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刑事事件の示談|示談書の書き方や示談金相場を弁護士がレクチャー

  • 刑事事件,示談金

刑事事件示談は、むずかしいイメージがあります。

はじめてのことだと分からないことが多くて不安だと思います。

示談金もどのくらいになるのか気になります。

  • 刑事事件にもたらす示談の効果
  • 示談書の書き方を弁護士に聞く
  • 示談金相場を確認する

刑事事件の示談にまつわる疑問を探っていきたいと思います。

法律部分の解説者には、アトム法律事務所の弁護士にお越しいただいています。

示談とは?刑事事件にもたらす効果

示談の意味

刑事事件において、示談は被害者への対応のなかでも重要な対応の一つです。

そもそも示談はどのような意味を持っているのでしょうか。

示談の意味

当事者間の合意」によって民事上のトラブルを終結させること

示談は裁判所といった法的な手続きを利用せずに、当事者同士でトラブルを解決します。

示談は当事者同士で話し合うこともあれば、弁護士を通して話し合いをすすめることも多くなっています。

刑事事件、民事事件を問わず、示談はさまざまなシーンでトラブル解決の手段としてもちいられます。

示談は刑事事件の不起訴処分に影響する?

示談は刑事事件の不起訴処分に影響するってホントでしょうか。

示談は刑事事件の不起訴処分に影響するとの見解が多そうです。

そもそも、不起訴とはいったいどういう処分のことをいうのでしょうか。

不起訴とは

検察官が刑事事件を裁判にかけない判断にすること

一言に不起訴といっても、いくつか種類があります。

不起訴の種類
✔嫌疑なし
✔嫌疑不十分
✔起訴猶予

嫌疑なしや嫌疑不十分の場合は、犯罪とならなかったり、事件を立証する明確な証拠がないというケースです。

一方、十分な証拠がある場合でも、起訴猶予として不起訴を獲得できる可能性が残っています。

検察官が被疑者のさまざまな情状から総合的に判断します。

情状のなかには、示談が成立しているかどうかも重要視されるうちの一つです。

刑事事件を不起訴処分にするためには、つぎのような示談の条件が含まれていることがポイントとなります。

  • 被害回復の実現またはその見込み
  • 被害者の許し(宥恕)

被害の回復としては、示談金による回復が求められます。

被害者の許しは、被害者の本心から許していただけることが重要です。

とくに、器物損壊罪といった親告罪では告訴を取り消してもらえれば必ず不起訴になります。

示談なしの刑事事件とは?

ここまでは、刑事事件と示談の関係について解説してきました。

しかし、示談なしで対応しなければならない刑事事件があることをご存知でしょうか。

被害者がいないような刑事事件では、そもそも示談することができません。

被害者のいない刑事事件
✔覚醒剤・大麻といった薬物事件
✔銃刀法違反
✔公文書偽造罪
✔賭博
など

示談なしの場合、刑事事件の加害者はどのようにして反省の意を表せばいいのでしょうか。

被害者のいないような刑事事件をおこしたときは、「反省文」の作成が重要です。

作成した反省文は、検察官といった捜査機関に提出します。

反省文は、自分がおこした犯罪について十分に反省し、今後の再犯防止についての具体的な考えについて述べることが重要です。

刑事事件の反省文についてくわしくは、こちらの記事をごらんください。

弁護士に聞く。刑事事件の示談書の書き方

示談が刑事事件にあたえる影響についてみてきました。

刑事事件の示談書はどうやって作成するのでしょうか。

  • 示談の条件(内容)
  • 示談書の書き方

このような点を調査しています。

刑事事件の示談書に必要な条件

示談書を書くなら、まずどのような条件で示談するのか決める必要があります。

事件の内容・日付・金額など細かい点を記載することも重要なのですが…

つぎの点については、かならずおさえておいていただきたいと思います。

刑事事件の示談では、非常に重要になってきます。

示談の条件
  • 被害の回復またはその見込み
  • 被害者の許し(宥恕)
  • 清算条項

このような点が条件として記載されている必要があります。

被害の回復またはその見込みとは、言葉のとおり被害を示談金をもって回復に努めることです。

宥恕とは、被害者が加害者への処罰をのぞまないという気持ちを表す項目になります。

清算条項とは、示談書に書かれている条件以外に追加の請求をおこなわないという条件のことです。

このような内容がふくまれた示談が成立することで、

  • 不起訴
  • 勾留請求の阻止
  • 勾留延長の阻止

これらの可能性が高まります。

刑事事件の示談書「書式」を紹介

刑事事件における示談の条件で必要となる内容を解説してきました。

では、示談書は具体的にどのような書式で書けばいいのでしょうか。

示談書を作成したことがないと、どのようなものかさえも分からないと思います。

示談書は決まった書式やテンプレートはありません。

つぎのような項目が分かりやすく記載されていればよいです。

示談書に必要な項目
✔示談をする対象事件の内容
✔示談の条件
✔示談金の金額
✔日付
✔当事者双方のサイン

このような内容を示談書に記載することが大切です。

示談の締結では、将来的な事件の蒸し返しを防ぐためにも法的リスクのないような示談書の作成が求められます。

示談作成をふくむ示談交渉については、刑事事件での示談交渉の経験がある弁護士に依頼することをおすすめします。

被害者によっては、加害者本人と連絡をとりたくないと思われる方もいらっしゃいます。

間に弁護士が入ることで、弁護士かぎりならばと連絡先を教えてくださることもあります。

示談の流れ

弁護士による示談交渉の流れはこのとおりです。

示談金相場を刑事事件別にチェック

ここからは、刑事事件別に示談金相場をチェックしていきたいと思います。

とくに、関心の高い交通事故・傷害事件・窃盗事件をピックアップして紹介していきます。

事例①交通事故の示談金相場

一つ目の示談金の事例は、交通事故のケースです。

事例①-1

交通事故

事件の概要
対向車の有無を確認すべき義務をおこたり、県営バスを追い越そうとしたところ対向車線を走行中の幼稚園のバスに接触し、幼稚園バスに乗車していた教師2人に傷害を負わせた
刑事処分
不起訴
示談金
10万円※

※被害者2人にそれぞれ5万円ずつ

追い越し中に、対向車線から来たバスに接触したという交通事故です。

示談金は、合計で「10万円」支払われています。

任意保険には加入していたが、保険とは別に被害者2人に5万円ずつ支払ったというケースのようです。

刑事処分は不起訴とのことです。

事例①-2

交通事故

事件の概要
夜間、大型バイクで交通整理のおこなわれていない交差点を直進しようとしたところ、横断歩道を歩行しようとした被害者に気づかず衝突して転倒させ、症状固定まで約1年を要する傷害をおわせた
刑事処分
禁固18月、執行猶予3
示談金
30万円

信号のない横断歩道で、被害者に衝突したという交通事故です。

示談金は、「30万円」支払われています。

任意保険には加入しており、保険会社から約1500万円の治療費を支払っているとのことです。

刑事処分は禁固1年8月、執行猶予3年とのことです。

事例①-3

交通事故

事件の概要
交通整理のおこなわれていない交差点で、軽トラックが自転車が衝突し、そのまま被害者を巻き込んだまま十数メートルちかくすすみ、加療約1ケ月を要する傷害を負わせた
刑事処分
罰金20万円
示談金
1657000

交通整理のない交差点で、軽トラックと自転車が衝突したという交通事故です。

示談金は、「165万7000円」支払われています。

示談金とは別に、入院費用の一部や雑費など約140万円強の支払いも支払ったようです。

刑事処分は罰金20万円とのことです。

事例②傷害罪の示談金相場

二つ目の示談金の事例は、傷害罪のケースです。

事例②-1

傷害罪

事件の概要
被害者が杖で車をたたいたことに対する反撃として、被害者を殴り傷害を負わせた
刑事処分
不起訴
示談金
10万円

交通トラブルの末に起きた傷害事件です。

示談金は、「10万円」支払われています。

刑事処分は不起訴とのことです。

事例②-2

傷害罪

事件の概要
電車内での口論から、被害者の顔面を殴打したりするなどして、傷害を負わせた
刑事処分
罰金10万円
示談金
50万円

電車内でおきたケンカによる傷害事件です。

示談金は、「50万円」支払われています。

刑事処分は罰金10万円とのことです。

事例②-3

傷害罪

事件の概要
スーパーで自身の前に並んでいる女性が抱っこしていた乳児の足をさわってあやそうとして、傷害をおわせた
刑事処分
不起訴
示談金
70万円

赤ちゃんをあやそうとして怪我をさせたという傷害事件です。

示談金は、「70万円」支払われています。

刑事処分は不起訴とのことです。

事例③窃盗罪の示談金相場

三つ目の示談金の事例は、窃盗罪のケースです。

事例③-1

窃盗罪

事件の概要
酒に酔った状態で、デパートの前にいた被害者がもつかばんをひったくって盗もうとしたが抵抗されたためその目的を遂げなかった窃盗未遂事件
刑事処分
不起訴
示談金
3万円

ひったくりの未遂事件です。

示談金は、「3万円」支払われています。

刑事処分は不起訴とのことです。

事例③-2

窃盗罪

事件の概要
コンビニで150円のおにぎり1個を盗んだ窃盗事件
刑事処分
罰金30万円
示談金
105000

コンビニでおきた万引き事件です。

示談金は、「10万5000円」支払われています。

刑事処分は罰金30万円とのことです。

事例③-3

窃盗罪

事件の概要
元職場のセキュリティーカードを使って店内に侵入し、現金20万円を盗んだ窃盗事件
刑事処分
不起訴
示談金
200万円

元職場に侵入して現金を盗んだという窃盗事件です。

示談金は、「200万円」支払われています。

刑事処分は不起訴とのことです。

刑事事件の示談金相場をもっと知りたい方

交通事故、傷害罪、窃盗罪の3つの刑事事件についての示談金を紹介してきました。

このほかの刑事事件での示談金についても気になると思います。

そんなときは、こちらをご利用ください。

実際にあった刑事事件で支払われた示談金を紹介しています。

交通事故だから〇〇円、傷害事件だから△△円というふうに、示談金には決まった金額はありません。

ですが、実際の示談金がどのくらいなのか参考にしておくことはとても大切です。

お困りの刑事事件での示談金について調べるなら、こちらからどうぞ。

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最後に一言アドバイス

最後に一言、弁護士からアドバイスをいただきます。

刑事事件の示談は、被害者の方から示談自体を拒否されることがしばしばあります。

拒否される理由はさまざまですが、適正な示談金の金額が分からないということも理由のうちのひとつです。

弁護士であれば、判例を基準とした適正な示談金を提示することが可能です。

示談が成立しても、刑事事件はかならず不起訴で終わるというわけではありません。

しかし、謝罪や反省を表現するためには示談は欠かせません。

刑事事件を早期に解決させるためには、弁護士のアドバイスをもとに示談交渉をおこなうことをおすすめします。

まとめ

刑事事件の示談について解説をすすめてきました。

示談の基本的なことはお伝えしてきましたが、示談は刑事事件ひとつひとつ丁寧な対応が求められます。

法律のエキスパートである弁護士に相談するのがおすすめです。

これらを使って、今すぐ弁護士とつながりましょう。

関連記事では、示談についての記事も用意しています。

あわせてご覧ください。