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盗撮の後日逮捕(通常逮捕)の可能性|防犯カメラや被害届が証拠になる?

  • 盗撮,後日逮捕

盗撮の後日逮捕(通常逮捕)の可能性|防犯カメラや被害届が証拠になる?

2023年7月13日以降の事件は「撮影罪」に問われます。

「盗撮は現行犯以外で逮捕されないらしい・・・。」

このような話しを聞いたことがある人も、いらっしゃるのではないでしょうか?

でも、「盗撮を逮捕できるのは現行犯のときだけ」というようなルールはありません。

盗撮してから、ずいぶんと月日がたって逮捕されてしまうこともありそうですよね・・・。

そこで、今回は、

  • 後日逮捕される確率可能性
  • 後日逮捕されるまでの期間
  • 盗撮の時効
  • 後日逮捕の決め手となる証拠

について、レポートします。

盗撮の後日逮捕の実態については、刑事事件を得意とするアトム法律事務所の弁護士にお願いします。

よろしくお願いします。

盗撮の後日逮捕は、例が少ないといわれています。

ですが、ゼロではありません。

今回は、逮捕される可能性や期間など実例にもとづき確認していきましょう。

盗撮で後日逮捕は難しい?逮捕の確率・可能性に迫る!

(1)逮捕される確率・可能性は1%ってホント?逮捕の件数は?

盗撮は現行犯でしか逮捕されない?後日逮捕の【可能性】は…

駅のエスカレーターで、女性のスカート内を盗撮してしまった…。

このような盗撮は、ニュースでもよく報道されています。

で、盗撮行為を疑われた男がホームから線路に飛び降り、逃走した。(略)署は県迷惑行為防止条例違反などの疑いがあるとみて行方を追っている。

この事件では、盗撮したあと、犯人は線路を逃走してしまいました。

このように、盗撮後に逃げた場合、後日逮捕される可能性はあるのでしょうか。

盗撮の後日逮捕は、証拠が見つかりにくいため、難しいとされています。

ただ、

  • 第三者に目撃証言
  • 防犯カメラの映像

などによって犯人が特定され、後日逮捕される可能性があります。

もっとも、現行犯逮捕とくらべて、後日逮捕の可能性は低いといえるでしょう。

では、どのくらい確率で後日逮捕されるのでしょう・・・。

後日逮捕される【確率】は?【件数】は?

盗撮の後日逮捕の件数や、確率を確認できるデータはあるのでしょうか。

盗撮の後日逮捕に関する件数や、確率に関するデータはありません。

そのため、正確な数値はわかりません。

ただ、実際におこなわれている盗撮事件の件数からすると、盗撮が後日逮捕される事件は非常に少ないと考えられます。

警察の捜査状況について知ることはできないので、自分が逮捕されるか予測することは難しいでしょう。

後日逮捕される確率・件数については、わからないとのことでした。

参考までに、条例違反で検挙された盗撮の件数を見ておきます。

これは、平成26年の検挙件数です。

【参考】盗撮の検挙件数はどのくらい?
平成26年全国*東京都**
検挙件数3,256617
*法務省「第6編 性犯罪者の実態と再犯防止」,『平成27年版 犯罪白書』より(http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/62/nfm/mokuji.html) ここでの、「盗撮」は、都道府県警察において、「下着等の撮影」又は「通常衣服を着けない場所における盗撮」として判断したものをいう。 **警視庁『第67表 迷惑防止条例違反の送致状況』より(http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/jokyo_tokei/tokei/k_tokei27.files/ktd067.pdf)

盗撮されていても、被害者は、盗撮に気づかないこともあります。

そのような盗撮については、

  • 警察に認知されにくい
  • 盗撮画像がでてきても犯行が特定されにくい

といった傾向があります。

そのため、暗数はかなり存在していると考えられます。

これに比べて、事件が起きていることが明確にわかる自動車運転過失致死傷などの交通事故だと、約55万件検挙されています。

盗撮の検挙率について特集した記事があるので、もっと詳しく知りたいという方は、見てみてくださいね。

さて、後日逮捕されやすい事例特徴をチェックしていきましょう。

(2)後日逮捕されやすい事例とは?

盗撮の後日逮捕がむずかしいとされる理由は、証拠が見つかりにくいということでした。

では、証拠があったら、かならず後日逮捕されてしまうのでしょうか。

証拠があるケースでも、逮捕の必要性という要件が認められなければ、逮捕されません。

逮捕の必要性は、

  • 証拠を隠滅するおそれがある
  • 逃亡のおそれがある

などの事情がある場合に認められる要件です。

容疑が濃厚だと判断されても、逮捕されないこともあるんですね・・・。

逮捕の必要性
  • 証拠を隠滅するおそれ
  • 逃亡のおそれ

※これらの事情がないケースは後日逮捕されない。

では、逮捕の必要性が満たされるケースは、具体的にどんな事件なのでしょうか。

  • 防犯カメラの映像に犯行しているところが映っている場合
  • 何人も目撃者がいる場合

などは、窃盗容疑が濃厚です。

このようなケースで否認すると、逮捕の必要性があると判断される可能性が高いです。

実際に、盗撮容疑で後日逮捕されてしまったをチェックしてみましょう。

後日逮捕されてしまった例

▼容疑

コンビニ店内で、被害者のとなりに座りこみ、カメラ機能付き携帯電話を被害者のスカート内に差し入れた。

▼証拠

防犯カメラに、被害者と並んで立っている被疑者が映っていた。

犯行そのものは映っていなかった。

このケースでは、犯行そのもの映っていたわけではなかったようです。

ですが、警察が家に来て逮捕されてしまいました。

結論としては、勾留されずに釈放、不起訴でした。

冤罪だったのでしょうか?

弁護士さんに早期に相談したことが、功を奏したといえる事例ですね!

そのほかの事例につきまして、デリヘルでの盗撮で後日逮捕されるかは『デリヘルの盗撮がばれたら逮捕されるか?風俗トラブルを弁護士に聞く』で解説しているので、興味がある方はご覧ください!

盗撮の後日逮捕までの日数・期間|ケース別に紹介

(1)通報から1ヵ月たらずで逮捕!盗撮の後日逮捕が報道されたニュースとは…

実際に後日逮捕されるまでの期間についても気になりますよね。

盗撮犯が後日逮捕されてしまったニュースを見てみましょう。

【迷惑防止条例違反】で後日逮捕された例

まずは、迷惑防止条例違反後日逮捕されたニュースを見てみましょう。

エステ店の施術室にスマートフォンを差し入れ、女性客を盗撮したとして、兵庫県警姫路署などは24日、県迷惑防止条例違反の疑いで、エステ店店長の男(38)を逮捕、送検したと発表した。

(略)

逮捕・送検容疑は今年2~4月(略)10~20代の女性4人が全身脱毛している様子を盗撮したとしている。

 4月17日、女性客の1人が同署に「スマートフォンで盗撮された」と相談し、発覚したという。

このケースだと、被害者が警察に相談したことで、余罪が芋づる式に発覚したようです。

  • 被害者の相談が、4月17日
  • 逮捕された日が、5月24日

です。

およそ1ヵ月弱後日逮捕されてしまったようです。

この盗撮事件は、店長が、店内で盗撮していた事件でした。

そのため、犯人が特定されやすい状況だったと考えられます。

【不法侵入】で逮捕されることも!

この事件では、盗撮目的で住居に不法侵入したこと、つまり、住居侵入罪(刑法130条前段)が問題になっています。

埼玉県警羽生署は22日、住居侵入の疑いで、(略)容疑者(略)を逮捕した。同署によると、容疑を認め「盗撮するためだった」と供述している。

逮捕容疑は2月26日午前1時10分ごろ、(略)住宅敷地内に正当な理由なく侵入した疑い。住人の男性が「娘が入浴中に盗撮された」と110番した。

  • 住居侵入で通報された日は、2月26日
  • 逮捕された日は、3月22日

です。

この事件でも、通報から1ヵ月弱で逮捕されています。

被害者の通報から1ヵ月たらずで後日逮捕されることがある。

もっと、日がたってから後日逮捕された例はあるでしょうか・・・。

(2)「2か月後」に逮捕された例

盗撮がバレたとき現行犯逮捕はされなかったけれど、日がたってから後日逮捕されてしまったという例もありました。

2か月後に逮捕

▼事案

駅の自動券売機前で盗撮。

被害者のスカート内にスマホを差し入れた。

▼逮捕

事件発生から2か月後

▼結論

罰金20万円

この事件では、盗撮犯は現場で被害者に見つかってしまっています。

ですが、見つかった現場では、証拠が不十分で盗撮したかどうかが明らかにならなかった事案でした。

そのため、その日は、釈放されています。

ですが、後日、呼び出されて逮捕されています。

(3)「5か月後」に逮捕された例

盗撮を疑われて、提出したカメラから余罪発覚するということもあります。

この事件は、余罪について、後日逮捕された事件です。

5か月後に逮捕

▼事案

盗撮を疑われて女性に呼び止められた。

警察にカメラを提出した。

そのカメラの映像が、別件2件が浮上した。

▼逮捕

当初の通報から5か月後

▼結論

不起訴

この事件では、提出したカメラから、以前の盗撮が発覚してしまいました。

このように、余罪が後から発覚して後日逮捕されるというケースもあります。

この事件では、示談成立しており、不起訴になっています。

(4)逮捕される可能性は、いつまで続く?盗撮の時効は何年?

さて、盗撮の後日逮捕は、

  • 1ヵ月弱
  • 2か月
  • 5か月

といろんなケースがありました。

でも、逮捕される可能性は、いつまで続くのでしょうか。

最近、話題になったのが、時効直前で逮捕された犯人のニュースです。

今年4月以降に行方を探していたところ、13日に同市内の知人宅にいるところを見つけ、同日午後8時18分に逮捕した。さいたま地検は14日に(略)容疑者を強姦罪で起訴。起訴できなくなる公訴時効成立は15日午前0時に迫っていた。

公訴時効が成立してしまえば、起訴される可能性はありません。

公訴時効

犯罪終了後、一定期間が経過すると、起訴されなくなる制度

起訴されないということは、捜査もされなくなるということです。

たとえ盗撮していたことが明らかになっても、起訴されることはありません。

公訴時効は、起訴できる期間をあらわしています。

ですが、実質的に見れば、逮捕のリミットもあらわしています。

ただ、実際には、時効成立後も逮捕されてしまうことは、たまにあるようです。

ですが、その場合でも、すぐに釈放してもらえます。

さて、盗撮の時効は何年なのでしょうか。

盗撮といっても、成立する犯罪は、数罪あります。

そのどれにあたるかによって、公訴時効は違います。

公訴時効は、

  1. ①撮影罪だと、3年
  2. ②東京都の迷惑防止条例の違反だと、3年
  3. ③ 住居侵入など刑法130条の違反だと、3年
  4. ④軽犯罪法1条23号の違反だと、1年

になります。

なお、撮影罪とは、2023年7月13日に施行された「性的姿態等撮影罪」の略称で、体の性的な部位や下着などを相手の同意なく撮影したり、盗撮したりする罪のことです。

撮影罪が施行される以前は、盗撮を取り締まる際には基本的に各都道府県の迷惑防止条例が使われてきました。

2023年7月13日以後の盗撮事件については、原則撮影罪が適用されます。

盗撮の刑罰と時効についてまとめました。

盗撮の刑罰と時効
  • 撮影罪:3年
  • 迷惑防止条例違反(東京都):3年
  • 不法侵入(刑法130条前段):3年
  • 軽犯罪法違反(軽犯罪法1条23号):1年

それでは、次の項目で、後日逮捕の証拠について見ていきましょう・・・。

盗撮の証拠は防犯カメラ?被害届?後日逮捕の証拠に迫る!

(1)駅の盗撮やコンビニ盗撮の証拠は?防犯カメラ?

コンビニには、防犯カメラ(監視カメラ)が設置されていますよね・・・。

その映像が、後日逮捕の決め手になってしまうようです。

上越警察署は2017年2月22日午前8時23分、(略)容疑者(37)を県迷惑行為等防止条例違反(盗撮)の疑いで通常逮捕した。

同署によると、(略)容疑者は1月18日午前8時30分頃、市内のコンビニエンスストア内で女子高校生の背後に急接近し、小型カメラでスカート内を動画で盗撮した疑い。

19日に様子を目撃した店員が不審に思い、同署に通報した。同署は監視カメラに映る男の車のナンバーなどから男を特定した。

駅構内のケースでも、防犯カメラがあり、盗撮の様子が映っていれば、その映像が盗撮の証拠になります。

また、駅の盗撮だと、人が多いため、目撃情報が証拠になる可能性が高いでしょう。

(2)被害届なしでも後日逮捕された例は?

被害届なしだと、逮捕されずに在宅事件として取り調べを受けることが多いです。

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出典:https://atomfirm.com/wp-content/uploads/keijinonagare_2.png

被害届なしだと、逮捕されることはないのでしょうか。

逮捕には必ず被害届が必要というルールはありません。

過去には、被害届が出ていないのに、逮捕された後、20日間、身体拘束されていたケースもありました。

逮捕されるかどうか、勾留されるかどうかは、個別の事案によります。

逮捕後の流れについては、この図をごらんください。

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出典:https://atomfirm.com/wp-content/uploads/nagare.png

逮捕されたときからカウントして起訴されるまで最大23日間身体拘束がつづくこともあるようです。

事案が複雑になればなるほど、拘束期間は長くなる傾向があります。

「何日間、勾留されるのか」は、取り調べをおこなう検察官や、勾留を許可する裁判官次第です。

弁護士が勾留の必要性がないことを説得することで、勾留請求や勾留決定を阻止することもできます。

早めに相談して、迅速・適切な弁護をしてもらいたいところです。

さて、被害届なしの盗撮捜査について、もっと詳しく知りたい方は、特集記事があるので読んでみてください。

ここまで見てきて、

  • 自分の盗撮について、後日逮捕されるか可能性があるか相談してみたい・・・。」
  • 「もし後日逮捕されてたら、その後どうすればいいのか聞いてみたい・・・。」

こんなふうに思われた方も多いと思います。

さいごに、お手軽に相談できる窓口をご紹介しておきます。

無料相談もあるので、盗撮でお悩みの方は、この機会にぜひ弁護士に相談してみてください。

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さいごに

さて、今回は、盗撮の後日逮捕について特集しました。

盗撮の後日逮捕は少ないといわれています。

ですが、逮捕の可能性がまったくないわけではありません。

自分が捜査対象になっているかさえ、わからないケースもありますが、心あたりがある場合には、早めに弁護士さんに相談しておきたいですね。

いつ逮捕されるのかということは、捜査の進展具合によるため、わかりません。

ですが、盗撮の現場に監視カメラがあったり、だれかに目撃されていたりすれば、後日、警察から呼び出されることもあるかもしれません。

今のうちから相談しておくことで、適切な弁護をしてもらえる可能性が広がります。

また、被害者との示談もスムーズに進められるでしょう。

盗撮の後日逮捕でお悩みの方は、今すぐ弁護士にご相談いただければと思います。

なお、本記事に記載したこと以外で逮捕前に知っておきたい情報は『逮捕されたくない人必見の正しい対処法|条件を知れば怖くない』にまとめているので、興味がある方はご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

盗撮の後日逮捕に関する疑問が少しでも解消していただけたなら、さいわいです。

さっそく、弁護士に相談したくなったという方、今回ご紹介したサービスで早期のお悩み解決をめざしてくださいね。

また、このサイト内には、盗撮についてのコンテンツがたくさんあります。

本記事以外で、盗撮に関して知っておきたい情報は『盗撮がバレた時の正しい対処法|示談で刑事処分を避け平穏な解決を』にまとめているので、興味がある方はご覧ください。

また、関連記事も要チェックです!

盗撮の後日逮捕に関するQ&A

盗撮の後日逮捕ってある?

盗撮の後日逮捕は、証拠が見つかりにくい為、難しいとされています。しかし、第三者の目撃証言や防犯カメラ映像によって犯人が特定されて、後日逮捕される可能性もあります。また、証拠があるからといって、必ず後日逮捕されてしまう訳ではありません。証拠隠滅のおそれがあるや逃亡のおそれがあるといった場合に後日逮捕が認められます。 盗撮の後日逮捕について

後日逮捕までの日数?

通報から1カ月、2カ月、5カ月で逮捕された事例があります。犯人が特定されやすい場合は、1カ月ほどで逮捕されることがあります。また、盗撮目的で不法侵入した場合も1カ月で逮捕された事例があります。さらに、盗撮が現行犯でばれたが証拠不十分で釈放されたケースで、後日呼び出されて2カ月後に逮捕されたという事例もあります。また、提出したカメラから余罪がばれて、5カ月後に逮捕された事例もありました。 後日逮捕の事例

盗撮の時効ってある?

盗撮にも、犯罪終了後一定期間が経過すると起訴されなくなる公訴時効があります。盗撮には、成立する犯罪が数罪あり、どれにあたるかによって公訴時効が変わります。例えば、東京都の迷惑防止条例違反の場合は3年、住宅侵入などの刑法130条違反の場合は3年、軽犯罪法1条23号の違反の場合は1年となっています。 盗撮の公訴時効について