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窃盗の保釈金の相場はいくら?|初犯の相場は低い?

  • 窃盗,保釈金

窃盗をしたとき、保釈してもらうために保釈金はいくら必要なの?」

このような疑問をおもちの方もおられるのではないでしょうか。

今回は、窃盗で逮捕された場合の保釈金についてレポートします。

  • 窃盗の保釈金の相場はいくらなの?
  • 窃盗の保釈金はどうやって払えばいいの?
  • 窃盗で逮捕されているけれど、そもそも保釈はどういう制度なの?

などなど。

保釈に関する法律の問題は、刑事弁護に従事するアトム法律事務所の弁護士にお願いします。

刑事事件を取り扱った経験から、窃盗の保釈金の疑問についてお答えしていきます。

よろしくお願いします。

窃盗事件ごとに違う?それでも知りたい保釈金の相場

保釈金の金額の相場がわかれば、窃盗罪の保釈請求への不安が少し解消されるのではないかと思います。

そこで、次のようなことを取り上げます。

  • 窃盗の保釈金はどうやって決定されるのか
  • 窃盗の保釈金の相場
  • 実際のケースで決定された窃盗の保釈金

これらのことについて、まずレポートします。

ちまたの窃盗事件には種類がある!

窃盗罪で逮捕されて、そのまま勾留されて起訴されたとします。

そのケースで、勾留から解放されたいと思う被告人について、保釈が問題になります。

保釈してもらうためには、保釈金が必要です。

保釈金は、いったい、いくら納付すればよいのでしょうか。

保釈金については、一律に金額が決定されているわけではありません。

個別の事案で、裁判官が決定した金額を納付することになります。

裁判官が決定した金額を納付することにはなりますが、相場があるといわれています。

窃盗で逮捕された場合の、保釈金の相場は、単純な事件では150万円程度です。

ですが、相場よりも上回る保釈金が決定されることもあります。

個別の事案で、様々です。

裁判官は、被告人の資力などを参考にしながら、被告人の逃亡を防止できる金額を決定しています。

窃盗の保釈金の一般的な相場は、150万円前後

窃盗罪の保釈金レベル①【150万円の事例】

それでは、実際に保釈金が150万円だった事例を確認してみましょう。

窃盗で逮捕された3つの事件を表にまとめました。

それぞれの事件の内容を見ていきましょう。

下の表をご覧ください。

保釈金レベル①
事件の内容保釈金の金額
ショッピングモールで、衣料品など数点を盗んだ事件。150万円
ベランダに干してあったブラジャーなどを盗んだ事件。150万円
店内のレジなどから、現金約20万円を盗んだ事件。150万円

① のケースは、衣料品の万引きです。

万引きも、窃盗罪として処罰されます。

  1. ② のケースは、住居に侵入して下着を泥棒するパターンです。
  2. ③ のケースは、レジから現金を盗んだ事件です。

これらは、事件の内容は異なりますが、保釈金の金額はすべて150万円になっています。

窃盗罪の保釈金レベル②【200万円の事例】

次に、保釈金レベル②として、200万円の事例を見ていきましょう。

下の表をご覧ください。

保釈金レベル②
事件の内容保釈金の金額
電車内で、他人の財布を抜き取った事件。200万円
デパートで食料品などを盗んだ事件。200万円
150万円相当の腕時計を盗んだ事件。200万円
  1. ① のケースは、他人のお財布のスリをした事件です。
  2. ② のケースは、デパートで売られている物を万引した事件です。
  3. ③ のケースは、高価な時計を盗んだ事件です。

スリや、万引き、高価品など事例は異なりますが、すべて保釈金は200万円になっています。

窃盗罪の保釈金レベル③【250万円の事例】

では、さいごに保釈金レベル③を見ていきましょう。

こちらは、窃盗の保釈金の相場といわれる150万円を上回る、250万円の保釈金が決定された事例です。

表をご覧ください。

保釈金レベル③
事件の内容保釈金の金額
薬局で、健康食品を盗んだ事件。250万円
スーパーで、食料品を盗んだ事件。250万円
雑貨店で、タオル等を盗んだ事件。250万円

① のケースから③のケースまで、すべて万引きの事案です。

いままで紹介してきた窃盗の保釈金の表で、万引き事件はすべて登場してきました。

同じ万引きでも、保釈金の金額は、150万円、200万円、250万円と異なっています。

このことから、「万引き」だから保釈金は〇〇円という決まり方ではないということがわかります。

あくまでも、被告人の資力などの事情を考慮して、事件ごとに保釈金が決められています。

でも、どのような事情を考慮されているのか気になりますよね。

保釈金が決定されるときに、考慮される事項を規定した条文はあるのでしょうか。

刑事訴訟法93条2項で、保釈金の金額の決定の際に考慮すべき事項が規定されています。

「犯罪の性質及び情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産」などが考慮されます。

たとえば、被告人に経済的な余裕が比較的ある場合には、それも考慮して保釈金の金額が決定されます。

経済的な余裕についていえば、芸能人の例が挙げられます。

芸能人や有名人の方の場合、保釈金の金額は相場を上回ることが多いです。

窃盗初犯の保釈金の相場は?

窃盗について初犯だった場合、窃盗の保釈金はいくらになるのでしょうか。

初犯だと、保釈金は、相場を上回る金額になるのでしょうか?

そでとも、相場どおりの金額になるのでしょうか?

このような疑問が沸いてきます。

ここでは、「初犯」であるという事情が、保釈金決定の際、どのように影響するのか考えてみましょう。

初犯の場合、有罪だとしても、以下のような判決が想定されます。

  • 実刑判決ではなく執行猶予がつく
  • 実刑判決がでたとしても量刑が軽い

このような判決が出た場合、被告人が逃亡するおそれは低いと考えられています。

したがって、初犯の場合には、相場どおりの保釈金が決定される傾向が強いといえます。

【5つのQ&A】窃盗で逮捕・起訴された場合の保釈金

Q1.保釈金を払えないとどうなりますか?

保釈請求をして、保釈を許可してもらったとします。

でも、肝心の保釈金が用意できなかったとしたら、保釈金は納付できません。

このように、保釈金を払えない場合でも、釈放してもらえるのでしょうか。

保釈の許可決定が出ただけでは釈放されません。

保釈金を裁判所の出納課で納めてはじめて釈放の準備が始まります。

刑事訴訟法によれば、保釈金の納付後でなければ、保釈決定を執行できないとされています。

つまり、保釈金を払えない場合には、保釈されないことになります。

保釈については、請求だけでなく、保釈金の準備もしっかりとしておきましょう。

以下に、根拠条文を挙げておきます。

第94条第1項

 保釈を許す決定は、保証金の納付があつた後でなければ、これを執行することができない。

Q2.保釈金の納付方法は一括払いですか?

保釈金を分割して納付したいという方もおられるのではないでしょうか?

保釈金の納付方法としては、一括で納付しなければならないのでしょうか。

それとも、頭金を納付してから、いったん釈放してもらって、その後分割払いしていく方法はあるのでしょうか。

保釈金を納付し終わらなければ、釈放されません。

頭金としていくらか納付してから、釈放後、残金を納付するような納付方法はできません。

保釈というのは、「裁判所に保釈金を納付すれば、釈放される」という制度です。

裁判所に納付した保釈金は、被告人の逃亡などによって、没取されることになります。

このような事情からすると、保釈金の全額を一括で納付しなければ、保釈制度の目的が果たせません。

指定された保釈金額の一部を頭金として納付した後、被告人が釈放されるとなると、被告人の逃亡のおそれが高まります。

したがって、釈放後に分割して納付するというような納付方法はできません。

Q3.保釈金を納付しても返ってくる?保釈金制度はいかなるものか

保釈金を裁判所に納付するのに、なぜ返ってくるのか不思議に思われる方もいるのではないでしょうか?

保釈金制度はいかなる制度なのでしょうか。

保釈という制度は、保釈金を裁判所に預けることで、被告人は釈放してもらえる制度です。

「保釈金の納付」が必要なのは、釈放された被告人が裁判に出頭しない事態を防止するためです。

もし、被告人が釈放後、そのまま逃亡してしまえば、保釈金は没取されます。

法律上は、保釈金の「納付」という用語を使っています。

しかし、実際は、「保管」されている状態です。

保釈金は、没取されるまでは裁判所によって保管されています。

裁判が終わる時まで、被告人が逃亡や、保釈の条件に違反するなどの行為をしなければ、保釈金は返還されます。

保釈金は、いわば担保として差し出しているので、何もなければ返ってくるのです。

Q4.保釈金を誰かに借りることはできますか?

保釈を請求したくても、保釈金を用意できない方もいると思います。

その場合、保釈をあきらめるべきなのかと悩んでしまいますよね。

保釈請求の際に、保釈金を誰かに借りることはできるのでしょうか。

日本保釈支援協会に立替てもらい、実質的に借りるという方法があります。

保釈金は、必ず自分のお金から工面しなくてはいけないというものではありません。

被告人が保釈請求者であっても、親戚の方に借りたり、身元引受人の方に借りたりして工面して大丈夫です。

もし被告人本人が保釈金を用意できないとしても、だれかに借りて納付できます。

  • 親戚から借りる
  • 知人から借りる
  • 日本保釈支援協会から借りる

このようにお金を借りる方法で、保釈金を調達できることを知っておきましょう。

Q5.保釈金協会とは何ですか?

「保釈金 借りる」とネット検索したとき、保釈金協会という言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか?

この「保釈金協会」のひとつとして、日本保釈支援協会という団体があります。

こちらの日本保釈支援協会とは、どのような活動をしているのでしょうか?

日本保釈支援協会のホームページの内容を引用しました。

保釈保証金の準備ができないため、困っている方々が大勢おられるということを聞き、保釈保証金に困っている方々の支援をすることを目的に集まった有志の団体です。

日本保釈支援協会では、保釈金の立替や、保釈保証書の発行という事業をしているようです。

保釈保証書というのは、保釈金の代わりに差し出せる書面のことです。

この書面には、「記載された保釈金の金額を、いつでも納付する」旨が記載することになっています。

この保証書を出した人は、保釈金の没取が決まったときに、保釈金を納付する義務を負います。

また、全国弁護士協同組合連合会(全弁協)という団体も、保釈保証書の発行事業をしています。

ちなみに、全弁協では保釈金の立替はしていません。

以下に、日本保釈支援協会と全弁協のサービスをまとめてみました。

日本保釈支援協会と全弁協のサービス
日本保釈支援協会全弁協
保釈金の立替えあり*なし
保釈保証書の発行ありあり
*立替期間は2か月、立替手数料必要。

日本保釈支援協会の立替システムを利用してみたいという方もおられるのではないでしょうか。

くわしくは、日本保釈支援協会のホームページ上で、チェックしてみてください。

【コラム】窃盗罪で逮捕・起訴されてから保釈に至るまでの流れ

逮捕から保釈までの流れ

いままで、窃盗の保釈金について見てきました。

ここで、簡単に、逮捕されてから保釈されるまでの流れを確認しておきましょう。

以下の図をご参考になさってください。

保釈の流れ

保釈の請求は、起訴後にできます。

弁護士に保釈を依頼した場合には、弁護士が保釈の請求者になります。

そして、保釈が許可されるかどうかは、裁判官によって判断されます。

逮捕されてから一度も釈放されなかった被告人においては、起訴後すぐに釈放してもらいたいと考えるものです。

でも、起訴後すぐに保釈請求するためには、事前の準備が必要です。

具体的には、保釈請求書や、身元引受書の準備が必要になります。

保釈請求書や身元引受書の内容

まず、保釈請求書についてご紹介します。

保釈請求書には、必要的保釈の例外事由に当たらないことや、保釈の必要性などを記載します。

以下に、保釈請求書の記載の一例を示しておくので、参考にしてみてください。

保釈請求書の記載内容(一例)
1、書面の説明
・事件名
・被告人の氏名
・書面の名前(「保釈請求書」)
・宛名(裁判所の刑事部)
・日付と差出人(弁護人の氏名など)
2、請求の趣旨(保釈を請求すること)
3、請求の理由
・権利保釈が認められること(89条各号に非該当を説明)
・裁量保釈が認められるべきこと(90条を参考に)
4、添付資料
・示談書の写し、身元引受書、嘆願書

あくまで一例です。詳細は弁護士にお尋ねください。

次に、身元引受書の記載についてご紹介します。

身元引受書とは、釈放後の被告人の身元を引き受ける人物が、被告人の保釈条件の遵守や期日への出頭を誓約する書面です。

身元引受書の記載内容(一例)
1、書面の説明
・事件名
・被告人の氏名
・書面の名前(「身元引受書」)
・宛名(裁判所の刑事部)
・日付と差出人(身元引受人の氏名など)
2、書面の内容
・自分が身元引受人になる旨
・被告人に保釈許可の条件を守らせる旨
・被告人を指定の期日に出頭させる旨

あくまで一例です。詳細は弁護士にお尋ねください。

保釈請求書や、身元引受書などの書面の準備には、時間がかかります。

保釈請求したいと思ったときに、すぐに請求できるように早めに備えておきましょう。

保釈請求から保釈までの流れについては、下の表のとおりです。

保釈請求の流れ
保釈請求

検察官の意見

保釈保証金の金額の決定

保釈許可決定

保釈保証金の納付

釈放

以下に保釈の流れについて解説した動画もあります。

弁護士の説明を聞いてみたい方、ぜひチェックしてみてくださいね!

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さいごに一言

保釈金が準備できるか不安で、窃盗の保釈請求に尻込みしてしまう方もいるのではないでしょうか。

でも、今回のレポートで窃盗の保釈金の相場や、保釈金の立替ができることも、おわかりいただけたと思います。

窃盗の保釈金が用意できるか不安で、窃盗の保釈請求を躊躇している方もおられるのではないでしょうか。

ですが、窃盗の保釈金には相場があります。

納付した窃盗の保釈金は、逃亡などしなければ返還してもらえます。

このようなことを認識できれば、窃盗の保釈請求に踏み切れるのではないでしょうか。

ほかにも窃盗の保釈金について疑問があり、保釈請求できるか不安な方は今すぐに弁護士にご相談いただき、窃盗の保釈請求に備えていただきたいと思います。

今から準備にとりかかり、最短で釈放されるよう目指してください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

窃盗の保釈金についての疑問を解決していただけたでしょうか。

みなさまのお悩み解決の一助としていただけたら・・・と思います。

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