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「国選弁護人は使えない」の真実にせまる|私選弁護人との制度の違い

  • 国選弁護人,使えない

「国選弁護人は使えない」の真実にせまる|私選弁護人との制度の違い

国選弁護人が使えない」

このような話を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。

使えないやる気がない頼りない

このような国選に対する評価は正しいものなのでしょうか。

国選弁護人を選任予定だけど、どのくらい熱心に取り組んでくれるもの?

国選弁護人を選任中だけど、やる気が見えなくて心配…

このようなお悩みを解決すべく、徹底的に国選について調査してきました。

本日は、「国選弁護人が使えないの真実にせまる~私選弁護人の違い~」と題してお送りします。

弁護士との接点がなければ、分からないことだらけだと思います。

たとえあったとしても、深いところまで知ることはむずかしいですよね。

国選弁護人への不満満足をチェック

国選弁護人の制度とは

国選弁護人から私選弁護人へ切り替えるなら

このようなポイントにしぼって解説していきます。

国選・私選の差をきちんと理解したうえで、どちらの弁護士にお願いするか決めたいところです。

さて、本日は法律の専門的な解説を弁護士にお願いしています。

刑事事件を多くあつかう、アトム法律事務所の弁護士です。

よろしくお願いします。

弁護士と接点をもつタイミングは、そう多くはないと思います。

なかなか知ることができない点も、触れていきたいと思います。

国選弁護人については疑問だらけだと思います。

国選の基本的なことから学べる内容になっているので安心してご覧ください。

それでは、さっそくスタートします!

国選弁護人・私選弁護人、それぞれのやる気の違いはいかに

国選弁護人は、「国選」とつくからには国の制度であることは想像できると思います。

ですが、一般的に公的なサービスはやる気がないという印象を持たれがちだと思います。

みなさんはどうでしょうか。

だからといって、国選弁護人のすべてがやる気がないと決めつけるのはよくないですよね。

そこで…

いまから、みなさんの生の声をみていきたいと思います!

国選弁護人への不満から、私選弁護人との違いをみつけることができるでしょうか。

さっそく、インターネットの書き込みを拾ってきたので紹介します。

国選弁護人にこんな不満をもっていた!やる気がない・役に立たないの真相

ちょっとネット検索するだけでたくさんの不満が見つかりました…

そのなかから、ピックアップして紹介します。

まずは、こちらの書き込みから。

私の先輩が詐欺で逮捕され裁判になりました。オークション詐欺です。先輩は色々と調べてもらいたい、主張してもらいたいことがあるのですが、国選弁護士がこれは難しいと言って何もしてくれません。

(略)

納得のいく弁護活動を得られていないようです。

「国選」だから何もしてくれないという書きぶりですが、ほんとうにそうでしょうか。

ポイントを整理してみましょう。

「これは難しい」発言に至った理由が、国選だからとは限らない

このような発言をしたのは、国選だからとは限らない

私選であっても、むずかしい内容の事件かもしれない

「国選」弁護人という点だけに目が行きがちですが、本質はほかのところにあるかもしれません。

いずれにしても、片方の意見だけからは全貌をみることができません。

つぎは、「国選で満足した!」という意見もみていくことにしましょう。

国選弁護士はやる気がないという考えはステレオタイプ?

国選弁護人の不満がたくさんありました。

同じように、満足だという意見はあるのでしょうか。

国選弁護人への感謝の意見もあった!やる気のある弁護人もいる

まずは、こちらの書き込みからです。

国選弁護士にお礼をした方が良いでしょうか?、それとも何もしない方良いのでしょうか?

親としては感謝の気持ちを伝えたいのですが,,,,。

親御さんの書き込みのようです。

納得のいく弁護活動となったようで、国選弁護人へのお礼を検討されています。

ですが、ここで1点注意すべきポイントがあります。

注意すべきポイント

国選弁護人はお礼・謝礼を受けとることが禁止されています。

日本弁護士連合会(日弁連)が、国選弁護人について厳しいルールを要求しています。

弁護士は、国選弁護人に選任された事件について、名目のいかんを問わず、被告人その他の関係者から報酬その他の対価を受領してはならない。

国選弁護人にとっても、お礼に関しては注意しておきたいポイントのようですね。

国選弁護人へのお礼は、言葉で伝えるにとどめておきましょう。

たまたま担当してくれた国選弁護人が最後まで尽力してくれたからと言って、お礼・謝礼を渡してはいけません。

一般的にはあまり知られていないことかもしれませんが、この点は注意しておきましょう。

さて、国選弁護人に対する不満や満足の声はSNSなどネットを通しても様々見受けられます。

これらを通して、当編集部では、つぎのような点に着目すべきだという結論に至りました。

国選か私選かは、満足度という点からみると筋違い?

それぞれの弁護人の力量、人柄によるものが大きい?

経験値の大きさが影響する?

それではつぎに、「制度」の観点から、国選弁護人制度の裏側をのぞいてみたいと思います。

国選弁護人はやる気がないとされるワケ、制度を深堀り

ここからは、国選弁護人がやる気がないと評価されてしまうワケを探っていきます。

国選弁護人の制度についての解説です。

やる気がない、といわれる要因はいったいどこにあるのでしょうか。

①国選弁護人の費用(報酬)の出所は

国選弁護人制度は、弁護される方に弁護人から費用を請求されることはありません。

弁護人は、法テラスに費用を請求するのです。

法テラスとは何でしょうか…?

国によって設立された法的トラブル解決のための「総合案内所」です。

このような機関があるのですね。

国選に対して支払われる報酬の出所は、国の費用からということになります。

その一方、私選弁護人は依頼者に対して費用を請求します。

私選の報酬基準は、弁護人がそれぞれ自由に設定することができます。

したがって、得られる報酬は国選・私選との間で、金額に差がでることになるでしょう。

一般的に、私選のほうが報酬が高くなります。

国選の報酬例を紹介します。

国選の報酬例

万引き事件

 約20万円

わいせつ事件

 約20万円

薬物事件

 約30万円

※交通費などの実費は、別途請求されます。

傾向としては、私選の報酬が高くなるのが一般的です。

報酬が高額なほうが、仕事へのモチベーションが高くなるはずと思われるのは当然かもしれません。

この考えを裏返すと、報酬が低額なら、仕事へのモチベーションが低いはずと思われるのも当然かもしれませんね。

しかしながら、報酬以外にもやりがいを持って取り組む弁護人はたくさんいます。

ですので、報酬が高ければ高いほど、それに比例してやる気があるかと言われればそうでもないかもしれません。

国選・私選の報酬についての違いをまとめたので、チェックしておきましょう。

比べる

国選と私選の報酬(弁護士費用)

国選弁護人私選弁護人
弁護人自身が弁護士費用を決めうるか不可
誰に対して費用を請求するか法テラス依頼者

②国選弁護人に得意・不得意があるのは当然

(1)〇〇罪、はじめてです

国選弁護人制度を利用するには、一定の条件を満たしている必要があります。

国選弁護人制度は、2種類の弁護人が存在します。

被疑者国選(起訴前)

被告人国選(起訴後)

今回は、被疑者国選の条件で解説していきます。

国選弁護人制度については、刑事訴訟法にて規定されています。

条文をみてみましょう。

被疑者に対して勾留状が発せられている場合において、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判官は、その請求により、被疑者のため弁護人を付さなければならない。ただし、被疑者以外の者が選任した弁護人がある場合又は被疑者が釈放された場合は、この限りでない。

被疑者国選を選任できる条件をまとめます。

被疑者国選を利用できる条件

被疑者勾留中

資力が50万円未満

資力というのは、銀行口座などに預けているお金だけをさすのでしょうか?

資力は預貯金だけで評価されません。

そのほかに、不動産なども含むことを覚えておきましょう。

裁判所が弁護人を選任するのが、国選弁護人制度です。

制度利用者が、自分で弁護人を選ぶことはできません。

とすれば…

かならずしも、お困りのケースを得意分野とする弁護人が選任される訳ではありません。

つまり、いくら長い弁護士歴があったとしても、このような事件がはじめてであることも少なくありません。

弁護人の種類について、もう一度まとめておきます。

まとめ

弁護人の種類

被疑者国選私選弁護人
選任する主体裁判所個人
選任するタイミング被疑者勾留中いつでも可*
*逮捕前の段階でも選任可能です。

(2)逮捕ケースはじめてです

どんな法律問題でもくわしいのが弁護士だと、一般的には思われていると思います。

ですが、法律といえどその分野は多岐にわたります。

オールマイティな弁護士ももちろん存在します。

しかしながら、ある一定の分野にしぼって活動する弁護士がほとんどです。

分野をしぼる分、よりその分野に精通するという点もポイントです。

よく、弁護士は医者に例えられることがあります。

外科・内科・眼科・皮膚科…

総合病院では多くの科がまとめられています。

弁護士の世界も同様に、こまかく取り扱う分野が分かれていることが多いです。

弁護士の得意分野は、さまざまです。

離婚問題を得意とする弁護士

労働問題を多くあつかう弁護士

クレジットサラ金問題の実績がある弁護士

このような分野は、いわゆる民事事件です。

国選弁護人制度を利用できるのは、刑事事件のみです。

刑事事件をあつかっている弁護士だからといっても、一括りにはできません。

刑事事件は、さらに細かくケースが分かれます。

痴漢事件

暴行事件

薬物事件

刑事事件といえど、多様な事件があります。

得意とする分野かどうかは、弁護活動にも影響がでると考えられます。

国選弁護人が使えないと嘆く前に…試してほしい3つのこと

①国選弁護人とコミュニケーションをとる

選任中の国選弁護人が連絡をくれず、不安な日々をお過ごしでしょうか。

そんなときは、連絡がくるのを待つだけでなく、自ら行動に移しましょう。

ご家族の方から積極的に、弁護人に連絡する。

簡単なことですが、意外とできていない方が多いように思います。

弁護士とのやり取りが、なんだかむずかしそうで不安だという方もいらっしゃいます。

ですが、弁護士も普通の人間です。

お互いコミュニケーションをとりながら、弁護活動を進めていきたいですね。

②国選弁護人以外から意見を求める、セカンドオピニオン

弁護プランに疑問をもったら、ほかの弁護士から意見を求めることも大切です。

弁護士のセカンドオピニオンが浸透してきています。

病気になった時、セカンドオピニオンによって病名が判明したという事例がたくさんあると思います。

他の弁護士による見立てで、新たな解決の道が開けることもあるかもしれません。

また、複数の弁護士から同じプランを提案されるのなら安心して、そのプランに従うことができると思います。

複数の弁護士に意見を求めることで、総合的に判断したいですね。

無料相談を行う弁護士もいるので、このような機会を活用して弁護士に相談してみましょう。

③私選弁護人の初回接見を活用した、セカンドオピニオン

セカンドオピニオンとして、「初回接見」を使う手段を紹介します。

初回接見サービス

身体が拘束されている人のもとに、弁護士が自ら出向いて法律相談にのるサービスです。

取り調べのときどのように振舞えばいいのか、アドバイスをくれたりします。

初回接見は、初回1回かぎりの接見契約になります。

初回接見を行っているかどうかは、法律事務所によって異なります。

希望する場合は、事前に各法律事務所に問い合わせておきましょう。

国選弁護人を選任中でも、初回接見は利用可能です。

初回接見を利用しても、その弁護士にかならず依頼しないといけないわけではありません。

初回接見を使った後、国選をそのまま継続することもできます。

私選弁護人をお考えなら、まずは初回接見を試してみてはいかがでしょうか。

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ちなみに問合せは、全国対応で受け付けているとのこと。

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最後に一言

国選の真相にせまるこちらの記事も最終局面を迎えました。

最後に、アトム法律事務所の弁護士から一言いただきたいと思います。

刑事事件の弁護活動で重要なことは…

スピーディな対応であることです。

刑事手続きに、うかうかしている余裕はありません。

事件の早期解決を望むなら、早い段階からの対応が必要不可欠です。

早期解決のために、頼りになる弁護士にいち早く相談してください。

そして、小さなことでも分からないことがあれば質問するようにしましょう。

まとめ

「国選弁護人が使えないの真実にせまる~私選弁護人の違い~」をテーマにお送りしてきました。

国選と私選の違いについて、理解を深めることができたでしょうか。

この記事を通して、あなたの不安が少しでも解消されたのなら幸いです。

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国選弁護人について関連記事も用意していますので、こちらもあわせてどうぞ。