事例があるんですね。
目撃者の通報で警察が駆けつけるシーンは想像しやすいですね。
こういうのが現行犯逮捕っていうんですね。
公然わいせつ罪で後日逮捕(通常逮捕)されるケースは?
では、後日逮捕されるパターンは、どんなケースですか?
事件が発生した日から少しタイムラグがある場合だと思うんですが・・・先生、どうですか?
公然わいせつ罪で後日逮捕されるケースは、そう多くありません。しかし、公然わいせつで後日に逮捕されるケースとしては、公然わいせつ罪の行為者が公然わいせつ事件に関する証拠を隠滅する可能性が高い場合に行われると考えられます。
警察としても、軽微な公然わいせつ事件で、わざわざ裁判所に対して逮捕状を請求しないのが一般的です。
しかし、公然わいせつ罪の行為者が公然わいせつ事件に関する証拠を隠滅する可能性が高い場合には、公然わいせつ事件でも後日に逮捕されることがあります。
この点、公然わいせつ罪の容疑を不合理に否認している場合や、公然わいせつ事件の共犯者が多数存在する場合は、「証拠を隠滅する可能性が高い」として後日逮捕されるリスクが高まります。
具体例その1
Aは路上で公然わいせつを行った。しかしその後、多数の目撃者や明確な証拠があるにも関わらず、容疑を不合理に否認したため後日逮捕された。
具体例その2
Aはわいせつな行為を行うストリップショーを開催した。ショー内容を知りながら場所を貸した劇場の支配人等は口裏合わせや証拠を隠滅をしようとしたため共犯者として後日逮捕された。
公然わいせつ罪でも、いろんな事例があるんですね。
先生の解説を聞くと、「なるほど!」って思います。
まとめ
公然わいせつ罪で後日逮捕(通常逮捕)されるケースは?
後日逮捕されやすい | 後日逮捕されにくい | |
---|---|---|
証拠隠滅 | 隠滅の可能性が高い | 隠滅の可能性が低い |
認否 | 不合理に否認している | 自白している |
共犯者 | 共犯者が多数いる | 単独犯 |
公然わいせつ罪の逮捕に関するQA
逮捕されない公然わいせつ罪はある?
ところで、先生。公然わいせつ事件で、逮捕されずにすむケースもあるって聞いたんですけど。
そんなことって、あるんですか??
あります。すべての公然わいせつ罪の行為者が逮捕されるわけではありません。
公然わいせつ罪を犯してしまっても、公然わいせつ罪の行為態様が悪質でない場合は、逮捕されないケースも多いです。
もっとも、逮捕されない公然わいせつ罪の場合でも、在宅(ざいたく)のまま捜査や取り調べが行われることになります。
在宅事件の場合は、警察署の留置場で生活する必要はありません。自宅で生活することができます。
しかし、警察から呼び出しがあった場合は、その呼び出しに応じて自宅から警察署に出向き、公然わいせつ事件の捜査や取り調べに協力することが求められます。
こういうケースだと、日常生活への影響が少ないですね。
逮捕されると、もうそれだけでダメージを受けるから、それと比べると生活への影響が全然違いますね。
まとめ
逮捕されない公然わいせつ罪はある?
逮捕あり | 在宅捜査 | |
---|---|---|
事件の内容 | 悪質な公然わいせつ事件 | 悪質とまではいえない公然わいせつ事件 |
取調べ中 | 留置場で生活 | 自宅で生活 |
公然わいせつ罪の逮捕条件は?
公然わいせつ事件で逮捕されるときって、どんな場合か、もう一度整理してみよう。
先生、逮捕は大きく2パターンに分かれるんですよね?
それぞれの違いについて解説お願いします。
公然わいせつ罪の逮捕条件は、現行犯逮捕の場合と、後日逮捕(通常逮捕)の場合とで異なります。
現行犯逮捕の要件
公然わいせつ罪の現行犯逮捕は、基本的に、公然わいせつ事件を現に確認した者によってその現場で行われる必要があります。
現行犯逮捕できるのは、基本的にその時その場限りです。
公然わいせつ事件の現行犯逮捕は、目撃者や通行人、現場に駆けつけた警察官によって行われることが多いです。
後日逮捕の要件
公然わいせつ罪の後日逮捕は、裁判官が発行する逮捕状にもとづいて行われる必要があります。
逮捕状の発行を請求するのは、一般的に警察官です。
逮捕状の発行は、逮捕の理由と逮捕の必要性が認められる場合に限られます。
逮捕の理由とは、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」のことです。
逮捕の必要性とは、「被疑者が逃亡するおそれ」や「被疑者が罪証を隠滅するおそれ」があることです。
やっぱりこうして比べると、それぞれ逮捕の要件が違うことに気づきますね。
現場で逮捕になるのか、逮捕状がいるのかどうかも、大きな違いですね。
まとめ
公然わいせつ罪の逮捕条件は?
現行犯逮捕 | 後日逮捕 | |
---|---|---|
逮捕する人 | 犯行現場を目撃した人 | 逮捕状を持った警察官 |
逮捕の場所 | 犯行現場 | 限定なし |
逮捕の時期 | 犯行時、犯行直後 | 後日(逮捕状発行後) |
逮捕状の要否 | 不要 | 必要(※) |
公然わいせつ罪の逮捕の流れは?逮捕までの流れは?
公然わいせつ事件が発生してから逮捕されるまでって、どんな流れになるんだろう。
弁護士先生、事件発生から警察に連れて行かれるまでの流れを教えてください。
公然わいせつ罪の逮捕の流れは、大きく現行犯逮捕の場合と後日逮捕(通常逮捕)の場合に分けられます。
現行犯逮捕の流れ
公然わいせつ罪の現行犯逮捕の流れは、公然わいせつ事件の現場で公然わいせつ事件の直後に逮捕される点に特徴があります。
公然わいせつ事件の通行人や目撃者が行為者を直接逮捕するのが、公然わいせつ罪の現行犯逮捕です。
現行犯逮捕された後は、その場に通報を受けた警察官がやって来て、そのまま警察署に連行されることになります。
①公然わいせつ事件の発生
↓
②被害者や第三者による現行犯逮捕
↓
③警察署への連行
後日逮捕の流れ
公然わいせつ罪の後日逮捕の流れは、逮捕状をもった警察官に逮捕される点に特徴があります。
公然わいせつ事件の行為者を後日逮捕するためには、裁判所が発行する逮捕状にもとづく必要があります。
実際の後日逮捕の現場では、警察官が公然わいせつ事件の行為者に逮捕状を示して、逮捕状が執行されることになります。
①公然わいせつ事件の発生
↓
②警察官による逮捕状の請求
↓
③裁判官による逮捕状の発行
↓
④警察官による後日逮捕
↓
⑤警察署への連行
そうなんですね。やっぱり時間の流れも違ってくるんですね。
そもそも後日逮捕される場合だと、事件発生からどのくらいで逮捕になるか、それによっても手続きのスピードが変わりますよね。
まとめ
公然わいせつ罪の逮捕の流れは?逮捕までの流れは?
現行犯逮捕 | 後日逮捕 | |
---|---|---|
逮捕する人 | 主に被害者、目撃者 | 主に警察官 |
逮捕の場所 | 犯行現場 | 限定なし |
逮捕の時期 | 事件直後 | 後日 |
逮捕状 | なし | あり |
警察署への連行 | あり | あり |
公然わいせつ罪から後日逮捕されるまでの期間は?
では、ここで、後日逮捕されるまでにどのくらいの時間がかかるのか、専門家の先生に話を聞いてみたいと思います。
先生、「後日」って、事件発生からどのくらいの時間を指すのでしょうか?
後日逮捕されるまでの期間に、法律上の決まりはありません。
公然わいせつ罪を犯してから後日逮捕されるまでの期間は、捜査の進み具合によるところが多いです。
単純な公然わいせつ事件の場合
単純な公然わいせつ事件で捜査がスムーズに進む場合は、公然わいせつ事件から一か月以内に後日逮捕されるケースが多いです。
共犯者のいる公然わいせつ事件の場合
共犯者が複数人いる公然わいせつ事件で捜査に時間を要する場合などでは、後日逮捕までの期間が長引く傾向にあります。
特に、公然わいせつ事件の関係者が複数いるなどして捜査が難航しているケースでは、すぐに逮捕状を請求することができないので、後日逮捕までの期間が長引くことになります。
複雑な公然わいせつ事件で捜査が難航している場合は、公然わいせつ事件から半年後や一年後に後日逮捕されることも考えられます。
なるほど、捜査の進み具合によるっていうことは、なかなか読めないってことになりますね。
逮捕までどれだけ時間がかかるかを把握するのは難しいですね。
まとめ
公然わいせつ罪から後日逮捕されるまでの期間は?
早い逮捕 | 遅い逮捕 | |
---|---|---|
法律上の要件 | 法律上の決まりは特にない | 法律上の決まりは特にない |
一般的な場合 | 事件から一か月以内 | 事件から半年〜一年後 |
公然わいせつ罪で逮捕された後の拘束期間は?
逮捕されると、そのあとはどんな流れになるんだろう。
先生、逮捕後の流れを教えてください。
逮捕の期間
公然わいせつ罪の逮捕の期間は、72時間です。
公然わいせつ罪で逮捕されてから48時間以内に送致され、24時間以内に勾留が請求されなければ、基本的に釈放されます。
公然わいせつ罪での勾留が認められない限り、留置場で1~2泊して釈放されるというイメージになります。
拘留(勾留)の期間
公然わいせつ罪での勾留の期間は、最初は10日間、さらに10日間延長される可能性があり、公然わいせつ事件が起訴されればさらに長引くことになります。
一度勾留が決定されれば、弁護士が介入し途中で示談が成立するなどの特段の事情がない限り、最低でも10日間は警察署の留置場で生活しなければなりません。
その後、さらに10日間ほど勾留が延長される可能性があります。
さらに、公然わいせつ罪で起訴(公判請求)された場合は、その後に保釈が認められるか執行猶予判決が言い渡されるまで、ずっと留置場または拘置所で生活しなければなりません。
もし早期の釈放が必要な場合は、弁護士に積極的に動いてもらった方がよいでしょう。
弁護士が実質的被害者と示談を成立させたり、保釈を請求することで、比較的早く留置場から釈放されるケースも多いからです。
逮捕後の流れは細かく時間が決められているんですね。
捜査機関の側からすると、急がないとタイムオーバーになってしまいますね。
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ここまで、公然わいせつの逮捕について、弁護士の解説と共にお送りしました。
これで一般的なことはカバーできました。
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しかし、刑事事件の解決はスピードとタイミングが勝負です。
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まずはとにかく、弁護士に積極的にご相談ください。
まとめ
今回は、公然わいせつ罪と逮捕の関係について、専門家の先生に教えてもらいました。
意外に知らないことが多くて、とても勉強になりました!
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総まとめ
現行犯逮捕 | 後日逮捕 | |
---|---|---|
逮捕する人 | 主に被害者、目撃者 | 主に警察官 |
逮捕の時期 | 犯行直後、犯行中 | 後日(逮捕状発行後) |
逮捕の場所 | 犯行現場 | 限定なし |
逮捕状の要否 | 不要 | 必要 |
警察署への連行 | あり | あり |
取り調べ | 留置場から取調室に出頭 | 留置場から取調室に出頭 |
逮捕までの期間 | なし(その場で逮捕) | 事件により幅がある |