逮捕で名前は公表する?高校生など少年でも?逮捕された人の名前を調べるのは可能?
ご自身・ご家族が刑事事件を起こし逮捕されてしまった…
突然の出来事にパニックになり、今後のことを考えると不安でたまりませんよね。
その中でも、「逮捕されたら名前が公表されるのか」という点は大きいです。
ニュースなどで実名報道されると、その後の人生に影響してしまいます。
今回は「逮捕と実名報道の関係」に迫っていきます!
専門的な部分は弁護士の先生にお願いします。
逮捕後、ご自身や家族の名前が公表されてしまうのか、非常に不安になりますよね。
刑事事件を起こした成人の実名報道には、法律的な基準がありません。
しかし実際の運用から、一定の基準は考えられます。
それも踏まえ、逮捕と実名報道について詳しく解説していきます。
目次
【疑問3選】逮捕されると名前は公表される?高校生など少年でも?
マスコミの報道を見ていると加害者の名前が匿名の場合もありますよね。
事件を実名報道する基準はあるのでしょうか。
もし、ご自身やご家族が刑事事件で加害者になってしまったら…
名前が公表されるのかどうかは死活問題ですよね。
実名報道され、ネットに名前が載ってしまうと完全に削除するのは困難です。
逮捕で名前が公表される場合はどのようなケースでしょうか。
①逮捕されると名前は公表される?報道の実態を知る
前科がつくのは、刑事裁判で有罪が確定してからです。
しかし、世間やマスコミ・ネット上では「逮捕=犯罪者」という認識を持たれてしまうことが多いです。
たとえその後に「不起訴」や「無罪」を獲得しても、世間やネットに広まったイメージを拭うのは困難です。
実名報道されてしまうと職場や学校、結婚など「社会生活上の様々な場面」で、事実上の不利益を被る可能性があります。
刑事事件で逮捕されると名前は公表されてしまうのでしょうか。
逮捕の時点で勝手に実名報道するのは名誉棄損に当たらないのでしょうか。
犯罪に関する報道は、一般的に「公益の目的にもとづく公共の利害に関する事実」の報道と考えられています。
なお、刑法第230条の2第2項では、
「公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす」
と規定されています。
そのため、逮捕の事実を実名で報道しても名誉棄損が成立しないことが多いです。
犯罪に関する報道は名誉棄損に当たらないのですね。
事件にもよりますが、逮捕の時点で名前が公表されることもあるようです。
実名報道されるのはどのようなケース?
実名報道されるのはどのような事件の時でしょうか。
比較的軽微な刑事事件の時でもニュースで名前が公表されることもありますよね。
実名報道されるのはどのような事件の時か、決まっているのでしょうか。
明確な基準は法律で定められていません。
殺人や強盗致傷など、重大な刑事事件は実名報道される場合が多いです。
それらの事件は、特に公共性が高いと考えられるためです。
他にも「振り込め詐欺」「児童買春」など、社会問題になっている事件は名前が公表されるケースが多いようです。
②高校生や少年も逮捕されると名前を公表されるの?
成人が重大な刑事事件を起こすと、名前が公表される可能性が高いとわかりました。
では中学生や高校生などの少年が重大な事件を起こした場合、実名報道されるのでしょうか。
未成年が実名報道されているのはあまり見たことが無い気がしますが…
未成年が起こした少年事件は実名報道されないケースがほとんどです。
当該事件の加害者が特定されるような記事は、少年法61条によって規制されているからです。
もっとも一部の重大事件では、報道機関の判断で名前が公表される場合もあります。
未成年者は少年法によって守られているのですね。
少年法61条を確認しておきましょう。
家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。
出典:少年法61条
しかし、一部の重大事件では実名報道の可能性があるとのことでした。
未成年でも名前が公表されるケースとしては
- 社会的影響力の大きな重大犯罪で、少年の保護よりも社会的な利益を保護すべき場合
- 重大犯罪を犯した少年が逃走中で、さらに凶悪な事件が起こされる可能性が高い場合
- 重大犯罪を犯した少年が逃走中で、指名手配などの捜査に協力する必要性が高い場合
などが考えられます。
③逮捕された人の名前や逮捕歴などを調べることは可能?
ニュースで実名報道されれば、逮捕された人の名前を知ることはできますよね。
もし実名報道されなかった場合、逮捕された人の名前や逮捕歴を調べることは可能なのでしょうか。
原則的に、逮捕歴を調べることができるのは捜査機関のみです。
一般の方や市役所などは逮捕歴のデータベースにアクセスできません。
よって逮捕歴を調べられ、拡散されることは考え難いです。
なお、弁護士もアクセスできませんし、依頼によって逮捕歴を削除することもできません。
弁護士も逮捕者の名前を調べることはできないのですね。
もっとも、ネット上の噂話で名前が広まる可能性はあります。
しかも全て削除するのは難しいですから、噂話も含め、いかに名前が表に出ないかが重要です。
3つの最新ニュースから見る|逮捕で名前が公表される基準は…
では、ここからは実際のニュースを見ながら逮捕と実名報道の関係をみていきましょう。
もっとも、どの事件でも実名報道の明確な基準はありません。
あくまで、参考としてご覧ください。
①無免許運転で逮捕!名前は公表される?
では、初めに「無免許運転で逮捕されたケース」についてみてみましょう。
佐賀県警高速隊は14日、道交法違反(無免許運転)の疑いで、福岡県久留米市の会社員の容疑者(29)を現行犯逮捕した。(略)
取り締まり中の警察官が、容疑者の息子2人が後部座席でシートベルトをしていないのを発見した。2014年10月に免許を取り消されていた。
出典:佐賀新聞LiVE 1/15 8:45
こちらの会社員の容疑者は実名報道されていませんね。
続いて公務員が起こした無免許運転の事件をみてみましょう。
静岡県危機情報課課長の(略)容疑者(54)は14日、浜松市内で無免許で普通乗用車を運転した疑いで現行犯逮捕されました。(略)
警察によりますと、(略)容疑者は4年前の免許更新時に更新していませんでした。
出典:2018年1月16日 17時14分 テレ朝news
こちらは同じ無免許運転のニュースですが、実名で報道されていました。
同内容の事件にもかかわらず、なぜ差が出てくるのでしょうか。
被疑者の職業によって、実名報道の可能性が変わる場合があります。
報道される可能性が高いのは、公務員や教師、医師、専門士業、大手会社員などの場合です。
被疑者の職業が「公的な側面」を有する場合は、報道されるケースが多いのですね。
そう考えてみると、痴漢や盗撮などの比較的軽微な条例違反でも名前が公表されている報道を目にしたことがあります。
②文化財に落書き容疑で逮捕!名前は公表される?
新聞やテレビのニュースでも度々見かける文化財への落書き事件。
「落書き」という名前から、軽い気持ちでしてしまう方もいるかもしれません。
しかし、文化財や公共物への落書きは器物損壊罪に当たります。
刑罰は以下の通りです。
まとめ
器物損壊罪
器物損壊罪 | |
---|---|
意味 | 他人の物を損壊又は傷害すること |
刑罰 | 3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料 |
決して軽い刑罰ではないですよね。
さらに重要文化財への落書きは文化財保護法違反に問われます。
こちらはさらに重い処分が待っています。
公共物への落書きについてこのような呟きもありましたが…
実際に起こった事件はニュースでどのように扱われているのでしょうか。
長野県警長野中央署は10日夜、善光寺世尊院の釈迦堂の柱などに落書きしたとして、長野市内の無職の女(47)を建造物損壊などの容疑で逮捕し、発表した。女は容疑を認めているという。(略)
出典:朝日新聞デジタル 2017年10月10日23時29分
こちらは文化財への落書き事件ですね。
この事件は名前が公表されていません。
器物損壊でもこのようにネットのニュースになることはあるのですね。
器物損壊についてもっと知りたい方はこちら
③覚せい剤の密売人が逮捕!名前は公表される?
続いては覚せい剤の密売人のニュースです。
芸能人が覚せい剤で報道されるときには、実名報道で世間の注目を浴びますよね。
一般人である、密売人の最新のニュースを確認してみましょう。
インターネットで覚醒剤を密売したとして、県警は15日、住所不定、無職、(略)容疑者(47)を覚せい剤取締法違反(営利目的譲渡)容疑で逮捕した。容疑を否認しているという。
容疑は昨年8月、さいたま市内から武豊町の派遣社員の男(47)に覚醒剤を発送したとしている。(略)
メモや発送明細から客6人が浮上、うち1人が武豊町の男で、既に同法違反(使用)容疑で逮捕されている。県警は入手ルートや販売先を調べている。
出典:毎日新聞2018年1月16日 地方版
こちらのニュースでは実名報道されていますね。
覚せい剤の事件に関しても名前を公表するかどうかの明確な基準はないようですね。
覚せい剤事件について知りたい方はこちら
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最後に一言アドバイス
今回は「逮捕と実名報道の関係」について特集しました。
みなさんの疑問は解消されたでしょうか。
刑事事件で実名報道されてしまうと、様々な弊害があることがお分かりいただけたかと思います。
もし、逮捕された場合の実名報道を避けたいのであれば、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
早めに弁護士に相談することで、逮捕された際の実名報道を避けられる可能性が高まります。