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刑事事件が報道される基準とは?|報道されない方法も解説

  • 刑事事件,報道

刑事事件が報道される基準とは?|報道されない方法も解説

ご自身やご家族が刑事事件で逮捕されてしまったら…

マスコミに実名報道されてしまう?

という点が心配になるかもしれません。

  • 刑事事件を起こすと絶対報道される?
  • 実名報道される基準は?
  • 実名報道を回避する方法は?

など、今すぐに知りたい情報を特集していきます。

専門的な解説は弁護士の先生にお願いします。

身近な方が刑事事件の加害者になった際、事件が報道されてしまうか否かは非常に気になる点です。

もし、事件で実名報道されてしまうと今後の生活に支障をきたすこともあります。

刑事事件と報道の関係について解説していきます。

刑事事件で警察に逮捕された!刑事事件が報道される基準は?

家族が刑事事件を起こし逮捕されてしまった…

一番に頭をよぎるのは「マスコミ報道されてしまう?」という不安ですよね。

刑事事件を起こすと必ずマスコミに報道されてしまうのでしょうか。

警察が事件を報道する基準や、実名報道・匿名報道の違いについてみていきましょう。

警察が刑事事件を公表する基準は?

毎日、全国でさまざまな刑事事件が起こっていますよね。

しかし、全てが報道されているわけではありません。

自分が起こしてしまった刑事事件が報道されてしまうのかどうかは非常に重要です。

警察が刑事事件を公表するのは何か基準があるのでしょうか。

公表について、明確な基準があるわけではありません。

社会的に関心が高まる事件は報道される可能性が高いといえます。

法律で基準が定められているわけではないのですね。

ご自身やご家族が起こした刑事事件が報道されてしまうと今後の生活にも支障がでそうです。

実名報道と匿名報道の基準は?報道規制される基準は?

警察が事件をマスコミに公表し、マスコミ報道されるかの明確なルールは定められていないとわかりました。

次は、実名報道と匿名報道についてみていきましょう。

実名報道と匿名報道の基準はニュースをみていて疑問に思う点ですよね。

しかし、無作為に選ばれた事件が実名報道されているわけではありません。

実名報道されやすいおおよその基準は存在します。

実名報道の可能性が高い場合と、低い(無い)場合をみてみましょう。

実名報道されやすい事件
  • 加害者が公務員など公的な側面を持つ職業である
  • 加害者が芸能人・アスリートなど著名人である

加害者が社会的に地位の高い人物であったり、有名人であれば報道されてしまう可能性が高いです。

つぎは、実名報道される可能性が低い、またはされない場合です。

実名報道されにくい事件
  • 加害者が未成年である
  • 加害者が一般人で比較的軽微な刑事事件である
  • 事件に特殊性がなく社会的注目も集まらないと予想される事件

例外はありますが、以上のようなことが考慮されマスコミ報道されています。

各項目をくわしくみてみましょう。

公務員であるか民間企業の会社員か

まずは、加害者が「公務員であるか」「民間企業の会社員」であるかの問題です。

ニュースでは、公務員など公的な立場の職業に就いている方の名前を見かけることが多い気がします。

公務員と民間企業の会社員が起こした「盗撮事件」を2つみてみましょう。

北海道警せたな署は1日、勤務先の中学校の女子トイレに侵入し、カメラを設置して盗撮したとして、建造物侵入と道迷惑行為防止条例違反の疑いで、今金町神丘の教諭(略)容疑者(略)を逮捕した。(略)

こちらの公務員が起こした盗撮事件は実名報道されていますね。

続いて、会社員が起こした盗撮のニュースです。

兵庫県警人身安全対策課と姫路署は14日、ストーカー規制法違反と県迷惑防止条例違反の疑いで、姫路市西中島の会社員の男(23)を再逮捕した。(略)

会社員が起こした盗撮事件のニュースでは実名は報道されていません。

どちらも同じ盗撮事件ですが、実名か匿名かで報道に差がありますね。

公的な側面を有する「公務員や教師、医師、専門士業、大手会社員」などは実名報道されやすいです。

民間企業に努めている会社員の事件は報道されていない場合もあります。

しかし、民間企業であっても大手企業の社員であれば報道される可能性は高くなるようです。

芸能人などの著名人であるか

報道されるか否かは加害者の立ち位置によっても大きく変わります。

芸能人の「万引き」や「大麻」など、一般人では報道されないような事件でも報道されていることがありますよね。

芸能人・スポーツ選手などの著名人であればやはり、報道されやすいのでしょうか。

芸能人やスポーツ選手などの分野に従事している場合、マスコミに報道されやすいようです。

著名人などの場合には、マスコミ報道から警察に情報が行き、刑事事件化することも多くあります。

できる限り早い段階で示談が成立すればするほど、マスコミに事件を報道されない可能性が高くなると考えられます。

一般人の大麻所持などのニュースが報道されることは少ないです。

しかし、芸能人の大麻所持などのニュースは大きく報道されることが多いですよね。

成人しているか未成年であるか

事件の犯人が成人であるか未成年であるかも報道の有無にかかわってくるのでしょうか。

未成年が起こした刑事事件が、実名報道されているケースはあまり見かけない気がしますね。

未成年が起こした事件が報道されないわけではありません。

未成年が起こした事件であっても、重大な事件は報道されます。

しかし、未成年の事件は実名報道されないケースがほとんどです。

当該事件の「本人を推知」できるような記事は、少年法61条によって報道が規制されています。

ただし、一部の重大事件においては「報道機関の判断」で、実名報道される場合もあります。

やはり、未成年の事件は実名報道されないのですね。

少年法61条も確認しておきましょう。

家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。

未成年の報道については上記のように定められています。

未成年でも例外で実名報道されることが考えられるケースは以下の通りです。

実名報道されやすい少年事件
  1. ① 社会的影響力の大きな重大犯罪で、少年の保護よりも社会的な利益を保護すべき場合
  2. ② 重大犯罪を犯した少年が逃走中で、さらに凶悪な事件が起こされる可能性が高い場合
  3. ③ 重大犯罪を犯した少年が逃走中で、指名手配などの捜査に協力する必要性が高い場合

このように、社会的に影響のある事件であったり、少年が逃走中である場合は稀に報道されることもあるようです。

犯罪の種類によって報道の基準が違う?

窃盗・傷害・痴漢・殺人…刑事事件には様々な種類がありますよね。

犯罪の種類によって報道のされやすさが変わることはあるのでしょうか。

裁判員裁判になるような「殺人事件」や「強盗致傷事件」など、重大事件は実名報道される場合が多いです。

これらの事件は特に公共の利害に関する事実といえるためです。

確かに、「コンビニでガム一個を万引きした事件」などまで報道していたらキリがありません。

しかし、先ほどわかったように芸能人などの著名人は軽微な犯罪でも報道される可能性が高いです。

また、公務員や大手会社員などは軽微な窃盗事件などでも報道される可能性があります。

なお、犯罪ごとの報道については、痴漢は『痴漢で逮捕!実名報道されてしまう?新聞に載る可能性は?報道される基準を知る』で、盗撮は『盗撮で逮捕されたら実名報道される?|不起訴や略式起訴の場合は?』で詳しく解説しているので、興味がある方は見てみてくださいね。

【対処法3選】事件を報道されたくない!刑事事件で実名報道を回避するには?

ここまでで、刑事事件の報道の基準についてさまざまなことがわかりましたね。

ご自身やご家族が起こした刑事事件がもし報道されてしまったら今後の生活が心配になります。

刑事事件を報道されないための対処法を3つご紹介します。

  1. ① すぐに弁護士を選任する
  2. ② 逮捕される前に被害者側と示談する
  3. ③ 不起訴獲得を目指す

以上3つがマスコミ報道を回避するために考えられる手段です。

こちらの3つの行動をとったからといって必ず報道を回避できるわけではありません。

しかし、報道されない確率を高くするためにとるべき行動でもあります。

各項目をくわしくみていきましょう。

①すぐに弁護士を選任する

ご自身やご家族が刑事事件の加害者になってしまったら…

真っ先に、弁護士への依頼を検討しましょう!

弁護士はみなさんの心強い味方です。

迅速な弁護士の選任が事件解決につながることもあります。

しかし、刑事事件を依頼するのはどんな弁護士でもよいわけではありません。

以下の点に留意して弁護士探しをしましょう。

弁護士選任の際に注意すべき点
✔刑事事件に注力している事務所か
✔過去に依頼したい事件の解決実績はあるか
✔無料相談を行っているか
✔弁護士費用は明瞭か

弁護士を選任するのは早ければ早い程よいです。

迅速に弁護士を選任することで、弁護人ができる弁護活動の幅も広がります。

お一人で悩んでいるのは非常に心細いと思います。

ご自身やご家族が刑事事件の加害者になってしまったらまずは弁護士に相談してみましょう。

②逮捕前に被害者側と示談する

マスコミ報道を回避できる対処法として、被害者側と示談するといった方法も挙げられます。

起こしたトラブルが、事件化しなければマスコミに事件が発覚することはありません。

実際に、事件の加害者になってしまった場合は被害者側と示談することをオススメします。

マスコミに報道されないためには、事件を早急に終息させることが重要といえます。

警察介入前に示談が成立すれば、トラブルが刑事事件化する可能性は限りなく低くなります。

さらに、被害届が出されず、警察介入前に事件が解決すれば刑事裁判が開かれないので前科は付きません。

民間の会社員などが起こした刑事事件なら、警察介入前に解決すればマスコミ報道されることもまずないでしょう。

刑事事件の当事者になった場合はなるべく早く被害者と示談をして、事件を解決することが大切です。

また、示談交渉は自ら行うことも可能ですがスムーズに締結するのは非常に困難です。

弁護士に示談を依頼する事でたくさんのメリットがあります。

弁護士に依頼するメリット
  1. ① 被害者の連絡先が入手しやすくなる(弁護士限りで)
  2. ② 示談の成功率がアップする
  3. ③ 間違いのない示談書作成ができる

弁護士に依頼する方が示談交渉もスムーズに進みそうです。

示談書なども、記載するべき事項や注意点がたくさんあり、ご自身だけで作成するとミスしやすいです。

示談は事件の結果にも大きく影響するので、弁護士に依頼することをオススメします。

痴漢の示談については以下の記事も参考にご覧ください。

③不起訴獲得を目指す

被害届がだされ、事件化してしまった場合は不起訴獲得を目指します。

しかし、タイミングによっては起訴・不起訴の処分までに報道されてしまう場合もあります。

不起訴までのプロセスの中で、

  • 逮捕時に報道される可能性
  • 書類送検のタイミングで報道される可能性

があるからです。

不起訴になれば報道されない、というわけではありません。

もっとも、起訴され、刑事裁判となる場合に比べれば、不起訴を獲得すれば報道の可能性は低くなるといえます。

また、報道されたとしても今後の生活を考慮し、不起訴獲得を目指すべきだと言えます。

起訴・不起訴の判断時にすでに報道されてしまっている場合もあります。

しかし、まだ報道されていない状態なら不起訴を獲得したことで事件が報道されない場合もあります。

事件が発覚し、逮捕されてしまった場合は不起訴獲得を目指しましょう。

【Q&A】刑事事件についての報道のギモン

Q1.報道されたことを名誉棄損で訴えられる?

前科がつくのは、刑事裁判で有罪が確定してからです。

日本では「推定無罪」の基本原則があります。

つまり、「有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」ということです。

しかし、世間やマスコミ・ネット上では「逮捕=犯罪者」という認識を持たれてしまうことが多いです。

一度、事件がマスコミ報道されてしまうと「犯罪者」というレッテルを貼られてしまう危険があります。

たとえその後に「不起訴」や「無罪」を獲得しても、世間やネットに広まったイメージを拭うのは困難です。

実名報道されてしまうと職場や学校、結婚など「社会生活上の様々な場面」で、事実上の不利益を被る可能性があります。

報道したマスコミを名誉棄損で訴えることはできないのでしょうか。

犯罪に関する報道は、一般的に「公益の目的にもとづく公共の利害に関する事実」の報道と考えられています。

なお、刑法第230条の2第2項では、

「公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす」

と規定されています。

そのため、逮捕の事実を実名で報道しても名誉棄損が成立しないことが多いです。

犯罪に関する報道は名誉棄損に当たらないのですね。

事件にもよりますが、逮捕の時点で名前が公表されることもあるようです。

Q2.報道される交通事故とは?

交通事故は全国で毎日たくさん起こっていますよね。

それらすべてが報道されているわけではありません。

比較的軽微な交通事故でも大きくマスコミに取り上げられることだってあります。

交通事故は全国で毎日発生していますが、当然、そのすべてが報道されているわけではありません。

報道される交通事故はどんな基準で決められているのでしょうか。

交通事故が報道されるかどうかについても明確な基準は定められていません。

  • 話題性
  • 重大性
  • 公共性

などを総合的に考慮して、報道するかどうかを判断しているようです。

小規模の事故でも報道されたり、死亡事故でも報道されなかったりしますよね。

交通事故も明確に報道の基準が決まっているわけではないのですね。

  • 芸能人・スポーツ選手が起こした交通事故
  • 話題のスマホゲームによるながら運転による交通事故

など、話題性の高い交通事故は報道される可能性が高いといえます。

Q3.報道されるタイミングは?

痴漢事件を起こしてしまったあと、いつ実名が報道されてしまうのか心配ですよね。

実名報道は一体どんなタイミングでされるのでしょうか。

逮捕直後、すぐにニュースになるのでしょうか。

明確に実名報道されるタイミングが決まっているわけではありません。

ですが、

  • 逮捕された翌日・翌々日
  • 起訴された直後

などのタイミングで実名報道されることが多いといえます。

実名報道されるタイミングに明確な決まりはないようです。

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いつまでもそんな状態でいるわけにはいきません。

事件後すぐに弁護士に相談することをお勧めします。

こちらでは、

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お一人で悩まずにまずは弁護士に相談してみましょう。

最後に一言アドバイス

今回は、「刑事事件と報道の関係」についてお送りしました。

刑事事件が報道されるか否かに法律的な基準はありませんでした。

しかし、報道される可能性の大小は理解できましたね。

刑事事件が報道されると会社や周りの人に事件が発覚してしまいます。

今後の生活にも大きく影響する場合があるでしょう。

事件が発覚する前に被害者側との示談など対処方法もあります。

刑事事件の当事者になってしまった場合はまず弁護士に相談することをお勧めします。

まとめ

ご自身や家族が刑事事件の当事者になってしまったときマスコミ報道されてしまうのかは非常に気になります。

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他にも関連記事がありますのでぜひご覧ください。